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2010.07.05

マニフェストからは政党が何をしようとしているかわからない

 雑談みたいな話から。相変わらず菅首相が面白い。鳩山前首相と芸風は違うが笑いを取る勘所がよい。2日付け朝日新聞「「財政破綻したとき、誰が困るかご存じですか」―菅首相」(参照)が伝える金沢市内での街頭演説は名調子だ。


 財政が破綻(はたん)したとき、誰が困るかご存じですか。あの大金持ちのカルロス・ゴーンさん(日産自動車社長)は、(日本から)いなくなりゃいいんですよ、簡単なんですよ。ギリシャの例を見ても、財政破綻したとき、年金をさあもらえると思ったら、「67歳からしか払えませんよ」と言われたら困るでしょう。仕事が続けられると思ったら、「あなたはクビですよ」と言われたら困るでしょう。財政破綻で一番困るのは、そうした年金を受給している人や、比較的所得が少ない人。その方々がダメージが大きいんですから。

 ちなみに財政破綻を示唆する指標で見ると、ギリシャのCDSスプレッドは1125pb(参照)であるのに対して日本は136bp(参照)。日本はギリシャにはるかに及ばない。菅さんみたいな心配している人は国際的には皆無。これ、お笑いでしょ。ただ、カルロス・ゴーンさんに「いなくなりゃいいんですよ」云々の話は、西洋現代史を知る常識人にしてみると、大国の総理の冗談と言われても鼻白む。
 これも爆笑。3日付け時事通信「金利低下は日本への信頼=菅首相」(参照)はこう伝える。

 菅直人首相は3日、甲府市内で街頭演説し、東京債券市場で長期金利の指標となる10年物国債の流通利回りが連日低下していることについて「日本は自分の力で、ちゃんと責任ある行動を取るだろうと世界が思っているから、国債の金利も下がっている」と述べ、財政健全化を目指す政権の姿勢が一定の評価を得ているとの見方を示した。

 それデフレ期待ですから。というか、同じ理屈は同歩調の米国債に言えますよね。
 それにしても、財務省に「菅落ち」したと言われる菅さんが、本当に財務省に完落ちしたらこんな面白い話をするわけない。どうなってんだろうと疑問に思っていたら、わかった。
 産経新聞の報道のみで他ソースの確認はできないのだが、「テレビ討論 首相が練った「責任転嫁」戦術、あえなく返り討ち」(参照)によると、2日のテレビ討論会でみんなの党・渡辺喜美代表に追い詰められた後、4日の名古屋市内街頭演説で、こうぶち上げたらしい。

「渡辺喜美さんは民主党がいつの間にか官僚に取り込まれたと言ってますが、違うんですよ。私が財務省を洗脳しているんだ。ぜひ渡辺さんの口車に乗らないでください!」

 そ、そうだったのか! なるほど、それで得心した。
 菅さんは官僚に取り込まれてもいないし、財務省に洗脳されているんでもいないんだ。菅さんが財務省を洗脳しているんだ! だよね、でなきゃ、財務省のほうがお笑い者。
 菅話休題。
 迫る参院戦。いち選挙民としてどうするかな。考えあぐねて、まず、条件に合わない政党を外すかなと思った。条件は単純。デフレで増税は止めてくれ、そんだけ。
 他に、環境問題や、外国人地方参政権、選択性夫婦別姓といった問題に関心がある人も多いようだけど、私としみれば、それは日本人の多数が決めればよいので、決まったことを自分は受けれようというくらいしか関心はない。郵政国営化も止めとけと思うけど、いずれ国民に手ひどいツケを回して元に戻るのだから、痛い目に遭わないとわからない国民の愚行権。
 そこでマニフェストを見る。皆目、わからん。一覧表はないのかと探すと、ヤフーに「マニフェスト早見表」(参照)というのがあって、こりゃ便利と思って見た。でも、わからない。
 単純な話、民主党はデフレで増税やる気なんだろうか。マニフェストに書いてないんだよ。「消費税を含む税制抜本改革の協議を超党派で開始」というだけなのか。確かに菅さんの話は二転三転していて、結局、最近はどうなんだろう? わかんないんだよな。この人の言っていることも、あまり信じられない。
 なので、増税はしないと明記している政党はどれかと考えると、共産党と社民党。でも、両党、財政再建についてなんもデフレ克服についてもまるで考えていない無責任政党みたいに見えるので、パス。増税すると明記している自民もパス。すると幸福実現党? というのはヤフーの表には載ってない。まあ、それもパス。あれ、残りなし?
 私としても何が何でも増税はするなではなく、デフレ下でするなということなので、デフレ克服をどう考えているかという視点で見直してみる。名目成長率4%としている政党には、デフレ克服の考えがあるということなのだろう。
 すると、自民、公明、国民、新党改革、みんなの党が生き返る。民主は3%だけど、それもありか。
 と見ていて新党改革だけがインフレ・ターゲットに言及しているのを見つけた。これもデフレ克服と同じと言っていいだろうし、舛添さんはかねてそういう持論だったな。
 というわけで、こんなに選択肢が増えると、選べない。
 民主党のおかげでマニフェストで政党で選べなくなった。これはちょっと痛い歴史的教訓になった。さて、困ったな。

