若いときにやってみるとその後の人生観が変わるかもしれない、多少些細な3つのこと
若いときといっても、18歳くらいから28歳くらいまでかな。それより前やそれより後だと、ちょっと意味が違ってきそうなので。
他の人もこの手の話を言っているかもしれないけど、あまり聞いたことがない。些細なことではあるし、人によっては人生になんの影響も与えないかもしれない。それと、簡単にできるとまでは言い難い。まあ、能書きはいいや。
1 車いすに乗って半日町を巡ってみる
車いすを借りて、しかもサポートしてもらう人がもう一人か二人必要になる。私のお勧めとしては、二人で車いすを一台一日借りてきて午前午後と一日かけてみるといいと思う。交通機関を使うのも目的の一つみたいなものだから、半日で無理なく行ける行き先を決めるといいだろう。
やってみると、驚きの連続だと思う。世界がまるで違って見える。そして、路上の小さな段差がどれだけ車いすを困らしているかもわかる。
こういう体験学習、誰かすでに組織的にやっているだろうか。健常者が体験的にすると障害者からは「ふざけんな」と怒られてしまうだろうか。そのあたりはよくわからない。社会の人に迷惑をかけないようにするほうがよいには違いない。
一度やってみると実際に車いすの人を補助することにも慣れる。あと、東京駅には車いすの人向けの地下通路みたいのがあるので、通ってみると都会の見方が変わる。
2 目をつぶって手を引いてもらって1時間くらい歩いてみる
まったく見えない状態で町を歩いてみると驚きが多い。もちろん、一人で目をつぶって歩くわけにもいかないから、誰かに手を引いてもらうことになる。そこが少し難しい。目隠しとかすると、危ない人たちに見られるから、目立たないように濃い目のサングラスかなんかしたくらいがいい。
町を歩くことは自動車や自転車もそうだけど、それだけでいろいろと危険が多い。目が見えないと、とても敏感になる。こんなにも危険に満ちているのかというのが、目をつぶっているとじんわりわかってくるし、率直にいうと、人によっては恐怖のパニックに襲われる。普通の人でも怖くて1時間が限度だと思う。だから、その意味ではあまんりおいそれと勧めることはできない。
手を引いてもらう人には絶大な信頼を寄せることになる。信頼というのは、手のぬくもりなんだというのが、実感としてわかる。それがいいことなのかねと問い返されると、ちょっと困るけど。
3 男子だったら女装してみる、女子だったら男装してみる
お変態のお勧めではないですよ。若い内に一度やってみると、その時もいろいろと思うことがあるし、その後、いろいろ思うことがあるようになる。どう思うかというのを、もうちょっと説明してもいいのだけど、やってみて、人生の中で思ってみたほうがいいと思うのでそれはそれだけ。
これも一人ではできない。二人でもちょっと無理かな。ある程度洒落と理性を持ち合わせたグループ(実際にはその両方を兼ね合わせた人は少ないもんだけど)でやってみるといい。なので、夜かな。当然、仮装パーティみたいな明るいノリで。私もそうだったけど。
そちらの世界に目覚めてしまうという、リスクもあるかもしれないけど、たぶん、それほどのことはないと思う(目覚めたから困るいうものでもないが)。
服装に関しては、へぇ、異性の日常というのはこういうものかと思う。それ以前に、仕上がった姿を当然鏡で覗くわけだが、意外にも普通に見えるはずだ。下手なメイクでなければけっこう普通に異性がいる。
男女の顔の差というのは、若い頃にはあまりない。老人になってもあまりないけど。性差が顔にくっきりしてしまうのは、30代から50代くらいではないかな。
鏡に映った、異性に扮した自分の顔のなかにいろんな人が見える。異性を理解するということより、ヒトというもののなかに男女の様々な要素が含まれているのだと見ることは、奇妙だけど重要な発見になる。
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コメント
家出してみる、とかかと思いましたわ。
投稿: 読者 | 2010.05.06 20:04
車椅子や視覚障碍者の体験学習は、いくつかのボランティアセンター、社会福祉協議会で実施しています。私は、10年ほど前ですが職場を通じて東京都千代田区のボラティアセンターの体験学習に参加しました。大学生の時に車椅子の補助はしたことがあるのですが、実際に乗ってみて発見が沢山ありました。
ちよだボランティアセンター「福祉体験講座」
http://www.chiyoda-vc.com/taiken.html
<車いす体験
【目的・内容】
2〜4人1組で車いす利用者とサポートする人の両方の立場を体験することによって、車いす操作に慣れるとともに車いす利用者への理解を深めます。
【適正人数】
10〜40名>
投稿: YTR3320 | 2010.05.06 22:52
はじめまして、いつも読んでるだけだったのですが、ちょっと自分に関係あることだったので、
コメントしてみました。
1,2に関しては、介護福祉系の大学や短大などでは、ほぼ必須のカリキュラムになってますよ。
ただ、これからは50-60代の方が、高齢の両親を介護することも多いので、若い方だけでなく、子供から老人まで、ホントみんなに体験してほしいです。
投稿: すずらん | 2010.05.06 22:56
車椅子体験講座、視覚障碍者の体験講座はいくつかのボランティアセンターが実施しています。例えば、ちよだボランティアセンター(東京都千代田区)の「福祉体験講座」。2人から4人1組で車いす利用者とサポートする人の両方を実際の路上で体験するものです。
サポートするだけの場合には気付きにくい細かなことが車いすに乗ってみると判りますね。
投稿: YTR3320 | 2010.05.07 06:59
素朴な疑問。筆者は、全部体験しているんですか?
投稿: | 2010.05.07 08:01
あれ、終風先生もしかして寮生でした?
投稿: werebear | 2010.05.07 12:23
2番は目をつぶるだけだと思わず目を開けてしまうことがあるので、アイマスクつけるといいですよ。介助者と一緒に行動するので別に危ない人たちには見られないのでは。
ボランティアセンターの体験でやりましたが、新鮮だったのは目が見えない状態での食事ですね。全く違う経験でした。
投稿: | 2010.05.07 12:38
2については、ダイアログ•イン•ザ•ダークというイベントがおすすめです。
http://www.dialoginthedark.com/
投稿: | 2010.05.07 15:49
はじめまして いつも拝見させていただいております。
1)の車椅子体験の件 こちらでは色々なシチュエーションの施設が整備されていてよいかもと思います。
【国土交通省 荒川下流河川工事】
http://www.ara.go.jp/arage/fukushi/
以前この施設の改修設計に携わったので。。。
投稿: nobikazu | 2010.05.08 00:39
werebearさんへ。Beauty Contest! いえ、寮ではなかったです。
投稿: finalvent | 2010.05.08 14:30