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2010.01.06

藤井財務相(77)はなぜ辞任したのか?

 藤井財務相(77)はなぜ辞任したのか? お年だからでしょ。77歳だよ。4年勤めたら81歳。無理でしょ。というか、そんなの最初からわかっての組閣だったわけで、だとすると、普通なら最初から次玉が込められていたと見るべきだから、それは当然副大臣なわけで、野田佳彦さんでしょ。とま、普通に考えるとそうなんだが、この政権、普通とも思えないところが多々あるので、財務のわからん菅直人副総理・国家戦略担当相とか仙谷由人行政刷新担当相とかが後任になるかもしれない。
 いずれ藤井さんは御引退確定だったとはいえ、問題はどの時点で引退するかということだった。いちおう話の上では予算をちょうど組み上げたところで力尽きた、ドクターストップということなのだが、こういう話が最初から込められていたとなると、そうでもないでしょう。ではなぜ、藤井財務相はなぜこの時期に辞任したのか?
 昨年7月8日の読売新聞記事「民主バラ色公約、イバラの財源」で藤井さんはこう述べていたのが懐かしい。


 財源を重視する岡田幹事長は「税収などはもっと厳しく見積もった方がいい」と指示し、新規政策の総額も小沢前代表当時の20.5兆円から16.8兆円に下方修正した。それでも、「政権を獲得しないと財政の内実は分からないし、財源を作れと言えば出てくるはずだ」という楽観論が根強い。
 7日の常任幹事会。大蔵省OBで蔵相を務めた藤井裕久最高顧問は、財源を論じる若手議員にこう語りかけたという。
 「財源にはそこまで触れなくていいんだ。どうにかなるし、どうにもならなかったら、ごめんなさいと言えばいいじゃないか」

 昨年の夏、民主党の若手の背中を押すように楽観論をぶち上げた藤井さんは、だめなときは、「ごめんなさい」と言えばいいと腹を括っていたのだった。で、結局、だめだった。歳入の48%という赤字国債に加えて借金一回こっきりの埋蔵金10兆円依存する予算。マニフェストももう終わっている。今回の予算案で約3兆円にどうにか圧縮したマニフェストは、次年度はそのままだと10兆円規模に膨らむ。それは無理。次年度に続くわけはない。10年後の成長戦略なんて面白いもの(参照)を出してくる反面、次年度の国家予算の見通しはまるで立たない。きちんと「ごめんなさい」と藤井さんは言って辞任したかったのだろうと思う。そして、政権交代ごめんさいといえば立派なものでもあったが、そこまで責めるものではない。むしろ、そうなる見込みで老体に責めを負う心積もりだったのだろう。ご苦労様でした。
 で、終わりなのか。
 いや、どうすんのこの国の財政? いやいやきびしく言われているわりには消費税をあげる仕組みさえできればどうにかなる。日本の成長がどうにかなるかは不明だが。なので、大蔵官僚であった藤井さんはきっちり消費税の道を日本に敷いてくれた恩人ということになる。ご苦労様でした。いい話だなぁ。
 もっといい話もないではない。ちょっと古いが。
 2005年の立春前の国会だ(参照)。主人公は今は亡き松岡利勝元農水相(参照参照)が衆議院予算委員会理事だったころの話。

松岡委員 おはようございます。自民党の松岡でございますが、きょうはこのような機会をいただきまして、大変ありがとうございます。
 幾つか質問をさせていただきたいと思いますが、本日は、まず初めに、政策的なテーマといたしまして二つ質問をさせていただきまして、総理の御答弁をお願いしたいと思います。

 一つ目は農政の問題だった。二つ目が民主党への疑問だった。

松岡委員 ぜひとも、人類にとって最重要の課題であります温暖化対策、地球環境問題、総理の特段のその点での役割を発揮されることを強く期待をし、お願いをしたいと思っております。
 それでは、次の問題に移りたいと思いますが、まず、民主党は、先般から衆参の予算委員会におきまして、政治と金の問題について、あたかも自民党及び我が党議員の政治資金に関して不正があるかのごとき質問をされておりますが、これについては、総理及び関係大臣から明確に答弁がなされていたと理解しております。
 つきましては、政治資金に関し、民主党にかかわる不明瞭な点につきまして、二、三、質問をしたいと思います。

