米国の婚姻率減少の理由はなにか
目黒公証役場事務長・拉致事件の平田信容疑者(46)は17年に渡る逃亡生活を続けた。その彼をかくまっていたとされる女性(49)が出頭した。二人は14年間生活していたらしい。逃亡生活が落ち着く以前からすれば16年にも及ぶのではないか。すると、そうだな、それは「愛」って呼んでもいいのかもしれないなと思ったものの、もちろん男女の内情というものはわからない。それでも事実婚という関係だったのだろうか。そうすると、婚姻率には含まれないことになる。いや、それ以前に逃亡生活か。
米国の婚姻率が減少しているという話題をBBCが取り上げていた。題は「なぜ米国の婚姻率は急速に減少したのか?(Why is the US marriage rate falling sharply?)」(参照)。ネタは調査会社フューが昨年末公開した米国の婚姻状態についての報告である(参照)。
BBCにつられて、ではどれだけ米国の婚姻率が落ちたか、というと5%である。そういうこと。多いと見るか、なだらかな傾向と見るべきか、後者ではないかと思うが、BBCはネタとして取り上げてみましたということである。じゃ、ブログにも借りますかね。
グラフの見せ方にもよるが、それでも婚姻率の減少という変化については、60年代以降の継続的な大きなトレンドであって、この数年に大きな変化があるわけではない。
が、多少なりともネタ感があるのは、婚姻率が51%ということで、もうすぐ半数を割るのだというあたりの感慨だろう。米国社会の半数の人は結婚してないんだなみたいな。
BBCは初婚年齢の上昇にも注目している。米国では男性は28.7歳、女性は26.5歳である。
グラフ的に見ると、米国は晩婚化が進んでいるものだとも言えるが、日本の現状(参照)は、男性は30.5歳、女性は28.8歳。米国より二年ほど晩婚化している。BBCの記事では、英国では男性は32歳、女性は30歳。そんなものでしょ。
先進諸国では、初婚年齢は男女ともに30歳を超えるというのがざっくりとしたところなので、それから見ると、米国はやや晩婚化が遅れているとも言える。
BBC記事を読んでいて、それでも、へえと思った指摘は、米国の婚姻率が学歴差で分かれる点だ。大卒だと64%だが、高卒だと47%ということで、それだけならそういう社会もあるんじゃないかと思うのだが、60年代にはこの差はなかったと指摘されている。
大卒のほうが婚姻率が高いのはなぜだろうと考えざるをえないのだが、その説明らしきBBCの話はよくわからない。大卒のほうがリベラルな傾向があるが、婚姻については伝統的に考えているみたいな話があるにはある。
BBCはさらに婚姻に貧富差の影響を挙げていき、ネタらしく、でも実際のところ、このところの婚姻率の低下は経済の低迷じゃないのと落ちがつく。いや、不景気だとなかなか結婚式は挙げられないでしょということで、まあ、そんなとこではないのか。
BBCの話は以上なのだが、元ネタのヒューの調査を見ていくと、もう少し、むむむっといった感じがする。
まず、初婚率が減少している。どう解釈するものかいま一つわからないのだが、結婚というのが一回して添い遂げるというものではなくなりつつあるということではないか。
年代別の既婚率は、年代下がるごとに減っていく傾向がありそうだ。これは時代とともに結婚している状態が減少しているのか、結婚というのは概ね40代以降の現象になりつつあるのか。後者のように思えないでもない。
ざっとした印象だと米国では、結婚する人は半数くらいで、30代でやってみて、40歳以降になってだいたい安定するということだろう。
そうしたなかで子供はどうなるのかと思うが、モデル的に想像するに30代で産んではみたものの、なかなか家族は安定しないという光景に収まるのだろう。あるいは、子供の収まり方で、婚姻の安定感が決まるのかもしれないが。
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