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2011.08.17

馬淵澄夫前国土交通相は閣僚を辞していなければ靖国神社参拝をしなかっただろうか

 ブログを始めて7年目に入るせいもあるが、原爆のことや終戦のことは、読む人があるかどうかはわからないものの、自分としてはあらかた書き尽くした感があり、さらに繰り返すまでもないと思っていたし、実際のところ世間やマスメディアの認識と自分の考えとには大きな相違もあり、関心の持ち方も異なる。特に、と言うべきかはわからないが、単純な誤りではあろう「終戦記念日」と呼ばれる日の、靖国神社参拝についてはさらに関心もない。
 民主党の菅直人首相がこの機に参拝しないのは、自民党政権時の麻生元総理大臣がそうであった理由とさして変わるはずもない。閣僚については、人それぞれの思いもあるだろうが、閣僚としての規律意識のようなものもあるのかもしれない。たまたまNHKのニュースを聞くと、閣僚の参拝もなかったとのことだ。そういうものかとさして気にも留めなかったが、わずかに心にひっかかるものがあった。
 ニュースを確認してみた。「首相と閣僚 靖国神社参拝せず」(参照)より。


 「終戦の日」の15日、菅総理大臣と菅内閣の閣僚は、去年に続いて靖国神社に参拝しませんでした。
 菅総理大臣は、靖国神社参拝について、「A級戦犯が合祀されており、総理大臣や閣僚の公式参拝には問題がある」として、在任中は、参拝しない考えを表明しており、去年に続いて、ことしも参拝を見送りました。また、菅内閣の17人の閣僚も、去年に続いて参拝しませんでした。終戦の日に閣僚が1人も靖国神社に参拝しなかったのは、政府が把握している昭和60年以降では、民主党政権となった去年とことしの2回です。一方、総務省の森田高政務官と浜田和幸政務官、それに文部科学省の笠浩史政務官の3人の政務官は靖国神社に参拝しました。

 政府高官に言及がある以外は、文章で読み直して見ても気がかりなことは何もない。そしてなんとなく民主党国会議員の参拝者もいないのではないかという気もしたが、そんなこともないのではないかとも疑念のようなものが湧いた。朝日新聞「自民の谷垣総裁ら靖国参拝 超党派の国会議員50人も」(参照)を読むと、民主党議員の参拝についての言及はなく、さも自民党員が熱心に参拝しているような印象を受ける。

 超党派でつくる「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」(会長・古賀誠元自民党幹事長)の所属議員約50人が15日、東京・九段の靖国神社に参拝した。
 同会によると、菅内閣では森田高総務政務官が参加。自民党の谷垣禎一総裁や安倍晋三元首相らは同会とは別に参拝した。

 「超党派」に民主党は含まれなかったのだろうか。NHK「「国会議員の会」が靖国神社参拝」(参照)を読むと、一箇所だけだが民主党の言及がある。

 終戦の日の15日、民主党や自民党など超党派で作る「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の50人余りの議員が靖国神社に参拝しました。
 「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」では、午前11時に会長を務める自民党の古賀元幹事長や、たちあがれ日本の平沼代表らを先頭に、民主党、自民党、たちあがれ日本、国民新党の50人余りが参拝しました。総務省の森田高政務官も参拝しました。「国会議員の会」の事務局長を務める自民党の水落敏栄参議院議員は記者会見し、菅総理大臣と閣僚の中で、15日に参拝する意向を示している人がいないことについて、「残念のひと言に尽きる。どんな政権であろうが、国のために命をささげた方々が祭られている靖国神社に、総理大臣をはじめ閣僚に参拝していただきたい」と述べました。これに先立って参拝した自民党の安倍元総理大臣は、記者団に対し「菅政権の判断なのだろうと思うが、国のために命をかけた方々に敬意を表するのは当然のことだ」と述べました。また15日は、「国会議員の会」とは別に、自民党の谷垣総裁らも靖国神社に参拝しました。

 どうやら、自民党の谷垣総裁は「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」には含まれていないが、それに含まれている民主党国会議員はいるようだ。
 誰なのだろうか。FNN「66回目の終戦の日 菅内閣は2010年に続き、2011年も17人すべての閣僚が参拝せず」(参照)を見ると、少し情報がある。

一方、靖国神社には15日午前、超党派の「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」のメンバー53人がそろって参拝し、会長の自民党の古賀元幹事長や民主党の羽田参議院国対委員長、尾辻参議院副議長らが参加した。


しかし、政府からは「国会議員の会」の一員として、国民新党の森田 高総務政務官が参拝したほか、午後には民主党の笠浩文文部科学政務官、さらに浜田和幸総務政務官がそれぞれ参拝した。

 「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の民主党国会議員で、53名に含まれるとして、羽田雄一郎議員と尾辻秀久議員の二人が上がっている。ちなみに「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」を検索してみるとウィキペディアに該当項目があり、次の名前が挙がっていた。

網屋信介、石田勝之、小沢一郎、金子洋一、川内博史、木内孝胤、鈴木克昌、橘秀徳、中津川博郷、長尾敬、萩原仁、羽田孜(第80代内閣総理大臣)、羽田雄一郎、原口一博(第12・13代総務大臣。在任中、参拝せず)、前田武志、松原仁、笠浩史、渡部恒三

 FNNのニュースの締めには、こんな挿話がついていた。

 安倍元首相は「日本のために命をかけた行為に対し、あらためて尊崇の念を表し、哀悼の誠をささげました」と述べた。
 石原東京都知事は「それは『国を救ってくれ』って言ったんだよ」、「堂々とみんな日本人だから、参ったらいいじゃないか」、「(民主党の閣僚は誰も参拝しませんが?)あいつらは日本人じゃないんだよ」と語った。