 ここで藤井さんの話がなぜか出てきて、こう続く。

 民主党の議員が衆参両院の予算委員会で口をきわめて小泉総理に迫っておりましたが、同党の収支報告書によりますと、民主党の代表代行でいらっしゃいます藤井裕久議員が民主党と自由党が合併する前の自由党幹事長のとき、平成十四年に限っても、国民の税金である政党助成金から約十五億二千万円が組織活動費として藤井氏個人に支出されております。
 ちょっとパネルを、お許しをいただいておりますから出していただきたいと思うんですが、これは、総務省の情報公開で求めていただきました資料でございますが、それをパネルにしたものであります。
 まず、上の方でありますけれども、平成十四年七月三十一日、九億七千九百万円、平成十四年の十二月の二十五日が五億四千百九十万円、合計十五億二千九十万円、こういうことであります。自由党の助成金から民主党代表代行の藤井氏個人へ支出されたことがわかります。しかし、この十五億円余は、その後どう使用されたのかわかりません


○久保政府参考人 自由党本部の組織活動費につきまして、平成十四年分の使途等報告書の記載について確認をいたしましたところ、藤井裕久に対し十五億二千九十万円を支出した旨の記載がございます。
○松岡委員 それでは、再度お尋ねしますが、こういう事実をどうお考えになりますか。
○久保政府参考人 政党助成法上、使途等報告書には支出の相手方、金額等を記載することとされておりますが、当該支出を受けた者が受領した資金をどのように用いたかにつきましての報告は求めておりません。
○松岡委員 仮に法律上はそうであったといたしましても、いやしくも国民の税金である政党助成金の十五億円余に上る金の行き先が全く不透明であるということは、驚くべきことでございます。
 あれだけ政治と金の問題を取り上げ、自分はクリーンで相手が不透明であるかのように主張されております民主党の、その民主党の代表代行を務めていらっしゃる藤井氏に対し、自由党の政党助成金から支出された十五億円余がその後どう支払われたか全くわからないというのは、これは、我々も含めて、国民として納得できるものではないと思います。ふだん政治と金について極めて厳しい態度をおとりになっておられます民主党ですから、まず、みずからの党のことを明らかにされることが必要だと思います。

 自由党解党のおり、国税を原資とする政党助成金15億円が藤井さんに流れたことが確認されている。が、それは別に違法というわけでもない、というお話だ。

○久保政府参考人 先ほども御答弁申し上げましたが、一般論として申し上げますと、会計責任者は、収支報告書に当該政治団体のすべての収入、支出について所要事項を記載するほか、十二月三十一日において借入金の残高が百万円を超えるものにつきましては、当該借入先及び借り入れの残額を資産等として記載することとされております。
○松岡委員 それでは、合併直前に民主党から自由党へ流れた政治資金の問題でありますけれども、平成十五年九月二十四日、民主党は二億九千五百四十万円を自由党に対し寄附をしております。二日後の平成十五年九月二十六日、自由党は解散したわけでありますが、わずか二日後に解散する自由党に対し、なぜ民主党が三億円近い金を寄附する必要があったのか。政党を金で買ったのと同じではないか、こういう疑いもあるわけです。

 ところが、ちょっとそういう話でもないらしい。
 文藝春秋1月号「小沢から藤井財務相に渡った15億円の怪-政党助成金とゼネコンからの献金(松田賢弥)」(参照)に不思議な話が載っている。


 元自民党幹部が今回私の取材に明かしたある光景は、にわかには信じがたいものだった。
「予算委員会が終わったあと、当時民主党の代表代行だった藤井さんが周囲の民主党幹部らに、落ち着きのない様子でこう言ったんだ。『弱ったな。俺はあの金のことは全く知らないのに、困っちゃうよ』そして、本当に、何も知らなかったんでしょうね。怒ったように『心外だ』と洩らしたんです」

 焼きの回った自民党が流したデマだろうか。
 鳩山首相の政治資金源のように、「ボクちゃんは本当になにも知らないから潔白なんだ」という話じゃないか。なんで藤井さんを責めるんだ。違法なことは何もないのに。
 というわけで同記事では2002年から04年の藤井さんの政治資金報告書を調べてみるが、なるほど億単位の動きはない。藤井さんの資金管理団体「新生政経懇話会」などの収支を調べてみても、そんな巨額な動きはない。
 藤井さんが全く知らないと言っているのが頷ける。
 で、そのカネは何処に?

追記 2010.1.17
 17日付け日経新聞記事「小沢氏団体、不記載の入金15億円 04年ごろ、旧自由党資金還流か」(参照)より。


 民主党の小沢一郎幹事長の関連政治団体「改革フォーラム21」の口座に2004年ごろ、政治資金収支報告書に記載のない計約15億円の現金が入金されていたことが16日、関係者の話で分かった。小沢氏が党首を務めていた旧自由党が02年、当時幹事長だった藤井裕久前財務相あてに同額の党費を支出しており、この資金がそのまま還流した疑いがあるという。

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コメント

うわあ・・・
読んで背筋が震えましたw

投稿: | 2010.01.07 09:30

藤井さんを起用したことそのものが間違っていたことなので、辞めて良かったんじゃ無いですか?

