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2011.06.17

パッションフルーツの「パッション」はキリストの受難

 パッションフルーツ(passion fruit)というと、その鮮烈な南国的な香りから、南国の情熱=パッションというイメージがわくかもしれないけど、この「パッション」の意味は、キリストの受難。知ってる人は知ってるかもしれないけど、知らない人は知らないかもしれないので、知らない人向けに雑談を。

 もともと英語の"passion"という言葉には「受難」という意味がある。受難というのは、「受験」が「試験を受ける」みたいに、「苦難を受ける」といった字面の感じがあってそれも間違いではないけど、キリスト教では、イエス・キリストが十字架に至り、こと切れるまでの苦痛を指している。
 ちらとウィキペディアを見たら(参照)、「受難(じゅなん、Passion)とは神学用語で、イエス・キリストの裁判と処刑における精神的および肉体的な苦痛のための言葉である」とあったが、裁判の前にも苦しみがある。ゲッセマネ園とか。このあたり、ジーザズクライスト・スーパースターとかでも絶唱していた。つらそうなんで、カール・ハインリッヒ・ブロッホは天使がイエスを慰める絵なんかも描いている。あー、そこの君、誤解しちゃいかん。

 バッハの「マタイ受難曲」も英語だと"St Matthew Passion"。ちなみに、マタイの受難ではなくて、マタイによる福音書が描くイエス・キリストの受難。
 語源を見ていくと、「情熱」よりもイエス・キリストの受難が先にありそうだ(参照)。
 話を戻して、なんでパッションフルーツが「受難の果実」なのかなのだが、これ、果実とは関係ない。花のほうが受難に関係していて、その実だからついでに、パッションフルーツというだけのこと。
 受難の花とは、いかなる花か。これね。ちと、ぐろい。

 なんじゃこりゃと思うような形状なんで、なんじゃこりゃと考え込んだ人々がいた。こう考えた(参照)。
 この写真だと見えづらいが、10個ある花弁と萼はイエスの使徒の象徴。ちょっと待て。12使徒じゃないの? そこはペテロとユダを除く、と。もにょもにょしている部分は、イエスのはめられた茨の冠。写真からは見えないけど子房は聖杯。そしてなによりよく見えている、上部の3つに分かれた部分がイエスを十字架に打ち付けた釘。さらにもう一つの釘と槍で5つの聖痕がその下の5つに分かれた部分。
 その解釈は無理すぎでしょと思うような話なんだが、15世紀のスペインなんだからしかたない。
 ところで、この3つの先端は、時計の短針・長針・分針に見えないこともない。12進数ではないが、花弁が時計の文字盤に見えないこともない。というわけで、この花は時計草とも言う。時計草の一種にパッションフルーツの"Passiflora edulis"があるいうのが正確。
 時計草の種類で他に面白いのは、"Passiflora incarnata"(参照)。パープルパッションフラワーとも言われているように紫色。鉄線みたいな印象もある。和名だとチャボトケイソウ。これがハーブ薬として利用されてきた。用途はというと精神安定らしい。効くのかよというところだが、研究した人がいて、それなりの効果はありそうだ(参照)。
 パッションフルーツを巡る雑談はこれでおしまいだが、なんでこれに関心もったかというと、沖縄暮らしでよく見たからだ。パッションフルーツは沖縄でよく作っている。ちょっと形の悪い実とかが直販店でたっぷり袋詰めで300円とかで売っていたのでよく買ってはジュースとかにしたものだった。実はペースト状なんだが種が多くて食いづらい。
 パッションフルーツの栽培農家以外に庭木として植えている家も少なくない。今年の夏はグリーンカーテンというのか、蔓の植物を植えて日差しを避けようという話もあるが、沖縄ではこれにゴーヤー以外でパッションフルーツがよく利用されている。
 内地でもパッションフルーツできつい日差しを避けるなんていうのもいいんじゃないか。花も面白いし、実がなったらジュースにもなるし。

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コメント

花は咲けども実はできず,最後はイヌが体当たり,
俗にいう野菜時計草は雑草です.食べたことないなあ.バンコク近郊より.

投稿: KI | 2011.06.18 22:21

 ゴーヤ以外のグリーンカーテンて、ヘチマとか朝顔と思ってましたが、パッションフルーツですか。
 面白そうだけど、冬は4℃、夏は30℃という成育枠があるみたいだから、東京でも微妙かもしれませんねえ。
 ところでこれってやっぱり「1年草」なんですかね。樹木かと思ってたから意外だった。

投稿: とおりすがりの。 | 2011.06.19 01:22

田舎が徳之島なのでパッションフルーツよくみかけるのですが、すっぱくて苦手(≧д≦)

投稿: しらたまZ | 2011.06.20 09:42

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 極東ブログでは、パスタの木の栽培の話に続いて今度は、パッションフルーツの栽培の話しが始まっている(参照)。というか、キリストの「受難」(磔=はりつけ)の意味が「パッション」であることと、パッションフ... [続きを読む]

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