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2012.12.29

Kindle Fire HDを買った話

 そういえば、19日だったか、Kindle Fire HDが届きましたよ。iPadもあるし、Kindle Paperwhiteもあるし、Kindle 3もあるというのに。それをいうなら、iPod touchとかAndroid端末も他にあるけど、うへえ。

cover
Kindle Fire HD
世界で最も売れている
7インチタブレットの後継機種
 Kindle Fire HDはどうだったか?
 もうトラブル続き。頭イテーという状況。
 いや、Kindle Fire HDが不良品とか故障とかいうのではなくてですね、クラウドサービスが大混乱していた。クラウドの連携がうまくいかないなんてもんじゃない。死んでたというレベル。なにこれ、七面鳥死んでいるじゃないですか、でも、焼いたら食えますよ的な状況。まいったのなんのって。
 困ったので、Amazonに連絡して連絡して……連絡して……迷路。どうなっとんのということで、いろいろやってみて原因は不明です。いまだまともに、Kindle Fire HDは使えません。
 ただしこれは、私だけの特殊な状況かもしれません。
 その前だったかに、いろいろ考えて、USアカウントと日本アカウントを統合した。決め手は、オーディブルに影響がないということだったので。マガジンはだいぶ悩んだんだけど諦めた。なんだかんだあって、この統合が、めっちゃ大変でした。今思うと、やっぱりやらないほうがよかったかなと悔やむくらい。
 いちおう、Kindle本については、日米アカウントが統合したので、以前買った洋書も最近買った和書も読めるようにはなった。そのくらい。あ、音読機能はKindle 3より優れていて、けっこう自然です。
 音楽は全然ダメ。アマゾンからすでに70曲くらい買っているけど、これがKindle Fire HDで死亡中。PCを経由すれば使えないことはないのだけど、Kindle Fire HDのサービスとしては最低な状態。困った。
 それにつづいて、ドキュメントサービスも死んでいた。もう勘弁してくださいよ、アマゾンさんという状況。
 そして、現在、梨のつぶて。
 それはないんじゃないのというので、たまに、どうですか、なんとかなりませんかねと声をかける。
 このまま、望み薄なんでしょうかね。
 それはそれとして、つまり、クラウドサービスは沈没という状況でKindle Fire HDを評価すると、まあ、普通です。
 アプリがグーグルプレイから購入できない仕様になっているのには、知っていたけど、こんなにアプリ少ないんだというのは、びっくり。裏技で、グーグルプレイを入れる手もありそうだけど、さらにめんどくさい状況になりそうなので、諦めた。
 結局、Kindle Fire HDはだめだめか?
 それが、そうでもない。
 ラジオとして使っている。Radikoはないのだけど、どうせ私はあまり民放聞かないので、NHKラジオが聞けるならいい。これも「らじる」がないのだけど、なんとかNHKラジオは使えています。Tunein Radioとかいうアプリで聞ける。
 ほいで、音が、いい。
 なるほど、ドルビーですかね。
 最初、やっぱ音も大したことないなと思っていて、放置していたけど、せっかくクリスマスなんでクリスマスソングでもぶちこんでみっかとやってみた。ちなみに、この作業でもトラブル続出。ファイル構造が違うから井桁の入った曲名とかでエラーになるのな。
 クリスマスんときは、それで、曲を流しっぱなしにしていた。
 慣れたら、そんなに音悪くない。いいんじゃないの、ラジカセ代わりです。
 そうそう、ラジカセが欲しかったんですよ。サンタさん。
 あと、アプリにろくなものがないけど、毎日一個、無料アプリというのがあって、ゲームが多いけど、じゃあというので、ゲームを落として、ゲームやってますね。ペンギン載った氷をしゃっしゃっと切るゲームとか、猫に追っかけられた鼠がロケットに乗るとか、まあ、そんなの。
 とりあえず、ラジカセだと思えば、Kindle Fire HDもそんなに悪くないというのが、とりあえずの結論。
 欲張らなければいいんですよ。ラジカセ、ラジカセなんです、これ。
 
 

