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2011.08.03

BLOGOSへの転載をやめた理由について

 たまにBLOOGSさんからエントリーの転載を求められることがあって、次の新エントリーが上がった時点で「該当エントリーの転載、OKですよ」ということにしていた。だだ漏れ的に転載するのもなんなので、転載時にはエントリの新旧差を付けていた。
 転載を求められるエントリーはBLOGOS編集部から評価を頂いたものだと思うし、どういう基準で評価されるかはわからないでもなかった。
 そのうち、これは転載しないほうがいいなと思うエントリは、転載に不向きなような下品なギャグをわざと撒いておいたりもした。極東ブログというブログをそれなりに読んできた人や、それなりに読む価値があると思っていただける人でないとわからないエントリというのもあり、転載に向かない内容もある。その場合には自分なりの配慮をしていたつもりでもあった。口調が下品であることと内容の深みには関係ないが、広く公開される文章というのは逆の関係にあり、内容の深みがなくても口調がそれっぽいと多く支持されるものである。別の言い方をすれば、発表媒体がわかって合意しているなら、それっぽい文体に直して書くことはさほど難しいことでもない。
 その点で、「中国の高速鉄道事故についてあまり気の向かない言及: 極東ブログ」(参照)は、まあ、このブログをそれなりに読まれたことのあるかたにしてみると、レトリックだけ見れば、またやってらの類で、広く公開されるエントリーというタイプの趣向ではない。そこがわかればレトリックに拘泥もしないでしょ。
 はてなブックマークのコメントにryokusaiさんというかたが、「翁が韜晦しておきながらわかつてくれないと愚痴るのはいつものこと。韜晦した以上わからない奴が続出するのは当然だらうと私がブコメするのもいつものこと。」(参照)と書かれていたが、愚痴っているとか見るのは穿ちすぎだが、ああまたかの部類でしかないのはたしか。
 そうは言っても、BLOGOSのコメントのlparさんというかたが「すごい記事だな、新聞記事を並べただけで自説があるわけでもなく、理解できないって自分の馬鹿さをカミングアウトしてるだけ・・・」(参照)というのもしかたがないかとは思う。あー、馬鹿さをカミングアウトは毎度のことだけどね。
 同様、はてなブックマークコメントのA_Kamoさんの「なぜ人は自分の文章を読む人が、自分と同じ知識を持っていると期待してしまうのだろうか」(参照)だけど、いやいやそんな一般論じゃないっす。考えすぎ。
 まあ、うかつに転載許可を出しちゃった自分が、まさにうかつでしたねというのもあるけど、BLOGOSさんも炎上マーケティングネタだったのかなという疑念はちらとあった。が、そうではないというお答えもいただいた。素直に受け取っておきました。
 誤解なきように強調しておくと、BLOGOSの編集・運営にはなんら不満はありません。ついでに強調しておくと、BLOGOSに転載したからといって、なにか見返りということはありませんでしたよ。BLOGOS経由のPV(閲覧数)が増えるということはあるけど、このブログの場合、それほど大きな比率ではもない。大きな比率といえば、たまにYahoo!からリンクがあって、それはぐわんと来る。さほど見向きもされなかった過去エントリーにどかんとアクセスがあると感慨もある。よく過去エントリ見つけたね、というか。
 で、この件だが、潮時かなというのもある。このところ、ネット言論の劣化という大喜利があるが、劣化うんぬんというより、今回の事例でも思うのだが、書かれている内容への批判ではなく、書いている人への短絡的な罵倒が多い。率直なところ、私への罵倒だけという内容のコメントも増えてきた。さすがにこれは、公開したら訴訟するのが筋だろうみたなものは非表示にしたが、そろそろあれだなあ、エントリ内容への批判ではなく、私に対する罵倒や揶揄というコメントは、それだけで非表示にするかなと思うようにもなった。
 そうした矢先でもあり、転載先のコメント欄に、私に対する罵倒が並ぶのも、自分のうかつさはあるとして、もうなんか嫌だなと思うようになった。というわけで、罵倒OK牧場の転載はなしとし、またこのブログでも、私に向けた罵倒・揶揄というコメントは承認しないことにします。もちろん内容への批判は多いに受けます。誤解・誤訳の指摘はいただけるとありがたい。
 
