尖閣沖衝突事件の中国人船長を釈放
日本領海内である尖閣諸島周辺で7日海上保安庁・巡視船に中国漁船が衝突し、公務執行妨害の疑いで逮捕・送検・拘留されていた詹其雄(41)船長について、那覇地検は今日、処分保留の釈放を決定した。理由は、「船長がとった行動に計画性は認められず、我が国の国民への影響や今後の日中関係を考慮した」(参照)とのことで地検が外交関係に配慮したことを明確に示した。釈放時期は未定だが早急に実施されることだろう。
司法が外交に言及するなど、通常なら余計なことを口にして愚かなことだと見られがちだが、今回の地検対応はそれなりの意味がある。
日本人の大方の印象は理不尽な中国の圧力に屈した菅政権の弱腰外交の影響を見ることだろう。この数日、中国側は詹船長釈放に向けてかなりの圧力をかけていたことがどうしても背景に見られてしまう。
国連総会出席で訪米した温首相はニューヨークの在米華人会合で「必要な対抗措置をとらざるをえない」(参照)と延べたが、中国人向けにのメッセージであるにもかかわらず、これに歩調を合わせるかのように世界需要の大半が中国で産出されるレアアースの対日輸出禁止がニューヨーク・タイムズで報道(参照)されたことや、ゼネコン「フジタ」社員4人が河北省石家荘市国家安全機関の取り調べで拘束された報道が続いていた。日本人にしてみると、これは日本への中国からの不当な圧力に見える。
中国をある程度注視してきた人間であればレアアース輸出禁止はニューヨーク・タイムズ報道後に即座に否定が入るほどよくできたマッチポンプでしかないし、安全保障の名目でご都合主義的に中国が外国企業人を逮捕するなど、リオ・ティント社事件(参照)から考えれば四季折々の趣向もない日常の風景に近い。
むしろこんな児戯に等しいパフォーマンスをご丁寧にやってくれたものだなという中国の心情を察するべきで、そうでもしないと通じない日本の民主党へのいらだちがある。
推移から推測する部分があるが、北京政府側は今回の中国漁船と称するこの船舶の独走に困惑を感じていただろう。もちろん自称漁船も毎度の行為の延長で脅しに出たに過ぎず、たいしたヘマをやったとは思っていなかっただろう。日本ではこの件で今回注目されたが、領海内への中国漁船および台湾船の侵犯は、私が沖縄で暮らしていた8年前からでもよく聞く話であった。沖縄タイムスを見ると今でもそれほど変わってはいないようだ(参照)。
その後の経緯から見て、この自称漁船には、中国の軍ないし一部の勢力が荷担していると見てよいだろう。外交評論家の岡本行夫氏が「ねじれた方程式『普天間返還』をすべて解く」(文藝春秋2010.5)でこう述べているように、中国の領海拡張の常套手段である。
南ベトナムから米軍が引くときは西沙諸島を、ベトナムダナンからロシアが引いたときは南沙諸島のジョンソン環礁を、フィリピンから米軍が引いたときはミスチーフ環礁を占拠した。
このパターンどおりなら、沖縄から海兵隊が引けば、中国は尖閣諸島に手を出してくることになる。様子を見ながら最初は漁船、次に観測船、最後は軍艦だ。中国は一九九二年の領海法によって既に尖閣諸島を国内領土に編入している。人民解放軍の兵士たちにとっては、尖閣を奪取することは当然の行為だろう。先に上陸されたらおしまいだ。
そうなった際は、日本は単に無人の尖閣諸島を失うだけではない。中国は排他的経済水域の境界を尖閣と石垣島の中間に引く。漁業や海洋資源についての日本の権益が大幅に失われるばかりではない。尖閣の周囲に領海が設定され、中国の国境線が沖縄にぐっと近くなるのだ。
その意味で、中国による尖閣諸島実効支配への弛まぬ努力は単にお仕事をしているだけで、しかもいつものプロトコルどおり「漁船」から繰り出しているのであるが、不慣れな民主党政権は、やや強行に出てしまった。
しかも、中国軍側のお仕事に「やってよし」というシグナルを出したのは、直接的には中国軍であろうが、「いいんじゃないの」という雰囲気を醸し出したのは日本の民主党政権である。
あまり解説するとろくなとばっちりが来ないが、中国軍側としてはこの領域における米国のコミットが解除されたのか、日本の政権交代以降、気になっていた。
また「南シナ海領有権問題に関わる中国と米国: 極東ブログ」(参照)で触れたように南シナ海側にも出たいと思ったら、関係国を怒らせあまつさえ米国に泣きつき、米国が強面に出るという事態を引き起こしたが、東シナ海については米国の日本コミットが薄れているか試してみたいところだった。
今回の事態で私が面白いなと思ったのは、そうした中国軍の思いを在米の中国サイドがわかりやすくメッセージを出してくれたことだ。特にニューヨーク・タイムズでニコラス・クリストフ記者が傑作だった(参照)。
As I noted in my previous item, the U.S. in theory is required to defend Japan’s claim to the islands, based on the wording of the U.S./Japan Security Treaty. In practice, we wouldn’t, but our failure to do so would cause reverberations all over Asia.前回述べたように、日米安保の文言からすれば、米国は理論上は尖閣諸島についての日本側主張を守ることを求められる。実際のところは、米国は動かないだろう。しかし、そうしないとアジア諸国全体に影響を与えることになる。
米軍が動かないことは、事実上独自の防衛力を持たない日本にとって、国益の放棄になり、アジア諸国に脅威を与える。これは14日付けフィナンシャル・タイムズ社説「Mending fences in Beijing and Tokyo」(参照)が参考になる。
Japan is not wrong to defend its interests. If it cannot, what hope for smaller countries such as Vietnam, which also has territorial disputes with Beijing?日本が自国の国益を守ろうとすることは間違いではない。もし日本ができないようなら、中国と領土問題を抱えているベトナムなど日本より小さな国にどんな希望があるというのだ?
