世界中みんな大好きスパゲッティ
スパゲッティが好きかと聞かれるとちょっと戸惑う。嫌いではない。ご飯と同じくらいは食べている。週に二、三度。すまん。僕はあんまりご飯は食べない。それでもミルキークイーンは5キロ単位で買っておくし、スパゲッティはディチェコを12キロ箱買いしている。カッペリーニもそう。ついでにいうとパンを作るために強力粉を10キロ単位で買っているし、パスタマシンでフェットチーネを作ることもある。冬眠前の小動物のように穀類を備蓄しているので、先日の大地震の際も水とガスがあれば当面食べ物に困るこということはなかった。
好きだと耳元で言ってもいいんじゃないか、スパゲッティは。そんな気はしている。世界中みんなスパゲッティが大好きでもあるらしいし。15日のBBCにそんな話があった。「How pasta became the world's favourite food(いかにしてパスタは世界の好物となったか)」(参照)である。ブログのネタになりそうだ。こう始まる。
While not everyone knows the difference between farfalle, fettuccine and fusilli, many people have slurped over a bowl of spaghetti bolognese or tucked into a plate of lasagne.「ファルファッレ」「フェットチーネ」「フジッリ」、その違いを誰もが知っているわけではないが、多くの人はミートスパゲッティをずるずると食べるし、ラザニアをおなかに詰め込むものだ。
「ファルファッレ」は蝶の形のあれ。「フェットチーネ」は日本風に言えば、きしめん。「フジッリ」は螺旋状にねじったあれ。何故、かくも形が違うのか。ソースを絡ませるためというのもあるが、もっと本質的な答えは「アーリオオーリオのつくり方(片岡護)」(参照)に答えが書いてあった。
BBCの記事中、「ミートスパゲッティ」と意訳したが、原文では"spaghetti bolognese"。スパゲッティ・ボロネーゼである。ミートスパゲッティと何が違うのか、僕は知らない。知っているのは、ソースのラグーは複数の肉を使うということくらいだ。
読み進めると、え?という話もある。
Certainly in British households, spaghetti bolognese has been a regular feature of mealtimes since the 1960s. It's become a staple of children's diets, while a tuna-pasta-sweetcorn concoction can probably be credited with sustaining many students through their years at university.実際英国の家庭ではミートスパゲッティは1960年代以降定番の一品となっている。スパゲッティは子どもの主食であるし、大学時代に学生が食いつないでいるものといえば、ツナコーンスパゲッティだろう。
うかつにも「ツナコーンパスタ」なるものを知らなかった。ツナとスイートコーンが具になったスパゲッティだろうということは想像が付く。しかし、ソースは? ググってみたら、すぐにわかった。同じくBBCにレシピがあった。「Tuna pasta bake recipe」(参照)である。ペンネをホワイトソースに絡め、ツナとスイートコーンを入れて焼く。日本語でいうならグラタン。それならチキンのを僕もよく食べる。そういうものかと思ったら、日本だとファミマにツナコーンパスタなるものがあるらしい。ソースはわからない。
BBCの話はそんな切り出し。面白いと思ったのは、スパゲッティが英国家庭に普及したのは1960年以降、比較的近年ということだ。振り返ってみると日本でもその頃のような気がする。
![]() アーリオ オーリオのつくり方 片岡護 |
世界中みんなスパゲッティ大好きというなら、どの国かベストテンか? 一人当たり年間26キログラム食べちゃうイタリアはもちろんとして、続くのは、12キログラムを平らげるベネズエラ。他、トップテンには11キログラムのチュニジアが入る。チリやペルーも入る。牛肉ばっかり食べていそうなアルゼンチンやメキシコでもパスタの消費は英国より多いらしい。ギリシアでも10.4キログラム、スイスでも9.7キログラム食べるらしい。
なぜスパゲッティというかパスタが世界中で好まれるようになったのか。簡単で美味しいからというのはあるし、僕の食生活でもそうだが、備蓄が効くという理由も大きいようだ。それらを総合して判断すると、多少意外でもあったが、工業製品だからということになるらしい。小麦は農産物であるが、パスタは工業製品として製造され流通されるのが普及の強みということだ。
BBCではパスタの歴史についても話が進んでいる。ローマ時代にも似たものがあったらしい。中国起源のように思われているがそうでもないらしい。
現代のパスタの起源はというと、8世紀頃アラブ世界で発明され、シチリア島から普及したらしい。現代ではお安い食品だが、普及したころは高級食材でもあったそうだ。イタリアの歴史に登場したのは、1154年。日本で木曾義仲が生まれた年である。
ナポリに普及したのは1700年代というから、イタリアでの普及はじんわりというところだったのではないか。また米国での普及は20世紀に入ってイタリア系移民によるらしい。
パスタという小麦、とくにセモリナ粉から作られるのだが、スパゲッティの木になる実であると、BBCが1957年4月1日に報道して、国際的な話題になったことがあった。

収穫の映像(参照)はなかなか興味深いものである。
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コメント
ローマ帝国の世界征服の尖兵がイタリアンパスタ?(笑)
投稿: enneagram | 2011.06.17 09:08
パスタは西洋のうどん・そばです。日本でうどん・そばが人気なのと同じ。私はパスタよりも、うどん・そばをたくさん食べます。
投稿: aaa | 2011.06.17 14:07
スパゲッティが売れるンだったら、日本の蕎麦とかうどんとかも売れませんかねえ。蕎麦はまぁ蕎麦の実挽いて捏ねるだけだし、うどんに至ってはそんなに小麦の種類は問わないんじゃないですかね。強力粉か中力粉でよかったはず。しかも袋に入れて裸足で踏めばいいんだから、昔のワイン製法と似ててご家庭受けするかも。
いや、日本国内じゃあ、やれ春なんとかだ、夢何号だとか言ってますけどね。
投稿: とおりすがりの。 | 2011.06.19 01:27