英語ネイティブがよくする発音の間違い
英語を母語とするネイティブでも英語の発音で間違いをするものだ。間違いやすい100の例が、AlphaDictionary.com(参照)にある。
日本人から見て、面白そうなものを拾って、適当に分類して、コメントしてみた。異論もあるかもしれないけど、興味深い例もあるのでは。
他の単語の連想で発音を間違う
× affidavid ○ affidavit(供述書)
"affidavit"はカタカナふうに発音すると「アフィデイビット」だが、米人は名前の"David"の連想で「アフィデイビッド」と言いがちになる。
× expecially ○ especially
"expect"の連想からの間違い。
× expresso ○ espresso
"express"の連想から。
× nuptual ○ nuptial(結婚式)
"perpetual"などの影響だろう。
× pronounciation ○ pronunciation
"pronoun"から連想した間違い。
× reoccur ○ recur
"occur"から連想した間違い。
× volumptuous ○ voluptuous(肉感的な)
"sumptuous"(豪華な)の連想か。
英語で発音しづらい音の並び
× Antartic ○ Antarctic
カタカナふうに発音すると「アンタークティック」の「ク」を米人は落とすやすいようだ。そのために、"an arc of ants (an ant arc)"「蟻の弧」を想起せよとまで勧めている。
× bidness ○ business
ビジネスを「ビドネス」みたいに言う米人がいるらしい。そう間違えるのは、"business"の"i"の音は発音しないから。なお、日本人には「ビジネス」は"busy"と連想して覚える人がいるせいか、「ビジネス」と発音する人がいるし、村上春樹の小説にもそんなのがあった。カタカナ風に書くと「ベズヌス」。
× nucular ○ nuclear
この発音間違いはけっこう多いらしい。"nuke"と略すのもそのせいかも。
× fillum ○ film
間違いは間違いだが、米人は"lm"の発音が苦手で、"fiwm"のように発音することがある。
発音順の入れ替え
× aks ○ ask
よくあるらしい。
× revelant ○ relevant
普通によくある言い間違い。
シラブルの間に曖昧母音を挟みたい
× athelete ○ athlete
"athlete"は2シラブルだが、3シラブルで言う米人がいるらしい。
× dialate ○ dilate(拡張)
この発音間違いが起きる理由は、「ダイ」といった後に米人ネイティブはもう1シラブル曖昧母音が欲しい気がするから。
× fisical ○ fiscal
曖昧母音を挟みたくなるらしい。
× masonary ○ masonry
これも途中に曖昧母音を入れたくなる例とされている。"missionary"の連想もあるのでは。
× ordinance ○ ordnance(軍需品)
途中に曖昧母音を挟みたくなる。
× triathalon ○ triathlon
曖昧母音を挟みたくなる例だが、"l"の流音に引かれて曖昧母音が付くのかも。
早口の言い方が定着した
× cannidate ○ candidate
これはたぶん口語では普通に"cannidate"と言っている。
× close ○ clothes
受験英語的な間違いだが、実際の会話では同じ発音になると思う。
× Febyuary ○ February
発音は前者のであっている!
× fedral ○ federal
アクセントのない母音は落ちるので実際の口語ではこうなる。
× parlament ○ parliament
発音から"i"を略した例なのだが、元ネタでは"i"を発音せよと言っている。ほんとか?