しかし結果的に見ればクリストフ記者の活躍はグッジョブだった。おかげで米政府はこの機会に尖閣諸島問題にもう一歩踏み出した言及に迫られることになった(参照)。
【ニューヨーク時事】前原誠司外相は23日午前(日本時間同日夜)、ニューヨーク市内でクリントン米国務長官と約50分間会談した。前原外相は尖閣諸島(中国名・釣魚島)沖の海上保安庁巡視船と中国漁船の衝突事件について、国内法に基づき刑事手続きを進める方針を説明。これに対し、クリントン長官は尖閣諸島について「日米安全保障条約は明らかに適用される」と述べ、米国の対日防衛義務を定めた同条約第5条の適用対象になるとの見解を表明した。
雨降って地固まるの類だが、もともとそこまでの馬鹿騒ぎになると北京政府側は想定していなかっただろう。
中国軍側のお仕事とは逆に、北京政府側としては、領有権だの歴史問題だので反日ナショナリズム運動が暴発するのが一番の迷惑である。愛国の旗を掲げて実際には政府側を批判するというのが中国政情不安の定番でもある。しかし、日本の稚拙な強攻策のおかげでまず中国内政に手を打たざるを得なくなってしまった。
加えて、北京側ではすでに南シナ海問題でアジア各国を敵に回し、その後ろ盾に米国が付くというまずい構図を引き起こしている。さらにこれと同じ構図を対日本で取りたくないところだ。そうでなくても、米側から通貨問題でバッシングを受けているし(参照)、インドなど南アジア諸国からも国防上の反感を買いつつある(参照)。
繰り返すが、北京側としては、いつも通り日本は「漁民」を送還してくれるものと期待していたし、それがいわば暗黙のプロトコルであったのだが、今回の民主党政権はどうしたわけか、いちばんヤバイ「船長」が残され、拘留までが延長されている。さらにヤバイだろうビデオテープも押さえられている。こんなものがユーチューブにでも公開されれば、中国軍側のメンツからさらに強行に出て、押さえきれなくなるかもしれない。
日本の民主党政府もおそらく米側からの説得だろうが、ようやくこうした事態の構図を理解し、そして安保確認という実質的な利を取ったのだから、ここで北京政府側に少しお詫びの熨斗でも付けておくべきかというところで、29日の拘留期限を5日ほど前倒しにした。日本の検察がそれは外交理由だと明言した事態の背景はそんなところだろう。もともと日本には領海侵犯罪といった法はなく、通常は漁業法違反で対応している。今回は立ち入り検査の公務執行妨害であり、過去の事例から見て起訴できるすらどうかも危ぶまれるケースでもある。国内的にも、起訴できませんでしたという結果を出して中国に分があるように見せるよりはましという判断もあるだろう。
中国人は律儀である。借りを受けたと理解すれば、しばらくして別の文脈を装ってそれなりのお返しはしてくれる。日本の民主党政権に智恵があるなら、好日ムードなんか要らないから、北朝鮮のほうにちょっと色を付けてねとメッセージを出すべきだろう。
追記
「中国人は律儀である。」という中国人観をお気に召さないかたが多いようだ。意見が異なるということはしかたがないが、「律儀」を日本風に誤解しているかたが多いようなので補足しておきたい。
![]() この厄介な国、中国 岡田英弘 |
中国人と中国政府は異なるというのも当然だが、中国政府は他国政府、とくに複数の政府に対して、この貸借対照表の感覚を内政の敵対関係上使わざるを得ない。「日本がいかに悪いか」が他の関係国に意味があるように響かないと、vulnerabilityになってしまう。
今回の例では「日本もなかなか北京のご意向を酌んでいるじゃないか」という内政的な視点を放置すればそれがまたvulnerabilityとなり内政的な弱点を産むのである。
追記
「中国人は律儀だ」というエントリの文脈に直接対応するわけではないが、その後の中国の軟化の展開は存外に早いものだった。
26日付け共同「中国、対立収拾へ着地点探る 尖閣漁船衝突事件」(参照)
中国外務省は、日本が要求を拒否する外務報道官談話を出したのを受けて再び反論したが、謝罪と賠償を「求める権利がある」と微妙に表現を弱めた。中国外務省筋によると、これは中国側が「振り上げた拳」を調整し始めたシグナル。日本側の謝罪と賠償がない限り妥協しないという意味ではないという。日本が処分保留で船長を釈放したことで中国側は「最大の目的は達成した」と判断している。
28日付け共同「中国副局長、日本重視と強調 関係修復に「行動」求める」(参照)より。
中国外務省の姜瑜副報道局長は28日の定例記者会見で、中国が日中関係を重視していると強調した上で、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近での漁船衝突事件で悪化した関係の修復に向け、日本側に「誠実で実務的な行動」を促した。事件をめぐり、日本側に要求していた「謝罪と賠償」をあらためて求めることはなく、改善に向けたシグナルを送った形だ。
姜氏は、事態収束への努力を日本側に促す一方で「(日中)共同の努力」も強調、これ以上の関係悪化に歯止めをかけるよう呼び掛けた。
姜氏は、中国側が求めた謝罪と賠償を日本側が拒否、逆に巡視船の修理代を求めていることについて「日本側は相応の責任を負うべきだ」と反論。しかし従来より表現を弱め、中国が日本側を刺激しないよう配慮していることを示唆した
29日付けNHK「中国の強硬姿勢 軟化の見方も」(参照)より。
沖縄県の尖閣諸島の日本の領海内で起きた中国漁船による衝突事件で、中国政府は、事実上止めていた希少な資源レアアースの日本への輸出手続きを28日から再開させたほか、中国外務省の記者会見でも、日本側に要求してきた「謝罪と賠償」については言及を避けており、これまでの強硬な姿勢を軟化させ始めているのではないかという見方が出ています。
中国政府は、中国漁船による衝突事件のあと、今月21日からハイテク製品の生産に欠かせない希少な資源レアアースの中国から日本への輸出の手続きを事実上止めていましたが、日中の貿易関係者によりますと、28日にこの措置を取りやめたということです。また、中国外務省は28日の記者会見で、「日本側が誠実で実際の行動を取ることが必要だ」と述べましたが、これまで求めていた「謝罪と賠償」については言及を避けました。さらに中国外務省の幹部は29日、NHKの取材に対し、「今のような状況を中国側は望んではいない。領土をめぐる話で両国関係に衝撃を与えることは避けてほしい」と述べました。このほか、中国政府は「良好な関係こそが両国にとって利益になる」とも強調し始めており、中国政府としては、日本との関係悪化の影響が経済や民間交流に広がるなかで、関係修復の糸口を探るために、これまでの強硬な姿勢を軟化させ始めているのではないかという見方が出ています。
30日付け「中国 日本人3人拘束解かれる」(参照)より。
中国河北省で今月20日、無断で軍事管理区域に入ったとして、日本の建設会社の社員ら4人が中国の当局に拘束されていた事件で、4人のうち3人の拘束が30日午前、解かれました。
この事件は今月20日、日本の建設会社「フジタ」の社員2人と、上海にある現地法人の社員2人のあわせて4人が河北省の軍事管理区域に無断で立ち入り、軍事施設を撮影していたとして、中国の治安当局に拘束され、取り調べを受けていたものです。中国国営の新華社通信は、4人のうち3人については中国の法律に違反したことを認め、反省しているとして、30日午前、拘束が解かれたと伝えました。
追記
10月9日、中国当局に拘束されていた日本の建設会社「フジタ」の社員高橋定さんも釈放され、これでフジタ関連では全員釈放された。10日付け毎日新聞「クローズアップ2010:フジタ・高橋さん釈放 対中国、危機管理課題」(参照)より。
中国当局に拘束されていた建設会社フジタ現地法人社員の高橋定さん(57)が9日釈放され、沖縄県・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件に端を発した日中間の緊張はひとまず収束した。
外務省内には、衝突事件への「意趣返し」との説に同調する見方も少なくない。中国側は関連を認めていないが、釈放が中国人船長の場合は事件発生から18日後、高橋さんは19日後と大差はない。
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コメント
大変勉強になりました。有り難うございます。一点だけ、気になったことを。クリストフさんの「our failure to do so」の「do so」は「defend Japan's claim」を指していると取るのが正しいと思います(do soがwouldn't defendという否定述語を取ることは文法的にないと思います。もしそうなら、「In practice we wouldn't, and our failure to not do so would cause...」と書くはずです)。つまり「our failure to do so」とは「if we fail to defend Japan's claim」であり、しかもこの場合の「fail」は「しくじる」という意味ではなく、単に「やらない」という意味、つまり「if we do not take any actions to defend Japan's claim」ということで、全体としては「実際には米国は動かない、しかし動かないなら動かないでアジア諸国全体に影響を与えることになる」という割にまっとうな主張になるかと思います。
投稿: 【な】 | 2010.09.24 18:55
しかし残念なことに、そういうメッセージを出す知恵は、民主党は持っていなかったのでした。
投稿: みかん | 2010.09.24 19:13
【な】 さん、ご指摘ありがとうございます。
"failure to do so"は「そうしないと」という定訳語の熟語してよいようなので訂正しました。文意もご指摘に近いものなり、誤解していた点も修正しました。
投稿: finalvent | 2010.09.24 19:40
なるほど・・・勉強になります。
なら日本は中国に反発感を抱く周辺諸国と協力して
中国を包囲することはできないんでしょうかね?
まぁ今の日本政府には無理でしょうが・・・
今の日本政府を条件から抜きにして
可能性としてはありうるのかどうか気になりますね。
投稿: ひでぶ | 2010.09.24 20:03
>中国人は律儀である。借りを受けたと理解すれば、それなりのお返しはしてくれる。
ODAの借しを返してくれればいいんですけどね・・
投稿: | 2010.09.24 20:25
率直な質問です。なぜこの見解は船長釈放後に出さられたのですか?
