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2009.11.02

中国・チベット・インドの国境問題とそれが日本に示唆すること

 鳩山政権の地球外的外交センスは米国を困惑させ、そして恐らく激怒させているようだが、必ずしも米国同盟のパワー構成上の対抗にある中国を利しているわけではない。恐らく中国もチンプンカンプンで困惑しているだろう。というのは中国が危険視する、「中国に一番憎まれている女性」にして「ウイグルの母」ことラビア・カーディルさんと、中国を分裂させるとして敬称の「ラマ」を付けずにダライとのみ呼び捨てされるダライ・ラマ14世が、やすやすと来日し、先週、東京の外国特派員協会で相次いで記者会見もした(期待された二人の会見はなかったようだ)が、これまでの自民党政権時代と比べると、中国はそれほど圧力をかけてこなかった。中国としても、真意も掴めず空気も読まない鳩山さんに明確なメッセージを出しても、いろいろとやっかいなことになるかもしれないと、想定せざるを得なかったのだろう。
 いや、ダライ・ラマはこれまでも何度も来日している。特段のことではないという見方もあるかもしれない。だが今回のダライ・ラマ訪日はいつもの訪日以上に複雑な背景があった。その点が、国内でまったく報道されていないわけではないが、いま一つ鳩山政権のようにぼけた感じがある。多少だが、補足的なエントリを書いておきたい。もしかすると、とんでもない事態が11月に発生する可能性もある。
 重要なのは、ダライ・ラマが11月中にインド北東部アルナチャルプラデシュ州のタワン県を訪問する予定だ。タワン地域は中国が自国領だと主張しているため、中印係争地になっている。このことは日本のメディアも理解している。10月31日付け共同「ダライ・ラマが中印係争地訪問へ 都内で記者会見」(参照)ではこう伝えた。


 亡命先のインドから来日したチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世は31日、都内で記者会見し、中国が領有権を主張するインド北東部アルナチャルプラデシュ州タワングを訪問すると明言した。
 台湾への8月末~9月初めの訪問に続き、中印間で国境問題のある地域へのダライ・ラマの訪問が、中国政府を刺激するのは必至とみられる。

 中印間で国境問題のある地域への訪問は中国を刺激するということだ。共同の報道が間違っているわけではない。「タワング」はこう説明されている。

 タワングは、ダライ・ラマが1959年にインドへ亡命した際に立ち寄った地域。チベット仏教の聖地ともされ、これまで数回訪問したという。
 アルナチャルプラデシュ州は、インドが北東部州の一つとして管轄しているが、62年の中印国境紛争の一因にもなった地域で、中国側は現在も「中国のもの」と主張。インドのシン首相が10月上旬に訪問した際も、中国外務省の馬朝旭報道局長が「強烈な不満を表明する」と強く反発していた。

 この説明も間違っているわけではないが、問題の深層には触れていないようだ。
 同日の時事「中国に信頼醸成求める=対チベットで現実政策を-ダライ・ラマ」(参照)では、同地を「タワン」として、似た報道をしていた。

 一方、中国が領有権を主張し、1962年の中印国境紛争の舞台にもなったインド北東部アルナチャルプラデシュ州タワンにある仏教寺院への訪問を11月に予定していることを中国政府が批判していることについて、「わたしはどこを訪問しても政治とは無縁だ」と述べ、政治問題化しないとの認識を示した。

 10月23日になるが、朝日新聞記事「ダライ・ラマが中印国境訪問計画 両国間の火種に」(参照)は、背景についてもう少し詳しい説明をしていた。重要なのであえて多く引用する。

 チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世が、中国が領有を主張するインド北東部の国境地域への訪問を計画し、両国間の火種となっている。ロイター通信は22日、ダライ・ラマ側近の話として、来月8日から訪問すると伝えた。インドは訪問を認める構えだが、中国は強く反発している。
 ダライ・ラマが訪問を計画しているのは、チベット仏教寺院があるアルナチャルプラデシュ州タワン。59年のチベット動乱でダライ・ラマがインドへ亡命する際、最初に立ち寄った町として知られる。
 同地域では、インドを植民地支配していた英国と中国併合前のチベットが20世紀初頭に国境として定めたマクマホン・ラインを、インド側は国境線として主張。中国はこれを認めず、62年の中印国境紛争では中国軍が同ラインを越え、タワンを含む同州全域を一時占領し、兵を引いた現在も領有を主張している。
 タワン訪問計画は昨年も浮上したが、中国の反発にインド側が配慮し、実現しなかった経緯がある。今年9月に再び計画が報じられると、中国外務省の姜瑜副報道局長が「訪問に断固反対する。ダライ集団の反中・分裂の本質を暴露するものだ」と激しく批判した。
 一方、インドのクリシュナ外相は地元テレビに「同州はインドの一部であり、ダライ・ラマは国内どこへでも行くことができる」と述べ、容認する考えを示していた。

 朝日新聞も間違っているわけではないが、背景を知ってから読むと微妙な味わいがある。文脈上、今回のダライ・ラマによるタワン県訪問はインド政府が認可したかにも読める。
 さらに遡るが、13日付けIBTimes記事「ダライ・ラマ、アルナーチャル・プラデーシュを訪問」(参照)も国内では詳しい報道の部類になる。インド政府の認可を伝えている。

インド政府は、中華人民共和国による圧力に屈することなく、チベットの精神的指導者であるダライ・ラマには、インド国内を自由に行き来する権利があると主張し、ダライ・ラマによるアルナーチャル・プラデーシュ州タワン県の訪問を許可した。

 朝日新聞記事同様、インド政府がダライ・ラマのタワン県訪問を許可したとしている。タワン県についてはこう説明している。

 今年11月、ダライ・ラマは、300年もの歴史を誇る有名なタワン修道院を訪問し、法話を説く予定である。さらに、ダライ・ラマが200万ルピー(約388万円)を寄付した病院の落成式にも参加することになっている。
 今回もまた、中華人民共和国政府は、ダライ・ラマのアルナーチャアル・プラデーシュ州訪問に際しインド政府に圧力をかけ、論争を巻き起こしていた。中国政府は、ダライ・ラマの同州訪問によって、中国批判、分離独立を求める動きが高まることを警戒したのである。
 1959年、ダライ・ラマは、アルナーチャル・プラデーシュ州にあるタワン県を通って、中国からインドに亡命した。
 シッキムの領土権を諦めた中国政府であるが、いまだにアルナーチャル・プラデーシュ州全領域の領土権を主張している。中国とインドを隔てる1030kmに及ぶ垣のない国境を介して、中国人民解放軍がインドの領土への侵入する回数が増加しているとの意見もある。アルナーチャル・プラデーシュ州沿いにあるインド・中国間の国境は、マクマホン・ラインによって定められている。この国境は想像上のものであるが、事実上の国境線として理解されている。しかしながら、中国政府はこの国境線を一度たりとも認めたことはない。

