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2012.08.04

シニア層にSNS広告は有効か?

 日本の成長分野とかビジネスチャンスとかいう話は、それだけ言うと、なんとなく元気が出そうな前向きの話のようでもあるが、日本の現状と中期的な未来像で言うなら、結局のところ、お金を持っている高齢者向けビジネスが主眼になる。お年寄りがもっとお金を遣ってくれる商売が重要だということだ。
 それは何か?というのは、実際にそういう層をターゲットにした産業の動向を見ていけばわかるし、その話に今回は突っ込まないが、いずれにせよ高齢者対象であれ物やサービスを売るならマーケティングや広告は重要になる。では、どうやってお年寄りにリーチする広告ができるかが当然課題になる。それは何か。
 あらためて問うまでもなく、現状の広告がそれなのだというのがひとつ。テレビを見ても新聞を見ても高齢者対象になっている。少なくともそういうのが本流になっている。今後もこれが続く。
 それだけなのか。どっかにニッチはないのかという興味もある。ニッチを見つけた人に儲けがつながるからだ。そういう発想が当然帰結するのはインターネット広告である。その流れはそれほど難しくない。インターネット広告って具体的になんだというのはどこ見てもわかる話でもあるかだ。
 その先を考えると、どういうインターネット広告が効率的かという話になる。これは時流を見ていくと、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に辿り着く。簡単にいえば、ネットのお友だちで囲ったところに広告をぶち込むというわけだ。
 ここで立ち止まる。
 ということは、これからの広告ビジネスのニッチというのは、お年寄りのSNSということなのか? それ以前に、お年寄りがSNSを使うのか?
 どうなんだろうと疑問に思ったら、そんなことを調べている事例があった。クロス・マーケティングという調査会社の話、「「シニアのライフスタイルとSNS利用」に関する調査」(参照)である。詳細が知りたいと思って資料を取り寄せようとしたが、なんかダメだったので、公開された範囲でしかわからないが、興味深いと言えば興味深い。なんだろ、これという奇妙な印象といえばそれもそう。
 調査対象は全国の60~79歳の男女1200人。お年寄りというのは、60歳以上という意味になる。ここで洒落にならない感想を言うと、私もあと5年でこの層に入っちゃうんだよ。あっちょんぶりけ。
 シニア層が商品やサービスの情報収集に役立っている媒体は、「新聞広告/記事」(61.2%)、「テレビCM」(59.8%)、「テレビ番組」(58.6%)とのこと。さっきてろっと書いた通りだが、新聞のほうがテレビより信頼性は高そうなので、今後も新聞広告は意外に安泰というか、そもそも新聞というのは、紙面の三分の一以上が広告であることからもわかるように、広告媒体なのでそこで維持できれば、新聞の未来は意外と明るい。
 他の媒体はどうかと、添付されているグラフを見ると微妙な印象がある。

 「新聞広告/記事」「テレビCM」「テレビ番組」に次ぐのが、「折り込みチラシ」である。これは簡単にいうと、地域の新聞販売店の稼ぎ元ということだ。ここで扱っている。新聞販売店もそれなりではあるだろうが、まだ安定していると見てよさそうだ。
 それに次ぐのが「インターネット上の広告」である。五位ということでが上位四位とそれほど差が開いているというわけでもない。ただ、このグラフのピンク腺がシニアのSNS利用者、青腺がSNS非利用者ということで評価は違う。SNS利用者か否かで大きな差がついている。どういうことなのか。
 その前にまず、インターネット上の広告はけっこう有効なのではないかということを指摘したい。そして、これが「新聞広告/記事」「テレビCM」「テレビ番組」「折り込みチラシ」の広告市場と見合っているかという疑問が浮かぶ。ここにズレがあるなら、「インターネット上の広告」はしばらくニッチとしてウマミがあることになる。シニアSNS利用者にとって「インターネット上の広告」の評価が高いならなおさら、新聞広告やテレビCMを打つのとさほど大きく変わらない効果がここにあるかもしれない。もっとも実際にどう程度効果があるかは別途検証しないといけないのだが、可能性はありそうだし、ニッチ広告としてのウマミもありそうだ。すでにそういうウマミのようなものは実現されているのかもしれないが。
 次に、シニアのSNS利用者が広告対象としておいしそうだというのは、情報収集についての関心・意識からもうかがえる。「気になることがあるとすぐに調べる方だ」で、あてはまる人がシニアSNS利用者73.3%と顕著に高い。よくわからないが「情報感度」というので見ると、シニアのSNS利用者(25.3%)は非利用者(10.7%)を上回っている。悪い言い方をすると、シニアSNS利用者は食いつきがいいということだろう。
 私が関心を持ったのは、この調査の本体で言及されているかわからないのだが、どのようにシニアのSNS利用者が商品広告に信頼性を与えるかという点だ。言うまでもなく、シニア層と限らず、クチコミ効果は大きいし、SNSとなるとさらにそれが強化される。具体的にシニア層のSNS利用はどのような人脈ネットワークになっているのか?
 この調査でも触れているし、身近に高齢者を見ているとわかるが、高齢者はけっこうサークル活動とかグループの余暇活動をしている。カネがあってヒマがあってということもだろうが、この世代、つまり私より上の世代はけっこうこういう団体活動が好きだ。
 調査から見ると、リアルサークルに入っているのは、シニアSNSが43.5%、SNSなしが34.7%。差はあるが率は高い。そして、シニアSNS層のSNS友人は11.4人と濃い。高校生とか100人200人はざらという世界とはかなり違う。
 推測なのだが、シニアSNS層は、このリアルサークルの延長感覚で意識されているのではないだろうか。実際にダブっていたり、あるいはリアルと交流したり。ネットで自分より上の層の人の交流を見ていると、けっこうリアルの交流に壁がないようにも見える。現在の国会前原発反対デモなどもそのノリでシニアが集まっているのではないか。
 ちょっと推測を重ねてきたので話があいまいになってきたが、そういうふうに読むとすると、シニア層への有効な広告は、リアルにベースを置いたSNSを促進する形で推進すると効果的だろうし、そのリアルのサークルでけっこうなお金持ちを選んでおくとかなり有効なのではないか。というか、そういうところには当然、犯罪も生じるので、近未来になにかそのあたりでえぐい事件が見られるのではないか。
 他、見える範囲でデータを見ていくと、継続したいSNSで、70代女性のツイッター70%というのが、ちょっと奇妙な印象がある。総体では大したことないのだろうが、おばあちゃんたち、なにげにツイッターを見ているという現状はありそうだ。どうなんですか、高木ハツ江さん。
 シニアにQ&Aサイトの利用が多いというのも目立つ。なにか知りたいとき、ネットに聞いてみるというシニアは多いのだろう。当然、それに答えてくれるところに信頼が集まるし、広告も打ちやすい。
 お年寄りは人生経験で知識は充足しているかというと、おそらくその逆で、いろいろ世界わからなくなって困っているという実態もあるのだろう。
 
 

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