投稿: pojiro | 2010.09.24 21:06
失礼ながら日本の民主党に夢を見すぎです。
そんな感性があるのなら彼ら(の中の元自民)は自民時代にもっとまともな仕事をしていたでしょう。
根本的に能力が足りてないんです。そしてそれは今も変わってない。
投稿: | 2010.09.24 21:10
中国側が律儀に国家に対して借りを返したことはありましたかね?個人にキックバックを出したことはあっても
投稿: | 2010.09.24 21:20
なんだこの脳内お花畑な解釈は…
中国は現在、まったく余裕の無い状態で本気で拡張政策をしているというのに、50年前レベルの骨董品の外交情勢判断しているとは…若いのに既に痴呆なのだろうか?
投稿: | 2010.09.24 21:23
>中国人は律儀である。借りを受けたと理解すれば、それなりのお返しはしてくれる。
ねーよw
投稿: | 2010.09.24 21:34
しかしレアアースは実際に輸出が止まっているし、今回は単なる領海侵犯ではない
投稿: e-ma | 2010.09.24 21:48
>中国人は律儀である。借りを受けたと理解すれば、
>それなりのお返しはしてくれる。
どうでしょうかね。
「水に落ちた犬は打て」のお国柄ですから…。
高揚する反日世論にしばらくは迎合するのではないでしょうか。
投稿: waku | 2010.09.24 22:17
私は今回の記事には賛成出来ません。
中国のメンツをいうのならに日本の面子、主権国家としての威信も考慮すべきじゃないでしょうか。
理由は、産経新聞に掲載された西郷隆盛が残した言葉にあります。
「正道を踏み国を以ってたおるるの精神無くば、外国交際は全かる可からず。彼の強大さに畏縮し、円滑を主として、曲げて彼の意に順従する時は、軽蔑を招き、好親却って破れ終に彼の制を受けるに致らん」(岩波文庫「西郷南洲遺訓」十七)
現代語訳やこうあります。
「正義の為に正道を歩み、国家と一緒に倒れてもよい精神がなければ、外国との交際は満足にできない。その強大さに畏まって小さくなり、揉めずに形だけすらすらと進めばよいと考えるあまり、主権や国威を忘れてみじめにも外国の意に従うならば、ただちに外国からあなどりを招く。その結果、かえって友好的な関係は終わりを告げ、最後には外国による命を受けることになる。」
日本国民は中華人民共和国及びその国民にあなどりを招いていると感じていると考えるのは私だけでしょうか。
投稿: たこ | 2010.09.24 22:51
日本が実質的利益を取ったという認識は正しいのですか?米側から安保の適用対象とのアナウンスはありましたか?
投稿: ? | 2010.09.24 23:08
船長釈放は、一般的には、外交の失点と捉えられますが
尖閣に手を出すとアメリカが黙っちゃいないないよということですね。とても弱腰に見えます。
投稿: sisi | 2010.09.24 23:11
船長釈放は、一般的には、外交の失点と捉えられますが
尖閣に手を出すとアメリカが黙っちゃいないないよということですね。とても弱腰に見えます。
投稿: sisi | 2010.09.24 23:11
私は今回の記事には賛成出来ません。
中国のメンツをいうのなら日本の面子、主権国家としての威信も考慮すべきじゃないでしょうか。
理由は、産経新聞に掲載された西郷隆盛が残した言葉にあります。
「正道を踏み国を以ってたおるるの精神無くば、外国交際は全かる可からず。彼の強大さに畏縮し、円滑を主として、曲げて彼の意に順従する時は、軽蔑を招き、好親却って破れ終に彼の制を受けるに致らん」(岩波文庫「西郷南洲遺訓」十七)
現代語訳としてこう書かれています。
「正義の為に正道を歩み、国家と一緒に倒れてもよい精神がなければ、外国との交際は満足にできない。その強大さに畏まって小さくなり、揉めずに形だけすらすらと進めばよいと考えるあまり、主権や国威を忘れてみじめにも外国の意に従うならば、ただちに外国からあなどりを招く。その結果、かえって友好的な関係は終わりを告げ、最後には外国による命を受けることになる。」
日本国民の多くは、中華人民共和国及びその国民から侮りを招いており憤りを感じている、と考えるのは私だけでしょうか。
投稿: たこ | 2010.09.24 23:16
しかし、それならなにもフジタ社員を逮捕したこのタイミングは辞めてねと日本政府にシグナルを送るべきでしたな>北京政府。
完璧に日本国民に嫌われましたよ。
まぁ馬鹿な全共闘世代や団塊あたりとかはKYなんでしょうけど。
大陸内地の軍の管理地に無許可&ガイド無しで侵入するフジタもフジタだけど。
投稿: とおりすがりの。 | 2010.09.24 23:20
中国軍は核兵器を除くと兵器の点で、もう日米に追いついてこれないので、人民軍が苛立ってるんです。
ハッタリしかない。
ここ半年以上兵器のことを調べましたが、人民軍は米国との競争なんて諦めています。しかし日本には負けたくない。しかし、日本にさえ通常兵器では追いつけないんです。
ここ数年の日本の新型潜水艦・戦車・ヘリ空母・レーダー・ミサイルetcは人民軍を心理的に打ちのめしていると思います。
投稿: PK | 2010.09.24 23:39
背景の分析はともかく、中国の機会主義、領土的野心、内政の脆弱さは否定できない。「自由と繁栄の弧」構想を再評価すべき。
投稿: wonbattee | 2010.09.25 00:23
〉中国人は律儀である。借りを受けたと理解すれば、それなりのお返しはしてくれる。
そんな話は聞いたことがない。
恩を仇で返すというのはよく見てきたが。
日本のODAに対して、中国は借りだと思っていないということなのだろうか?
まさか「他国へのODAは巡りめぐって日本の国益になるからフィフティフィフティだ」とか言うのか?
投稿: コンサル | 2010.09.25 01:20
>ニコラス・クリストフ記者が傑作だった
確か奥さんは中国系アメリカ人
投稿: 通りすがり | 2010.09.25 01:30
なるほどーー
そんなことだったとは・・・・
いろんな人の考え方って違ってよく刺激を受けますがこうもものの見方が違うとは!
勉強になりました!
