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2013.07.08

[書評]ライフ・プラン: どんな男性でも健康を維持し、セックスを楽しみ、強くしまった体が持てる(ジェフリー・ライフ)

 人間誰でも年を取り老化するものだが、それに抵抗していつまでも若くいようという「アンチ・エージング(抗老化)」という健康分野がある。僕は自著『考える生き方』(参照)にも書いたけど55歳。今年は56歳。あーあ。どうしても老化は自覚される。しかたがないから受け入れようという思いと、でもじわじわと老化していくのも嫌なもんだなという思いがある。病気も抱えているので(これも自著にも書いたけど)、できるだけ健康に留意しないというのもある。そんなこんな。
 そこでたまにアンチ・エージングの世界も覗いて見る。最近ではなんとなくツイッターでこの分野の権威である高須克弥先生(68)歳からツイートもらって、叱咤されることもある。けっこう面白い。


左ガッツポーズが高須克弥先生(68)

 米国でアンチ・エージングのスーパースターといえば、ジェフリー・ライフ先生である。ライフ(Life)って言う名前、洒落かなと思ったけど、どうも本名らしい。ライフ先生もまた凄い。


左が57歳のとき。右が74歳のとき。


近影

 うぁ、これはすごい、と思うけど、この手の高齢ボディビルダーの人もいることも知っているので、そんなものかなあとも思っていた。
 でも、このところ筋トレを始めるようになったので、ちょっと気になってライフ先生の本を読んでみることにした。結果からいうと2冊、Kindleで読んだ。翻訳があるのかについては知らない。あったら、コメント欄ででも教えてください(コメント欄は、ブコメは罵倒を書くためにあるわけでもないので)。

cover
The Life Plan
 『ライフ・プラン:どんな男性でも健康を維持し、セックスを楽しみ、強くしまった体が持てる(The Life Plan: How Any Man Can Achieve Lasting Health, Great Sex, and a Stronger, Leaner Body)』(参照)が一冊目。これ読んだときは、実は続編があるのを知らなかった。冒頭からいきなり、こうかます。

