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2012.02.29

[書評]無一文から億万長者となりアメリカンドリームをかなえたヨシダソース創業者ビジネス7つの法則(吉田潤喜)

 タイトルで釣ろうするブログの記事くらい長くて、うんざりするような書名だが、ようするに、「ヨシダのタレ」の吉田さんが説くビジネス教訓書、書名のとおり、無一文から億万長者となりアメリカンドリームをかなえた成功物語、と思っていた。読んでみると、若干違う。いや、けっこう違うかもしれない。どっちにしても、この人は本当にすごい人なんだというのがじわじわと来る。

cover
無一文から億万長者となり
アメリカンドリームをかなえた
ヨシダソース創業者
ビジネス7つの法則
 「イチローの次に有名な日本人」と言われる吉田潤喜なのだそうだから、あらためて紹介する必要もないのかもしれないし、ご本人のサイトでもサクセスストーリーが甘くこってりと語られている(参照)。1949年、京都に在日コリアン7人兄弟の末子として生まれ、それで差別もされた。父親はカメラマンだが稼ぎもそこそこ。母親が焼き肉屋など各種商売をして子どもたちを育てた。4歳のとき彼は、姉とふざけあってか右目に針が刺さり失明した。本人いわく「片目のチョーセン人」。それだけで大きなハンデを負った人生の始まり。少年時代はグレもしたらしい。でも「こんちくちょう、今に見とれ」でやってきたとのこと。
cover
ヨシダグルメのたれ
お試しセットボトル
 1969年、東京オリンピックを見て米国に憧れ、単身渡米。そして不法就労者となった。まさに無一文。空手ができるので米国で空手道場でしのぐ。そこで空手の弟子たちに母から教わった焼肉のタレをプレゼントに配ったら評判がよい。かくして「ヨシダグルメのたれ」のビジネス化で億万長者、ブラボー、アメリカンドリームということだが、本書を読むと、ただの一発屋のサクセスストーリーではない。実際のところ、ヨシダさんは各種ビジネス手がけるヨシダグループの総帥でもあり、まさに米国を代表する普通のビジネスマンである。
 現在ではMBA相手にビジネスも教えているそうだ。彼はビジネスについてこう問いかける。

「一台のバスがあるとしよう。このバスを目的地まで動かさなければいけないとき、あなたはまずどんな行動に出るか?」

 彼の答えは、「とっとと動かしたろか!」。
 禅問答のようにも聞こえる。MBAクラスの学生はその答えをくだらないと思うらしい。そこでヨシダさんは話を展開し、起業家の本質である起業家精神(entrepreneurship)を示していく。

こういうことはMBAクラスでは教えてくれない。あれはこうやったら成功(失敗)するというただの統計学やからな。

 そこをすぱっと見抜いている。


 じんとくる逸話もいろいろ書かれている。
 不法就労時代に結婚して娘が生まれて4日目、ようすがおかしい。黄疸で生死五分五分という状態。「誰かのために命を捨てられると思ったのはこのときが初めてだった」と彼は言う。病院で5人の専門家が24時間体制5日付き添い、ようやく赤ちゃんは快方に向かうのだが、同時に、保険に入っていない彼はどれだけ支払いができるかと悩む。一生かけて返せるかとも思ったそうだ。が、請求書は250ドル。病院ではそういう人のための寄金があった。これを吉田さんは恩と思い、今では小児がんなどへの慈善事業もしている。
 アメリカンドリームというと、「無一文から億万長者」への成功というふうに考えがちだが、そうではなく、多くの人に夢を与えるような慈善家になることである。その意味で、絵に描いたようなアメリカンドリームが描かれている。

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コメント

不必要な空白(空行)がありますよ。
一応、お伝えします。

投稿: | 2012.03.02 13:45

上のコメントを書いた者です。
こちらの勘違いでした。
Googleを遮断するアドオンを試しに入れていたので、動画の部分が空白になっていたようです。
大変、申し訳ありません。
上のコメントともども削除して下さいませ。
親切のつもりが、大変な失礼をしてしまいました。
猛省いたします。

投稿: | 2012.03.03 15:42

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