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2011.09.19

キャサリン・マリー・チャールトン(Catherine Marie Charlton)のピアノ曲

 ピアノ曲が好きな人は多い。私もそう。クラシックやジャズ以外に、いわゆるニューエージと言われるジャンルのピアノ曲もけっこう好きで、明確にジャンル分けできない曲想もいいと思っている。最近キャサリン・マリー・チャールトン(Catherine Marie Charlton)の曲をよく聞くので、ご紹介。

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Undershore
Catherine Marie Charlton
 一番気に入っているのは、「Undershore」(参照)。iTunesでも購入できる。
 ベスト曲は、タイトルにもなっている、オープニングの"Undershore"。瞑想的で複雑で情熱的。能に使えそうな幻想性もある。サビはラベルのガスパールやショパンのプレリュード嬰ハ短調のような、この世ならざる存在者の快楽的な失墜感もある。
 2曲目の異国風な"The Lonely Cobbler"や、パーカッションが導入される3曲目の"Moon Twist"も"Undershore"と同じコンセプトから引き込まれる。"Asymptote"では、メロディアスな具象性と数学的な抽象性の交錯も美しい。アルバムのエンディングは"Undershore"にパーカッションとフルートを入れてアレンジした"Undershore Flow"で、幽玄の余韻がある。
 ただ、このアルバムはジョージ・ウィンストン(George Winston)的ないわゆるニューエージ・ピアノのイメージで聞いているとちょっと違和感があるかもしれない。その点で、普通に聞きやすい曲は、なじみ深いメロディーをモチーフにした"Shenandoah"だろう。癒しの音楽のようにも聞くことができる。まずこの一曲だけ切り出して聞いてもいい。
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River Dawn:
Piano Meditations
Catherine Marie Charlton
 6曲目の"River Dawn"は、彼女の以前のアルバム"River Dawn"によるもの。このアルバムは副題にピアノ瞑想とあるように、彼女の瞑想的な作品。
 "River Dawn"のモチーフはアルバム"Undershore"に含まれている曲が短い分だけ、くっきりとしているが、アルバムのほうでは、このモチーフで1時間にわたる演奏が続く。
 瞑想ということもあって、"Undershore"のような情熱は抑えられているが、離散的な部分は、ジョン・ケージ(John Cage)の初期作品「In a Landscape」(参照)に似た印象もある。もちろんチャールトンは、ケージのような音楽的な実験といった作風はなく、いかにもニューエージ・ピアノ曲的な心地よさでもある。即興的な演奏ミスではないかとも思えるような不協和音も面白い。
 同アルバムは、脳波に影響すると言われるバイノーラル音を入れたバージョンもある(参照)。
 と、書いてみたものの、チャールトンについてはピアノ音楽以外にはあまり知らない。彼女自身のサイト(参照)に、各種情報があるにはあるのだが、それ以外の客観的な情報はわからない。
 背景としては、クラッシックからジャズに進んだ人のようでもあり、なるほどその双方の技法はよくわかる。が、そのいずれでもないピアノ曲になっている。
 10月に新しいアルバムが出るらしく、プレビューも聞くことができる。聞き込んでいないのでよくわからないが、期待している。
 
 
 

音楽は"Moon Twist"

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コメント

よいですね。よいですね。
ピアノでしたらこちらも。
http://www.amazon.co.jp/Its-Snowing-Piano-Bugge-Wesseltoft/dp/B00000B88L/

投稿: noriyo | 2011.09.20 19:19

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