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2010.01.21

フィナンシャルタイムズ曰く、鳩山が小沢の首を切ればいいじゃん

 愉快なフィナンシャルタイムズの日本政治の時間です。今回は19日付け「Ozawa destruction」(参照)。destruction、ディストラクション、なんでしょね、破壊、破滅、怖いですね。良い子は英語を勉強してインターネットの情報を読んでいけませんよ。では、さよなら、さよなら…
 というのもなんなので、また耳を傾けてみよう。「Ozawa destruction」は「小沢の崩壊」ではなく、「小沢の破壊行為」といった意味合いだ。


Not for nothing is Ichiro Ozawa known as “the destroyer”. The man who engineered the electoral destruction of the Liberal Democratic party, something he had been plotting for nearly 20 years, could easily end up performing the same service for his own Democratic Party of Japan.

小沢一郎はだてに「ザ・デストロイヤー」として知られているわけじゃない。この男は自民党選挙破壊の技術保持者でもあり、彼がこの20年間画策してきた成果は、今度は彼が所有する民主党にもたやすく適用され尽くすことになるだろう。


 日本でよく言われていることを外人さんも聞いてみましたふうのことではある。この出だしのあと、小沢氏の秘書(元秘書を含め)3名の逮捕と金権政治にさらりと触れて、現下の民主党の問題をこうまとめる。

The stench around Mr Ozawa is damaging a party that has presented itself as clean, policy-based government. That is why Mr Ozawa must either prove his innocence or withdraw from the scene.

小沢氏が漂わせる悪臭は、政治主導で清潔だとかのフリをしてきた民主党を腐らせつつある。だから、小沢氏は自身の無罪を証明するか、政治の場から引退するかしなければならない。


 小沢氏の疑惑の資金団体から2008年7月11日に50万円ほどだが受け取った山口二郎北海道大学教授ですら、当然お代分くらいは小沢氏を援護してみるものの、「そのためには、小沢は土地購入に関する資金の流れにやましい点はないことを積極的に立証しなければならない」(参照)と言うしかない状況になっている。ちなみに、翌日は寺島実郎氏にも同額。仲良し、友愛。
 そこでフィナンシャルタイムズはどう託宣するか。鳩山が小沢の首を切ればいいじゃん。なーんだ、コロンブスのゆで卵じゃん。

If Mr Ozawa quit – or, better yet, were fired by Yukio Hatoyama, the indecisive prime minister – the DPJ might gain a new lease of life. It certainly needs it. It has many other problems, not least a second political funding scandal around Mr Hatoyama himself.

小沢氏が辞任するか、それとも、もっとよいことだが、鳩山由紀夫が小沢氏の首を切ることができれば、まあ、この優柔不断な首相ではあるのだが、民主党も再出発の機運を得るかもしれない。いやマジ小沢の首切りが必要なんだってば。他の問題も山積みだし、すくなくともそれに続く、鳩山氏自身を巡る資金疑惑も控えているのだから。


 原文中の "It certainly needs it."は直訳すれば、「それ(小沢氏の解任)が確かに求められている」ということ。かなりきつい主張になっていて、小沢一郎を辞めさせることが民主党再生の道だという文脈上の意味になる。
 日本人の私からすると、政局的にはそうかもしれないけど、これは問題の事業仕分けが必要なところで、小沢疑惑は司法の問題であるし、鳩山氏の問題は司法的には終わって氏の頭のなかでは政治的にも終わったと誤認しているけど、こっちは政治の問題。つまりみんなで考えよう、鳩山さんが首相でいいのかよ問題。いずれにしても、国民にとって現下重要なのは、予算の成立。民主党がどうたらということは、国民にそれほど問題になるものでもない。
 それにしても、なんで、民主党はこんなことになってしまったのか、とフィナンシャルタイムズは見ているか。

The DPJ has got off to a poor start. It has dithered on foreign policy, annoying its allies in Washington who, to be fair, have been even more clumsy in adapting to a new government in Tokyo. But domestically, too, the DPJ has faltered. It has got into a tangle over fiscal policy, hastening the departure of Hirohisa Fujii as finance minister. The DPJ has also become beholden to minor coalition partners, who have hijacked policy areas such as financial regulation.

民主党は出だしからヘマだった。外交に迷走し、オバマ政権を困惑させた。まあ、公平にいうならオバマ政権も鳩山政権に慣れるのにヘマこいたほうが大きい。民主党の内政はというと、これもまた、ぶれまくった。経済政策はグダグダになり、藤井裕久財務相の辞任を早めた。しかも、金融緩和政策などの政策を乗っ取った、連合小政党にキンタマ握られているありさまだ。


 外人さんのせいか、藤井爺さん疲れたわい問題の背景はあまりご存じないようだし、米国にちょっと居丈高に振る舞うのは英国的ユーモアの部類。
 結末は細川政権をぶっ壊したのは小沢氏だったな(遠い目)といった懐古のあとに、それでも民主党にエールを送っている。何故?

Last year’s victory of the DPJ was a good thing for Japan. History must not be allowed to repeat itself.

