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2012.03.03

パズルタイム:野田首相と谷垣自民党総裁の極秘会談

 パズルタイムの始まりだ。野田首相と谷垣自民党総裁の極秘会談はあったのか? あったとすれば誰が何を目的にしたものか? さあ、命がけのパズルタイムを楽しもうぜ!
 第一問、極秘会談はあったのか?
 あったとすれば、時間と場所が特定される。そして、その時間に野田ちゃんと谷垣さんが同席していないとするアリバイが成立すれば、会談はそもそもなかったことになる。まず報道から見ていこう。
 2月29日、日経新聞掲載「首相と谷垣氏、25日に極秘会談の情報 両氏否定」(参照)より。


 野田佳彦首相と自民党の谷垣禎一総裁が先週末の25日昼に会談していたとの情報が29日、与野党内で流れた。同日の政府・民主三役会議に出席した党幹部によると、藤村修官房長官は「外(向け)には会っていないということだ」と説明した。
 首相は25日に国会近くのホテル内の日本料理店で藤村長官と約1時間昼食をともにしたが、その間、谷垣氏と極秘に会っていたというものだ。

 1日、産経新聞「野田-谷垣、週末極秘会談 話し合い解散模索か?」(参照)より。

 野田佳彦首相が、自民党の谷垣禎一総裁と週末の25日に首相公邸でひそかに会談していたことが29日、分かった。複数の関係者が明らかにした。

 2日、FNN「野田政権発足から半年 野田首相、自民・谷垣総裁の極秘会談めぐり政界には波紋」(参照)より。

2月25日午後1時前、野田首相は東京・虎ノ門のホテルを出た。この日、公式には、ホテル内の日本料理店で藤村官房長官と食事をしたとされていた。ところが、ホテルを出る直前、野田首相は、ひそかに谷垣総裁と会談していた。

 他、報道を見ても、会談場所とされているのは、(1)ホテルオークラ内日本料理店、(2)首相公邸、(3)ホテルオークラ内のどこか、の3説のようだ。
 なぜ、ホテルオークラと首相公邸がキーワードになるのかというと、25日の野田ちゃんの公式記録から逆に推定されているためだ。
 1日、読売新聞「密談の成果?消費増税で息ピタリ…議場どよめく」(参照)より。

 首相は25日、東京・虎ノ門のホテルオークラ内にある日本料理店で藤村官房長官と昼食を取るために外出した以外、首相公邸で過ごしていたとされる。

 番記者証言より(参照)。

総理番31)野田首相は都内の料亭で、手塚首相補佐官、蓮舫前行政刷新相と食事中です。開始からまもなく2時間半。外は雨は止んだものの、かなり冷えます。

 1日、時事「首相と谷垣氏、極秘会談情報=両者とも否定」(参照)より。

 首相は25日昼、このホテルにある日本料理店で、藤村修官房長官と約1時間会食したことになっている。谷垣氏との会談がこの間に行われたとの観測が、29日に浮上。ただ、首相は同日夜、首相公邸前で記者団に「会ってません」と否定し、谷垣氏も党本部で記者団に「全くなし」と打ち消した。
 一方、民主党幹部によると、29日の政府・民主三役会議で藤村長官は「外(向け)には会っていないということだ」と説明したという。

 報道の経緯からは、首相公邸説が薄れホテルオークラ説に変わっているように見える。
 また、報道経緯からわかることは、記者たちが極秘会談をかぎつけたのは29日で、会談があったとされる25日から4日が経過していることだ。その間は、記者たちにも極秘であったか、箝口令が敷かれていたか、あるいは記者にもおもてにできない理由があったかだが、疑念はあっても確証はなかったのではないか。
 記者たちが疑念をもっていた可能性があるは、時事報道では「約1時間会食」とあるが番記者は「開始からまもなく2時間半」としており、会食後が不審に長いようすがうかがわれるからだ。ただし、首相動静では2時間半とはなっていない(参照)。