今年度予算110兆円に対して、官僚たちから95兆円しか請求がなく、それを増やすならともかく92兆円に圧縮するって言っていた人ですから、これで経済の専門家だと言うなら足し算引き算も出来ないのかと腹がたちます。

時代遅れの新自由主義者だったと言うことなのでしょう。

藤井さんが辞任したことで、これで安心して大型補正予算を組めます。
ここ数年は100兆円規模の大型予算を組む必要がありますから、藤井さん辞任で良いんです。

3年目には景気も回復して税収も増えます。劇的に。

自国通貨建ての累積債務など、デフレに比べれば全く問題ではありません。
ほんと、何にも問題ない。

投稿: 田舎から | 2010.01.07 21:06

自国通貨建ての累積債務でも問題はあると思いますけどw。長期的に見れば。

投稿: | 2010.01.10 07:29

>長期的に見れば。

長期的にはなおさら危険はありません。

我が国の民間資産の増大ペースは政府の累積債務の膨らむペースより早いため、国債を消化できる余力は毎年大きくなっているからです。

今後10年、1000兆円が2000兆円に膨らむ程度では日本国債の長期金利が上昇することはありません。(もっとも我が国政府の累積債務は今のところ300兆円しかないので、2000兆円なんて考えなくて良いのですが・・・)

長期金利が上昇する場合は、政府の財政政策が上手くいき民間同士の取引が増えて市中金融からの借り入れが活発になる場合です。つまり景気が良くなったとき。
この時、市中金融は国債に代わる資金の運用先を見つけますから国債から企業への通常の貸し出しにシフトします。

この場合、税収が急増して新規の国債を発行する必要がなくなります。
またGDPが増加し、GDPに対する累積債務の割合が縮小して債務の負担が減ります。

また、国債のうち日銀保有分は事実上償還されたのと同じことですから、その分考えなくてよろしい。(日銀の受け取る利子は国庫収入となり政府に戻る。政府以外の日銀株主の配当率はゼロ。)

日本の場合、外貨建ての対外債務はゼロですし、自国通貨建ての債権はほぼ全部が国内にあるので、国家破産は絶対にありえません。

政府が経営しているのは国民経済全体です。
日本の場合、政府の債務は誰か国民の資産になっており国民経済の内部を循環しているだけです。
一般債務に占める国債費・公債費の割合が高すぎて首が回らなくなっているのは、財政が破綻寸前ではなく、財政が歪んでいると言うほうが正しい。
国民経済全体に影響を及ぼすほど不況下で資産を増加させている大企業、超富裕層が我が国には存在しているのです。ここに適正に課税しないため資金の流動性が滞り、GDPの増加ペースを停滞させていることが全ての原因です。

政府の累積債務が恐ろしければ金持ち大増税に賛成しましょう。恐ろしくなければ国債の大発行に賛成しましょう。
どっちも大企業・富裕層の資産に流動性を与えるという点で同じ効果があります。

最近思い出された政府通貨による処理ももちろん可能です。
この場合、通貨の性質が変わります。
通貨は政府が国民に貸し出していることになり、国民が政府通貨を所有していることは政府に対して債務を持っていることになります。
ま、小銭を使うだけの我々小市民にはどうでも良いことですが・・・。

国債の発行=流動性の回復=国民の所得形成
国債の累積=国民の資産形成

投稿: 田舎から | 2010.01.12 10:52

なお、国債を最終的に負担するのは、公益法人から借り入れをした民間企業(最終借り入れ主体)であり、公開市場操作で国債を買い入れる日本銀行です。

日銀が市中銀行から国債を購入することによって、市中銀行に日本銀行券がばら撒かれます。
これは日本の国民経済におけるベースマネーとなっています。
日本の現状では、圧倒的な過剰貯蓄と投資先不足ですから、国債の過剰発行によるクラウディングアウトは全く発生しません。それどころか国債を発行して日銀が吸収しないと流動性不足からデフレが進行していきます。

だから藤井さんじゃダメだったんですよ。
新規国債44兆円なんか守っていたら今年もデフレです。
国家破産なんか心配している人、そんな暇も無く今年のうちに首を吊る羽目になりますよ。
デフレは直接人を殺すんです。
デフレに比べれば政府の自国通貨建て累積債務の増加など何の問題にもなりません。

投稿: 田舎から | 2010.01.12 11:00

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