投稿: おお | 2010.09.25 01:30
フジタは今はGS傘下なんだよね。
仙石はフジタを手打ちのために内輪から代償にしたつもりかもしれんけど、アメリカはどう解釈するかな。
投稿: ■□ Neon □■ | 2010.09.25 02:07
今回の事件が中国側に与える影響を考えるなら、そういう強硬派な連中に日本側の譲歩が与えるマイナスの影響はないんですか。普通に日本は叩けば折れるというメッセージを送ったような気がしますよ。
中国の意思決定の上層部が物分りのいい人たちで作られていると説明してくださればこのエントリも理解できますが、さすがにそんなはずないだろうと。
今回の中国の対応のほうも稚拙でしょう。自国のナショナリズムによって選択肢が狭められ、アメリカから日米安保適用という文言を引き出され、レアアースの禁輸措置とて領土問題と結びついて国際社会が注視するような事態になれば不信ばかり募る。中国を追い詰めるなという事も分かりますが、いずれ暴発するのなら、早めの対策は必要な気がします。
投稿: max | 2010.09.25 03:31
>中国人は律儀である。
これは知りませんでした。
中国人との接点がない私のような愚民が、まったくそうは思えないような中国人像を持っていることが問題なのかもしれません。
投稿: 北原博士に聞いてみよう | 2010.09.25 04:45
外務省きどりはやめたまえ
投稿: とい | 2010.09.25 04:49
私が知る限り一角の中国人が律儀なのは事実ですね。心して付き合えば、今日日の日本人より、よほど信頼できますね。
しかし中国共産党や中華人民共和国は律儀でしょうか?勉強不足の私にはどうもそうは思えません。
今回のエントリーを読んで、何度も右に左にと首を傾げてしまい、肩こりが楽になってしまいましたね。
ありがとうございました。
投稿: じじ | 2010.09.25 05:27
支那は謝罪と賠償を要求してきましたね
投稿: wii | 2010.09.25 07:48
売国奴の民主党に、政権担当能力も資格もなし、即座に衆議院を解散し民意を問え。
投稿: 怒り心頭 | 2010.09.25 08:55
知ったかぶりの脳内お花畑を見せてくれてどーも。
現実をみよーぜ。おっさん
投稿: うはは | 2010.09.25 09:00
あなたの解釈はこの記事と近いですね。
【中国人船長釈放】中国強硬姿勢 深刻な「劇薬」の後遺症
http://sankei.jp.msn.com/world/china/100924/chn1009242028012-n1.htm
投稿: masato | 2010.09.25 09:06
尖閣諸島がどちらかは別問題で、「船をぶつけてきた
暴力での拘束。」と言えば良かったものを。
「暴力には断固反対で、成熟した国家では当然の処置
と考える。」とコメントしておけば良かったものを。
ここで釈放は「中国の言い分を認めた。」と言われざ
るを得ない。愚策だ。
投稿: 観測者 | 2010.09.25 09:10
一連の報道ですっかり憤ってしまった私ですが、
やや扇情的すぎる報道が多いため、このエントリーのような解説はとても勉強になります。
>日本の民主党政府もおそらく米側からの説得だろうが、ようやくこうした事態の構図を理解し、そして安保確認という実質的な利を取ったのだから、ここで北京政府側に少しお詫びの熨斗でも付けておくべきかというところで、29日の拘留期限を5日ほど前倒しにした。
個人的に納得し、溜飲が下がりました。
中傷まがいのコメントがつくであろう今回のようなエントリを、それでもなお投稿いただいたfinalvent氏に感謝いたします。
どんなに些細な言葉でもつらいものだと思います。
投稿: しらたま | 2010.09.25 09:26
軍事のはなしとか、領土拡張の意図とか、いろいろあるとは思いますが、ドルベースのGDPで日本を追い抜いたんで、「俺のほうが大国だ。お前はこれからは俺にへつらえ。」という気持ちもあるような気もします。中国は中国なりにこれまで経済大国日本にいやいやへつらってきたんでしょう。そういう鬱憤もあると思います。
投稿: enneagram | 2010.09.25 09:46
純粋に日本の立場を強くするという意味では、この上なくおいしい展開だったんですけどね。
だから、「あれ?もったいないなぁ。もっと引っ張れよ。」という感想だったんですが、
中国ウォッチャーが見るとこういう感想になるんですね。
中国視点で見すぎじゃないかとも感じますが、まあ、きく耳なんて持っていただけないでしょうし、
これからもそのままがんばって下さい。
投稿: んー | 2010.09.25 09:53
「もともと日本には領海侵犯罪といった法はなく、今回もあくまで漁業法違反であり、過去の事例から見て起訴できるすらどうかも危ぶまれるケースでもある。」(原文ママ)
あなたはこのように書かれていますが、私はいまいち理解出来ていません。海保の船に体当りして損傷を負わせるという行為は単なる漁業法違反なのですか(地検が仮にどう起訴しただろうかは別異として)?中国人ではなく日本人が海保の船に体当りして損傷を負わせても、単なる漁業法違反で終わるのですか?器物損壊や公務執行妨害とか色々な他の法律に抵触しないのですか?私は法律の素人ですからわかりませんが、中国人が処分保留になるなら日本人が同じことを起こしても今後は平等に処分保留にならないとおかしいですよね?今回の問題は戦後からずっとアメリカ頼みで国防力を自ら獲得してこなかった日本の実質的な力の弱さが、政治決着的な超法規的措置として目に見える形になって現れただけなのではないでしょうか。日本も中国もルーティンワークとしてのプロトコルで、互いに了解しているいつもの演技を双方演じたにすぎないみたいな見方には、正直賛同しかねます。こういう見方は日本の自立的な国防力のなさという根本に横たわる問題を、国民全員が理解するチャンスを損ねはしないでしょうか?今回の顛末からは、日本は叩けば折れる、漁船一隻ですらアメリカから日米安保について一言ご託宣いただかねば意思決定すらできない国家である、ということを世界中に知らしめたようなものだと思います。生意気なことを言って申し訳ございません。ですがこれが素人としての率直な感想です。
投稿: 一介の素人 | 2010.09.25 10:08
>様子を見ながら最初は漁船、次に観測船、最後は軍艦だ。
と引用しておきながら、「中国人は律儀である」といわれても。
律儀に尖閣について可能な限り領有権を主張してくるのでは?
漁船を返した後に半端に譲歩したために謝罪と賠償を要求されてるし。
で、もう漁船の次に監視船が来てますよ?
http://mainichi.jp/select/today/news/m20100925k0000m040119000c.html
このまま民主に任せてたら竹島のように
実効支配されるのも時間の問題では?
投稿: | 2010.09.25 10:24
finalvent氏の説が本当だとして、北京政府の意向と軍の意向(ルーチンワーク)があってないとしても、今回の中国の反応は過敏であったように感じます(中国の国内問題が大きいのでしょうが)。中国は氏の理解では大国なんですよね。
日本の人たちの中に、ごね得が通じて、小さな敗北感がつもり積もると、日本人の心情のガス抜きが必要とも考えますが、上記記事は中国国内問題を日本の外交でポイントを差し上げたという感じになっており、どうなんでしょうね。
投稿: charlestonblue | 2010.09.25 10:28
大津事件の対応と比較すると悲しいです。
検察は行政権だからしかたないのかな
実をとり原則は曲げられたので、失ったものは大きすぎます。
投稿: よし | 2010.09.25 10:31
中国は2009年6月-7月にアメリカへの鶏肉輸出問題がこじれたとき、アメリカから中国への鶏肉輸出許可を個別に渋りつつ「規制はしていない」と言ったことがあります。もちろん中国としては、今回の措置と明示的な禁輸は区別して考えていると思います。とはいえニューヨークタイムズが騒いだので世界に晒され、結果的にレアアースカードをこんな問題のために切らされたことは日本の得点ではないとしても、中国の失点ですね。逆に産経記事が指摘するように、反日ナショナリズムを刺激したことは拘置延長のパックファイアと言われても仕方がないでしょう。
海外メディアが中国の反日感情を報道する一方、日本の反中感情について全く報道しなかったことは印象的でした。ソマリアで捕まった海賊の相当部分が裁判権がないことからそのまま釈放されているのが世界の日常ですから、我慢するのが大人というもので、我慢しなければニュースになるということかもしれません。
中国の律義というと、すでに体調上再起は難しかった田中角栄への表敬を思い出します。ただワシントンポストの'Dispute with Japan highlights China's foreign-policy power struggle'が指摘するように、現指導部が突き上げを食らい、律義を通す余裕を失いつつあることは懸念されます。革新官僚などという古い言葉も思い出します。
尖閣諸島が実質的に無防備である状態は従来からずっと続いてきて、指摘もされていたところです。ご指摘のようにがっちり防備することは台湾との関係でアメリカがどう言うかわからず、日本だけで決めるわけにもいきませんが、問題意識が浮上したことがせめてもの国内成果であったかもしれません。
投稿: hnami | 2010.09.25 10:39
コメント欄の方がよっぽどお花畑だわw
中国様と真正面でぶつかっても何とかなると思ってそうな人が多いのにはワロタ。
1930~40年代と今とでは違うと思っているのだろうか。
強硬姿勢をとるには、見合うだけの軍事力が必要と思うが現状無いし、これから
整備するにしてもどれだけの金と時間がかかり、維持にするにしてもやはり金が
かかり、行使するには資源力とかも必要になるし、そもそもそんなことして中国
以外の国との関係はどうなるのよとか、何も考えとらんのだろうか。
そんな思考を抜きに、国家の威信をギャーギャー吼えるだけなら、北朝鮮や開戦
前夜のわが国と同レベルだ。
極論だけども、今回の件がおかしい、弱腰に見えるような人は、社会福祉費を
すべて軍事費にまわし、且つ老後の自分がフォームレス化することも「お国の
ため」と厭わないことを、積極的に宣言してもらいたいものだ。
私自身はそこまで考えるような事件ではなかったと思いますがね。
ついでに、ODAは援助に見せた日本国内への金の還流システムだったのだから、100%の借しとは言えないでしょ。
投稿: | 2010.09.25 10:44
ガス田単独採掘始めそうですね。
さすが手が早いし、律儀だ。
不当拘束のお返しをしっかりされてますよ。
http://mainichi.jp/photo/archive/news/2010/09/24/20100925k0000m010070000c.html
投稿: | 2010.09.25 10:47
いままで尖閣諸島問題については、米国は明確な見解を出していませんでしたら、「安全保障条約の対象」という見解をだしたことは、結構大きいですね。この見解とペアで船長の釈放となったのでしょうけど。
戦間期の日本の行動は、第一次大戦で体力の弱った欧州諸国からはどのように思われていたのか、なんかわかるような気がします。かつての日本を反面教師にして中国には同じ轍を踏んでほしくないのですが。
投稿: s_kilo | 2010.09.25 10:49
冷静な視点、大変参考になりました。
私のような素人は、昨年来のアメリカとのギクシャクした応酬から民主党は親中政権なのだなと考えていたところ、
今回の事件で実は全然中国とのパイプがないんかよ、という所に愕然としました。
仰る通り日本政府に「話せる」奴がいないから中国も極端な策に出るしかないと考えれば納得が行きます。
結論として民主党政権は日本にとってリスクでしかないのではと改めて感じさせる事件でした。
投稿: とし | 2010.09.25 10:50
このエントリーにあるような団塊の世代的な思考法=深読みに深読みを重ねるだけで,最終的には静観という思考法では切り抜けられない事態になっていることだけでは確かですかね。
投稿: | 2010.09.25 11:20
釈放は早すぎたのでは。
フジタの4人の件で日本の大使館員の面会もできていない。日本は会わせたのに。
レアアースの件もそれを使った電子部品が作れなくなれば中国に輸出も出来なくなり中国の工場はとまる。
2,3円程度のゴマ粒程度の部品一個でも欠品になれば携帯もテレビも車も中国では作れないということ。
上海万博の日本観を休館にするとか日本にも交渉のカードはあるはず。
投稿: | 2010.09.25 11:41
「コメント欄の方がよっぽどお花畑だわ」のコメント発信者の頭もお花畑ではないのか?
