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2009.12.25

鳩山首相政治資金問題会見、雑感

 昨晩、ちょっとした偶然で鳩山首相の会見をNHKで実況で見てしまった。気持ちの悪いものを見てしまったなというのが率直な感じだが、そう言ってしまえば、鳩山首相を気持ちの悪い奴だと思ったのかと誤解されるだろう。そうではない。もしそうなら、他のスプラッタなニュースと同様私は見ない。気持ちが悪かったのは、鳩山首相のクチから出てくるある毎度の特有なロジックだった。それが日本を戦争に導いたものだし、日本の宿痾と言えるものだ。平成のこのご時世になっても、こいつはでんと日本に鎮座しているのかと暗澹たる思いがした。
 記者会見の理由は、鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」の政治資金収支報告書虚偽記載問題で、東京地検特捜部が、元公設秘書を政治資金規正法違反の罪で在宅起訴、また元政策秘書を略式起訴したことを受け、彼を監督する立場にあり、同会の代表でもある鳩山氏が国民に説明し、進退を明らかにするということだった。鳩山氏本人については、検察としては、資金管理団体の代表だが虚偽記載への関与が確認できない(嫌疑不十分)として不起訴処分とした。
 率直に言って、この御仁は退陣されないだろうとは思ったが一縷の希望はもって聞いていた。やはり退陣はしないと予想は当たったが、暗澹たることはそんなことではなかった。いやそれも予想外とは言えないのだが。キーワードは「私腹」である。記者に問われた鳩山首相の答えから(参照)。


 --首相が現政権を続けるということが責任を果たすと言ったが、首相でなければ議員を辞めていたのか。また、今回の責任の取り方について、具体的に何か形として考えているものはあるか
 「仮定のことでありますので、今、十分な答えができないかもしれませんが、私は過去の発言というものは、確かに自分なりに発言したことは理解をしております。くどいようですが、自分のポケットマネーを増やすとか、そういう私腹をこやすために秘書がおかしたことではないと、そのように確信をしておりまして、そこの意味において、今までの私の発言と今回の私の事象との間で違いがあるのではないかと思っております。従って、仮定のことで答えることはできませんが、どのような立場にたっていたら、職をとしていたかっていう、あるいは議員を辞めたかっていうことになると、わかりませんが、辞めていない可能性もあると、そのように考えております」

 釈明も「私腹」の話で締めていた(参照)。

 「わたしは先ほど申し上げましたように過去の発言に対して、そのことを否定するつもりもありません。逃げてはいかんと思っております。事実は事実として申し上げたいと思います。ただ私がその過去の発言というものを顧みて、思っておりますのは、私腹をこやしたり、不正の利得というものを陰でいろいろ得ていながら、それを表に公表しないというような事象が中心であったと。そのように思っておりまして、先ほど申し上げましたように、今回の件に関してそのような私服を自分がこやしたという思いは一切ないと。不正な利得を得たという思いも一切ないものでございますので、私は責任の取り方として先ほど申し上げましたように、反省すべきところは当然反省いたします。」