昨年の民主党の勝利は日本にとってよいことだった。歴史は繰り返すというが、そうさせてはならない。


 政権交代ギャンブルやってみとか言っていた手前、そうバックれ見せているのか、本当に、小沢抜きの民主党政権を望んでいるのか。本音のところは、世界金融に日本が関わるシーンがないと読めませんな。では、さよなら、さよなら、さよなら。

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コメント

小沢幹事長逮捕ということになれば、鳩山首相が責任とって辞任、次は、菅直人首相の菅内閣成立という予定調和があるだけではないですか。「小沢さん、がんばって検察と対決してください」と公言した鳩山首相は、いまさら小沢幹事長を斬ることはできないと思います。

鳩山・小沢体制というのは、自民党竹下派金丸系の日本支配のようなものだから、菅直人首相の下での旧社会党右派寄り集まり内閣で、日本での、ソ連崩壊後の「社会主義革命」成功なのでしょう。

それにしても、小沢幹事長が仮に逮捕起訴されてしまったら、間違いなく、菅直人弁理士先生様(笑)のしろしめす天下かあ。

あー、やだやだ。私は、弁理士にいい思い出がないからね(笑)。

投稿: enneagram | 2010.01.21 12:23

「キンタマ握られて」
なんという下品な意訳!

投稿: 関東リーマン | 2010.01.21 12:58

>financial regulation.金融緩和政策

訳が違うよ。

投稿: | 2010.01.21 15:09

ブログ主は茶化しているけど、
フィナンシャルタイムズの認識は
けっこう的確なように思えますが…w

投稿: | 2010.01.21 15:32

>>この男は自民党選挙破壊の技術保持者でもあり
ここでの「engineer」は技術ではないよ。企てる、でしょ。

投稿: | 2010.01.21 15:55

なんで小沢逮捕があるって思ってんだ?
国会開催中なんだが・・・

国会が開催されたことで小沢逮捕はなくなった。
それどころか4月人事で地検はオシマイ。
報復人事で移動。捜査中止だろう。

異動先でお茶を挽くことになる谷川はいずれ違法捜査で逮捕されることになるんでないかい?
検事に不逮捕特権はないからな。

石川議員が容疑を認めたって報道も、またまた捏造だったようだし、去年の西松騒動と同じく特捜の全面敗北で決着はついたんでないの?

投稿: 田舎から | 2010.01.21 21:20

ありえないとは思いますが、万が一報復人事なんてやった
としたら、その後の状況がどうなるか…。

自民党の立場からは、願ってもない展開ですな。
夏の参院選前に、民主が勝手に自爆してくれるわけだから。

投稿: | 2010.01.22 11:41

ソース選びや分析のご見識感服しておりますが、悪のり英訳だけはいつも読んでて萎えます。

投稿: | 2010.01.22 12:41

>>2010.01.21 15:55

なにを世迷いごとを…。
小沢にとって、状況はますます悪くなっているのに…w

投稿: | 2010.01.22 17:08

>ありえないとは思いますが、万が一報復人事なんてやった

そんなことやりゃ自民なんてなくなるよ。
個人的には共産党に頑張って欲しいけど、実際にはそんなことをやれば、民主以外の新党や既成の小党が発展して、民主からも離脱者が出るだけ。そしてそれが細川内閣みたいなさらに細分化された連合を組む。
つまり、右翼でも左翼でもない平成の大政翼賛会みたいな党ができる。
民主党に入れた連中を見ればわかるように、今の日本人はチキンだから寄らば太樹ですから。

投稿: | 2010.01.22 21:02

>なんで小沢逮捕があるって思ってんだ?
国会開催中なんだが・・

なんで小沢逮捕がないと決めているんだ?
逮捕許諾請求という法的手続きがある。これを現政権が「多数決」で退けることの正当性があるのか?

政治は生き物、検察の捜査も生き物。

投稿: ナムドゥーグ | 2010.01.23 11:39

>今の日本人はチキンだから寄らば太樹

 チキンかどうかは別として、勝負の張り方がヘタクソなんですよ。自民政権で概ね間違っていない時分に「寄らば大樹の陰」は定石ですけど、今みたいに混乱するの分かり切ってる時節に「寄らば大樹の陰」やっても、総出で赤っ恥掻くだけですわ。

 恥だけで済むならいいけど、無い金の奪い合いで血みどろにでもなったら、目も当てられませんて。そういう張り方をするのを、ヘタクソと言う。チキンと言うならそれでいいけど。

 何だったら、チキン&ヘタクソで。ひとつ。

投稿: 野ぐそ | 2010.01.23 16:26

なんか引き際の悪さが永田メールの時と似通ってきましたね。
今日の言い訳も辛かった。89年に2億円銀行から下ろして10年以上自宅に保管してたって言うけど、89年と言えばバブル真っ最中、定期預金金利7%とかの時代。銀行破綻から預金を守るためという当初の説明もかなぐり捨てた格好ですが、なぜそんな頃の話を持ち出すのか?89年と言えば小沢が史上最年少幹事長としていわゆる剛腕神話が生まれた年。現ナマはいくらあっても足りなかったでしょう。おそらくこの年、不動産を売りその金を銀行から下ろしたのは事実。もちろん実際にはそのほとんどが実弾として消えていったでしょうが。ただし、銀行の口座の記録としては2億円を下ろした事が記録されてる。この記録まで持ち出さないと金額のつじつまが合わないほど、今の小沢は追い詰められてると言うことなんでしょうね。

投稿: | 2010.01.24 00:46

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