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2010.04.11

都市化し、経済成長するアフリカ

 将来の世界の都市化ということで、前回の「2025年、世界最大の都市は東京。しかも、ダントツ。: 極東ブログ」(参照)にも関連するが、今後30年でもっとも都市化が進む地域は、どこか? アジア地域を想定する人が多いのではないだろうか。しかし、それはアフリカであるかもしれない。
 2月のニューズウィーク記事「How Africa is Becoming the New Asia」(参照)がこの問題を扱っていた(同記事は日本版3.17に邦訳もあり)。


Today only a third of Africa's population lives in cities, but that segment accounts for 80 percent of total GDP, according to the U.N. Centre for Human Settlements. In the next 30 years, half the continent's population will be living in cities.

現状ではアフリカ人口の三分の一しか都市に暮らしていないが、この都市民が国内総生産(GDP)の80パーセントを産み出していると、国連人間居住センター(UNCHS)は指摘している。今後の30年で、アフリカ大陸の人口の半数が都市民となる。


 都市化をどう捉えるかにもよるし、最も都市化が進む地域がアフリカだということはできないかもしれないが、それでもアフリカの人口の半分が都市民になるというのはかなり大きな変化であり、その兆候はすでに見て取れる。
 前回のエントリーでも触れたが、2025年の世界では、現在20位にも入っていないのに、11位にコンゴのキンシャサ、12位にナイジェリアのラゴスが1500万人都市のレベルで上がってくる。ニューズウィーク記事では、ラゴスをどちらかというと明るく描いている。都市人口もすでに1800万人としている。

Nowhere is this relationship between the consumer class and urbanization more apparent than in Lagos, Nigeria, a megalopolis of 18 million that has the anything-goes pace of a Chongqing or Mumbai. On Victoria Island, the city's commercial center, real estate is as expensive as in Manhattan. Everywhere you look, there is construction: luxury condos, office buildings, roads, even a brand-new city nearby being dredged from the sea that will hold half a million people.

消費階級と都市化の関係がもっとも顕著なのはナイジェリアのラゴスを置いて他にはない。ラゴスは1800万人を擁する巨大都市で、重慶やムンバイのようになんだってアリで物事が進んでいる。都市の消費部であるビクトリア島の不動産価格はマンハッタンより高い。どこもかしこも建築中だ。高級マンション、オフィスビル、道路、さらに海を浚渫した最新都市には50万人が居住するようになる。


イコイ湾から見たラゴスのビジネス中心地区

 当然ながら経済成長も激しく、当然ながら成金も出現する。6日付けフィナンシャルタイムズが「From megacity to metacity」(参照)が指摘したような暗部も大きい。
 まったくの無秩序とはいえないが、都市化に伴いアフリカは成長していく。ニューズウィーク記事ではこうも指摘している。


In 2007 and 2008, southern Africa, the Great Lakes region of Kenya, Tanzania, and Uganda, and even the drought-stricken Horn of Africa had GDP growth rates on par with Asia's two powerhouses. Last year, in the depths of global recession, the continent clocked almost 2 percent growth, roughly equal to the rates in the Middle East, and outperforming everywhere else but India and China.

2007年と2008年、南部アフリカ、ケニア、タンザニア、ウガンダの大湖畔地域、さらに厳しい干魃のアフリカの角の地域ですら、アジアの二雄に匹敵する国内総生産(GDP)成長を遂げた。昨年の世界不況ですら、アフリカ大陸は2パーセント成長した。これは中近東や、インドと中国を例外とすればどの地域よりも突出している。


cover
アフリカ
動きだす9億人市場
 アフリカの角はソマリア半島である。そこでも経済成長している。アフリカ全域でも高い経済成長が見られる。なんとなく私たちの通常の印象と違うかもしれないし、よほど低い地点からの成長だからとも思うかもしれない。しかし、中間層も出現しているし、なにより近代的な巨大都市がこれらを牽引していると見てよいだろう。もちろん、残された地域との大きな差違も問題にはなる。
 これだけの成長セクターなのだから、より一層の投資チャンスと見えるかもしれないし、実際そうでもあるのだが、リスクは高い。汚職もひどい状態で、国際的な汚職関心団体の指摘では53か国中36か国で汚職が蔓延しているのことだ。治安もよくない。
 しかし、ものは考えようで、治安も悪く、そして汚職が蔓延している地域こそ手慣れたチャンスとして一団となって乗り込む人々もいる。まあ、誰というまでもないが。

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コメント

なにが第三世界の急激な都市化を可能にしているのか、というと、やはり、情報通信技術なのだろうと思います。

製造業だけでは、これだけの都市化は不可能だろうと思います。やはり、ITが金融業や事務労働の生産性を高めたから、都市の生産性が向上したのでしょう。この点は、アフリカでも同じなんだろうと思います。

歴史を振り返っても、活版印刷技術という情報技術が地理上の発見をもたらして金融業と流通業を発達させ、それが製造業で産業革命を可能にしたわけですから、今回の情報革命も、まず、金融業と流通業から生産性を高めて、そのうち、製造業や輸送業のイノベーションにいたるのでしょう。

たぶん、歴史の進行はアナログだと思います。都市化は進んでも、たぶん都市はもっと清潔で、快適な環境になるでしょう。歴史の進行がアナログならば。

投稿: enneagram | 2010.04.12 10:32

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