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2010.12.29

今年は75周年記念になるモノポリーが面白かった

 今年を振り返ると意外とモノポリーをやっていたなと思い至った。あの双六ゲームのモノポリー(Monopoly)である。
 理由は……というほど大した話でもないが……iPhoneアプリにコンピューター対戦版のモノポリーをたまたま見つけて、これなら一人でもできるし、一人でできるなら以前やったが忘れてしまったルールを確かめておきたいというのがあった。これも、なかなかよいですよ。ついでにワールド版のほうのアプリも買ってしまったが、ルールというか面白さは同じ。力士の駒がアニメーションで動くのが笑えるというくらい。ただ、本当に面白いのは実際のボードゲームのほう。

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モノポリーNEW
 もう一つ理由があった。今年はモノポリー75周年記念らしく、そのせいか、ようやく今年になって日本版も世界標準のデザインにリニューアルされたらしい。そりゃいいなと思った。アマゾンで見たら「モノポリー NEW」(参照)とNEWが付いている。が、NEWというより英語版のクラシックに近いスタンダードなものになった(厳密にはルールも細かく整理されたらしい)。じゃあと思って欲しくなった。以前私がやったのは英語版だった。
 私がモノポリーをやっていたのは1992年頃だったと思う。なんとなく集う友人間で始まったのだが、どちらかというと私は傍観者だった。今思い出すと、糸井重里さんが仕掛けたブームのころだったのか。と調べてみると、彼の仕掛けは1986年らしい(参照)。してみると私たちのあれはそうした影響だったのだろう。
 メンツを揃えて久しぶりにモノポリーをやってみると面白い。いやあ、これは面白いもんだなと思った。やったことがない人はやってみることをお薦めする。
 ルールは率直に言って簡単とは言い切れない。が、対象年齢は8歳以上というのは嘘ではない。一度プレイすれば小学生でもできる。これを小学生にやらせておけば、民主党政権にぞろぞろいるような「アナクロティック (C) by Sengoku」(参照)な左翼爺さんみたいな者にはならなくなる……いや逆に資本主義打倒とか言うようになるかな。まあ、そんなことはどうでもいいが、こうしたゲームを通して、"mortgage"とかの感覚を小学生くらいから養っておいてもいいのではないか。牢獄に入れられても適当な対価で出られるという感覚も自由主義国なら普通に子どもが身につけていい感覚だ。
 プレイ時間は意外とかかる。二時間くらいは普通にかかる。現代的ではないなとそこは思うのだが、その後普及しているスピードルールはどうもなじめない。これはしかし私も考えが変わるかもしれない。
 時間を決めて打ち切るというのもしかたないことがあるが、プレーヤーの二人が同じくらいの力で拮抗しているときは、あと10分もすればモノポリーらしい効果で総崩れが起きると思うとなかなか引きづらい。このカタストロフィックな感じはまさに世界大恐慌の思い出が生み出したゲームならではないかと思う(つまり、その点では現代の資本主義とはかなり違う感覚ではないのか)。
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モノポリーディール
 ついでに最近できたらしい「モノポリーディール」(参照)というカードゲームもやってみた。
 カードゲームのモノポリーディールは、当然ながら双六のモノポリーとはまったく違ったゲームなのだが、カードに使われているネタはモノポリーと同じなので似た雰囲気が味わえるし、賃貸料を家やホテルを仕掛けて相手を破産させるあたりはいかにもモノポリーらしい。こちらは、1ゲームが30分くらいで終わる。慣れてくると20分くらいと手短で済む。セットもカードだけなので持ち運びも楽だし、ちょっと見には複雑な印象のルールもだが、かなり簡素にまとまっていてやはり8歳以上でできる(1枚にまとめたルールカードも4人分ついている)。意外にこれはいいなと思ったのは、二人でやってもそれなりに様になることだ。モノポリーはなんとなく気が引けるという人が、最初にこれをやっても楽しいだろう。
 私としてはカードゲームというのはトランプの亜流のようで、ルールとか戦略の美しさというものがないなと思っていた。二人ならジンラミー、四人ならブラックレディーで十分ではないかと。しかし、そうではないな。当たり前といえば当たり前だが、新作のボードゲームやカードゲームには独自の世界観や、対人交渉の独自の面白さがある。


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