 呆れたなと私は思った。
 私は政治家としては「私腹をこやしたり」する人がよいと思っている。日本の政治の現状では、私腹なりを使って切り抜けていかなければならない状況が多いと認識しているせいもある。談合や賄賂などは民主主義のコストだと割り切っている。もちろん、そんなことは良いわけではない。しかし、そこまでして悪にまみれても政治を行うのだという政治家の精神を私は貴ぶ。泥にまみれてしまったという自責感のない政治家のほうが格段に怖い。ぞっとする。
 このことは私にとっては普通の戦後世界の庶民感覚だと思っている。私が傾倒した思想家吉本隆明は、正確な言葉ではないが、こう言っていた。食えなくなったら盗みでもしなさい、それは悪いことではないのだ、と。盗んで食えるものがあるなら盗めばいい。人が飢えて死ぬより何倍もよい。人が飢えるような世界そのものにいかなる正義でも認めてはいけない。少なくとも、他者にそんな正義を求めるような社会を作ってはいけない。この世にあって大衆が生きること、その倫理こそが社会の根幹ではなくてならないし、そこには必然的に悪が含まれる。
 オバマ米国大統領やピーター・ドラッカーではないが、この世に悪は存在すると私も思う。しかし、人は誰でも追い込まれれば悪に陥る弱い存在でもあると思う。毀誉褒貶の激しい安田好弘弁護士はだからこそ世間から礫を投げられる大罪人といつも共にあろうとし、そこに人が悪に陥るある必然を見てきた。
 人がどのように悪に陥るのか。欲望や誘惑が原因と言えば抽象的だが、少なくともカネは大きな現実的な要因だ。食うことができなければ盗めばいいと私は思うが、それは率直に言えば、食い物に限定されたほうがよい。シベリア抑留の人々や沖縄の戦後石川収容所にあった人々がそうした食い物の盗みを話を蕩々するのを私はいつも愉快に聞いた。
 しかし、カネがなければ食えないという状況でカネを盗むということもその延長に想像できないことではない。「銭ゲバ」ではないがカネがなければ親が死ぬという状況もある。そういう状況に立つ人が悪を自身の倫理と受け入れるなら、罪は罪でもしかたがないと思うし、同情せざるを得ない。
 少なくとも、カネがあって、カネを使って汚い所作を他者に押しつけて、自身は潔白だという人間よりは、食い物やカネをくすねた人間のほうがはるかに尊いと私は思っているし、それは戦後日本の餓えをしのいだ記憶やその生の話を伝え聞く庶民には当然のことのように思っている。
 鳩山さん、昭和の庶民はそう見ていますよと、伝えたいようにも思えたが、昭和の庶民もかならずしもそこまでの庶民倫理に生きているわけでもなかった。
 日本の歴史は常に清廉なる聖者を求めてきた。庶民がそれを待望もした。本質的な「悪」というものがあるなら、それはそうした日本の庶民の幻想的な希求にこそ宿っている。5.15事件は卑劣な暗殺事件としてか後代の歴史家は見ないかもしれないが、当時の庶民は暗殺者たちを清廉故に罪を減じるように嘆願書を送ったものだった。清廉で私心なく、まして私腹もこやさない聖者や革命家、政治家に求めて、日本は悲惨のどん底に落ちた。「日本教について」(参照)でイザヤ・ベンダサンはこのようすをこう語った。

 それ故私は、日本は徹底した差別の国だと思っております。日本教の教義に基づく「人間の純度」という不思議な尺度に基づく差別なのです。ただこの差別は、「純度」の認定によって絶えず変化しますから「人間の純度による流動的なアパルトヘイトの国」と規定してよいと思います。従って、日本の裁判は、ある国のある時代の南部の裁判に似て、純度が高いと認定された者は最も卑劣な殺人を犯しても、天皇に反逆しても、実質的には無罪になると考えてよいと思います。それゆこの「純粋人」(いわば一種の白人)と認識された被告に対しては、その行為がどれほど卑劣であろうと、三十五万通もの減刑嘆願書が寄せられるわけです。この点はもちろん戦後も変わりません。変わったのは「純度表」の表現だけです。

 清廉で私心なく、まして私腹もこやさない聖者なら罪は許される。罪状が問われれば、清廉で私心なく、まして私腹もこやさないと弁明する。
 鳩山首相の場合は、指摘されなければ脱税のままであり、脱税とは国家のカネをくすねた罪人であるのに、清廉で私心なく、まして私腹もこやさないと弁明してみせる。
 しかも、清廉なのは本人の罪を他者の忖度でなすりつけたからだというのも、何かに似ている。現在では著作権が山本七平の親族に移譲され「山本七平の日本の歴史」(参照)というタイトルになっているが、当初の著作権者イザヤ・ベンダサンはこう述べていた。漱石の「こころ」の文脈で。