 ちょっとおまけ。
 前回のdenden-cafeさん(参照)。


中国は日本からきちんと学んでいる」→国有鉄道の解体は日本から学んだけど、安全設計は学ばなかったって言いたいのかな。やっぱり何が言いたいのかさっぱりだ。このブログを読むには私の知性が足りないんだろう。 2011/08/02

 主語を補うとわかりますよ。「国有鉄道の解体は日本から学んだ」の主語と、「安全設計は学ばなかった」の主語ですね。知性の問題ではないですよ、ご心配なく。
 manga_kojiさんのツート(参照)。

中共が大きくなりすぎた鉄道利権を解体するイイチャンスだと思ってるだろう。とは思ってたよ。借金は方便でしかないでしょ。国鉄と同じで。資本主義では借金こそが財産だから。何で気が重いのかわからない。 / 中国の高速鉄道事故についてさらに気の向か… http://htn.to/V8Jvq

 簡単に「信用の問題」と返信しておいたけど、「資本主義では借金こそが財産」になるのは、信用がある場合。この程度の事態で、中国という信用は揺るがないというのは究極的にはそう。最悪、国家所有の土地を租界で売っぱらうとかいうのは冗談だけど国家にはその手の芸当ができる。それでいいじゃないかというのが、鉄道部。そうじゃなくて、その借金を特定の権力集団に集中させるのではなく、分割して国民の信頼に変更しようというのが今回の北京政府側の遠謀。これ、つまりかつての日本の基本政策と同じ。中国としては、あるべき共産主義を過去の日本に見ているというのが、21世纪网にCaves&Christensenの「The relative efficiency of public and private firms in a competitive environment:The case of canadian railroads」が引かれている理由。
 関連して、zi1chさんのツイート(参照)。

今回の方が何言いたいか分かりづらい気が…まぁ引用が多くて字面が長い、というのが読んでる側にとっては…ねw 要は中国は寄せ集めた鉄道一式を途上国に売りつけたい、のですかね?>中国の高速鉄道事故についてさらに気の向かない言及: 極東ブログ http://ow.ly/5TilG

 すでに返信しておいたけど、北京政府は債務という形であれ、より公平な中国国民が責任を持てる資産の形にしたいのですよ。まあ、それを郵貯みたいなもので吸い上げたらもう完璧かもしれないけど。
 もひとつおまけ。MFさんというかたのコメント。

 中国の鉄道省が上海(江沢民)派の巣窟で、今回の事故を奇禍として北京(共青団)派の胡錦濤等が上海派潰しの権力闘争を仕掛けているなんてことは、チャイナ・ウォッチャーにとっては常識的な見方に過ぎず、なぜ論点ぼかしをする必要があるのか分かりません。
http://melma.com/backnumber_45206_5245350/

 宮崎正弘さんがソースで比較されてもなあとは思うけど、「今回の事故を奇禍として北京(共青団)派の胡錦濤等が上海派潰しの権力闘争を仕掛けている」は全体構図のなかではポイントではないのですよ。なので、そう思われると論点がぼけてしまうのはしかたないでしょう。
 高速鉄道問題は、利権がからみ、言論が歪んでいるのは、かつての原発と似たような構造があって、なかなか発言しづらい。
 繰り返すけど、21世纪网にCaves&Christensenの「The relative efficiency of public and private firms in a competitive environment:The case of canadian railroads」が出てくるあたり、中国さらに大きく変わる可能性を秘めているんだなと、びっくりしていいとは思う。
 
 