 日本語がこなれていない印象があるが、「中国人民解放軍がインドの領土への侵入する回数が増加しているとの意見もある」が重要で、曖昧ながらも、この中印間の国境係争地は現在も軍事的な騒動を起こしていることを伝えている。国境線名、「マクマホン・ライン」も明示している。
 タワン県が現在も軍事衝突を起こしかねない中印の国境係争地であることは、これらの報道からわかるが、実際には国境域では、日々軍が動く小競り合いが起きていることはわかりづらい。
 問題のタワン県だが、日本の報道では聖地である理由については言及されていない。この地は、チベット仏教に多少関心のある人は知っているだろうが、ダライ・ラマ6世の誕生地である(参照)。いうまでもないが、ダライ・ラマはその教義では転生することになっているので常に一つの実体と言えないこともないが、特にダライ・ラマ6世は、中国がチベットを自国領土化する理由について微妙な歴史的な背景として関わっている。この話は、おちゃらけながら以前、「極東ブログ: 短編小説 2008年のダライ・ラマ6世」(参照)で書いたことがある。おふざけ以外の歴史的な経緯は正確なので、背景知識があると、今回中国が激怒している理由を知る一つの手がかりにはなるだろう。
 関連の国内報道を見ていくと、さらに一種のタブーがあるのかもしれないと思えることがあった。強く認識させられたのは、ニューズウィーク日本版10・28記事「インドが中国を恐れる理由」で意図的に思える訳抜けがあったことだ。後に触れるがその他にも異常としか思えない訳抜けがある。原文は「Why India Fears China」(参照)である。まずニューズウィーク日本版を引用し、対応する原文と試訳を添えておこう。

【日本版】
 既に、中国による外交面での攻勢は始まっている。中国政府は最近、中国が領有権を主張しているインド北部アルナチャアルプラデシュ州の住民に対する入国ビザの発給を拒否。08年にインドのマンモハン・シン首相が同州を訪れた際は、正式に抗議した。アジア開発銀行による29億ドルの対インド融資にも待ったを掛けようとした。融資の一部がこの州の農業用水整備事業に回されることになっていたためだ。


【オリジナル】
Already Beijing has launched a diplomatic offensive aimed at undercutting Indian sovereignty over the areas China claims, particularly the northeast state of Arunachal Pradesh and one of its key cities, Tawang, birthplace of the sixth Dalai Lama in the 17th century and home to several important Tibetan monasteries. Tibet ceded Tawang and the area around it to British India in 1914. China has recently denied visas to the state's residents; lodged a formal complaint after Indian Prime Minister Manmohan Singh visited the state in 2008; and tried to block a $2.9 billion Asian Development Bank loan to India because some of the money was earmarked for an irrigation project in the state.

すでに中国政府は、自国領土だと主張する領域におけるインド主権の削り取りを目的に外交攻勢を開始している。領域では特に、北部アルナーチャル・プラデーシュ州とその重要都市、タワン県がある。同地は、17世紀のダライ・ラマ6世の生誕地であり、チベット仏教の各種寺院の故地でもある。チベットがタワン県とその地を英国領インドに割譲したのは1914年である。中国は近年、同地県知事へのビザ発給を拒否し、マンモハン・シン首相による2008年同地訪問に公式抗議をし、さらにはアジア開発銀行によるインド借款も妨害しようとした。同州への灌漑用に一部が計上されていたからだ。


 日本版ニューズウィーク記事ではダライ・ラマ6世の言及が抜けている。これだけなら煩瑣な歴史逸話としてしか編集者が認識しえなかったのかもしれないだけのことだが、さらに1914年のチベット帰属問題が抜けているのは奇妙だ。
 どうも変だと思って、仔細に原文照合するとチベット領帰属に関する「1914年」は、計三箇所抜けている。意図的な改編としか理解できない。残り二箇所も重要なので見ていこう。まず、中印間係争地の紛争に関連した文脈から。

【日本版】
 こうした中国の姿勢の変化は、インドと世界の安全に暗い影を落とす。何しろ、戦火を交える価値もないと思われていた不毛の山岳地帯が一点して、2つの核保有国の間で戦争を引き起こす発火点になる危険性が出てきたのだ。
 しかも核戦争の可能性を考えれば、事は中国とインドの2カ国だけの問題では済まない。アメリカやヨーロッパ、近隣のアジア諸国も無関心ではいられなくなる。欧州諸国は、民主主義国を守るという立場でインドに味方するにせよ、中国とインドを仲裁する立場を取るにせよ、いやが応でもこの問題に引きずり混まれるだろう。


【オリジナル】
The implications for India's security --- and the world's --- are ominous. It turns what was once an obscure argument over lines on a 1914 map and some barren, rocky peaks hardly worth fighting over into a flash point that could spark a war between two nuclear-armed neighbors. And that makes the India-China border dispute into an issue of concern to far more than just the two parties involved. The United States and Europe as well as the rest of Asia ought to take notice --- a conflict involving India and China could result in a nuclear exchange. And it could suck the West in --- either as an ally in the defense of Asian democracy, as in the case of Taiwan, or as a mediator trying to separate the two sides.