軍事力しか頭に無いのか。
まあODAの書き込みだけは同意する面があるぞ。
投稿: | 2010.09.25 11:42
ヤクザにも「律儀」さがあって、その律儀さは、なんだかなあみたいな事で返される事が多く、
「元はそれ俺のだろ、元々俺の物使って商売して、それの数%を還元されて、俺の言う事聞いておいて良かっただろ、と言われてもなあ」みたいな。
ヤクザの律儀さとは、概ねそう言うものでは無いでしょうか。
それは普通「律儀」とは言いませんわな。
今回、民主党政権の「若気のいたり」での船長逮捕だったかもしれませんが、日本として珍しくは突っ張ったのだから、一気に行ってしまえば良かった。どんだけ、恫喝されても、落としどころなど探らず、粛々と進めるのが、民主党としての生き残る道でもあったし、ヤクザの律儀さより、真っ当さを尊ぶ、多くの日本人の望みでもあったのでは無いでしょうか。
ヤクザにミカジメ料払って、うつむき加減に商売続けるくらいなら、どれだけ脅されても頑として跳ねつけるくらいの気概を見せるべきで、せっかく自民党から民主党に変わったのだから、「もうミカジメ金は払いません」と言う絶好の機会であったのに。
投稿: Jamira | 2010.09.25 12:05
昨日来の国内世論を目の当たりにし、中国もやっかいな国が隣国で大変だな〜と思ったりもします。
色々と気苦労は多いかと思いますが、ブログはぜひ続けてください。大変勉強になります、ありがとうございました。
投稿: | 2010.09.25 13:08
こういう考え方もあるというのは、判りました。
でも、謝罪と賠償要求というのは、どういう借りの返し方なんですか。それを是非教えて欲しいところです。
それが説明できなければ、中国は借りなど返さないという結論しか出てきませんが。
投稿: | 2010.09.25 13:36
毎日新聞の金子秀敏氏のコラムにあったように、上海閥や軍の突き上げに苦慮した現体制に配慮した側面があれば、なおさら見返りはありそうですが、しかしその現体制とて高々あと2年。中国内の強硬派を増長させ、日本国内のフラストレーションを溜め込んだこと、日本の弱腰というイメージの定着などを考えると、日本側の判断の誤りの集積という点は、救いがたい気がします。
そもそも、先方は穏便に処理することを期待していたのが、中途半端に裏切られ、最終的にこういう決着で解決したことが、中国側にとって貸し借りという勘定においてプラス要素なのだろうか?
投稿: YAMA | 2010.09.25 13:38
どんな解釈しようが、どんな言い回しを持ちいようが
今回の管政権が下した決定は「屈辱的退却」に変わりが
ない。
今回の件は単に個人や国家の自尊心の問題ではなく
社会の奥深くに大きく影響を及ぼす事となった。
それが、良い事なのか悪い事なのかわからないが。
今回の件が様々に与えた影響は過小評価しないほうが
いいだろう。
投稿: aa | 2010.09.25 14:06
私は不勉強な者ですが、大変参考になるエントリーでした。
マスメディアも巻き込んで中国に屈してはならない論が広がる中、冷静に中国の現状を説明してもらえて、有難いです。
正直に書くと、私は波風を立てない釈放措置が正しいかどうかについて、はっきりと私の中の答えが出ていません。領土問題はいずれの国でも譲れない問題であると思っているからです。(もっとも、これはどこかのニュース記事の受け売りなのですが……)
私は今まで頑固に日本国内で処することを支持していたのに、温首相から釈放要求をされてから釈放するのが正しいのか。しかし釈放しないと中国との関係悪化を招きそうだ、と悩んでいました。(私の判断でどうにかなる問題でも無いのに「悩み」と言うのも変ですが)
私のコメントが支離滅裂になっているような気がしますが、今後も問題を注意深く見ていきたいと思います。
投稿: | 2010.09.25 15:06
拘束されたフジタの社員は日本人だが、親会社はゴールドマンサックス社だからアメリカも黙っているわけにはいかなくなった。中国の工作組織はそのことを熟知して罠に賭けたのなら、これはアメリカに対する挑発行為と受け止められても仕方が無い。
寝ているトラの尻尾を踏んだのはどこの誰なんだ?
もう交戦してもおかしくない方向に進んでいるんだが。
投稿: | 2010.09.25 15:08
今回の件の理解に役立ちます。ありがとうございます。
あと、憤ってる人も多いし、反論も多いでしょうが、みんな日本という国が好きなのでしょう。
それ自体は悪いことではないよな、と思います。
投稿: mil | 2010.09.25 15:08
釈放のニュースを聞いたとき私は嫌な気分になりました。自分の国は筋を違えてしくじったんじゃないか、将来にわたる利益を損なったんじゃないかと思ったのです。
そしてこの不安にはfinalventさんが何か答えてくれるに違いないと期待しました。このエントリーを見て私はホッとしました。
しかし中国にしろ日本にしろその上等な外交的配慮はみんなとは共有できないのかという失望も感じました。気遣いを公然と振舞えばそれはもう配慮でもなんでもないでしょうし、裏読みを常とすればその裏も生じます。私に判断するべきものは何も無いという無力感です。
投稿: papepo | 2010.09.25 15:30
ただ今回は政権交代後の初めての事件ですので
日本固有の領土というのを明確にしても問題が
生じにくい唯一の機会だったように思えます.
ここで条約などを除いては踏襲しないという姿勢を
示すことで,北方領土や竹島についてもこちらから
強い姿勢を示すことができるのではないかと思います.
