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2012.11.06

[書評]93歳・現役漫画家。病気だらけをいっそ楽しむ50の長寿法(やなせたかし)

 いつまで生きているんだろ。自分のことである。十代のころ20歳まで生きないよなと思っていた。生きていた。それでも20代には40歳になる自分なんか想像つかなかった。あっさり越えた。しかたないんで50歳まで生きられないだろうなと延長した。実際、もう死ぬかもぉとも思ったが、まだ生きている。ブログ書くようになってから、よく死ねばいいのにみたいなお言葉もいただくくようなった。それって長寿効果があるのかもしれない。最近、輿石東先生や石原慎太郎を見ていてそう思うんだ。

cover
93歳・現役漫画家。
病気だらけをいっそ楽しむ
50の長寿法
 先のことはわからない。もしかしたら、60歳過ぎても生きているどころか親父の享年もするっと越えて65歳とか70歳とかまで生きているんじゃないだろうか。80歳……90歳……逆にそれもホラーにも思える。ホラーマン。そういえば、と93歳のやなせたかしの「93歳・現役漫画家。病気だらけをいっそ楽しむ50の長寿法」(参照)を読んだ。
 はっきりいうと、スカスカな本である。しかも後半は高齢者向け健康食品のカタログじゃねーかとか思ったけど、いやけっこう感服してしまった。読んでよかった気になった。93歳になっても生きているんだというリアリティががっつーんと来たし、率直にいうけど、こうすると人間90歳まで生きるものかと、なんつうか、反省いたしましたよ。先生、93歳で毎日筋トレしてますね。
 やなせたかしといえば、アンパンマンである、ということになっているが、僕にしてみると、アンパンマンはやなせ先生の新しいキャラだなと思っている。1970年代の半ばごろに出て来た新キャラじゃんというか。記憶によるんだが、僕が小学生だった1960年代、やなせたかしはNHKの番組に出て来て、壁にはった模造紙にマジックですらすら絵を描いていた。あれ、なんというのだっけ。と調べてみるとわかるもんだね。「まんが学校」である。月曜の夕方6時からやっていた。司会は立川談志だった。あのころやなせたかしは何歳だったんだ? 引き算すると、45歳。ほえぇぇ。立川談志は28歳だよ。まだ20代だったんだ。そういえば、水森亜土ちゃんもよくNHKで絵を描いていた。あれは1970年ころだっただろうか。30歳ころかあ。
 やなせたかしは当時私が通っていたお習字の先生とよく似ていたんでその連想もあって懐かしい。お習字の先生はその後、どうなさったのだろうか。そういえば、先日、昔の町を散歩して先生の家まで足を伸ばしたが、廃屋っぽかった。お子さんがなかったように記憶している。そういえば、やなせたかしもお子さんはなかったようだ。
 なんといっても、やなせたかし、93歳ってすごいな。しかも、矍鑠(かくしゃく)としているではないか。と、思っていたのだが、この本読んで知ったのだけど書名通り、「病気だらけ」らしい。病気の総合商社とか言っている。そのリストを見るに、これはすごいわ、現代医学。癌も二個所摘出しているし、心臓はペースメーカー。目は白内障・緑内障。そして糖尿病。恐いです。生きているって、こういうことなのかホラー。


 人生ままならぬ。


 65歳まで仕事をしたら引退し、カミさんに見守られながら、ささやかな人生の最期を迎える。
 そんなふうに考えていたのですが、人生というのは想定通りにはいかないものです。

 そういう想定の外しもあるわけですね。

 漫画家としてなかなかヒット作が出なかったのが、「まもなく60歳」というところになって、なんとアンパンマンが大ヒット。65歳のころは仕事に追われ、引退どころではありませんでした。

 幸運というのだろうか。
 そういえば、都知事をやって80歳まで元気ですをやってた鈴木俊一も2010年99歳で死んだ。というか、99歳まで生きていた。まあ、確かに元気そうだったからなあ。
 あーもう、なんだか、よくわかんねえや。とりあえず、やなせ先生お薦めの、タマネギの酢漬けでも作って毎日食うかな。
 
 

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コメント

 病気だらけでも恙無く生きられるなら、それが当人さんの持ち運なんでしょうね。運の良し悪しだの総量だの形式(どう発露するか)は人それぞれだしコレと決まったものでは無いんでしょうけど、その人なりに活かして生きられるなら、それでいいんじゃないですかね?

投稿: のらねこ | 2012.11.07 02:41

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