 午前8時現在、公邸。朝の来客なし。
 午前11時46分、公邸発。同50分、東京・虎ノ門のホテルオークラ着。同ホテル内の日本料理店「山里」で藤村修官房長官と会食。
 午後0時47分、同所発。同53分、公邸着。
 午後1時55分から同2時16分まで、サッカー日本女子ユース東北選抜メンバーらによる表敬。藤村官房長官同席。
 26日午前0時現在、公邸。来客なし。(了)

 首相公邸説であれば「朝の来客なし」で隠したかということになるが、それも想定しにくい。食事後の首相公邸会談も想定しづらいので、極秘会談があるならこの時間帯が疑われるのは筋が通っている。
 谷垣自民党総裁のアリバイだが、これがはっきりしない。「谷垣禎一総裁 定例記者会見」(参照)より。A回答は谷垣氏。

Q 党内でも総裁が会われていないという事をはっきりさせて欲しいと言う声がありまして、例えばその29日の正午前後に、どちらで何をなさっておられたか、ここでお示し頂く事はお願いできますか。
A 我が家に居ました。
Q そうしますと、正午前後でなくて、25日はずっと…
A なんか今の話を聞きますとね、被疑者の取り調べの様ですが、私が責任を持って、お会いした事は無いと、申し上げている。私はそれだけで十分だと思います。それ以上この問題について、どこで何日アリバイを示せと言う事には、お答え致しませんし、する必要も無いと思います。

 ここでアリバイが立証されれば、25日極秘会談説は消えるのだが、以上のように消えない。疑念は確実に残る。よって、第二問に進めることができる。
 第二問、誰が何を目的にしたものか?
 会談なので、(1)申し出者、(2)申し出者の思惑、(3)仲介者、(4)仲介者の思惑、がある。申し出者が仲介者であることもある。
 申し出者は、(1)野田首相、(2)谷垣自民党総裁、(3)その他。ただし、仲介者はその他の誰かと重なるだろう。
 現状、報道を見ると、財務省仲介説が出ている。2日、テレ朝「“野田・谷垣極秘会談”財務省幹部らが仲介」(参照)より。

 党首討論の4日前、先月25日に行われた野田総理大臣と自民党の谷垣総裁の極秘会談は、財務省の幹部らが仲介していたことが明らかになりました。
 関係者によりますと、野田総理と谷垣総裁はともに財務大臣経験者で、消費税の増税による財政再建という方向性についてはおおむね同じ考えです。このため、消費税の増税による財政再建を目指す財務省の幹部らが間に入り、極秘会談を実現させたということです。会談では、消費税増税法案の成立を前提に総選挙を行う「話し合い解散」についても話し合われた模様です。ただ、2人とも依然として極秘会談は否定しています。