 この点で、この作品に乃木将軍が登場するのは偶然ではない。彼を軍神にしたのは、実は、日本人ではない。むしろ逆輸入であって、少なくとも戦争中と直後は「乃木無能」が定評であった。彼は確かに無能である、というより「即天皇去私の人」であり、この点でまさに真空的人格であった。
 従って彼は、意志、決断、それに基づく指導力などはじめから皆無なのが当然であり、ただその真空的な人格が周囲に異常なエネルギーを巻き起させただけである。そして、それが発揮する --- というより実際には「させる」だが --- 一種独自の力に、逆に超人乃至は超人的偉力をもつ指揮官と錯覚したのは、日本人よりも外国人であった。彼らには「去私の人」のもつ真空が発生させるエネルギー、それは理解できないが故に、かえって不思議な魅力になっていき、自分もそれに巻き込まれて、正当な評価を下しえなくなってしまうのである。
 実はこれが「天皇制」のもつエネルギーである。中心に、欲望の無力状態、人間関係・社会関係における無菌人間を設定し、一種の真空状態を作り出す。これを「去私の人」と言いうるなら、そういって良い。本人は真空であるから、一切の意向はない。いや、たとえあったとしても、ないと設定される。従って意志決定も決断もしない。それが徹底すればするほど、それはますます真空状態を高め、それが周囲に異常なエネルギーを起こして台風を発生させ、全日本を含み、東アジアを巻き込み、遠く欧米まで巻き込んで、全世界を台風圏内に入れてしまう。しかし「台風の目」は、静穏であり虚であり、真空であって、ここには何もない。たとえ「目」が非常な早さでどこかへ進行しても、それは周囲の渦巻が移動させているのであって、「目」が「目」の意向に従って進路を決定しているのではない。

 私腹をこらすことなどないと言い、決断も示さない真空鳩山首相を放置しておけば、その回りに生み出される真空エネルギーが高まる。すでに高まってきている。
 このような指摘をしたイザヤ・ベンダサンも山本七平一人の偽名であり右翼であり、よって純粋でないがゆえに左派からバッシングされた。イザヤ・ベンダサンや山本七平を敬愛する私も同様に純粋でないがゆえにネットでバッシングされてきた。そのような、「純粋ではないがゆえの誹謗」はまさに日本を破滅させた真空天皇制の論理そのものであるにも関わらず。
 現下の真空鳩山首相が何を引き起こすかはっきりとはわからない。存外に年明けで世界の好景気にのって日本の景気が向上すればなんら問題ないとなるかもしれない。ただ、歴史は繰り返すというのであれば、イザヤ・ベンダサンは終息のパターンをこう見ていた。

 だがこの「去私」のエネルギーは、その「目」が、真空でなくなれば、瞬時にして消える。これが終戦の謎であろう --- 「去私」の意思表明は、一挙にこのエネルギーを消失させる。

 国の実質的な指導者が泥まみれで意志を語り出せば、バッシングもされるだろうが、危機は終息に向い出すだろう。政権交代に終戦が訪れ、焼け野原からやり直す眺望も見えてくるだろう。

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「時事」カテゴリの記事

コメント

・・・私も、鳩ポの目つきは気持ち悪いです。「何も考えていない眼、真空の眼」だと思う。実際には、保身(?)のためにはあれこれ考えているのだろうけど。・・・本当の意味で、国民のためにというか国家のために何も「思考」していない眼ですね。(だから「鳩ポ」なのか。鳩並みの頭脳の持ち主なのか。)

立ち遅れましたが、1997年のTVドラマ、「総理と呼ばないで」は、面白かったですよ。与党が、完全にだめになって、政権交代に追い込まれる、与党最後の総理(田村正和)のドタバタを画いたドラマです。・・・最後に、彼が与党を潰す事を決意して、「私腹を肥やさない」新総理(唐沢寿明)に全権を譲るのだけれど。総理(田村)の最後の演説が泣かせます。・・・詳しくはご一見を。

