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2012.04.12

雨音はショパンの調べと小林麻美

 先日のイースターのことだった。この季節になるといつもユーミンの「ベルベットイースター」を思い出す。荒井由実としてのファーストアルバム「ひこうき雲」(参照)に収録されている。村上春樹がたぶん三鷹で暮らしていた1973年のこと。ユーミンは1954年生まれだから、19歳。14歳でミュージシャンしていたが、まだティーンエージャーで、呉服屋さんの娘らしく多摩美で日本画を学ぶ学生だった。コント55号の二郎さんが彼女のぞっこんのファンだったのも思い出す。NHKラジオで、サンディーアイと同じ時間帯だったと思うけど、ディスクジョッキーもしていた。
 「ベルベットイースター」だが、なんでベルベット(ビロード)なのか今もってわからない。欧米人にそういう感覚はないと思う。歌詞中「天使が降りてきそうな空」というのも欧米的な感覚なのかよくわからない。たぶん、この天使は「ナイトミュージアム2」(参照)とかに出てくるああいう感じなんじゃないか。
 まあ、いい。いつもその頃、聞きたくなる曲で、また聞きたいと思った。そこで、たまたまユーチューブで聞いたら、あれ?と思った。アレンジが違うのである。ピアノのアレンジも含めて、なかなかアンニュイでいい感じ。声はだいぶ古いので、2000年以降のコンサートの録音だろうか。そうでもなく、2003年の「Yuming Compositions」(参照)に収録されているバージョンだった。
 2003年のユーミンならまだ声が大丈夫なんじゃないかなと思って、カバーの写真にちょっとどん引きしたが、初回限定版がまだ売れ残っているみたいなんで買ってみた。まあ、よかった。私が沖縄で暮らしている時代、あれほど好きだったのにユーミンを離れていたので、このアルバムの存在すら知らなかったのだった。

cover
Yuming Compositions
松任谷由実
 アルバムは、ユーミンが他の歌手向けに提供した曲を自身がカバーするという趣向である。率直に言って本人カバーでこれはいいなというのは、とても残念なのだけど、ない。「「いちご白書」をもう一度」はユーミンが歌うの聞いてみたいなとずっと思ってたので、これはこれで満足、というか泣けてしまったけど。
 「Woman "Wの悲劇”より」は薬師丸ひろ子のほうがいいなと、ついユーチューブを漁った。一番、え?と思ったのは、「雨音はショパンの調べ」だった。これってユーミンの作品じゃないでしょ、とよく見ると、訳詞が松任谷由実だった。知らなかった。聞いてみると、これはこれで悪くはないのだけど、猛烈に、小林麻美の声が聞きたくなった。
 私は、小林麻美のファンではない。断じてない!とつい声にリキが入るくらいだ。
 嫌いというのではない。1954年生まれのユーミンもだし、1953年生まれの小林麻美も、自分にとっては憧れのお姉さんの世代でもあるだが、どうにも小林麻美にはアンビバレンツな思いがある。彼女にぞっこんな人々への嫌悪もあるのかもしれない。まあ、いい、猛烈に、小林麻美の声が聞きたくなって、これもユーチューブを漁った。知らなかったけど、とんでもないPVを見つけてしまった。初っぱな、煙草の煙がほへっと出るところで悶絶した。

 なんなんだろこれと呆然とした(たぶん、これもうすぐ消されると思うけど)。
 小林麻美の魅力がこってこてに出ていると言えばそうだし、美人なのか、貧乳なのか(いやそうではないんだが)とか、眉毛だろ眉毛、とか、もう千々に心乱れる。動揺してしまいましたよ。なんというか、記憶喪失になった人が、禁断の記憶をよみがえらせるというか、紅音也の意識だけが復活したような、うわぁぁな気分。
 竹下夢二の絵のような女といえばそうだし、長谷川泰子にもちょっと似てないかとか、似てないけどシャーロット・ランプリングを思い出すとか、なんだったんだろう、あの時代。トリップ。あの時代、若い自分が生きていたし、女というのはこういう形をしていたのに。

 今の時代でも、小林麻美みたいな女優っているのだろうか。まるで知らない。いたとして、で、どうというものでもない。
 小林麻美が引退したときのことは覚えている。その後のことはまるで知らない。藤村美樹と小林麻美のその後のことには関心を持たないように生きてきたのだった。
 が、わかる時代である。彼女、37歳で結婚されたから、お子さんはいないような気がしていたが、いるらし。というか息子さんも20歳近いのだろう。芸能界に出ているのかと思ったが、わからない。
 ご本人は、早見優のような、すてきなおばさまになっているのだろうか、あるいは、と思った。わかるわけないと思っていたけど、どうもすてきなおばさまになっているようだった(参照)。
 いや、別にいいんだ。全然、いいんだ。動揺なんかしてないってば。
 
 

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コメント

『海辺のカフカ』を初読した際に、まっ先に想ったのは

「佐伯さんが若かった当時にシンガーソングライターとし
 て何万枚ものセールスを記録したというヒットソングで
 ありこの物語のタイトルそのものである『海辺のカフカ
 』が、もしもこの世に存在していたとしたならば、はた
 してどのような曲であっただろうか?」

です。わたしは

「それはおそらく松任谷由実訳による
 『I like Chopin』
 だろう」

とおもいました。

投稿: 千林豆ゴハン。 | 2012.04.13 01:24

同世代として、とてもよくわかります。たまにはこういう話もいいですよね、極東ブログの魅力のひとつです。

投稿: 東アフリカ在住 | 2012.04.13 03:54

finalventさん、おはようございます、

小林麻美がかがみの前で、ポニーテールにしていた髪をといて、このPVのソバージュになる過程を想像して悶絶しました。純真さをなくしたわけではないのに、大人に女になった独特の美しさがありますね。

投稿: ひでき | 2012.04.14 04:31

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