« おなかいっぱいになるまで食っているんじゃねーよ。偉そうに人を批判なんかするなよ。 | トップページ | ベンガジ襲撃事件のその後 »

2012.10.25

Kindle日本進出、しかしなあ

 朝方iPadを見ていると、Kindleアプリの更新が入っていて、おやっと思って見ると、やはり今日から始まる日本サービスの対応だった。さすが対応が早いなとも思ったが、以前からこれ、日本語の辞書などもこっそり内蔵していたから、あらかた準備は出来ていたのだろう。さて、問題は、米国アマゾンのKindleサービスとの連携である。
 ネットの情報を当たってみると、米国で購入済みのKindle書籍は日本版のKindleでも利用できるとのことで、ほっとしたのだが、その仕組みを調べたら、なんのことはない、日本と米国のアカウントを統合しろというのだ。それでもいいかと思ったら、とんでもないことがわかった。一度どっちかに統合したら戻せないというのだ。しかも、米国と日本でKindleのサービス内容が違うのである(参照)。
 先日Newsweekが電子版のみになったのだけど、これって、実際のところKindleで読むようにできている。それが日本アカウントに統合すると配信されなくなるということのようだ。ぽかーん。
 余談だが、昨日配達された日本版Newsweekには、日本版のほうは今後も変わりありませんとのお手紙が入っていた。版元はまた変わるかもしれないけど、日本だとまだまだ電子マガジンは無理だろう、広告媒体として。
 Newsweekだが、両方読んでいる人は知っていると思うけど、日本版Newsweekは本家とけっこう違う。抄訳がすさまじいこともあるし、総じて日本スタッフが書いた記事は残念なクオリティであることが多い。とはいえ、本家よりも国際政治に配慮して、slate、globalpost、diplomatなどの記事も混ぜていて、そこは便利だ。もうちょっと編集力がアップするといいのだけど、そうすると売れなくなるし、広告も取りづらくなるのだろう。
 で、Kindleだが、日本アカウントに米国アカウントを統合すると、Newsweekなどマガジンがなくなってしまう。さらに、Audibleの統合もなくなる。この点についてはたぶん、Audibleだけ別アカウント作れないこともないだろうと思うが、そのあたりで、うへーめんどくせーになってくる。
 あと、当然だがドル建てではなくなる。そのあたり、iTMSみたいにレートでぼったくりはないかなと見たけど、さすがアマゾンは妥当なレートだった。とはいえ、米国アマゾンだとさらにディスカウントがあったり、他にもいろいろ購入できたり、品揃えも豊富だったりもする。結局、米国アカウントを捨てるわけにもいかず、とほほ。
 というわけで、洒落にもならない、Kindle、二つ持ちということになりかねない。
 すでにPaperwhiteのKindleは日本サイトで予約したが、これも、米国版では使えないといことになりかねない。しかたないか。
 iPadのKindleアプリは、米国サービスに紐付けしておくしかないし、iPodのほうはaudibleと併せてやはり動かしたくない。
 当面、日本版のKindleサービスは無縁かなと思ったのだけど、そういえば、以前のSIMなしのArc(android)が腐っていたことを思い出し、引っ張り出して、Wifiにつなげて、こちらのKindleアプリを日本サービスにつなげてみた。なお、こうした使い方するとき、米国と日本と同じメールアドレスだとトラブルが起きるのでご注意。片方のアカウントが見かけ上消えてしまう。メールアドレス、イコール、アカウントということが原因で、実際にはアマゾンはシステム的には日米が統合されているからなのである。
 Arcの画面なので、旧iPod/iPhoneよりやや広めだが、こんなものかなという印象。ルビがどんなものか、以前青空Kindleで、うひゃと思った「渋江抽斎」を落として表示してみた。おや、これはかなり、グット。さすがでした。もしかして、Kindle for Windowsでも表示できるのかと思ったら、こいつはそもそも日本サービスに非対応でした。Kindle Cloud reader と同じ。つまり日本サービスに非対応。フォントの問題かな。
 他に魯迅の作品をArcに落としてチェック。つい、読みふけってきそうなんで、これだと、普通に日本のKindle書籍を買ってもよさそう気になって、適当に新書を一冊買ってみた。「教科書では教えてくれない日本の名作」(参照)という本。内容は知らない。魯迅とか読んでいたら、勧められたというだけ。600円。