投稿: ジュリア | 2009.12.25 13:50

日本は俺のものだと本気で思っていた伊藤博文や山県有朋がいなくなって日本はバランスが取れなくなった。私はそう思っています。バランス感覚って自分の損得勘定、自分の痛覚、自分の(預った)財布があって初めて生まれるものだと思います。財界が井上馨とかを経由して元老会議に物を言っていた時代は正しい世ではなかったにせよ、日本が自分の生存のためにぎりぎりの妥協をしたり、怒って人を殺したりしていました。それがなくなると、日本は生きるのをやめてしまったように手足がバラバラに動くようになり、しかし決して自分ではそれを認めようとせず、一番矯激な行為に引きずられました。まったく危うい展開になってきたと思います。

投稿: hnami | 2009.12.25 15:26

二つ目の引用部分の「そのような私服を」は「私腹」のタイプミス?

投稿: Cyhyraeth | 2009.12.25 19:45

鳩山会見をもたらして、あの言葉を言わせたのは東京地検特捜部の小沢への筋のあまりよくない西松事件が遠因にあるということが皮肉だなあ思いました。
地検特捜部と筋の悪いリーク攻撃に乗ったマスコミともども、美しくない話ですが来年は人事と記者クラブ開放で血の雨が降るのでしょう・・。

投稿: lc | 2009.12.25 21:22

バッカじゃなかろか。

「庶民」を「代表」して代弁するような理屈こそが宿痾だと思うよ。

投稿: | 2009.12.25 21:35

脱税、脱税盛んに言ってますが、何か、根拠があるんでしょうか?
今回、明白な法律違反は政治資金規正法だけです
政治資金規正法の目的は透明性の確保で、この点は西松事件と違って違法性は明らかです
それが、刑事責任にまで発展するのは大型の収賄性を持った時のみで、このケースは前例には当てはまりません
出資者が実は母親だったとしても、政治資金として使われたのであれば、記載の間違いでしかありません
脱税云々はある種の錯覚じゃないでしょうか?
政治資金を私物化しているかどうかは微妙な問題らしいですが、この場合、政治資金として使われてるのは、明らかではないんでしょうか?

ちょっと前まで法的な形式を論じてたように思いますが、何か変わってしまったようですね
汚職こそ政治家の資質と言うのであれば、あなたにとっては政治資金規正法自体が有害だと言うことでしょうか
汚職はもちろん企業サイドからのロビイングも民主主義における一票の価値を著しく下げます

投稿: burigan | 2009.12.25 23:05

私腹をこやしながら、声なき弱者を徹底的に無視してきた政治家よりはましではないですか。
餓えたら盗むのではなく、死ねばいいと思う。
僕はそうします。
罪を裁くのは法律でも裁判官でもない。
誰も見てなくとも、誰が罰しなくても罪は存在する。
だから、そんな庶民感覚がこの日本にあるとは到底思えない。
みんな正直に生きたいと思っているし、世の中をよくしたいと思っている。
でも世の中を変えられる立場の人間が、私腹をこやして、その責を全うしないどころか、
問題をより複雑にしてきたのではないですか。
何年先になるのか、それはわかりませんが、今回のエントリのような訳の分からない、筋の通らない理屈がはっきりと否定される、まともな世の中になるだろうと思います。
物事はもっと単純で、クリアなものです。
ただ、私腹をこやしたい連中が、自分たちの都合の良いように解釈し、だまし絵を見せてきただけなんです。

そう思います。

投稿: ぷるきんえ | 2009.12.26 01:20

最近の政治も報道も、まるで学級会のよう。
懐の深みはなく、レッテルの張り替えをしているのは、言葉遊びに過ぎません。

小泉政権がその極地だったように思いますが、一般社会はそれを良しとしているようですね。
私は、国民に容易に値踏みされるレベルの政治では、国際社会における日本の舵取りを任せるには心許ないと感じます。