インドの安全保障、さらには世界の安全保障にとっても、不吉な意味がある。地図上に国境線を引いた1914年の曖昧な条約と、争う価値もない不毛な岩地を、核保有国間が火花を散らす火種にする。加えて、中印国境紛争を当事者間の問題をはるかに越えた事態にする。米国も欧州も他のアジア諸国も関心を持つべきなのは、紛争が中印間の核兵器の撃ち合いになりうるからだ。台湾の事例と同様に、アジア域の民主主義防衛の同盟であれ、両者を引き離す調停であれ、西側諸国を巻き込むことになりうる。


 「1914年」が抜けていることに加えて、台湾の言及も抜けている。日本版のニューズウィークなのに、台湾の事例を訳抜けさせることは不可解だし、なによりチベット問題が、台湾を巡る米中の核保有国間の問題であることと同構造であることを、オリジナルどおり日本人に伝えておくべきだろう。ただし、台湾への言及は別箇所でも触れているので、まったくの隠蔽とは言い難い。
 三点目の訳抜けだが、日本版では対象部分がない。以下がごっそりと抜けている。中国による先のインド向け灌漑借款妨害の話に続く部分だ。

All these moves are best understood in the context of China's recent troubles in Tibet, with Beijing increasingly concerned that any acceptance of the 1914 border will amount to an implicit acknowledgment that Tibet was once independent of China --- a serious blow to the legitimacy of China's control over the region and potentially other minority areas as well.

これらの動向はチベットを巡る近年の中国の文脈に置くともっとも理解しやすい。中国政府がこの問題に関心を高めるのは、1914年の国境を受け入れることは、チベットが一度は中国から独立していたことを認めることなることになるからだ。この認可は、その他の小地域が潜在的にもっている問題と同様に、同地域支配の正当性に大きな打撃を与えることになる。


 重要なのは、中印間のどこに国境線を引くかということではなく、1914年の暫定国境を認めることが、中国がチベットを支配する論拠を失うことに通じるという指摘だ。さすがにこの部分をごっそり訳抜けさせた日本版ニューズウィークには政治的な意図があると見てよいだろう。
 ところで「1914年とは何か」だが、英国、中国(清朝)、チベットの三国間で交わされようとしたチベット問題についてのシムラ条約(参照)である。同条約は、結局はイギリスとチベット間で正式に調印し、調印を拒否した中国を外した形で成立した。シムラ条約の正当性は歴史的に見ていろいろな評価があり、米国は直接には言及しないが、当事者の英国としては現在もこれを有効としているようだ。なお、同条約大英帝国全権代表がヘンリー・マクマホン卿(Sir Arthur Henry McMahon)で、マクマホン・ラインは彼の名前に由来する。
 話が煩瑣になったが、とりあえず二点まとめると、(1)今月予定されているダライ・ラマのタワン県訪問は単なる国境地域の訪問ではなく、まして台湾や日本、米国訪問といった暢気なものではなく、中印国境を巡る深刻な問題を孕んでいる、(2)国内新聞報道は、こうした問題の背景を理解していないかもしれないが、日本版ニューズウィークはこの問題の要点を中国寄りに隠蔽しているようだ、ということになる。
 日本版ニューズウィークを結果的に批判した形なったが、それでも同記事を掲載している点は大きく評価できる。特に同記事が重要なのは、国境間で軍事力が抑制的に機能していることを鮮やかに描いている点だ。
 中台間で平和が維持できたことを、軍事プレザンスから見ている。