 実際のところ、申し出者が、野田首相または谷垣自民党総裁であっても、仲介者が必要であり、かつ仲介者の同意と思惑が前面に立つことになる。そこで、野田首相かまたは谷垣自民党総裁が申し出者であったかという考察より、両者が仲介によって得られるインセンティブ(意欲刺激)を重視して考察してよいだろう。
 そしてこれは、かなり明白に、(1)膠着した政局の打開、(2)消費税増税大連立、(3)両者の敵対者の排除、というあたりになる。
 3の排除に主眼を置くなら、民主党内の造反勢力である小沢グループ、自民党内の反谷垣派ということになるだろう。
 1と2は重なるところが多い。なんとなれば、膠着した政局の打開の目的は消費税増税大連立だからだ。
 素直に考えていけば、極秘会談の目的は消費税増税大連立と見てよいだろうし、それに賛同して仲介する勢力が財務省であるとする説は簡素に成立する。
 しかし、テレ朝報道からわかることは、仲介者が財務省だということではなく、「仲介者が財務省だ」と証言する関係者の存在だけである。そこから考えれば、この関係者は、財務省陰謀説を唱えることでメリットを得る存在だと言える。
 まとめると、確実に言えることは、財務省陰謀説を唱えることでメリットをえる関係者が「極秘会談」に関係しているということだ。
 さてパズルを解いていこう。
 解法のキューは「極秘会談」のすっぱぬきを実施した人物・勢力である。その人物・勢力があぶり出せれば、今回の「極秘会談」の全貌が見える。現状ではそこがわからないが、財務省陰謀説を唱える関係者との関係は深いだろう。
 ここで解法の補助線を一つ引く。
 「極秘会談」と言われて騒がれているが、そもそも「極秘会談」なるものが成立するだろうか? 実際にすっぱ抜かれているわけだが、誰かがすっぱぬけば極秘にはならない。
 ということは、野田ちゃんと谷垣さんは「極秘」性を信用したのか? あるいは「極秘」がいずれすっぱ抜かれるリスクを想定したのか? 
 ここからは私の心証である。
 野田ちゃんも谷垣さんも、腹心がなく、極秘会談をもちたいとするインセンティブは、先に述べたように存在する(大増税)。だが、「極秘」が暴露されれば、両者がダメージを受けることは確実で、それのリスクとインセンティブとのバランスが二人に想定されていただろう。
 インセンティブが強いのは、野田ちゃんだろうと、とりあえず仮定してみる。増税に責任を持つ与党指導者だからだし、かつ与党に裏切りの可能性を抱えている長でもあるからだ。加えて野田ちゃんは「正心誠意」でなんとかなるという単純な人なんでその手のまんじゅうを食うことはあるだろう。
 野田ちゃんに財務省が支援することも想像しやすい。とすると、その線で財務省が谷垣さんに声をかけたと考えてもよいが、では谷垣さんはそこでインセンティブが強いというバランス結果を出したか。
 谷垣さんにも「極秘会談」のインセンティブはあるが、リスクも高い。むしろ、事後、アリバイを問われてあたふたするあたりからは、愛すべき脇の甘さが感じられるし、さらにこれは、嵌められたという印象を持っているのではないかとすら思える。
 私の印象だが、谷垣さんは結果的に嵌められたのだろう。会談が決裂したというより、嵌められたようなまずい事態に直面してあたふたしたのではないか。谷垣さんは「極秘会談」が成立すると考える野田ちゃんほど単純な人とも思えない。また、あとですっぱ抜いてマスコミのバカ騒ぎを仕掛けるほどの悪人でもない。
 ツイッターらしい愉快な関連話題もある(参照)。

河野太郎‏ @konotarogomame
谷垣総裁がホテルオークラで、野田総理とあったのかどうかを話題にしていたら、おもむろに石原幹事長がポケットからホテルオークラのクッキーを取り出して配り始めた! twitpic.com/8qhcqg

 河野氏、および石原氏の思惑がはっきりと読み取れないが、ある種の滑稽さは感じられるし、それは自民党での、谷垣さんの支援の弱さに関係したものだ。
 陰謀めいた話を考えるとき、証言の吟味に加え、俯瞰的に「誰がその利益を得るのか?」という視点もはずせない。
 今回の「極秘会談」だが、本当に「極秘」なんてものがあると信じられる前提なら、財務省の陰謀論あたりが一番成立しそうだが、おそらくそれはナイーブすぎるだろう。
 暴露が前提だと考え、そしてその構図で誰がメリットを受け、誰が一番ダメージを受けたのか、そう見直してみる。
 ダメージを受けた人ははっきりしている、谷垣さんだろうし、谷垣自民党である。ということは、谷垣さんをおとしめ、谷垣自民党にダメージを与えることでメリットをえる勢力が、今回の陰謀めいた話の裏にいると想定するのが一番自然だ。
 選択肢で見ていくなら、それは民主党内の造反分子か、自民党内の造反分子だろう。後者が今回の陰謀劇を滑稽に見ていることは河野氏のツイッターから窺えるが、逆にその滑稽さは首謀的でないことの裏返しである。
 そう考えていくなら、残るのは、民主党内の造反分子であり、その筆頭に疑われるのは、誠に残念ながら、小沢グループだろう。
 ただ、そこが当初からこのバカ騒ぎを計画していたというより、財務省と野田ちゃんの軽薄な動き、そして脇の甘い谷垣さんの滑稽な踊りを横目で見て、「極秘」なんて想定するお子ちゃまに一泡吹かせてやろうとしたくらいが真相なのではないか。陰謀を茶番にしてくれたなら、GJ!
 