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2012.12.27

第二次安倍内閣雑感

 第二次安倍内閣が誕生。率直な印象を言えば、これは事実上の麻生クーデターだったなということ。その割にはぬるい構成にも見える。考えてみると、麻生クーデターを最終のところで読み切ったのは谷垣さんだったかもしれない。
 別の言い方をすれば、この内閣の最大の敵は自民党内部だし、加えて、政治家経験の少ない新勢力所帯だろう。自民党は古くさい政党というより、民主党と似たような党になっている。壊れるときはちょっとした不和から、がっちょんといくかもしれない。
 第二次安倍内閣の当面の課題は金融政策である。その焦点について率直に言えば、来年4月8日に任期満了になる白川方明総裁の後任人事ということになる。誰か。
 元財務次官の大和総研・武藤敏郎理事長になれば、この内閣の行方はもう見切ったということになる。財務省主導型のなんちゃってリフレである。それでも民主党政権時代よりはマシかもしれないし、現実的に見ればそのあたりでしかたないかもしれない。財務省を敵に回して政権が維持できるとも想定しづらい。
 他に日銀人事には、伊藤隆敏・東京大学教授の声も上がっている。副総裁という声もある。武藤氏よりはよい人選ではないかとは思う(参照)。また、1.5%インタゲ論の日銀副総裁の経験者・岩田一政・日本経済研究センター理事長の声も聞くし、そのあたりは現日銀体制の許容だろう。普通にナンセンスな人事という意味で。あと、竹中平蔵・慶大教授の線は普通にありえないだろう。
 サプライズ人事は岩田規久男・学習院大教授だろう。内閣官房参与の国際金融担当に浜田宏一・米エール大名誉教授、本田悦朗・静岡県立大教授が入っているので、まったくあり得ないことではない。そうなったら、すげーびっくりするが。
 日銀人事は政局に近い話題なのでノイズも多く外部からはよくわからない。しかし概ね、武藤・伊藤という体制になりそうな感じはする。いずれ、その枠組みを見てから、第二次安倍内閣を評価しても遅くない。
 メディアではざっと見渡すと、慌てているようだ。いろいろ怨念もあるのか、参院選の仕込みなのか、わけのわからない第二次安倍内閣バッシングの兆候がすでに見られる。前回その路線で内閣をつぶせた成功体験をなぞっているという点で、極めて保守的な動向である。しかし、内閣官房参与にこの手の対応になれた、小泉純一郎元首相の政務秘書官を務めた飯島勲氏が入ったので、さすがに前回のようなぶざまなことにまではならないのではないか。
 現時点で第二次安倍内閣の問題があるとすれば、あまり議論を見かけないようだが、金融政策の基本方針と整合しない政策は何か、ということになる。他方、社会保障関係は三党合意で実質棚上げになっているのでさほどの課題ともなりえない。
 財政政策の観点からは、内閣官房参与として入った藤井聡・京都大大学院教授の国土強靱化政策や、甘利明・経済再生・社会保障税一体改革・経済財政政策担当相の動向が注目される。
 どうなるか。概ね、バラマキというのはこの政権の成り立ち上、避けられない。国土交通相に入った公明党の太田昭宏前代表もこの路線だし、麻生さんも基本、この文脈になる。むしろ金融緩和とのバランスの許容をどこまでと見るかということになる。少なくとも麻生さんは、経済成長がなければ消費税増税は無理という指針をすでに強く出しているので、民主党政権時代のように、早晩地獄が見える的な状況は回避されている。
 外交・軍事関連については、民主党鳩山政権のような派手なパフォーマンスはないだろうし、参院選までに派手な動きも出て来ないだろう。またここで中国や南北朝鮮が火元になって動いたら米国を刺激することになるので、それもないように思える。
 とはいえ、夏の参院選が近づくにつれ、前回安倍内閣バッシングのような状況は盛り上がるだろうし、そのなかで「やっぱり安倍政権はへたれたか」ということになっても何ら不思議ではない。
 しかし野党勢力は、バッシングよりも、違憲状態の選挙制度への協力の点で健全性が評価される。安倍政権がいわゆる右傾化するのであれば、健全な受け皿の指針は、選挙制度改革の視点から探るとよいだろう。
 
 

