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2012.04.19

田中直紀防衛相と前田武志国土交通相の辞任より輿石東(75)先生のご勇退を

 田中直紀防衛相と前田武志国土交通相に対する問責決議案が明日の参議院本会議で採決される見通しになった(参照)。自民党政権末期に国政を滅茶苦茶にした民主党による問責決議案の乱発の再現のようにも見えるが、まあ、このお二人はさすがに如何ともしがたい。
 お二人の今後がどうなるかはよくわからない。野田ちゃん首相は「職務を遂行してもらいたい」としてお二人の続投を期待しているが、実際にお二人さんを支えているのは輿石東(75)先生だろう。そして現下の問責決議案の乱発状態をそもそも引き起こしたのも輿石東(75)先生と言ってよいだろう。輿石東(75)先生、お誕生日は5月14日。来月、76歳。もうご勇退なさってはどうなのでしょうか。
 田中直紀防衛相については、問責を受けた一川保夫前防衛相と同等の素人力を存分に発揮されると期待されていたものの、まさか北朝鮮のミサイル実験がそのパワー発揮の絶好のチャンスとなるというのはちょっと不運だったなという同情もないではない。が、陸上自衛隊の南スーダンでの国連平和維持活動警護にあたる国を問われて「決まってません」とさらっと答弁しちゃうとか、まだまだ絶大な素人力の余力を感じさせる。このあたりで終了していただきたい。
 輿石東(75)先生のお若いころは、冷戦時代とはいっても実質日本が平和で防衛担当が閑職で済むような時代だった。あの時代なら、この人選でもよかっただろう。輿石東(75)先生は現在もそうした時代だとご理解なのかもしれないし、田中防衛相を事実上更迭しても、「またまた受けて立つ、またまた素人力を充填するからな、ふふふ」といった意気込みかもしれない。75歳でそのお元気というのは感服するしかないが、実質戦争化に向かう南スーダンの現状とあいまって、ちょっと怖い。
 前田武志国土交通相の失態は、岐阜県下呂市長選挙の告示前に地元の建設業協会に向けて特定候補支援を要請する文書を送っていたというもの。観光振興の支援を約束し、「石田氏に対するご指導、ご鞭撻をよろしくお願いします」として、「前田武志」の署名をした。公職選挙法が禁じる事前運動と公務員の地位利用の両方に抵触する疑いがある(公職選挙法129「事前運動の禁止」、同136条の2「公務員の地位を利用した選挙運動の禁止」)。
 ひどいなとは思うが、こうした地方の建設業との癒着というのは自民党時代を想起してもわかるがさほど不思議でもない。ようやく民主党も自民党の政権の受け皿になってきたことを如実に示す実例でもある。が、その先の、前田武志国土交通相の開き直りは鮮烈だった。FNN報道を借りる(参照)。


 渦中の前田国交相は、16日夕方に会見し、宛名や内容に目を通す暇もなく、政務秘書官に促されるままに署名したと釈明した。
 前田国交相は「あぜんとしているというのが、正直なところなんです。本当にあっけにとられているというところです」と述べた。
 前田国交相は、16日夕方の続投表明会見で、自らの疑惑に大きく驚いて見せた。
 前田国交相は「極めて多忙な日程であったため、文書の名宛て人や内容に目を通すいとまもなく、政務秘書官に促されるままに署名した」とし、自ら署名した文書が、支援要請文だった認識がなかったことを強調した。その一方で、署名に関わった秘書官が責任をとり、先週末に辞任していたことを明らかにした。

 宛名や内容に目を通す暇もなく署名したので、署名した意識もなくて驚いているというのである。国務大臣がである。自分がした署名についてである。「あ、これえ、ボクの署名だぁ、不思議」って手品ではないのである。面白いなあ前田国交相、と思うけど、普通に考えるなら、それだけで国務大臣失格。
 この二閣僚の任命責任は野田ちゃん首相にあるのだが、野田ちゃん、こういうシーンだとまるで悲劇的なヒーロー気分になってつっぱっちゃう。こんなところで「政治生命をかける!」とかまた暴走するのも、困ったなあと思う。ここはそんな大げさなシーンではない。ごく普通な人選ミス。本当に消費増税法案に政治生命をかけるなら、それとは直接関係ない今回の問題は事務的にさらっと処理したほうがいい。
 さてこれからどうなるのか。
 自民党はこの件で審議拒否に出ている。このつっぱり状態が長期化すれば、国会を停滞させているのは自民党だとして世論の批判が自民党に向かうという読みもあるらしい。それを恐れて公明党は、問責された二閣僚が出席するはずの委員会以外は審議に応じるとして日和っているらしい。
 政局の読みって面白いなと思うが、この読みは、そもそも国民が消費増税法案に賛成という前提なのではないか。賛成していますかね、国民。
 当の民主党だが、そもそも民主党自体が全体として、消費増税法案に賛成というわけでもなく、内輪もめでくすぶっていて、むしろ現状のぐだぐだ状態を好機と見ている勢力がある。
 というところで、輿石東(75)先生はこのぐだぐだを是とされているのかもしれない。ぐだぐだしている状態こそ正しい民主党政権のありかただと見抜いているのかもしれない。
 NHK「あさイチ」で学ぶ褒め言葉ではないが、「慧眼です、年の功です、輿石東(75)先生」と感服する。ここはもう一歩踏み込んで、「私の政治生命をかけて消費増税法案の審議を進めていただきたい」という演説とともに勇退されてはどうか。
 それで消費増税法案の審議をさっさと進め、政局の読みとは逆に、さっさと廃案になったら、輿石東(75)先生、救国の政治家として歴史に名を残しますよ。
 
 

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コメント

民主党政権を揺るがし続けているはずの普天間問題一つとっても、二代続けての防衛大臣の素人選任は謎としかいいようがない。沖縄問題では何もやらないというメッセージだとか、すべて首相が自らの手でやりますよという意味ならともかく(どちらでもなさそうです。渡辺副大臣が立場上出来る範囲で中途半端にしっかり仕事をしていますから)、輿石氏らにからんだ党内事情を防衛相人事より優先させたというなら看過しがたいものがあります。

もっとも鳩山政権で防衛相就任が既定路線だったのは野田氏だったらしく、それが連立与党などハト派の懸念もあり北澤氏に変わったとの由。北澤氏もまた「素人」だったにもかかわらず、結果的には民主党政権で稀にみるヒット人事だったが、もし野田が防衛大臣に就任し無難に務めておれば彼の総理就任はなかったかも知れず、なんとも皮肉なものを感じます。

投稿: kky | 2012.04.20 01:31

西岡さんは問責を無視するといわれて「参議院の意思を無視するのか!」と怒りましたけど、今の議長さんはナァナァで済ませますかね。

投稿: てんてけ | 2012.04.20 16:33

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