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2010.05.02

リーゾ!

 ご飯はミルキークイーンしか食ってないんだと言うと、なんだそれと問い返される多かったが、一度、美味しんぼと同じだねと言われたことがある。そういう話があるらしい。あの漫画、初回から5年くらいは読んでいた。だから山岡さんは私より一つ年上だというのも知っている。読まなくなって久しい。
 私の定番のお米の銘柄はミルキークイーン。この10年間ずっと変わらない。こればかり食べているせいか、他の銘柄のご飯を食べるとパサッとしてちょっと違和感がある。ミルキークイーンが一番美味しいお米だと言いたいわけではなく、自分には食べやすいというくらい。冷や飯にしても、冷凍しといたのをレンジ再加熱してもそれなりに美味しいのがミルキークイーンの特徴だ。
 ミルキークイーンを食べるようになったのは、沖縄暮らしでニッセン通販を使っているとき、お勧め特集にあったのがきっかけだった。10年以上前になる。よく覚えていないが珍しいお米らしい。珍しいと聞くと私は中国人みたいに関心をついもってしまう。買ってみた。炊いてみて驚いた。炊きあがりの香りがよく、餅米ではないが餅米のようにもちっとして、米自体もうまい。ご飯だけ食ったほうが美味しいんじゃないかとも思えたほどだった。
 ミルキークイーンはしばらくその通販で買っていたが、ニッセンが食品販売試行をやめてしまった。さてどうしたものかと探し、農家からしばらく直接買っていた。当時は、ミルキークイーンはあまり流通してなかったみたいだ。その後、スーパーでもちらほらと見かけるようになった。他の通販でも買えるようになった。最近だとだいぶ安くなったし、それほど珍しいということもなくなった。
 ところで、私はご飯が好きではない。ミルキークイーンを選んで食べていてご飯が好きではないはないだろ、という感じもするが、正直なところだ。ご飯は一日一食、お茶碗に一杯食べればもう十分。子供の頃からおかわりとかしたことない。丼飯も大盛りだと途中からつらくなる。ご飯が三食続くとうんざりしてしまう。一、二週間ご飯をまるで食べないこともある。なんともない。
 海外旅行で数日すると、白いご飯が食べたいと言い出す人がいるが、私はそんなこと思ったこともない。一人暮らしを初めたとき、何が一番嬉しかったかというと、家の食事から解放されたことだ。ご飯を義務的に食べなくてもいいんだとほっとした。
 ちなみに、一人暮らしを始めた頃もう一つ嬉しかったことは、これで肉食をしなくていいんだということだった。私は生き物を殺して食うというのが、大人になっても違和感があり、いっそヴェジタリアンになりたいものだと思っていた。それが高じてマクロバイオティックスとかやり出した。不思議なもので、ご飯嫌いが玄米食になっちゃったのである。雑穀もよく食べた。とはいえ、厳格なマクロバイオティックスのピーク半年くらいだったか。