 台湾は完全武装という手段によって、危なっかしい形ではあるものの現状を維持してきた。その一方で、中国政府が引く一線を越える言動は慎んでいる。

 中印間でも対話姿勢には軍事力が欠かせない。

 こうした対話姿勢には武力という後ろ盾が欠かせない。既にインド政府は係争地の警備強化を開始し、中国に対抗するためLAC沿いで道路建設計画を進めている。


 インドにとっては、ミサイルや攻撃戦闘機など長距離型の武器に投資するのも賢いアイデアかもしれない。これなら、係争地帯で中国軍と衝突する危険性なしに抑止力を維持することができる。


 インドは武力衝突を回避しながら係争地域を警備するため、高性能レーダーシステムの配備を進めている。チベットでの中国軍の動向に関する情報をアメリカや日本と共有する道も探る可能性もある。

 なおこのオリジナルは以下で、またしても「台湾」を除去している。

India might also seek to share intelligence with other nations --- such as the United States, Japan, and Taiwan --- about China's actions and troop movements in Tibet, both to prevent being taken by surprise and to avoid an accidental conflict.

 中印間の核戦争を回避するには、一つには、軍事力を整備して中国の暴発を抑える必要があり、それには、米国を主軸に、日本と台湾が協力しなければならない。
 ここでは触れられていないが、日米台湾の連携は、チベット地域のみならず、インド洋におけるシーレーンを巡る中国との争点が存在する。もっとも、この連携の要の一つである日本が崩れようとしている現在、その欠落は、中印紛争の圧力を高める形で機能することに加え、まさに同構造である台湾問題を危険にさらすことになるだろう。
 もちろん軍事以外に外交も重要であり、同記事では、インドは中印問題を慎重に考慮して、ダライ・ラマのタワン県訪問を無限延期とすべきだとしている。しかしその後の動向では、インドはダライ・ラマへに同地訪問の認可を与えたようだ。背景には、インドにおける、国境を巡るナショナリズム高揚があるが、同等のナショナリズムは中国も抱えている。困ったことに、中国では江沢民派の復権党争が実質開始されており、そうした枠組みに巻き込まれる事態があれば、非常に危険なことになりかねない。

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コメント

日本の外交で、どの国と何をどうするかという問題がいまいち絞れずに混沌としていました。特にオバマ戦争と言われているアフガンへの増派問題でも、中国やチベットの関係に刺激しないで、日本がどう立ち回るのかが気になっていました。が、鳩山さんがそれらに言及する外交政策を出すわけでもなく、仰るように新聞がまともに取り上げるでもなく、でしたね。

国境問題と言及されてそこに絞って焦点を当てられて、すごくはっきり見えて来ると同時に、これは日本にとって大きな問題なのだと認識しました。

今後、この問題を日本の外交はどう対処してゆくのか、大いに関心を持って見守りたいです。

投稿: godmother | 2009.11.03 17:53

中国(シナ)というのも、もともとは、国境を持った国民国家というより、文化圏であり、インドというのも、もともとは、国境を持った国民国家(ヒンディー語だと「バラート(Bharat)」になるわけですか。)というより文化圏で、インドシナ半島諸部族諸国家、チベット、新疆(東トルキスタン)というのは、シナ文化圏とインド文化圏の融合地帯であり、かつ両文化圏の緩衝地帯でもあったはずです。

この、チベット地域での中印の国境問題というのは、なにか、竹島問題を想起させるものがあるのですが、世界的に大きく取り上げられることは珍しくなっている問題のように感じます。

ソ連が崩壊したように、中国も、分裂する可能性のある国家と想定したほうがなにか無難のような気がします。
インドも、北方のアーリア系と南方のドラヴィダ系が統一国家を維持し続けられるのでしょうか。
アメリカだって、南北戦争で、北軍が勝利したから統一国家でいるわけです。
EUだって、政治的統一などまずできません。そんなことをしたら、トルコは加盟できなくなります。

