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2010.07.14

フィナンシャル・タイムズ曰く、それでも頑張れ、ミスター・カン

 参院戦民主党敗北についてフィナンシャル・タイムズが言及していた。「Kan carries the can for DPJ failures」(参照)である。今回もだじゃれが冴えている。
 直訳すると、「菅は、民主党のカンを運ぶ」ということだが、"carry the can"は、「(俗)責任を負う、非難をかぶる」(参照)ということ。あるいは"If you carry the can, you take the blame for something, even though you didn't do it or are only partly at fault."(参照)、つまり、「カンを運ぶというのは、失点の有無・多寡にかかわらず非難を受けるということ」。
 もう少し含みがある。World Wide Wordsというサイト(参照)より。


This is another of those odd expressions that’s best known in British English. If you carry the can for something you’re bearing the responsibility for its having gone wrong, often with the implication that you’re taking the blame for someone else.

これも英国英語の奇妙な言い回しだ。ある人が何かの理由でカンを運ぶというのは、失点の責を負うことだが、これには他の人の失点の責を負うという含みがある。


 この後に由来の考察もあるが、はっきりとはしない。運び屋が罰を受けるというようなことらしい。
 いずれにせよ、他の人のヘマで叱責されるということでフィナンシャル・タイムズとしては、鳩山さんの失態で菅さんが叱責されたと言いたいのでしょうと読み進める。あたり。

Naoto Kan, the new prime minister, cannot take all the blame for the defeat. He reaped the consequences of his predecessor’s bungling. Mr Hatoyama dithered and thought out loud. His indecisiveness was symbolised by the humiliating climbdown over the relocation of the Futenma base.

菅直人新首相に敗北の全責任があるわけではない。前任者のドジの帰結を受け取ったのである。前任の鳩山氏は、ぶれまくり、かつ脳内だだ漏れの人だった。彼の優柔不断は、普天間基地移転問題を巡る、お恥ずかしいまでの人気低迷に表れている。


 でも、それだけではかばいきれないでしょうというのも、フィナンシャル・タイムズもわかっている。

But Mr Kan did not fight a brilliant campaign. He himself was guilty of thinking out loud over the consumption tax. Having called for a cross-party debate about the tax and suggesting that its rate could be doubled to 10 per cent as a way to reduce Japan’s deficit, he later made comments that suggested he had not thought through the implications for lower-income groups.

しかし菅氏も芳しい選挙運動をしたわけではない。彼自身も消費税について脳内だだ漏れという有罪だった。財政赤字削減のため、超党派議論を呼びかけ、10%引き上げを示唆したものの、その後、低所得者層への影響は十分考えてなかったと述べていた。


 そう言う以外にはないでしょう。
 で、日本はどうなるの?

The DPJ’s electoral victory last year raised hopes for a more open, less bureaucratic style of politics. With this defeat, the risk is that those hopes will now be dashed, returning Japan to the well-worn path of political inertia.

昨年の民主党選挙勝利は、官僚指向政治を弱め開かれたものにするという希望を点じた。が、この敗北で、希望も消える懸念がある。日本は毎度お馴染みの政治手法に戻ってしまうかもしれない。


 もっとも、フィナンシャル・タイムズとしても民主党の政治でいいとしているわけではない。前段では、それはひどいしろものだった("It has been a dreadful disappointment")とはしている。
 菅内閣に希望はあるのだろうか。
 あると、フィナンシャル・タイムズは言う。毎度ながら、この不屈の精神というのがジョンブルというものなんだろうかと私は驚嘆するが。

Mr Kan can still retrieve the situation. He has the potential to rally both his party and the country. But this requires him to take the battle beyond the doors of the Japanese Diet. He must reach out to the public, explaining his policies, how they add up to a coherent plan and how he intends to stick to this plan.

菅氏はまだ政局を挽回できる。彼には民主党と日本国民を再結集する潜在能力がある。だがその実現には、国会を超えた挑戦が必要になる。菅氏は、自身の政治理念を大衆に届くように主張しなければならない。一貫性のある政策をどのように進め、それに信念を持ちづけると主張しなければならない。

Such an approach would be a real revolution in Japanese politics. It would be the revolution his party’s supporters voted for last year. Mr Kan owes it to them to try.

そうすることが日本政治の真なる革命となるだろう。それこそが、有権者が昨年支援した革命なのである。菅氏は挑戦する責務がある。


 そうかなあという感じがする。あまり焚きつけるとまたあらぬ方向に驀進してしまいそうな人なんだが、菅さん。民主党内のごたごただけですでに人の話なんか耳に入ってないほど混乱している。「首相、支持率下落「大変うれしい」? 勘違い…釈明」(参照)より。

 菅直人首相は13日、報道各社の世論調査で内閣支持率が30%台に下落したことを記者団に問われ「大変うれしいです」と答えた。質問は「首相続投の声が5割を超えているが、支持率は30%台に落ち込んでいる。どのように受け止めるか」との内容。首相は前半部分を念頭に、勘違いした可能性が高い。
 首相は答えるとすぐに立ち去ったため、記者団は確認の質問ができなかった。首相秘書官は約2時間後、「質問が正確に聞き取れず、続投支持率という概念が通常使われないことから質問の意図と異なる返答を行った」と文書で説明した。

 「続投」と聞いた時点で脊髄反射しちゃって、大脳が働いてないような感じ。記者の話をまるで聞いてない。
 ここは、数日でいいから、炎天下かもしれないが、四国を巡ってみるとよいのではないかな。

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コメント

 菅さん、期待していましたが、ちょっともうすでに目がうつろで、見ていて痛々しい。何も菅さんが悪いわけでもないのに、責任を感じてしまっているようで。

 俺のせいじゃないと、開き直ったほうが良い。

 それにしても、昨日のニュースでやっていた、宮崎の知事と、農林水産大臣の悶着。

知事「宮崎県民の現時点での嘆願書です」
大臣「そこ置いといて」

 嘆願書の束受け取りもせず、椅子に座ったままふんぞりかえって、何とも不遜な態度。

 こいつはいかんだろう。見ていて大変腹が立った。
いったいこの大臣どういう人間なんだ。

 こんなやつ罷免だ!

 そうじゃないと、菅さん、ますますジリ貧になってしまう。

投稿: Jamira | 2010.07.14 10:50

イングランド野郎たちに日本の政治の何がわかる、といってやりたいですね。

菅首相にリフレをやらせたいんだろうけど。

日本は、グレートブリテンほどの陳腐な階級社会ではないし、グレートブリテンより雇用人口が製造業現業、公務員現業ではるかに減っているし、グレートブリテンより高学歴者が多い社会ですよ。

日本は、イングランドより民度が高いの。だから、権力者になっても、政治の顧客たる国民の購買意欲を掻き立てられないと、すぐに首相を辞任しないといけなくなるの。イングランドの新聞社の役員たちこそ、日本特派員を2年くらい経験して欲しいものですよ。

投稿: enneagram | 2010.07.14 13:35

内容よりも、finalvent氏の文体が気になってしまう(笑)。ローマの休日のエントリでもいきなりスケベ親父みたいになってましたが、この文体の揺れは何ゆえなのでしょうか?

投稿: ピンちゃん | 2010.07.14 20:54

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 ええええっ!菅さんにまたお遍路のお薦めでっか?てか、気持はよくわかる。枝野さんも頭丸めてお遍路行って来い!って、言われたりしている。以前、菅さんがお遍路の取材を受けて派手にパフォーマンスしたものだか... [続きを読む]

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