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2013.05.16

結婚がオワコン(終了)とネットで話題になるのはなぜなんだろう

 この冬ごろだっただろうか、ネットで「結婚はオワコン」という表現を見かけるようになった。オワコンというのは、「終わったコンテンツ」の略で、コンテンツというのは「中身」という意味。普通は、提供されるサービスの中身ということ。各種サービスが人気がなくなったり時代遅れになると、実際に終了になってなくても「あれはオワコンだね」とか言われる。もうダメだねという意味だ。結婚がオワコンというのは、結婚なんかもうする人はいないよ、という意味なんだろう。
 結婚なんてもうする人はいないよ、というのは、でも、どうなんだろうか。本当なんだろうか。
 この手の話題は、個人の主観が背景にあるにしてても、主観で言ってもしかたがないから、いろいろ統計みたいなものが出てくるわけなのだが、個別にどのネットの記事がというのもなんだけど、それって「結婚はオワコン」という命題をサポートしている統計値なのか、なんかのギャグなのか、よくわからないことが多い。
 これはもしかすると、ネットによくある大喜利ネタなのかもしれないなと思った。では僕もちょっと統計とかひっぱりだして、似たようなネタを作ってみようかなとも思った。
 ネットのネタには元ネタというのが必要だし、それなりに根拠がありそうな元ネタを使うと話題になりやすいので、内閣府にある比較的近年の「平成23年3月 少子化社会に関する国際意識調査報告書」(参照)にある結婚の話題を拾ってみた。ちなみに、ブログのネタを誤解する人が多いので、あらかじめ言うと、内容に関心があるならブログのネタなんか読んでなくて、元ネタをきちんと読んだ方がよいと思いますよ。あるいは本を買うとか。ネットの無料コンテンツは、現状、広告的なリンク集くらいの意味しかないんだから。
 ネットのネタなんてそんなもんよ、ということで、話芸やアオリで引っ張るのが大喜利の特徴だが、それもなんなので、ここは最初に結論だけで示しておくと、結婚がオワコン、ということは、全然なさそうだ。
 あれです、オワコンに見えるのは定義の問題というか、定義の詐術みたいなものはないか。
 結婚とは何か? いろんなこと言えるし、僕の経験談な考察については自著『考える生き方』(参照)に書いたのでブログでまでは書かないけど、統計とかで見る場合は、定義が必要になるわけですよ。そこで、公的な定義というのは公的な関わりをどう見るか、あるいは、実態をどう公的に把握するかということになる。ちょっと難しい言い方をすれば規範的に見るか記述的に見るかというか。
 結婚を公的制度として見ると、当然各国で制度が違う。という点で、それを考慮せずに杓子定規に比較するとまじめくさったナンセンスな人気エントリーが出来ちゃう。だからネットのネタになるというのもあるけど、この手の話題は、まず実態から見るのが社会学的な考え方だろう。
 その意味で、結婚というのが個人によるパートナー生活選択という点でオワコンなのかと問うなら、実際に長期にわたり同棲している関係も、国際比較上は事実上の婚姻関係と見るといい。
 その場合、同性の結婚というのはちょっと複雑なのだけど、男女の長期同棲なら、出産や育児にも直接関係しているので、やはり公的には、長期の男女同棲も広義に結婚の関係と見てよいだろう。実際、内閣府の調査もそうした実態から見ている。
 どうか。制度的な既婚と同棲関係を合算して広義の婚姻形態として見ると、日本、韓国、米国、フランス、スウェーデンの文化的な濃淡があると見られる先進国の代表五国で比べると、あんまり差がない。グラフは各国とも2005年と2010年の二期を並べているが、内訳は変化しても総数はあまり変わっていない。