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コメント

 管理人さんの考えは、理解しました。
 私は、原発問題のグダグダのときには参加していないので、詳しい点までは分かりかねますが。
 ただ一点、以下の点について。
>…が出てくるあたり、中国さらに大きく変わる可能性を秘めているんだなと、びっくりしていいとは思う。
 おそらくこの点が、ある程度中国をウォッチしてきた者との最大の感覚のズレでしょうね。
 中国のメディア、あるいは政治家からも、実に“素晴らしい意見”が発表されることは珍しくないこと。ただ、そういったものを聞いたり読んだりして、「中国さらに大きく変わる可能性を秘めているんだな」などと感心したり、びっくりしたりする者はまずいないということ。なぜなら、過去にそうした“立派な意見”がどう扱われ、社会にどう影響を与えたのか、与えなかったのかを知っているから。
 今回の「21世纪网」の記事にしても、まず「21世纪网」とはどういった系列のメディアか、誰が書いた記事か、背後関係はどうなっているか、記事が発表された政治的タイミングは?、この記事が他のメディアに転載される等の影響力の拡大があるか否か、これを否定する記事が発表されるかどうか、といった点にまず注目し、背後にある権力闘争を読もうとするのがウォッチャーの哀しい性ですw

投稿: MF | 2011.08.03 16:14

えっ、僕はこないだからずっと未承認でしたが・・・。

投稿: みかん | 2011.08.04 22:02

BLOGOSコメントの「すごい記事だな、新聞記事を並べただけで自説があるわけでもなく、理解できないって自分の馬鹿さをカミングアウトしてるだけ・・・」はhanami8715ではなくてlparです。
自分もBLOGOSコメントのユーザーですが、あの中にはニュースを読むのが下手な者が結構いるので仕方ありませんかね。
個人的には個々のブログのデザインと字のフォントを揃えて見やすく表示してくれるBLOGOSのサービスは気に入ってるので、転載の中止は残念に思います。

投稿: oberon1787 | 2011.08.05 00:10

oberon1787さんへ。ご指摘ありがとうございました。訂正しました。また、hanami8715さんへは誤認してしまい申し訳ありませんでした。

投稿: finalvent | 2011.08.05 08:11

みかんさんへ。「みかん」さんで、未承認のコメントはないかと思います。私が忙しくて承認が遅れているか、システムのエラーではないかと思います。私は、それは、ゆえに、誤認であると理解しています。それとは別に、エントリと関係ない連絡的なコメントも非表示にすることはあるかもしれませんが、便宜上のことです。たとえば、このコメントなどもそうした分類には入ります。

投稿: finalvent | 2011.08.05 08:13

そういえば以前、新幹線で利益をだすのは難しいという内容のエントリーがありましたね。あまり関心の無いエントリーだったので詳細は覚えていませんが。
中国の高速鉄道の問題の一つは都市部を繋いで無い所にあるんじゃないかなと思っています。都市の郊外に駅を作ってるので凄く不便。多分、駅ができればその周りが発展すると見込んだのだと思いますが、これはまずいんじゃないかなと前々から思っていました。個人的には小泉政権の時に反中に走ったのが間違いだったのだと思っています。
確かに酷いコメントがばかりの様ですが、賛同している人はわざわざコメントは書かないというのがあると思います。管理人様以外にも、どうこれから中国と付き合っていくのか発信されている方々はいますので、少し残念ではあります。

投稿: あき | 2011.08.05 22:17

経験上、大体極東ブログさんみたいなブログにコメントしちゃうのは大学生ぐらいだと思います。知識も増えてきてちょっと社会のことにも目を向けてみようかな、といった頃合で、世界の話題を扱っている辺りが非常にツボというか、ちょっと一見では小難しい所も逆に都合がいいわけです。世界情勢に目を向ける俺カッケー!というわけですね。
かれこれ10年位見てますが、社会人になるとそういう時間もなくなってしまうので特にコメントするということも無いと思います。上の方も書かれてますが肯定意見ならなおさらです。ふーん、なるほどね、と、それで終わりです。

回りくどく長々とすみません。何がいいたいかというと、好きなようにやったらよろしいと思います。コメントなんてしないけど、なるほどと好意的に読んでいる人もいますよ。

投稿: | 2011.08.09 03:52

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