むりなこと、特にあまり無体な防衛線(実は侵略線)の拡張というのは、財政的に維持しきれないで、いずれは広大な地域の支配権を放棄するほかなくなると思うのですが。大日本帝国も、台湾も、朝鮮半島も、南洋諸島も、満州も、結局放棄することになりました。大英帝国の場合はもっと劇的でした。

投稿: enneagram | 2009.11.04 09:08

finalventさん、こんばんは、

素人目にも、民主党政権は米国にけんかを売っているようにしか見えません。けんかすることはかまわないのですが、日米安保を破棄された後のことまで準備されているのならよいのですが、憲法を変えるとか、自衛隊を国軍化するとか対応の気配すら感じられません。

中国の属国になることを目指している政策を進めているのだとすれば、符号することは確かにあります。しかし、中国が多くの民族へどのような対応をしているかを考えると、属国になった元日本人にはあまり幸せな姿ではないだろうと思います。チベットの姿が日本の未来でないことを一庶民として願わずにいられません。

そうそう、もし中国が日本の領有を主張するとしたら、「倭王」の金印くらいまでさかのぼるのでしょうか?それとももっと近世になんらかの史実があるのでしょうか?

投稿: ひでき | 2009.11.04 17:48

>そうそう、もし中国が日本の領有を主張するとしたら、「倭王」の金印くらいまでさかのぼるのでしょうか?それとももっと近世になんらかの史実があるのでしょうか?

無いでしょうね。古代のことを持ち出すことは
たぶん無理でしょう。
まず
・聖徳太子の「日出る処の天子,書を,日没する処の天子に致す。恙なきや。」の国書について
当時の中国の隋はなんら行動を起こしていません、なにもしなかったということは日本が
対等の独立国であることを認めたことと同義です(まあ遠いから我が国を征伐できなかったと
いうこともありましたがw)
・明は豊臣秀吉に「日本国王」の位を授ける
国書を送りましたが秀吉は拒否しました。
(足利義満は貿易上の利からもらいましたがw)
つまり韓国と違って中華帝国の柵封体制に入ってませんので中国が日本の領有を主張することはかなり無理があります。

投稿: 333 | 2009.11.04 20:59

■開かれる11億人市場、インドと韓国のCEPA発効へ -東アジア共同体の第一のパートナーは中国ではなくインドであるべきだ!!
http://yutakarlson.blogspot.com/2009/11/11cepa-cepa.html
こんにちは。インドと韓国がCEPA(包括的経済パートナーシップ協定)を締結し、発効させました。歴史からいうと、日本のほうが韓国より古くから付き合いが長いです。インドは、経済的にも、社会的、倫理的にも不安定な中国とは異なり、これから経済などが安定的に伸びていく唯一の国であると思います。何よりも、自分たちが結束するために、反日教育を意図して、意識して、体系的に行う中国とは異なりインドは親日的な国でもあります。鳩山政権の提唱する東アジア共同体の第一のパートナーは中国ではなく、インドであるべき思います。ここにコメントすると、長くなってしまいますので、詳細は是非私のブログをご覧になってください。

投稿: yutakarlson | 2009.11.09 13:19

>何よりも、自分たちが結束するために、反日教育を意図して、意識して、体系的に行う中国とは異なりインドは親日的な国でもあります。

インドだって、実質上の同一民族、類似言語国家のパキスタンと近親憎悪関係にあります。
今は、親日でも、事情が変な風に変われば、インドだって、簡単に反日になります。
インドが反日になるのは、イスラエルが何かの拍子に反日になるのより容易かもしれません。

外交は、あまり、単純な図式で考えるべきではないと思います。地政学的に考えれば、日本の現在にとって決定的に重要なのは、おそらく、韓国、台湾、香港、シンガポールだと思われます。

投稿: enneagram | 2009.11.11 14:59

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