先日の会見は、失敗をした委員長の釈明に聞こえました。「わざとじゃないから悪くないもん。」
国民が期待すべき政治のレベルも低くなったと感じます。

投稿: about | 2009.12.26 10:20

土塀政治家の清廉もない。
亀井のように「政治家が一々細かく金の流れを見るかよ、ばーか」といいきる度胸もない。
そもそも発覚しないように上手にやる器量も無い。
ないない尽くしで悪気はありませんのみの政治家がTOPとは悲しい。

日本人は穢れを嫌いますが、政治家は泥を被る覚悟は必要だと思います。そういう覚悟を持っている人が少ないから、穢れ代表・自衛隊を「正当に」見ることができていない。オバマの演説が日本人にしっくりと馴染む日がくるといいなと思わずにはいられない。

投稿: 路傍の石 | 2009.12.26 11:34

山本七平とか吉本とか戦中派の倫理が正当だと思い込む時点で、鳩山に説教する資格はねえよ。

「食えなきゃ盗め?じゃあ、盗まれた人間が飢えて死んだらどうなるんだ?」単に吉本は、自分の罪悪感を麻痺させて、自分のやったことは悪くない、誰々が悪いと罪をなすりつけているに過ぎん。
私事ながら、だから吉本の親鸞論は全く信用できんのだ!

投稿: F.Nakajima | 2009.12.26 14:57

鳩山さんの言い訳が、「本質的には悪くないから辞任しません」ではなく「悪い点は認識しているが辞任しません」と聞こえていれば、まだ安心だったのに、という話でしょうか。

過去の発言との矛盾(秘書の犯罪への責任のとり方)、政治資金規正法(虚偽記載)、脱税(贈与税)、など悪い点は沢山あったが、でも、現時点で辞任するよりは私が首相を続けた方がメリットが有る、という主張が聞きたかったんですけどね。
首相の座に留まり続ける意味は、この悪いことをしたが辞めるよりは続けた方がメリットが有る、という一点にあるのだと思うので、ここを説明(説得)して欲しかった。

こういった誰でもわかる悪い点について、「単にバックレても批判者は現れないか現れても影響なし」と見下しているか或いは「本当に悪いと思っていない不思議ちゃん」である、という印象を与えてしまったのではないかと思います。

投稿: 池上路傍 | 2009.12.26 17:32

そもそも私服を肥やす、肥やさないとは何をもって
判定するのかしら?

政治家の裏金はおおむね自身の懐には入らずに支援
者とかにばら撒かれるのだろう。
その中に自分が入っていないのが気にくわなくて、
「私服を肥やすな」と喚いているようにしか見え
ないんだけど。

投稿: kemkem | 2009.12.26 23:07

 焼きが回ってきてますね。

投稿: 野ぐそ | 2009.12.27 01:01

鳩山首相が宇宙人と揶揄されながら、それでも民主党のリーダーであり得、首相にまでなれたのは、「真空が力を発揮した」と考える外ありません。また、前代未聞の、6年間で11億に上る政治資金提供を母から受け、それを規制法に則って適正に処理していなかった事実が明らかになっても、それを「私腹を肥やしていない」という理由で免責できると考えるのは、人間の「きれいさ=純粋さ」が法的犯罪の免責指標になると考えている証拠です。なお、こうした考え方は多くの国民にも共有されていて、この事実は、田原総一朗氏が「これだけ報道されても鳩山献金問題には関心なし」で驚きをもって報告しています。このテーマに移った途端視聴率がガクンと下がったそうです。事実、鳩山首相は「真空」ですから、できるだけ自分の意志を表明しないようにしています。たまに表しても宇宙語です。なぜか、それは地球語を発した途端「真空力」は失われるからです。で、いよいよ、その「真空力」が失われる時がきたようですね。finalventさんは、鳩山首相の不思議を以上のような山本七平の知見をもって説明している、と私は理解します。そこで問題!鳩山首相とはまるで対照的な不純人間小沢一郎氏は、同様の知見から見た時、今後どのように行動するか。いうまでもなく、不純なる部分を合法化すると同時に、純粋さをアピールすることです。平野貞夫氏は「小沢は純粋すぎる性格ゆえに誤解される」とイメージ転換を図っています。実は、鳩山首相の「友愛」との連携も、氏の「共生」概念も、そうしたイメージ作りのためです。そして、これに成功すれば首相になれる。さて、この仮説は実証されるかどうか。

