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2012.08.17

[書評]トルコで出会った路地裏レシピ(口尾麻美)

 「トルコで出会った路地裏レシピ(口尾麻美)」(参照)は書店で人待ちしているとき、たまたま見かけて、その時は買わなかくて、あとから思い出して、後悔して、買った。ああ、懐かしいなという思いがじわじわと来た。

cover
トルコで出会った
路地裏レシピ
 いわゆるトルコ料理の本というわけではない。タイトルのとおり、路地裏レシピ。屋台料理を含めた大衆食堂的な料理が基本。本書の構成からもわかる。第1章、メイハネ(=居酒屋)レシピ、第2章ロカンタ(=大衆食堂)レシピ、第3章スタンドフーレシピ。とはいえ、高級ホテルでもビュッフェ(バフェ)だと基本はこんな感じ。
 日本にあるトルコ料理だとつい串焼き肉のケバブが多いけど、この本にあるようにトルコだと、というかイスタンブルとかだと、むしろ豆料理とか野菜料理が多い。エフェスような海側だと魚や貝の料理も多い。新鮮な果物やドライフルーツも多い。ベジタリアンにはけっこう天国なところ。
 この本だが、書店で手にしたとき、ああ、イスタンブルは変わらないなと思ったのだった。旅行してからもう20年も経つ。あのころ、イスタンブルの広場でトルコの人が、20年前はこのあたりヒッピーが多かったんですよと言っていて、20年もすると変わるんだろうなと思っていたものだった。変わるものもあり変わらないものもありということで、食文化は大きく変わったということはないのではないか。高橋由佳利さんの「トルコで私も考えた」(参照)シリーズも読み直してみるかな。
 掲載されている写真がいちいちなつかしい。特にシミットというリング状の胡麻パン売りがじんとくる。トルコはパンがうまい。フランスパンやドイツやロシアのパンとかは違って、小麦の味が素朴に出る感じ。
 屋台料理では、ムール貝のファルシ、ミディエ・ドルマデスが懐かしい。これ、ほんとにうまかった。本書には作り方が載っているのだけど、それだと、ピラフにしてから貝に詰め直すみたいにある。そうなのか。
 「チャイとお菓子」というページでは、れいのトルコの紅茶が出てくる。れいのというのもなんだが、ちいさくくびれたガラスのカップのあれ。あれお土産でいっぱい買ってきたものだがもう一つも残ってない。この本には出て来ないけど、エルマ茶というのが美味しい。トルコの紅茶はヌワラエリアに似ている感じがする。
 
cover
トルコで私も考えた 1
 主旨のせいか本書にはあまり映ってないけど、トルコは果物屋がきれいだ。手のひらサイズの小ぶりのリンゴが売っていて、よく食べた。あのリンゴはなんなんだろう。日本では見かけない。沖縄にいたとき、米軍関係の人となんとなく話してら、小さいリンゴの話が出て来た。米国でも一般的なのか。
 
 

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「食」カテゴリの記事

コメント

ミディエ・ドルマスは本当に旨いですよね。
トルコと言ったら真っ先に思い出します。

どこのロカンタにもあるギュベチも思い出深いですが。

投稿: 鶏胸 | 2012.08.17 11:12

トルコの紅茶はヌワラエリアに似ている感じがする。 ○ 。

投稿: ロモラオ | 2012.08.18 14:16

トルコと言えば
『トルコのもう一つの顔』(中公新書、1991)
『漂流するトルコ -続「トルコのもう一つの顔」-』旅行人 (2010/09)
ですぞ(w

投稿: i | 2012.08.19 00:16

トルコ人と結婚している者です。
ムール貝のご飯詰めは、他の野菜のご飯詰め同様、米を詰めて煮て作っております。
ピラフにしてから貝に詰めなおすというのは初耳です。
私はトルコ料理で、ミディエドルマティスが一番好きです。と言うと、「結局日本人は米と魚介類好きってことなんだ」と言われますが。

投稿: ゆうこ | 2013.05.22 13:19

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