 ほとんどの男性、私も含めてだが、二通りに自分を定義するものだ。人生で何をしたかということ、それと、ベッドの上でどうしているかということ。

 人生で何をしたかについては僕も先に触れた自著で書いたけど(とほほな人生でした)、ベッドの上でどうしているかについては、なんであれ、ちょっと書くのをためらう。70歳を越えたライフ先生はどうされているのかと読み進めると、具体的には書いてない。でもまあ、書いてあるといえば書いてある。それを含めてこんな感じだ。
 ライフ先生、50歳のときに下腹ぽっこりの体型だった。筋肉も衰えてきていた。お医者さんでありながら見るからに不健康な状態。仕事にも熱が入らない。セックスの気力もない。ED状態。ど・メタボ。自分の姿を鏡で見て、ずどんと落ち込む。ライフ先生、59歳。離婚もした。だめだめちゃん。
 とか思うけど、離婚後、ささっと20歳年下の恋人を見つけちゃう。おい、EDはどうした。精神的な恋愛だったのかい。
 そんなある日、友だちがボディ・ビルの雑誌をくれた。いっちょやってみるかな、とライフ先生は思った。そこはお医者さんだから、医師仲間にも助けてもらった。実はあとでわかるのだけど、20歳下の恋人催眠療法家で、メンタルな援助もあったみたいだ。
 かくしてメタボなライフ先生が一念発起して筋トレに励み、高齢枠のボディ・ビルのコンテストに挑むこと5か月。1998年に優勝しちゃった。60歳のマッチョ。やったね。
 というわけで、みんな筋トレに励みましょうという話なんだろうと読んでいくと、さにあらず。ええ? 数年後、トレーニングしているのに下腹が出てきて筋肉も減少。ありゃりゃ。
 2003年、ライフ先生は男性の老化を扱う医学を知り、ホルモンレベルの調節をした。すると、ばっちグーな体型に戻った。72歳のとき、恋人と正式に結婚した。知的能力もアップし、20代の学生に混じって経営学も勉強し、MBA(経営学修士)も取得した。
 という話を読んで、僕は、なーんだ、そういうことか、とちょっと落胆した。と同時に、自分もそういうふうにホルモン・レベルの問題を抱えるようになるんだろうなと思い、そういう点からこの本を読むのもいいかもしれないとも思った。ところが。
 そのホルモンの問題は、それなりにページは割かれていてタメにはなるのだけど、基本的に一般論的にしか触れられていない。具体的には医療の問題になるから個人個人診断が必要になるということらしい。
 同書の内容のメインは、アンチ・エージングの話やアンチ・エージングの食生活(ダイエット)の話。それからワークアウトとして、柔軟、筋トレ、エアロビと続く。どれもタメにはなるけど、それほど驚くような知見はない(でも基本を知らない人には便利にまとまっている)。
 逆に言うと、筋トレは重要だけど、柔軟やエアロビも重視されているんだなあと思った。加えて奥さんの補助らしいけど、心理的な側面についてもけっこう言及されていた。米国の医療保険の話などもあり、このあたりは別の意味で面白い。
cover
Mastering the Life Plan
 もう最新の一冊『ライフ・プランの修得 健康で締まった強くセクシーな身体(Mastering the Life Plan: The Essential Steps to Achieving Great Health and a Leaner, Stronger, and Sexier Body)』(参照)だが、目次を見ると前作の焼き直し感があって、これどうなんだろうと思ったけど、書評などを読むとこれはこれで評価されているみたい。なので、どうかなあと疑問に思うより買って読んでみた。本というのはいろいろ読まない理由を付けるより、そんな手間があったら読んじゃうほうがいいもんですよ。
 「ライフ・プラン」というメソッドを売りにしている点では、前著と同じなのだけど、こちらのほうがメソッドが強調され、説明も詳細。ホルモン問題も当然一般的ではあるけどかなり踏み込んで書かれていた。書籍としては、前作のほうがライフ先生のパーソナルな面が出ていて良かったかなという感じもするけど、新著のほうではそういう話は前著で済んだというスタンスだった。
 ワークアウトの点では、前著のころからライフ先生が学んでいたピラティスの話題が増えていた。とはいえ、ピラティス・マシンはごく簡素なものだった。
 余談だが、日本でもピラティスがいつごろからかブームになっているけど、ピラティス・マシンをきちんと使う説明書みたいなのは見かけない気がする。そういえば、筋トレでも書籍とかだとダンベルやチューブや自重ものが多い。自分も筋トレやってみてわかったのだけど、マシンは最新式のきちんとした使ったほうがよいので、なんというのかなあ、日本の書籍って限界があるなあと思う。自分が30代に入れ込んだヨガなんかでもそうだけど。
 そういえば、ダイエットについてライフ先生はもう一冊新著を書いている。『ライフ・プランのダイエット(The Life Plan Diet)』(参照)。Kindle版は出ていない。
 関連してライフ先生のこれらの本、日本で翻訳するとどうなんだろうかとも思った。自分なんかにはすんなり理解できて良書、特に『ライフ・プランの修得』のほうはかなり実際的なんだけど、簡単でお気楽で安価な対応が求められちゃう日本だと難しいかもしれないと思った。
cover
ヤル気がでる!
最強の男性医療
(文春新書 919)
 ついでと言ってはなんだけど、男性高齢化のホルモン関係で『ヤル気がでる! 最強の男性医療 (堀江重郎)』(参照)も読んでみた。これはこれで一冊、書評で取り上げたほうがいいのかもしれないけど、この分野の最新状況がわかって便利な一冊だった。
 ライフ先生の本を先に読んでいたので、特にテストステロンについの新知見では同じことが書かれているなという部分も多かった。日本でこういう本が出るということは、自分もこれから老いていくどこかでホルモンチェックしたほうがいいのだろうなという参考にもなった。なお、こちらの本でも、ライフ先生の本同様、食事やサプリメントの話も多いが、多少違うなあという部分もある。
 こちらの本の特徴とも言えるのは、前立腺癌について、とくにPSAマーカーについての議論だろう。現状、健康診断のPSAマーカーの検査には疑問が付けられているが、著者・堀江先生ほど明瞭な知見のある医師のもとであれば、有益なのだろう。あと、癌一般についても言及され、癌幹細胞についても触れられている。一般書で癌幹細胞が出てくる時代になったなあとしみじみした思いもある。
 50過ぎた男性であれば、この本は一読しておくとよい本だと思いますよ。
 
 

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コメント

水を差して申し訳ないんですが、高須氏の体は整形手術によるものです。本物の筋肉ではなく、脂肪。種明かししないとは高須氏も人が悪い^^;
http://www.takasu.co.jp/operation/diet/michelangelo.html

投稿: | 2013.07.09 10:52

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