投稿: tikurin | 2009.12.27 05:13

初めまして

私も山本七平に傾倒しているので、今回のエントリーには頷ける所が多々ありました。

結局のところ、鳩山首相は、「自分は純粋であるから許されてしかるべきだ。」と主張しているだけなんですよね。

まぁ、今回の鳩山首相のケースは、本人が幾ら取りつくろうとも、脱税したことは明らかであり、私腹を肥やしているのは明らかですから、不純だと思う人が殆どだと思いますが、それでも、麗しい「井戸塀」話だと受け取る人や、自己資金でやっているのだから何が問題あるのかという人も結構いるわけで。

民主党政権の政権運営がデタラメですから、今回の鳩山首相の疑惑についても、許せないと思う人が大半だと思いますが、もし、真っ当な政権運営をしていたとしたら、「純粋ゆえに」案外許されちゃうような気がします。

「私腹を肥やす」という不純が、嫌われるのは洋の東西を問わないのでしょうが、日本人は、どうも清廉潔白を求めすぎるきらいがありますね。

「純粋=善」という抜きがたい固定観念があって、純粋がもたらす「危険」や「悪」については考えようともしない。

ブログ主さんが指摘するように、「それが日本を戦争に導いたものだし、日本の宿痾と言えるもの」なんですけどね。

「(正しい)目的は、(不正な)手段を正当化する。」とはよく言われることですが、日本人の場合、(正しい)を(純粋な)に置き換えている場合が多いような気がします。

どっちにしろ、岸田秀が指摘するように、

>正しい目的は不正な手段を正当化するのではなく、不正な手段は正しい目的を
>腐らせるのです。目的と手段は一つの有機的全体を成しているのであって、
>切り離すことはできないのです。
>不正な手段で正しい目的を実現することはできないのです。

という現実を理解しない限り、いつまでたっても純粋信仰から導き出される「ある毎度の特有なロジック」に振り回されてしまうのではないでしょうか。

投稿: 一知半解 | 2009.12.27 07:18

「長嶋茂雄」という戦後最大の真空を想起しますね。
それは「スポーツ」というものの真空性(=純粋善)と、それによって巻き起こされる政治的なあれこれのようにも思います。
「フォレスト・ガンプ」で卓球が米中関係に繋がって行くような。もちろん本人や卓球自体は真空であるという。

投稿: 天魔 | 2009.12.27 11:07

日本の政治システムにおける純粋装置は象徴天皇制です。一方、政府は実力主義・能力主義です。これが『太平記』後に生まれた「象徴天皇制」のモデルです。一方、幕末の天皇親政モデルは、朱子学の正統論と国学が習合することで生まれたイデオロギーで、思想的には別物だと山本七平は指摘しています。でもこの後者のイデオロギーがなければ明治維新もなかったわけで、歴史は必ずしも一直線に進むわけではないということですね。実は、今日の象徴天皇制は、この前者の伝統を引き継いでいるのです。ところが後者の伝統も根強く残っており、これを思想史的に精算する必要があると山本七平は言ったのです。そこが理解されてないから、氏に対する左右からの批判が生まれているのです。また、政治家が「人間の命を大切にする政治」などという、純粋さをてらう言辞を吐くのです。それは政治に委ねられた仕事じゃないのに。そして、「コンクリートから人へ」などといいながら、小沢幹事長が12月16日、民主党が政府に提出した要望書の中には、「高速道路の整備」という題目で、道路公団時代にタイムスリップしたかのような時代錯誤のプランが紛れ込んでいた、と猪瀬直樹氏が「時評コラム」で指摘しています。純粋をてらう言葉と実際の行動に意図的な使い分けが依然としてなされているのです。それにしても、小沢氏の純粋天皇制を自己の政治的支配下におくかのような言動は”マズイ”すね。象徴天皇制を壊すことになりますから。キリスト教批判以上に致命的です。