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Chicken Soup with Rice
 いろいろわけあってしだいに肉食に戻った。ある程度戻ると反動なのか、まだ30歳台前半であるし、台湾料理やフランス料理で内臓料理とかガツガツ食うようになった。そのあと沖縄に行ったので当地の内臓料理なんかも別段違和感もなかった。中身汁、ソーキ汁、山羊汁、てびちのおでん、ミミガーさしみ、ヤギ刺身、OK・OK・OK牧場。多少珍しいタイプのナイチャーに見えたらしい。
 玄米食からの離脱と肉食回帰で、またご飯は苦手に戻ってしまった。そしてどこがどうなったのか、ピラフやチャーハンどころか、リゾットやライスサラダ、ライスプディングとか、なんというのか、お米を虐待するようなものをことさら好んで食べるようになった。思い出すと以前からローストチキンのスタッフィングのライスとかも好きだった。知人とバリ島でメイドさんサービス付きで半月コテージを借りて過ごしたとき、朝食の定番がライスを甘いココナツミルクで煮てバナナを入れたものだった。サイコー。
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リーゾ
本場リゾット名人が
伝授するイタリアの米料理
 日本食が嫌いなわけではない。煮魚にミルキークイーンのご飯みたいのも一週間に二、三回くらいは食べる。お弁当もご飯ということはある。週に一度くらいお寿司も食べる。でもそのくらいが限度。自分では日本食はイタ飯や中華料理みたいにいろいろある食事の一つでしかない。そもそもご飯が主食という感覚がなくなってしまった。
 お米もだからリーゾである。この数年はリゾットが好きになったので、ミルキークイーンじゃない無洗米を別途買ってそれで作る。リゾット関連の本では、「リーゾ 本場リゾット名人が伝授するイタリアの米料理(ピエロ・ベルティノッティ)」(参照)が便利だし、各種のリーゾ(お米)料理の写真を見ていても嬉しくなる。お米でいろんな料理ができるじゃんと思うと気が楽になる。チキンスープ・ウイヅ・ライス(参照・YouTube)ではないけど、スープの具にさらっとしたリーゾも好きだ。
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北京のやさしいおかゆ
やさしく作れて
体に優しいおかゆレシピ
ウー・ウェン
 そういえば粥もよく食べる。マクロバイオティックス風の玄米食はとんと食べなくなったが、粥は玄米粥が多い。7倍の水を張ったスロークッカーに玄米を寝る前に入れておけば、冬の朝には美味しい玄米粥ができている。どっちかというとこれは中国粥だろう。粥については、ウー・ウェン先生の「北京のやさしいおかゆ―やさしく作れて体に優しいおかゆレシピ」(参照)が、あまり役立つという本ではないけど、面白いといえば面白い。中国人も一つの穀類にこだわらない点で奇妙な親近感がある。
 そういえば、以前の職場の近くに中国戦線帰り爺さんがやっていた玄米粥のお店があったなとか思い出す。薄暗い汚い感じのカウンターのお店だった。心和む絵に描いたような場末だった。あそこで粥をすすっていると、自分が日本にやってきた華僑のような感じがしたが、実際の華僑はそんなことはしないだろうけど。

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コメント

ミルキークイーンはもしかして福島県の米では?

終風先生は、石塚左玄の玄米正食の食養法とかやってたんですか。そうすると、桜沢如一の陰陽無双原理とか、カタカムナの相似象の人たちもよく知っているのでは?武田崇元とか阿基米得とかそれらの人たちとも面識が合って、野口体操の後継者たちもご存知?「地球ロマン」にも偽名で執筆していたりしてたんですか?こういうコメント入れるとたいてい表示してもらえなくなるのだけれど。そうすると、船井幸雄先生のみそもクソもいっしょのでたらめさもちゃんと了解済み?

雑誌「迷宮」と「デコード」については、貸してあげたら言語哲学の塚本明子先生も面白がっていました。

私は、自分のブログでドラッカーの「ポスト資本主義」の書評を終えて、いま、ベルクソンの「創造的進化」の読み直しに入っています。「創造的進化」の次は、フロイトの「夢判断」を読み直して書評を書こうと思っています。その後がどうもうまく続かないのだけれど。まあ、先々は、カントの「判断力批判」とかヘーゲルの「エンチクロペディー」とかアントニオ・ネグリの著書にも挑戦しようと思っています。

米の話といえば、イネのゲノム解析をしたら、オオムギ、コムギ、エンバク、トウモロコシ、いろいろなイネ科の飼料作物などについて、さまざまな洞察が得られて興味深かったという話が新聞に載ってたのを記憶しています。マメ科の植物でも、たとえば、ダイズのゲノム解析をすれば、アズキもササゲもクローバーもアルファルファもゲンゲもいろいろなことが解析できるのだろうと思います。植物のゲノム解析は、分類群に広く応用が利くようです。

投稿: enneagram | 2010.05.02 10:07

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