投稿: umiushi | 2010.09.25 16:08
中国人は律義だということについて一言。
宮崎市定という世界的に有名な中国学者がいますが、(故人)彼も「中国人は律儀だ」と言っています。
宮崎氏は、商売柄古物商と深い付き合いがあるわけですが、日本の古物商の特徴は,「足下を見る」ことだそうです。
「欲しい」という態度を見せると、絶対に値引きしない。
中国人の古物商は、「欲しい」という気持ちが本当だとわかると、値引きしてくれる。
それで、日本の商人は中国人の商人のやり方を見習ってくれと宮崎氏は書いてます。
あと、クリントンの言質を取ってただちに船長を釈放した民主党の対応も,今回は正しいと思います。
中国政府は、やぶをつついて蛇を出した(日米安保の再確認)琴似、今頃ほぞをかんでいるでしょう。
投稿: 南の原っぱ | 2010.09.25 16:19
昨日からずっと憤りっぱなしでしたので、少し頭が冷えました。
しかしながら、日本政府の国内外に対しての対応のまずさはもう確定ではないでしょうか。
これ以上国民が下を向いてしまうことのないように現政府には頑張って欲しい。どんなにへたれでも今の日本を動かしているのは民主党でしかないのだから。
投稿: peko | 2010.09.25 16:23
能天気な解釈。
今回の件は最初から中国の仕組んだ策略です。あの船長は中国の工作員。すべてシナリオどうりでしょう。これで中国はガス田交渉もしなくていいし、尖閣でも実績をつくり、レアアースで他国を牽制できるし。
せめて日本は釈放する時にうそでもいいから、船長があやまったからとか罪を認め反省しているから釈放した、なりのコメントが必要だったのでは。
早く尖閣と与那国に基地を作ろう。
投稿: | 2010.09.25 16:34
領土獲得関係の自称漁船と、資源荒らしの密漁漁船のどちらかかは微妙ですよ、と。
ちょっと都合よく解釈しすぎです。タイムスや新報の与太記事で現地感覚を把握しないで、石垣に行ってらっしゃい。八重山毎日も取材過程が最近アレなので、あてにならないですよ。
投稿: くれふ | 2010.09.25 16:40
このブログのように、考えに考えを重ねた揚句に思考停止、気が付けばいつの間にか全てを失う…という事になるのですね。
中国の律儀さなるもの、いかほどでしょうか。
フジタの社員は五体満足で戻ってくれば良いと思いますが、中国には逆らえ無いので死刑にされても文句は言えませんね。
まあともかく、尖閣を放棄してでも中国に恩を売ったのですから、朝貢の資格は得たと思います。民主党政権は早急に謝罪と賠償金の支払いをすべきです。
投稿: | 2010.09.25 16:44
起訴事実は、公務執行妨害でしょ?
テープの存在は、公務執行妨害罪の暴行の被疑事実を確認するためで、漁業法違反だけなら、GPSの位置情報だけで十分なので、テープの問題は出てこないんだけど。
漁業法違反なんかじゃないよ?基本的な事実関係押さえてないでしょ?
投稿: | 2010.09.25 17:13
ご指摘ありがとうございます。誤解を生みやすい表現でしたので「公務執行妨害」を明記しました。
投稿: finalvent | 2010.09.25 18:17
私は、クリントンから言質を引き出し,直ちに船長を釈放したと知って,いやあー、誰のシナリオかわからないがうまいことやったなー、と思ったのですが、「せっかくクリントンが支持してくれたのに、釈放してしまうなんて、またアメリカを呆れさせただけ」と言う人いてびっくり。
しつこいようだが、どう考えてもこれは、日米安保を再確認させてしまった中国政府の失敗ですよ。
ちなみに、今回の措置で尖閣諸島の領土権を放棄したわけではないでしょう。
日本政府が中国の賠償要求に応じたのならべつですけど、はっきり否定している。
投稿: 南の原っぱ | 2010.09.25 18:30
んーと尖閣の安保適用の件なんだけど、
モンデール駐日大使の適用外発言騒動以来の
日米の確認事項だったんじゃ?
クリントンから特段新しい言質を取ったわけではないべ?
んで俺も全体のことを言うと、
検察が政治判断を下した格好にしてることが
何よりもひっかかるね。
多くの紙面や識者が指摘するとおり。さすがに
大阪と絡める勘ぐりには乗らないけど。
で、今日は今日で、向こうさんからの謝罪と賠償(笑)要求に
「外務報道官談話」が回答してる。
なんか、官邸が決定を出すことを必死に避けてる感じ。
そうしなきゃいけない理由に心当たりがなくもないが、
ご立派な政治主導だな〜の感もあり。
投稿: 通りすがり | 2010.09.25 18:33
“中国人は律儀”なら例えばインド侵略はどうしておきたんですかね?
インドが侵略されるに値することを何か一つでもしましたか?
投稿: | 2010.09.25 18:38
初めて投稿します。本件の推移は、久々の噴飯ものです。皆さんのご意見を伺い、少しは落着きました。永年政権交替を願ってきてやっと実現しましたが、普天間そして本件と新政権の対処方法のおそまつさは目を覆うばかりです。大臣等が初体験者の集団としても、プロフェッショナルとしての優秀なる官僚諸氏はどうしておられるのでしょうか。自民党同様根っこの部分から腐ってしまっているのでしょうか。心配です。
投稿: さん61 | 2010.09.25 18:54
まあ、茶でも飲んでもちつけ
投稿: rabi | 2010.09.25 18:56
金品を強奪されたわけでも、
身内を殺されわけでもないので、
今回の尖閣の件は、別になんとも思わない。
去年の今頃、中国に迎合する民主党政権が成立したことにもろ手を挙げて歓迎していたくせに、何を今頃熱くなっているのだろうか、こいつら↑
投稿: iya_honto | 2010.09.25 18:57
今回の件は、朝生の発言で言えば、辻本が、「追い払うだけでよいものを、つかまえてしまったので」こうなったというのが正しいでしょう。
それが中国が騒ぎ立てた結果、クリントン長官の言葉を期せずして引き出してしまった。
まったく「棚ぼた」ですが、肝心の菅がそれを認識していないみたいなのはお笑いです。
投稿: | 2010.09.25 19:09
中国人が律儀なのは、幇の兄弟分・疑似家族の内側の人間に対して、ではないでしょうか?
日本と中国は、はたしてそういう関係なのでしょうか? また、日本人はそういう関係を構築すること自体を肯定・容認するでしょうか?
仮に中国人がおっしゃられる「借り」を返そうと彼らの好意か上意で将来行動しても、それを日本人が「けがらわしい」と思うかもしれません。しかし、それって日本人には何の落ち度もありません。中国人が自分の価値観で自由に他国を恫喝だってできるように、日本人も何を好むかは自由なのですから・・・。
「十三人の刺客」に、「では踏みにじられた天下の仕置きたる老中土井利位の面子はどうなる」というせりふがあったと思いますが、土足で踏みにじられた、と感じた日本人の怒りを私は冷笑できませんし、冷笑していると思われるのが知性的だとも思いません。
投稿: KU | 2010.09.25 19:09
やっぱ荒れてますな。
フォームレスには笑った。
formless? 定見がない人のことかしら。
投稿: よもくぼ | 2010.09.25 19:16
チャイニーズが律儀なのは、困難な事、手間のかかること、非合法な事を相手が無理してやってくれたと認識した場合だと私はとらえています。
今回の件、結果的に当たり前のことが当たり前になっただけ、とチャイニーズや中共の大半は思っていませんかね?