投稿: tikurin | 2009.12.27 12:29

鳩山首相の表情は笑いをガマンしてる顔だ

投稿: | 2010.01.29 23:28

本日の100文字というサイトからこのブログを知り、自分の興味のある記事だけをざ〜っと流し読みしただけなのですが、感想送らせてください。すみません!子どもが寝た時間だけ趣味のネットサーフィンしている主婦30歳です。
面白いな〜すごい賢い人だな〜と思いながら短時間で斜め読みしたので、読解力がない故の感想、質問でしたら申し訳ないんですが、思い切って送らせてもらいました。
特に中国漁船沈没の記事なんか、日本の大手メディアが全く伝えない内容ですっごく面白かったです!
いくつか質問なんですが、追悼するなら靖国神社である必要性はない、という趣旨の記事も読んだんですが、
英霊たちは遺書や手紙の中で、妻や子どもに、靖国神社でまっている、靖国神社に来ればいつでも会える、と書いていますよね。
だから靖国神社である必要があると思うんですが、どうでしょう?
あと去私の人の記事も大変面白かったですが、去私というか無私の存在は天皇陛下でいらっしゃるんでは?
日本人は、ひたすら国民を思い、無私の存在でいてくださる天皇陛下という存在の下で働くとき、思いもかけない力を発揮するのではないでしょうか。
終戦も、天皇陛下がいらしたから可能だったのではないかと個人的には思います。
あなたの天皇制についての意見もぜひ聞いてみたいです。
最後になりますが、この前の参議院選挙などで当選した柔ちゃんなんかより、あなたみたいな人に国会議員になってほしいです。
もしかしたらもう政治関係のお仕事についてらっしゃる方だったらすみません
これからもブログ楽しみにしてます。
雑な文章で、ほんと申し訳ない・・・。

投稿: nat | 2011.02.17 01:06


質問 英霊たちは遺書や手紙の中で、妻や子どもに、靖国神社でまっている、靖国神社に来ればいつでも会える、と書いていますよね。だから靖国神社である必要があると思うんですが、どうでしょう?
僕の考え
そう考える人はそれでよいのではないかと思います。靖国神社ではない実際に会うのは天国だという人がいても、いや霊魂は存在しないからという人がいても。問題は、そういう問題は個人の信仰の問題であって、政治の問題ではないのでは。

質問 日本人は、ひたすら国民を思い、無私の存在でいてくださる天皇陛下という存在の下で働くとき、思いもかけない力を発揮するのではないでしょうか。終戦も、天皇陛下がいらしたから可能だったのではないかと個人的には思います。あなたの天皇制についての意見もぜひ聞いてみたいです。
僕の考え
現代ではそういう力はもう天皇にはないと思います。私の天皇制への考えは、とやかく騒がないでできるだけ普通のご家族してくらしていただけるようにしてあげたい。天皇制賛成反対という人たちは憲法を理解していません。憲法が規定するように、天皇制は日本の文化遺産みたいなもの(象徴)でもう政治的な意味はありません。

質問 最後になりますが、この前の参議院選挙などで当選した柔ちゃんなんかより、あなたみたいな人に国会議員になってほしいです。
僕の考え
ブログを書いて結果的に騒いでいますが静かに暮らしたいとも思っているので議員にはならないと思います。でも、自分が国会議員であったら、首相であったらという、為政者の立場も理解しつつ政治を見ていきたいと思います。自分は菅総理ほどの政治力もないでしょうし。

投稿: finalvent | 2011.02.17 09:02

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