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コメント

 内容とは無関係で恐縮ですが、なぜ最近マニフェストをマ「ニュ」フェストと表記する人が多いのか気になります。
 元々イタリア語の manifesto が英語でも用いられるようになり、それを欧米好きの「進歩派」が日本語に輸入したのですから、「ニュ」などという「本格的」発音表記が登場する理由はないはずです。
 なんだかスウェーデン語の「オンブズマン」を英語と勘違いし、これでは politically correct ではないからと「オンブズパーソン」と言い換えちゃう市民派のみなさんみたいで、薄っぺらく感じてしまいます。

投稿: へけもこ | 2010.07.05 19:05

ピーター・ドラッカーの「断絶の時代」に、ドルによる基軸通貨制をとる限り、グローバル経済が発展すれば、デフレになると書いてあった。

ドルの次に世界で信用のある(現実に貿易決済で使われてさえいる!これホント!)通貨である円も日本国内の財政再建策をとるとなると、日本のデフレを海外に輸出することになるのだろうな、たぶん。

投稿: enneagram | 2010.07.06 06:46

【参院選2010】テレビ討論 首相が練った「責任転嫁」戦術、あえなく返り討ち―ぼやぼやしているうちに、鳩山問責決議案の二の舞になる!!

ブログ名:「Funny Restaurant 犬とレストランとイタリア料理」

こんにちは。来る参院選のテレビ討論が行われました。菅さんは「責任転嫁」戦術をとり、野党からあえなく返り討ちにあったそうですが、何かこの討論会おかしいです。最近のテレビは、討論会などの形式をとっていても、最初から最後までディレクターが描いたシナリオどおりに進められているようです。それが嫌で、大前健一氏など既存のメディアには出ないで、他のメディアなどで活躍しています。この討論会を見ても明らかなように、菅さんなのか、ディレクターなのかわかりませんが、巧妙に争点が切り替えられています。そうです。本当に重要な日本解体法案に関しての議論は何もなく、消費税が最大の争点になっています。野党、ぼやぼやしていると、鳩山さんの問責決議案を出す前に辞任されたように、いつの間にか争点を切り替えられ、大事な大問題が誰も知らないうちに民主党の恣意により進められてしまうことになります。ここいらで、政治家も、有権者も目を覚まして現実に対処すべき時がきています。詳細は是非私のブログを御覧になってください。

投稿: yutakarlson | 2010.07.06 10:41

カルロスゴーンさんて、日産を再建するに当たりイノベーションを起こすより事業仕分けで赤字を潰したという理解なのですが。
これはまさに民主党がやろうとして(そして失敗して)いる政策を成功させた先駆者にどういう暴言だろうと思います。
それを抜きにしても、国民の嫉妬心を煽る総理大臣なんて下劣すぎますね

投稿: jagursan | 2010.07.06 19:34

 馬鹿と嘘つきは外して、死票にならないことを考慮すれば、自ずから答えは出るんじゃないですか。
 あと、外国人地方参政権と夫婦別姓については、一応考えた方がいいので。
 多少景気が回復しても、社会が無茶苦茶になっては意味がありませんぜ。

投稿: MF | 2010.07.06 19:36

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 なんだか知らぬ間にマニフェストが塗り替えられているのか?そうなの?この疑念が湧くだけでがっくりくる。私は、いつもになく、今回の選挙には気持が向かない分あえて取り組んでいる。見てみない振りはできないの... [続きを読む]

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