 石原都知事が言いそうなことでニュース記事というよりは落語のオチのような味わいがあるが、いずれにせよ、民主党閣僚の参拝はなかったということではあるのだろう。
 民主党としては靖国神社参拝をどう考えているのか、民主党の菅首相や自民党麻生元首相のように特段の思い入れといったものはないのかもしれないと思いつつ、産経新聞「靖国ルポ 大震災と先の大戦からの復興なぞらえる 天皇陛下のお言葉がキー」(参照)を読むと、民主党としての問題意識もあるようにも見える。

 さらに、民主党自身も左翼・リベラル色が濃かった菅政権からの脱皮を模索しているようだ。今年は政権交代後初めて、党として靖国神社に戦没者追悼のための「献花」を行った。
 関係者によると、当初は拝殿から本殿に向かう中庭に松原仁衆院議員ら有志が「民主党有志」名で菊などを供えるはずだった。
 ところが、執行部側が「それでは格好が悪い。自民党が党として出しているのにメンツが立たない」と言いだし、最終的に民主党としての献花とした。
 「首相も閣僚も誰も参拝しなかったが、国のために命を落とした人の慰霊に行くのは当然だ。花の代金を出したことで党は自己矛盾に陥ったとも、少しは前進したともいえる」

 記事が事実であれば、松原仁議員ら「民主党有志」が献花をすることだったが、有志ではなく「民主党」として献花ということになったようだ。参拝ではないが献花ならよいということなのだろうか。合掌なら仏教みたいだが黙祷なら無宗教みたいなようなものなのだろうか。
 この記事だが、奇妙な続きがあり、わずかな嘆息に至る。

 松原氏はこう話すが、ただの混乱なのか、党は変わりつつあるのか。15日には政府内からも笠浩史文部科学政務官らが参拝したほか、次期首相候補の一人である馬淵澄夫前国土交通相も13日に参拝しており、一定の変化の兆しはある。

 馬淵澄夫前国土交通相が13日とはいえ参拝していたというのだ。
 小泉元総理を真似たのかもしれないがあのおりはよくマスメディアが騒いでいたものだったが、ようするに日にちを二、三日ずらせば本質が変わるということではないということは言いえるだろう。
 ここでわずかな疑念が私の愚昧な脳髄の中にあって3つの形を取る。(1)産経新聞の記事は本当なのか。(2)馬淵澄夫前国土交通相は閣僚を辞したからよって閣僚ではないから問題にはならないということなのか、(3)他のマスメディアはこの問題をどう報じているか。
 三点目からだが、私の探す範囲では報じていなかったように見える。まるであたかもそんな事実はなかったかのような静謐さである。ということは、一点目の疑念にも関連して、この産経記事はそもそも事実ではないのではないか。元閣僚である馬淵澄夫前国土交通相はこの機に靖国神社参拝などしていなかったのではないか。
 そうであれば、話は非常にシンプルである。
 だが、どうなのだろうか。普通にネットを検索すると「「さんごママ」のケアマネ日記」というブログの「元国土交通大臣 馬淵澄夫氏靖国神社参拝」(参照)というエントリーがひっかかり、こう記されている。

 所で話は変わるが演壇で報告された「靖国会事務局」の方が昨日13日9時15分に民主党の元国土交通大臣 馬淵澄夫氏を靖国神社境内で見かけたそうだ。
 「何しに来た!」と思い一部始終を見ているとお付きの者2名と古式ゆかしい作法で境内を進み昇殿参拝なさったそうです。
 その事は報じられませんね。
 リーゼントが目立ったそうです。

 印象としてだが事実であるように思える。「靖国会事務局」の方の裏を取れば事実であるかは判明するだろうが、そこまでブロガーとしてすべきことのようにも思えない。
 事実であるなら、それをマスメディアが知らないわけもなく、そうであるなら産経新聞記事の言及は正しく、そして産経新聞だけが報じたということになる。
 事実であると仮定してみてもよいだろう。
 問題は先の2点目に絞られる。馬淵澄夫前国土交通相は閣僚を辞したからよって閣僚ではないから問題にはならないということなのか。
 原口一博議員も、ウィキペディアの記載によるのだが、閣僚時には参拝はしていないとあるので、民主党でよくあることなのかもしれないが、私の記憶では、原口議員は閣僚になって郵政問題と同様ににころっと立場を変える人なので、あまり比較にはならない。
 馬淵澄夫前国土交通相となると、三つの疑問が生じざるをえない。(1)もし閣僚であったならこの機の靖国神社参拝はどうしたのだろうか、(2)彼は首相候補に名乗りを出ていることと、この機の靖国神社参拝はどういう関係があるのだろうか。(3)首相になったら参拝はしないのか。
 そもそも、こうした疑問がなぜマスメディアに湧かないのだろうか。
 私の疑念はむしろそこに滞る。「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」に含まれている小沢一郎議員と馬淵澄夫前国土交通相の関係についてはさほど考えも及ばない。
 靖国参拝問題となれば、ことさらにざわつくツイッターなどネットの世界ですら、この疑問が伏されているかのように静寂だ。ネタを拾う先のマスメディアの沈黙と関係はないのだろうか。

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コメント

大変、興味深く読ませていただきました。

「敵の遺棄死体は八、九萬」が南京陥落時の日本陸軍による捕虜の殺害です。
この南京捕虜虐殺が畑俊六氏による「戦陣訓」へとつながり、対米戦争での玉砕戦、特攻戦へとつながって行きます。
「森松俊夫氏の二度目の犯罪」、「森松俊夫氏の正体」でグーグル検索すると、制服組主流派のバックボーンとも言うべき人物の犯罪につながります。

いまでも盛んな旧日本陸軍の生き残りによる歴史の改竄です。

投稿: 核心 | 2011.08.22 05:42

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