cover
教科書では教えてくれない
日本の名作
(ソフトバンク新書) eBook
 書籍版より安いんか、これ。と思って、あとで書籍版を見ると、798円だった(参照)。ほぉ。だいたい200円安いっていうことになるなあ。
 ちなみにこれ、中古で買うと、224円で送料が250円とのことなので、都合574円。おや? それって、電子書籍とタメ張る価格ですな。いや、計算違い、これだと474円。まあ、でもそのくらいの差。
 すると、あとの違いは、電子書籍の読みやすさ便利さというのと、書籍が残ることのメリット(たとえば人にあげちゃうとか)だが、どんなものか。まあ、これまでもアプリ化した電子書籍は読んでいるし、米国Kindleではけっこうライブラリーがうざったくなるくらい読んでいるので、そう未知の世界というものでもない。
 600円で新書というあたりは、デフレ日本には嬉しい価格帯だし、書架も溢れている現状、一度読んで終わる書籍は電子ブックのほうがよい。
 ちなみに、英書だと、実際の書籍で読むより、辞書引きはもとより、検索とかしおりが便利だったりする。
 当面、日本は、電子書籍が紙の書籍を上回ることはないだろうが、予想部数が少なくて出版がためらわれるような書籍は、電子書籍のみということにもなってくるだろう。そうした書籍はそれなりの面白さもあるだろう。昔の絶版文庫が廉価で出てくることは切望する。
 あと、電子書籍の底上げで、柳田国男全集とか出て来ないものか。もう死後、50年なのであった。
 素人出版も盛んになるだろう。米国アマゾンではすでに、素人さんの出版物がけっこうあって、「これは安い!」と思って買うと、けっこうな率でクズ本。慣れたけど。
 あれが日本でも起きるようになるだろう。私も、クズ本書いてを電子化して売ろうかとかともちょっと思った。メルマガよりはきつくなさそうだ。当然、同人誌の類は、アマゾンを使った出版とか盛んになるだろう。
 総じて、日本のKindleには、米国のサービス並みのものを期待していたので、一巡日本サービスを見て、がっかり感はある。が、それはそれなりに使っていきそうな気もする。
 PaperWhiteはやはり気になる。しばらくすると、PDF文書が読みやすいくらいのサイズのE Inkも出てくるんじゃないだろうか。
 
 

|

« おなかいっぱいになるまで食っているんじゃねーよ。偉そうに人を批判なんかするなよ。 | トップページ | ベンガジ襲撃事件のその後 »

「ネット」カテゴリの記事

コメント

仮に柳田国男さんの全集が電子書籍で出ても、たぶん誰も読まないと思います。本当は日本人が一番に読むべき著書ですが、知識人ですら読んでいて難しく感じる時代に入っていますから。五千円札の樋口一葉なんて、日本人の若者は絶対に読まないのと同じだと思います。

投稿: 大東亜 | 2012.10.26 01:29

 昔はちょくちょくあったけど、「たぶん誰も読まない」書籍を復刊する場合は現在の流行に合わせて焼き直しするといいんですけどね。ライトノベルの素材にするとか。柳田国男さんのタイトルをそのまま持ってくるんじゃなく、話の筋や散りばめられた名言?の類を引用して現代キャラに喋らせる。そういう所から地道にこさえて、原点は柳田国男さんですってやらないと、お客さんは食い付かんのですよ。歴女とか腐女子とかキモオタとか言われて宜しくないのも事実ですけど、そういった地道な涵養をやってないと受けるもんも受けませんよ。

 「名作漫画」の類が出はするけどいまいちパッとしないのは、古典まんまに絵を描くからですよ。ワンピースのストーリー内で語られないからだろ? けいおんかアイドルマスター内で言わないからだろ? テルマエロマエなんかどう見ても下町ご町内漫画だよね、アレ。どこが古代ローマですか? とか。

 そういう次元からやらないと、駄目なんですよね。そこで人集めて下地を作って、それからですよ。原典を当たるのは。

投稿: のらねこ | 2012.10.26 11:56

ちなみにこれ、中古で買うと、224円で送料が
                250円とのことなので、
都合574円。おや?

投稿: . | 2012.10.26 19:19

計算違いご指摘ありがとうございます。訂正的に補記しました。

投稿: finalvent | 2012.10.26 19:31

柳田さん読もうが読まんがどうでもいいけど,電子化されて検索できれば便利だよ.

投稿: KI | 2012.10.28 01:10

日米Amazonアカウント併用ユーザーのKindle利用方法
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1210/27/news010.html
> 筆者は同じメールアドレス・別のパスワードで登録していたが、切り替えができず、
> 米国Amazonで購入したコンテンツが「クラウド」から消えてしまった。
> Amazonによると、これは「初期不良」ということで、現在はパスワードが異なれば
> 切り替えできるように修正されている。

すでにお気づきでいらっしゃいましたら、ご容赦下さい。

投稿: うぐいすパン | 2012.10.28 10:34

紙とペンには絶対かなわない

投稿: ヤン | 2012.10.29 21:02

winもまだ対応してないのかな?macは未だ対応してないようで、amazon開発チームはやる気あるのか。

Kindle版でも1円の中古だと251円だから、実はそっちのが安かったりするからなー。200円ぐらいじゃないと、中古が大量に出回ってる本じゃあ電子書籍とタメをはれない。しかもたかが50円。半額ぐらいじゃないとインパクトがない。紙の本だと1割印税だから、700円だと70円の利益。Kindleは35%だから、200円でも同じ。まあ700円以下の本だと、1円中古が大量に出回っている本とようやくタメをはれる。日本では未解禁だが70%利益だと100円でも70円儲かるが、出版社の利権もあるからな。どこまでいけるか。

投稿: siodgp | 2013.01.13 13:11

自分はアカウントの統合をして日本のアマゾンから洋書も買ってます。で、オーディブルAudibleでは今まで通り米Amazonのアカウントで買えていますよ。しかも日本のアマゾンで買った洋書タイトルのオーディオ版が「Kindle版を持ってるからSpecial Price」って表示され、試しに幾つか買って見たのですが(異常に安いので)問題なく買えてます。
まとめ「Kindleアカウントを日本側に統合してもAudibleは何も問題なく使え、日本で買ったタイトルも認識して値引きしてくれる」以上でした。

投稿: | 2013.07.09 15:57

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Kindle日本進出、しかしなあ:

« おなかいっぱいになるまで食っているんじゃねーよ。偉そうに人を批判なんかするなよ。 | トップページ | ベンガジ襲撃事件のその後 »