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2012.12.25

finalvent's Christmas story 7

 KFFサンタクロース協会にいくつか裏の顔があることは知っている。SEつまり「サイエンティフィック・エンカレッジメンツ」もその一つと言えないこともない。科学教育普及の看板を掲げているが、本当にそれだけが目的なのか。しかしマリーからSEの支援に行ってほしいという話が夏にあったとき、とりあえず引き受けることにした。その日がクリスマスなのも気がかりだった。
 支援先は、カイロにある英国国教会系のスクールで開催される講演会である。主役は2002年にノーベル生理学・医学賞を受賞したシドニー・ブレナーと、その弟子にあたるサミュエル・ショルマンという若い学者だ。彼もブレナーと同じヨハネスブルグ出身とのことだった。ブレナーの講演は以前一度聞いたことがある。非常に面白かったが、今ではもうけっこうなお年のはずだ。
 10年前と代わり映えのしないカイロ空港に着いてみると、ブレナーは出席できないとのメッセージが入っていた。最初からそういうことだったのかもしれない。結局当日は、ショルマンが一人、ミトコンドリアについての話をした。
 私はといえば、そのあとの分科会の教室に集まった20人ほどの高校生にSEからのプレゼントとしてウレタンで出来た細胞の模型を渡すことになっていた。直径40センチほどのボールで、内部の色とりどりのパーツは取り外しもできる。「細胞」と言われなければ、とても細胞には見えない。生徒に行き渡ったので簡単に説明することにした。
 「細胞を開けてみましょう。真ん中のこれが細胞核です。核膜に覆われています。これを幾重にも壁のように取り巻いているのが粗面小胞体。ショルマン氏が講演で語ったミトコンドリアは細胞核から離れて多数存在しています」など。
 説明していくことで、生徒も細胞の模型らしく思えてくるのではないか。
 生徒の一人が「模型でもミトコンドリアは原核生物のように見えますね」とさりげなく言った。長く黒い髪がコイルのようになっている。ユダヤ系の印象がある。
 私は「そうですね。そしてミトコンドリアのDNAは核のそれと異なります」と、生徒の関心をひいてみる。
 「ミトコンドリアが継いでいるのは母系のDNAだけ。そうですよね」と生徒は答える。
 私は「そうです」とゆっくり答える。
 生徒は私の目を覗き込むように「なぜミトコンドリアは細胞内に共生したのでしょうか?」と問いかける。この年代特有の顔つきだ。こんなとき大人は実は何も答えることができない。
 「科学は『なぜ』に答えるのが難しいのです」と私は言い、言葉を足す。「『どのように』というなら、リン・マーギュリス博士は、太古に二種のバクテリアが細胞に侵入し共生した結果だと考えました。最初の侵入で核が形成され、次の侵入で酸素をエネルギー源にできるようにしたという仮説です。」そう答えながら、昨年11月に亡くなったリンのことを思い出した。年を取ってもチャーミングな女性だった。
 「ハイパーセックス!」うしろにいた背の高い生徒が高い声で叫んだ。
 数名の生徒はまたかという感じで顔をしかめている。
 私はその生徒に「彼女の本を読みましたね?」と問いかける。
 生徒は即答する。「ドリオン・セーガンとの共著ですよ」
 「そうでした。よく勉強していますね」私はその生徒に答え、「しかし、共生をセックスとして理解するのは詩的な比喩ではないかと思いますが」と加える。
 すると先ほどの巻き毛の生徒が「セックスだからこそ、死を受け入れたのではないですか?」話に割り込んでくる。彼はふざけてはいない。
 「どういうことですか?」私はこの子の思いに関心が向く。
 「ミトコンドリアの共生は、多細胞生物にとって死の獲得でもあったと思うのです」
 「アポトーシス、つまり自死のことを言いたいのですか?」
 「仕組みはそうです。問題はその意味です。生命が生きるためにセックスをして死を受けれたのではないですか?」
 「詩的ですね」そう私はつぶやいてみたものの、その先をどう答えてよいかわからない。いつからか、私はそうした問いについて考えることをやめていた。いや、問い続けている自分を認めたくなかった。
 正直に「私にはわからない」と答えた。科学が答える疑問ではないと言うことは控えた。
 背の高い子はまた笑いながら「科学は『なぜ』に答えるのが難しい、のですね」と言う。さほどからかっているふうでもない。
 私は生徒たちを包む何かに自分が問われているように感じた。この生徒たちを生み出すに至った多数の死者たちが、問いかけているのかもしれない、なぜ私はここにいるのか?
 ふと気がつくと、生徒たちは、私が自分の内面に引きこもりそうになったのを少し心配げに見ていた。
 笑っていた生徒も、「気分を害されたのなら、申し訳ありません」と謝った。
 「いや、そんなことはありませんよ」と私は答えたが、それ以上は言葉が詰まった。
 分科会を終えて教室を去ろうとすると、あの二人の生徒が「メリークリスマス」と私に呼ぶように声をかけた。私は驚いて振り返った。
 「そうだったね、メリークリスマス」
 それこそが、ここに来た意味だったのだろう。それこそが、ここにいる『なぜ』の答えだった。
 問いかけ続ける者に祝福は贈り物として与えられる。私も受け取ることになっていたのだった。
 
 

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