投稿: MUTI | 2010.09.25 20:04
「日本人の怒り」ねぇ。
半年も経たずにケロッと忘れられるような
安っぽい「怒り」なんでしょ、例によって例のごとく。
目論見があるならともかく、
後先考えず、ただヒステリックに感情の激発させて、
あとでそれがどんな反応となって帰ってくるか、知らんよ。
投稿: iya_honto | 2010.09.25 21:06
いつも読ませていただいています。
今回の記事の後半は、さすがに“背景”を好意的というか、楽観的に深読みしすぎなのではないかと思います。
釈放を前倒ししたという「メッセージ」が中国政府に有効だったかどうかは異論があります。
私もここまで下手(したて)な行動に出る以上、なんらかの交渉が約されたか、あるいはそういう見通しが立ったのかとも思いましたが、その後の経過を見てもそうではないようです。
http://www.jiji.com/jc/cg=pol_30&k=2010092500299
また、「尖閣諸島が日米安保の範囲内である」というクリントン国務長官の言質は大きな成果とはとても言えません。
すでに8月16日にクローリー国務次官補が同様の声明を出していたからです。漁船問題後の発言の価値はその再確認に過ぎません。
後出しで感想を言わせてもらえば、「とやかく騒ぐのはみっともなく見える」ので、「自国政府の行動は価値があった」と考えたいバイアスがかかっているように思えます。
今回の件については、深読みで溜飲を下げるより、シンプルに不甲斐なさに怒っていたほうが健全なように思います。
投稿: | 2010.09.25 21:59
共産党の権力を見せ付ける事での国内の締め付け、
日本に噛み付く事での国民のガス抜き、
強硬になったらしい内閣がどう対応するかの試験、
そういった諸々の為に、わざわざ大事にしたように思えます。
でも中国人自身も、見え透いた茶番だと思ってたんじゃないかなぁ。
まあ、日本叩いたらアメリカが出てきた、っていう藪蛇になったようですが。
謝罪と賠償の要求は、価格交渉終了後のオマケみたいなものでしょう。
「本当はまだ安く出来るんじゃないの?」
「いえいえ、もうホントギリギリなんですよ」みたいな。
中国人が律儀ってのは、あくまでも自分の面子を保たせる為だけだと思ってます。
自分に落ち度が無く、相手にあれば攻めやすい。
だからその部分が律儀になる。
日本の「貸し」は精神的な面から作用するのが主で、見返りを求めないのが大抵。
中国の「貸し」は計算や打算から作用するのが主で、見返りを求める。
当然、「借りを返さなかったら」の対応も変わります。
そこが大きく違う所でしょう。
まー、今回の中国人船長は日本に借りを作った、などとは思っていないでしょうが。
投稿: 牛歩 | 2010.09.25 22:38
理解できなかった、この時期に及んでの船長を釈放させた経緯が分かった。
しかし、米国から日米安全保障条約は明らかに適用されるという確約をもらっておきながら、結果として単独ガス田開発、尖閣諸島領有権主張(今回の事件による謝罪・損害賠償を含む)の格好の口実を中狂に与えたに留まらず、何よりも政府民主党自身、恫喝に屈したとして支持率が下がる可能性があると言う大墓穴を掘ってしまった。
まさに国民・政府・民主党いずれにも損ばかりで一利もないのである。
投稿: 通りすがり | 2010.09.26 02:16
2日前は、なるほど、と思って読んだエントリでした。
しかし、借りを返すどころでなく、謝罪と賠償金を請求しているじゃないですか・・・
投稿: ieie | 2010.09.26 02:44
2日前は、なるほど、と思って読んだエントリでした。
しかし、借りを返すどころでなく、謝罪と賠償金を請求しているじゃないですか・・・
投稿: ieie | 2010.09.26 02:44
中国人は律儀?
私の同僚にも多くの中国人がおりますが、
対日本人に対して、律儀と感じたことはありません。
投稿: | 2010.09.26 03:01
むしろ,謝罪と賠償を求めてきたのが彼らなりのおとしまえの付け方だと思いますが。
今の状況を考えれば,船長を釈放してありがとう,とは口が裂けても中国政府は言えないでしょう。一方で,謝罪と賠償は,日本の立場からすれば100%拒否するに違いない要求です。これで,この件がうやむやになれば,中国政府としては,自国民に「最後まで日本に対して厳しく対応した」と言えますし,日本政府としても,「船長は釈放したけれど,こちらは中国政府の要求に対して決して立場を曲げなかった」といえるわけです。そもそも「謝罪と賠償」って言っているけど,具体的にこれこれを払えなどと請求してきているわけではないし。
私自身も,最初は「なんでそんな絶対に受け入れられない無理難題を吹っかけるんだろう」と思いましたが,この記事を読んで中国人の「律儀」さを指摘され,ああそういうことかと腑に落ちました。
投稿: kh0705 | 2010.09.26 04:33
つまり、現政権が「日本に貸しを作られやがって」というふうな、攻撃材料を「競争勢力に与えないため」に、純粋に「内政的な理由から」外交上の借りを早めに返しておく必要がある、と言う理解でいいのでしょうか……
確かに日本語では「律儀」としか言いようがないでしょうが、日本人から見ると歪んでますね……
投稿: 黒猫屋倫彦 | 2010.09.26 09:22
今回の件で、反日民主党の支持率が下がるだろうから、その点だけは国益にかなうでしょう。
投稿: 冷静を装う | 2010.09.26 09:28
何かミュンヘン会談でヒトラーに譲歩したけど、平和を勝ち取ったとはしゃいだチェンバレンやダラディエみたいだけどね。
きっと一年以内に中国は尖閣奪取への段階を進めると思うね。
習近平を天皇に会わせた件といい、民主党が中国の圧力に弱いのは分かったし
今の日米関係・米軍がアフガンに手一杯なのをみれば、中国からみたら今が絶好のチャンスだから。
自衛隊や米軍が本気で出てくると日本国民ですら思えないから中国にはより思えないでしょ。
投稿: トルド | 2010.09.26 10:39
内田樹先生も同じ内容を取り上げていましたが、そちらを読んでやっとfinalventさんの意図しているところが少しだけわかったような気がしました。
http://blog.tatsuru.com/2010/09/26_1027.php
投稿: 北原博士に聞いてみよう | 2010.09.26 16:27
>中国人は律儀である。借りを受けたと理解すれば、それなりのお返しはしてくれる
お返しはお返しでも、恩を仇で返すよw
投稿: | 2010.09.26 16:44
日中の政治家の劣化を垣間見る事件でした。
中国の指導者達がその大人気ない行動で得たものは、世界の嘲笑と反感だけでしょう。
日本は世界から同情されるのでしょうが、反面その外交交渉能力の低さを嘲笑されている事でしょう。
日中は否が応でも付き合っていかなければいけない関係です。
マスコミやNET上では反中意見ばかりですが、中国関連で仕事をしている多くの日本人は、息を潜めて事の成り行きを見守っていたでしょう。
外交は交渉ですし、対人関係でもあります。
テレビなどで威勢の良い意見をまくし立てている政治家が、アメリカや中国の政治家と電話・メールで意見を交換しているのでしょうか。
今回の事件も水面下で上手く交渉していれば、もっと良い解決が出来たはずです。
双方の対応に不満が残ります。
投稿: oyaji | 2010.09.26 19:19
噂を聞いてひょっこりと。
中国残留孤児からチベット族の高級テクノクラートまで、何故か色々と知り合ってきた経験と、中国以外の国の人間達とも付き合ってきた経験からすると、中国人(公称56民族中朝鮮族を除く55民族)は、世界では「律儀」な方ですよ。ただ、余裕ができた時にやっと返してくれるので、曽祖父の恩を返されて吃驚みたいな事も多いですが。そもそも「律儀」の感覚が日本人とは少し違うし、今の中国人は九割以上が「恩返しもできない自分は尊厳を保てないでいる」と感じているという調査報告も有ります。余裕ができれば倍返し、なのですが、それだけの余裕が今の中国人にも中国政府にも有りません。二十年もしないうちに食料も輸入しなけれはならないと予測されていて、それまでに経済力と資源を何とかしようと形振り構わないというのが中国政府の実情で、そういう先行き不安な国の人間であるために公徳心も落ちてしまった人間が多い。しかし、それだけです。
南アジアやアラブはほとんどの人間が親日ですが、日本人から平気でぼったくりします。そして、罪悪感も感じないらしい。恩に感謝はしますが、返そうという発送もあまり無い様です。嘘だと思うなら、石油利権の推移を調べてみれば良い。
まして欧米人など、非道い物です。北米先住民は餓死しかかっていた白人移民達に自主的に食物を贈った結果、ほぼ絶滅させられました。白人は、争いを避けようと移住しようとした部族までわざわざ追跡して殺戮しています。或いは、植民地で彼らが何をしたか。そして、植民地を手放す時に、散々搾取しておいた現地人に金銭を要求しました。仇に仇を重ねるのが国際常識なのです。
日本人の「律儀」さは極端すぎて、その基準で他を測っては間違えます。魯迅がお世話になったから、孫文がお世話になったからと、時々でも恩返ししてくれているのですが、そういう事がまるで報道されないでいます。日中が親密になってしまうと「飛ばされて」しまうと焦っている下賎な連中が裏で蠢いているのではないかと思われる節も有るのですが、まだ確証は掴めていません。
ただ、世界の中では、中国人というのは、あれでも「律儀」な方です。ハルノートやソ連軍参戦という例も有るではないですか。参戦はスターリンの~、と言い訳はしても、ロシア人は結局は謝罪なんぞしない。第一次世界大戦で地中海方面の船団護衛を日本海軍遠征隊にほとんど完全に任せながら、戦後は日本に対する嫌がらせに徹したイギリスはどうです?