× plute ○ pollute
普通に早口から来た間違い。
× wadn't ○ wasn't
ろれつの問題。
似た母音に入れ替わる
× chomp at the bit ○ champ at the bit(落ち着かない)
間違いというより、これは方言的な発音ではないかな。
× stob(杭) ○ stub(切り株)
意味も発音も違う。口語では発音は同じなのでは。
単語を誤解している
× The Caucases ○ The Caucasus
「コーカサス家」のような思い込みで複数に聞こえてしまうのでしょう。
× bob wire ○ barbed wire(有刺鉄線)
"barbed wire"を勘違いしたもの。だが間違いとはいうものの辞書にも"bob wire"が載りそうな勢い。
× a blessing in the skies ○ a blessing in disguise(不幸中の幸い)
駄洒落にみたいになってしまった。
× card shark ○ cardsharp(トランプ詐欺師)
英語だと語末の無声音はほとんど消えるので、米人でもこういうふうに聞こえてしまうのではないか。それと、"shark"の連想もあるだろう。
× chester drawers ○ chest of drawers
日本人からすると不思議だが、"chester drawers"という表現も定着しつつある。
× doggy dog world ○ dog-eat-dog world(食うか食われるかの世の中)
元の意味が失われて別の連想からできた例。
× For all intensive purposes ○ For all intents and purposes(いかなる点でも)
若者言葉らしい。
× Laura Norder ○ law and order
これはむしろ知っておくべき駄洒落。フィナンシャルタイムズとかにも"Laura Norder"は出てくる。
× take for granite ○ take for granted
"granite"(花崗岩)の連想が働くのだろうか。
別の単語と取り違える
× Calvary(磔刑) ○ cavalry(騎馬隊)
なんとなく古代の話で似ている印象はある。
× prostrate(平伏する) ○ prostate(前立腺の)
"prostrate"が間違いなのではなく、"prostate"の意味で使われるのが間違い。
× silicone ○ silicon
間違いというより、別の単語。半導体は"silicon"、偽オッパイは"silicone"。
× suit ○ suite
日本人だと"suite"を「スイートルーム」として"sweet"と誤解されがち。
ラテン語・ギリシア語起源の単語は間違いやすい
× diptheria ○ diphtheria
phを「フ」と読むことに気がつかないと、"dip"と区切りたくなる。
× excetera ○ et cetera
ラテン語から来たとわからないとそう聞こえてしまう。
× foilage ○ foliage
ラテン系の外来語は米人には苦手という例か。
× hi-archy ○ hierarchy
ギリシア語源の感覚がないとこう聞こえる。
× in parenthesis ○ in parentheses
これは単数形と複数形の間違い。「括弧」に入れるのだから、始まりと終わりが必要になるので複数。
× mawv ○ mauve
外来語は難しいの例だが、"mawv"だと「モーブ」と発音しそう。
× mannaise ○ mayonnaise
外来語の誤解。
アクセント位置の間違い
× elec'toral ○ e'lectoral
アクセントを3シラブル目に置くのは間違い。英辞郎の発音例は間違いではないかな。
× mis'chievous ○ 'mischievous
"previous"や"devious"の連想らしい。
× res'pite ○ 'respite(猶予)
カタカナ風に書くだと「レスピット」
文法の誤解から
× drownd ○ drown
過去分詞のedを付けたい心理が働く。
× heighth ○ height
これは"width"などの連想からでしょう。
× interpretate ○ interpret
"interpretation"から動詞を想定した間違い。
× long-lived(リブド) ○ long-lived(ライブド)
字面から「リブド」のように読みやすい。
× nother ○ other
"an other" や "a nother"から出るらしい。
× pottable ○ potable
"capable of being potted"と誤解しまうらしい。
× perscription ○ prescription
接頭辞の混乱。
× preemptory ○ peremptory
接頭辞の混乱。
× prespire ○ perspire
接頭辞の混乱。
× ostensively ○ ostensibly
"ostensive"から連想された間違い。
その他
× Old-timer's disease ○ Alzheimer's disease
発音の間違いではなく、言い方の問題。年寄りの病気と言うな、ということ。
× off ten ○ ofen
元ネタに"ofen"とあったが、"often"のこと。"t"を発音するかしないか。
× upmost ○ utmost
誤解もあるだろうけど、発音もあまり差がないのでは。
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コメント
pronounciation は動詞の pronounce に引きずられてるのではないでしょうか。
投稿: robo | 2012.01.19 20:42
英語は、むしろ特殊な言語の部類に入るのではないかと思ったことがあります。性の概念が少ない、単語変化も少ない、単語を見ただけでは読み方がわからない…あっ、活用の多様性を除けば、日本語もそうかもしれませんね。
投稿: Kansatsusha | 2012.01.19 21:37
英語はスピードと滑らかさが重要なので、発音し難い部分は無理やり強い息で突破してそこにアクセントがくるという理解をしています。
日本語を英語的に話すと”えーとそのーあのー”みたいなだらしない感じになってしまうのですが、まず発声方法を覚えればかなり文法上の細かい規則は発音上合理的だからということで暗記の必要はない様に思っています。
つづりについては同じ音だからといってyouをuと書いたり、他のアルファベット語母語の人のつづりはかなりいい加減だったりするのでやっかいな言語だなと思います。
投稿: ヒロ | 2012.01.20 15:03