 どういうことかというと、制度とか時流によって、制度的な結婚にするか、私的な同棲にするかという違いは先進国ではあっても、基本的に広義の婚姻形態にはあまり変化がないということだ。結婚、全然、オワコンじゃないじゃないですか。
 別の言い方をすると、日本の場合、未婚率の上昇が出生率低下の要因という議論が多いが、実態はそれほど他国と変わっているわけでもない。ただし、これにはちょっと留保がある。内閣府の報告書でもそこは触れている。
 これも結論からいうと、日本の場合、若い世代で既婚・同棲率が低いためだ。言い方はなんだけど、欧米の場合は若い時代の同棲中に、まずぽこんか、ぽこぽこんか、とりあえず子供を産んでしまうということのようだ。
 日本の場合は、そうしたことがあまりないのか、あるいはそこで産む前に留めてしまうということかなとも推測する。
 報告書を読んでいくと、日本の40代だと、結婚・同棲経験率は他国より低いわけではない。どうやら長期同棲の関係が形成されるのが日本の場合、40代近くにずれ込んでいると見てもよいだろう。
 なかなかよい人に巡り会えないという思い込みの妥協が付くのが30代後半ということではないだろうか。そして事実上の結婚関係に至るのが30代半ばというようになったので、出生率が低下しているとも見てよさそうだ。
 報告書は、ではどうすればいいかについては、若い世代が広義の婚姻関係が維持できるような収入の安定が重要だといったありきたりな結論にしていて、それはそうだろと思うが、関連で、ちょっとなあ、結婚阻害について、ああ、それがあったかあ、という要素の指摘があった。親の介護である。
 単純な話、30代半ばに婚期となると、男女双方、親の介護をどうしよう問題が結婚に関係しているわけだ。これはちょっときついだろうな、と他人事みたいに言うけど。
 このあたりで、僕もブロガーらしいことを考えたのだ。
 親の人生を子供の人生と切り離せるように、親の婚姻関係のほうも変えやすくしたらよいのではないだろうか。親子ぉという関係を薄くするというか。
 あるいは、若い時に出産に至る婚姻関係をためらうのは結婚を重視しすぎているので、もっと結婚を軽くしたらよいのではないか。カジュアルに、ツイッターでブロックするみたいに。あるいはその人にとって現在の結婚がオワコンなら新しく別のを始めるとか。
 結婚というは、男女とも、人生のライフサイクルに合わせる変動的なありかたと見ていってもよいだろう。米国とかだと、すでにそうなっている感じで、若い時のパートナー、中年期のパートナー、老年期に至るパートナー、というふうに婚姻が特定のライフサイクルの出来事化してきている。
 ただし、その米国でもそうだけど、結果はたいていの場合、中年の男が若い女と結婚するということにはなりそう。
 
 

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コメント

人は、天才かキチガイでない限り、あと出家しない限り、男女ともになんだかんだで寄り添って生きているはずなんだけどねー。

まぁ、男尊女卑がオワコンになりつつあるってことなんじゃない。終らせたくてしょうがないのでしょう。かなり難しいけどね。性風俗がビジネスでおおぴらになっているうちは・・・(ちなみに、あれは合法ではなくて無法です。合法なら、法によって守られているはずです。現実は、一切守ってもらえないビジネスだし。あと、ピンハネされていた、原発や除染の労働者も、無法。)

まぁ、実質、夫婦になると、女の方が強くなっていて、性風俗までいかなくても、近所の接客業にいってとか。とにかく、男尊女卑は、日本は、韓国よりひどいままってことは確かかもね。韓国大統領は、身内の不祥事があったから静かにしているのだろうけど、激怒しているでしょ。

ま、若い人にアドバイスするなら、男女の間に目的も目標ももたず、ただ、そばにいるだけでいいって、いっしょにでかけたり食事したりすればいいんだよ。それと、天才とキチガイだけには恋しないこと、笑。すごい苦労するだけ。ま、それでも、一人で生きるぐらいなら、とにかくそばによっていくことかな。人って、空間テリトリーをこえることができれば、それだけで充分やっていけるよ。犬や猫にもできることなんだから、人間なら、もっとエレガントにできるんだよー。

投稿: | 2013.05.16 18:51

あとね、二人なら、貧乏な方が幸せだったりするよ。子育てはたいへんなことは大変だけど、昔よりは、法で守られているし。

しっている話の多くの中の一つの例、駆け落ちするようにふるさとをすてて、6畳一間で風呂もない、くみとり便所の借家に暮らしていて、子供一人が大きくなったら、ちょっと一部屋増築して。で、高度成長経済のおかげで、もっと立派な家に住むようになったけど、結局、そのときの思い出が一番幸せだったみたいだったなぁ。

ただ、貧乏で一人っていうのは、天才かキチガイか出家以外は、不幸だ。絶対不幸だ。

投稿: | 2013.05.16 18:57

無駄に長い文章でごまかしてるだけの記事ですね

投稿: | 2013.12.09 08:34

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