また、中国人にとっては、恩返しをするのはメンツを保つとほとんど同義です。できるのであれば、すぐにでもします。しかし、できない時はできない。だから、恩返ししてくれるのがいつになるのかは誰にも判りません。そもそも、恩返しを期待して助けるというのが邪道だと割り切って付き合っていれば腹も立たないし、いつしか彼らの感覚も分ってきます。なまじ文化的に近いために些細な違いが鼻につきますが、分ってくると平気になります。そんな物です。
投稿: と | 2010.09.26 22:02
追記でお書きになられたことは、要するに
相手(この場合日本)に借りを作ってそれを放置していると、別の相手(この場合中国内の政敵)に攻撃されうるので、結果的に中国人は律儀であるという現象が起きる。
という理解でよろしいでしょうか。
もしそうなら、論理の脆弱点を突かれたときに難解で迂遠な言葉で読者を煙にまこうとするのは愚者の常套手段であるので、自重されたほうがよいかと思います。
もう一つ付け加えると、その政敵が今回の件を「借り」であると判断するとする根拠が薄弱です。
「釣魚台は中国の領土であるから当然」という論理は対外的にも対内的にも一定の有効性があるでしょう。
結局中国がどのような行動を取るかは対内外を問わず想定される費用対効果によります。政敵の攻撃もそれに見合うなら突っぱねるでしょう。
「今回のメッセージは中国内の政敵に届いているから効果がある」と思い込むのは、それこそ日本人的な心性の発露ではありませんか?
投稿: | 2010.09.27 06:22
"中国人が律儀"云々の話ですが、
それは中国人ではなく台湾人のことを指すのでは無いでしょうか。それなら理解できます^^
投稿: 通りすがり | 2010.09.27 09:20
クリントン氏曰くの尖閣諸島は「日米安保条約の適用対象」について一言。
安保条約第5条は「日本の施政の下にある領域」とあるから、常識的には尖閣が事実上日本の実効支配下におかれていることが前提でしょう。わが国民が多少に関わらず尖閣諸島を拠点に住み営みがされている常態において、中国の武力攻撃を受けた時、日米安保条約が発動されると解されるべきでしょう。
言い方を変えれば、中国が尖閣諸島を先に実効支配してしまえば、アメリカは何も手を出さないと思料する。だとすれば、菅や仙谷や前原はぬか喜びだったことになる。
投稿: 閑話ノート | 2010.09.27 13:51
中国人は律儀である(笑)
「律儀」を日本風に誤解しているようである(笑)
頭おかしいのか?
投稿: | 2010.09.27 14:22
この問題の前提は、尖閣の海域が日中漁業協定で取り締まりに関して何ら定められていなかったことであり、トウ小平以降、「日中は尖閣で敵対せず」と申し合わせてきたこと、通常であれば逮捕などしないのが慣例となっていたことである。
(田中宇「日中対立の再燃」を見よ http://tanakanews.com/100917senkaku.htm)
大人の知恵として「荒だてない」ことが互いのお約束だった海域であることを考えるとき、その一触即発の環境下で「どちらが政治的意図をもってしかけたのか」ということは決定的に重要である。
極東ブログ氏も賢明にも「北京側としては、いつも通り日本は「漁民」を送還してくれるものと期待していたし、それがいわば暗黙のプロトコルであった」と書いている。だが、こういう冷静さがあるなら、なぜ、日中どちらがしかけたのかということについて、「中国の漁船」と断定したのか。しかも漁船の中国軍との関係や計画性の存在を示唆しつつ。
なぜ誰も「実は日本側からしかけたのかもしれない」との可能性を考えないのか。私も真相は分からない。だが、極東ブログ氏もまた分からないはずだ。その意味で正しい態度とは、まちがいなく「冷静に推移を見守る」こと意外にない。にもかかわらず、極東ブログ氏は最終的に中国側の仕業と断定した。
しかも、その後の文章では今回の件の遠因として中国政府の権力闘争の可能性にまで触れている。かりに、日本側の「暴発」であったとしたら、氏のこれらの文章は恥ずかしい妄言であり、有毒なデマゴギーということになろう。
大阪の検察があのような嘘つきなのに、なぜ極東ブログ氏も、ほかのたくさんの日本人も、今回の報道を鵜呑みにするのだろう。ナショナリズムの火花が散る場所は嘘だらけと認識しなければならないのではないか。
繰り返しになるが、私にも真相は分からない。だが分からないことは分からないという態度で踏みとどまりたい。極東ブログ氏のように本当は分かっていないことを分かったように書き連ね、結果として人々を煽動するのは大変まずいと思う。
極東ブログ氏はむしろ中国政府ではなく、日本国内の動向に目を向けるべきだっただろう。この問題でさわぎ、日本人のナショナリズムに火をつけるのには、実に良いタイミングである。沖縄の基地をはじめ動揺する日米安保を強化する世論形成が容易になるからだ。しかもこのことが、岡田から対中強硬かつ親米の前原に外相が交代する時に起きているタイミングの意味を考えるべきだろう。
私は極東ブログ氏の書評を読み、何冊もそれらを購入してきたが、今回の文章を読んで思い直した。
上品で知的ではあるけれど、極東ブログ氏は真の意味で「保守反動」なのだと思う。
投稿: takamm | 2010.09.28 02:06
ご指摘は面白いと思いましたが、やはり理にかなわないものであると。
早い話が中国が日本を舐めていてそれが常識になっているのでそれをなんにするにしろ利用されていると。それを覆して対等外交するのは無理だから領土問題は延々と見逃しておけという話になりますが。それってどうなんですか?
あと、「中国人は律儀」で後で返してくれるというのはどういう風の吹き回しですかね?具体的に日本が中国から恩を返された例を挙げていただけないと全く分かりませんが。
日本だけではなくインドや西沙地域でも同様の問題は起きていますがその場合も容認が解決法になるのですか?
また、今後も尖閣にはちょこちょこ漁船や、場合によっては武装勢力が入るのでしょうが、そのたびに容認しろということで?
「対等な関係を作れないのが国民性」というならば世界からビジネスパートナーとしても無視されると思います。実際にそうなってはいないのはご存知のとおりでしょう。
あなたの言うとおりにもししていたとしたら尖閣はいつの間にか無償提供してしまっているかもしれませんね。
投稿: Beat | 2010.09.28 11:21
いつになったら律義なお返しが来るのでしょうか?2000年後でしょうかね。
事が沈静化した時に「それ見たことか」というのでしょうかね。
今後とも注目ですネ。
投稿: ワカメ本舗 | 2010.09.28 23:55
>繰り返すが、北京側としては、いつもどおり日本は「漁民」を送還してくれるものと期待していたし
とあるが、自分は寡聞にして領海侵犯した中国漁船を拘束し送還したという事例は聞いたことないのだが・・・
いつもは侵犯した漁船に警告を発して追い払うだけでは?
そのために甘く見られて頻繁に領海侵犯が起こると理解している
もし漁船の拘束→送還のルーチンワーク例のようなものがあれば示してほしい
でもないとこの記事は信用できない
投稿: 大森 | 2010.11.12 10:45