 

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2012.03.02

ウォーキングには心拍計付き時計を

 適度な運動が健康によいと言われているが適度にするには心拍数の管理が重要になる。ジョギングでも身体への負荷を調整するためにハートレートモニター(参照)を使う人が多い。私もPOLAR(ポラール)のを使っていた。が、いちいち胸バンドをするのが大げさに思えてくる。また、心拍数を管理しながらのエクササイズにと先日「カラダトレーナー」(参照)を買って使ってみた話は書いたが、小うるさいメッセージや安っぽいデザインにはいまいち感もある。ウォーキングとかなら、もっと簡便な心拍計付き時計が欲しいな。
 ウォーキングを健康のためにする人は多い。歩けば気分転換で健康にいいのだが、そういう心理的な効果だけではなく、身体的な健康維持として有酸素運動にするなら適度に心拍数に上げる必要があり、それだとちょっと競歩に近いウォーキングになる。ウォーキングも負荷の調整が意外と難しい。心拍計を見ながら適切な負荷をかけることが重要になる。
 当初、心拍計付き時計はmioモーション(参照)かと思っていが、基本機能が同じでやたら安いSOLUSというのを知って、どうなんだろこれと悩んだ。ごく基本機能だけでいいのでとりあえず買ってみた。正確には、SOLUS Leisure 800(レジャー 800)ホワイト(参照)という機種。結論から言うと、いいですよ、意外に。

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SOLUS Leisure 800)ホワイト
 使い方だが、心拍数が知りたいときに、表示板の金属リングに指で触れると、数秒して心拍数が表示される。基本はそれだけ。腕の血管血流を赤外線か何かでモニターしているようだ。以前は指で触れるだけで計測するタニタの安価な電子脈拍計というのを使っていたが今ではもう売ってない。あれを時計に組み込んだんだろうなという印象。
 注意したいのは、POLARみたいに常時心拍数を計測しているわけではないので、表示板のリングに指で触れるまでは心拍計測しないこと。ジョギングやウォーキングしていて、心拍上がりすぎたときに自動的に知らせてくれるわけではない。不便かなと思ったのだが使ってみると、これは慣れですね。ちょっと心拍上がったかなというときに計測すれば事は足りる。

 もう一点注意したいのは、計測までに多少時間がかかること。10秒くらいかかる。その間、まだかまだかと見つめることになるのだけど、これもまた慣れ。計測したいとき、リングに指を触れておけば、計測完了時に「ピッ」と音がするので、それを聞いてから見ればいい。慣れるとランニングでもウォーキングでも自然に対応できるようになる。
 ついでにもう一点注意したいのは、うまく計測できないことがある。冬場とか寒くて乾燥しているとうまくいかない。時計が人肌くらいになると計測ができるようになる。
 機能には、ストップウォッチとかラップ計測も含まれる。心拍数の上限下限の設定もできる。計測時に設定を越えていると「ピッ」が継続的に鳴る。便利な機能かというと、表示板を見なくても設定がわかるというメリットはあるし、その設定値内のだいたいの時間の累算もしてくれる。また、一定期間の消費カロリーの累算の機能もある。
 でも私の場合は基本機能だけで十分。これだけでも、特にエクササイズの時間が取れないときに、ちょっと街中を早歩きすて心拍数の調整ができる。通勤通学をウォーキングに充てると人にも、心拍数管理ができて便利ではないか。

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SOLUS Leisure 800 ピンク
 自分としてはこれでいいやという感じだが、買うときにデザインは気になった。ベルトにいろんな色が選べる。ピンクとかもある。これらはレディースで柄が付いている。無地はというと、白と黒だけ。黒かな白かな。iPadに合わせて白、というわけでもないけど、白にした。多少目立つ。でも、なんかおっさん臭くなくて気分がいい。
 ところでなんでmioと比べてこんな安いんだろうと疑問に思った。本社は香港らしい。中国製ということなのか。それとこれってmioのパクリじゃないかなと思うけど、べたなパクリでもないし、そもそも見た目は違う。心拍計付き時計ということで意匠の問題はないのだろう。
 余談だけど、イライラしていて沈静したいとき、心拍数を見つつ落ち着かせるといった用途にも使える。
 
 

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2012.02.29

[書評]無一文から億万長者となりアメリカンドリームをかなえたヨシダソース創業者ビジネス7つの法則(吉田潤喜)

 タイトルで釣ろうするブログの記事くらい長くて、うんざりするような書名だが、ようするに、「ヨシダのタレ」の吉田さんが説くビジネス教訓書、書名のとおり、無一文から億万長者となりアメリカンドリームをかなえた成功物語、と思っていた。読んでみると、若干違う。いや、けっこう違うかもしれない。どっちにしても、この人は本当にすごい人なんだというのがじわじわと来る。

cover
無一文から億万長者となり
アメリカンドリームをかなえた
ヨシダソース創業者
ビジネス7つの法則
 「イチローの次に有名な日本人」と言われる吉田潤喜なのだそうだから、あらためて紹介する必要もないのかもしれないし、ご本人のサイトでもサクセスストーリーが甘くこってりと語られている(参照)。1949年、京都に在日コリアン7人兄弟の末子として生まれ、それで差別もされた。父親はカメラマンだが稼ぎもそこそこ。母親が焼き肉屋など各種商売をして子どもたちを育てた。4歳のとき彼は、姉とふざけあってか右目に針が刺さり失明した。本人いわく「片目のチョーセン人」。それだけで大きなハンデを負った人生の始まり。少年時代はグレもしたらしい。でも「こんちくちょう、今に見とれ」でやってきたとのこと。
cover
ヨシダグルメのたれ
お試しセットボトル
 1969年、東京オリンピックを見て米国に憧れ、単身渡米。そして不法就労者となった。まさに無一文。空手ができるので米国で空手道場でしのぐ。そこで空手の弟子たちに母から教わった焼肉のタレをプレゼントに配ったら評判がよい。かくして「ヨシダグルメのたれ」のビジネス化で億万長者、ブラボー、アメリカンドリームということだが、本書を読むと、ただの一発屋のサクセスストーリーではない。実際のところ、ヨシダさんは各種ビジネス手がけるヨシダグループの総帥でもあり、まさに米国を代表する普通のビジネスマンである。
 現在ではMBA相手にビジネスも教えているそうだ。彼はビジネスについてこう問いかける。

「一台のバスがあるとしよう。このバスを目的地まで動かさなければいけないとき、あなたはまずどんな行動に出るか?」

 彼の答えは、「とっとと動かしたろか!」。
 禅問答のようにも聞こえる。MBAクラスの学生はその答えをくだらないと思うらしい。そこでヨシダさんは話を展開し、起業家の本質である起業家精神(entrepreneurship)を示していく。

こういうことはMBAクラスでは教えてくれない。あれはこうやったら成功(失敗)するというただの統計学やからな。

 そこをすぱっと見抜いている。


 じんとくる逸話もいろいろ書かれている。
 不法就労時代に結婚して娘が生まれて4日目、ようすがおかしい。黄疸で生死五分五分という状態。「誰かのために命を捨てられると思ったのはこのときが初めてだった」と彼は言う。病院で5人の専門家が24時間体制5日付き添い、ようやく赤ちゃんは快方に向かうのだが、同時に、保険に入っていない彼はどれだけ支払いができるかと悩む。一生かけて返せるかとも思ったそうだ。が、請求書は250ドル。病院ではそういう人のための寄金があった。これを吉田さんは恩と思い、今では小児がんなどへの慈善事業もしている。
 アメリカンドリームというと、「無一文から億万長者」への成功というふうに考えがちだが、そうではなく、多くの人に夢を与えるような慈善家になることである。その意味で、絵に描いたようなアメリカンドリームが描かれている。

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