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2009.09.05

宇宙人は存在するか?

 宇宙人は存在するか? 私は、UFOを高校生のとき一度見たことはあるが、あれが本当に未確認なのか確認はできなかった。ましてUFOに拉致されたことはない。睡眠中に体外離脱して緑豊かな金星に行ったこともない。行った先は火星だった……いやそんなこともない。マクモニーグルさんのように地球にいて遠隔から見ていただけだ……いやそれもない。それでも私は宇宙人が存在することを知っている。なぜ? そう問われたとき、「宇宙より愛を込めて、地球という星に住むすべての人に贈る歌」を、私も歌う。このYouTube映像の8分12秒のところだ。



私もほんとは宇宙人
君もあなたも宇宙人
他の星の人から見れば
ちょっと変わった宇宙人

海があって山があって
地球はきれいな星なのに
空き缶ぽいぽい紙屑ぽい
どこもかしこもゴミだらけ
むこうにおなかがすいた人
こっちに山ほど食べ残し
自分勝手に暮らしてる

私もほんとは宇宙人
君もあなたも宇宙人
他の星の人から見れば
ちょっと変わった宇宙人 


 いい歌だなぁ。
 地球はきれいな星なのに空き缶ぽいぽい紙屑ぽいは、変わらない。いやペットボトルが増えたか。むこうにおなかがすいた人、こっちに山ほど食べ残し、自分勝手に暮らしてるも変わらない。時間が止まってしまったみたいだよ、モンキー。
 ということで、宇宙人は存在する。僕と、君と、鳩山総理と……。
 しかし夜空を見上げて、この夜空のむこうに地球以外に宇宙人はいるのかと考えると、わからない。ただ、Bible Blackという感じの孤独を覚える。
 どの本だったか書名を忘れてしまったが、ホーキング博士が、宇宙の他文明の存在を問われて答えていた。不確かだが今でも覚えている。博士も、宇宙人は存在するかもしれないと答えていた。だが、その先に悲観的な推測を加えた。高度な文明はそれ自体で自滅するから、宇宙の文明が遭遇するということはないだろう、と。
 そうだろうな。地球の文明もあと何年続くだろうか。人類が滅んだ後、進化の結果、別の種が人間のような知性として出現する可能性もあるだろうが、そこまで地球が保つかはわからない。そう考えると、そしてブラック-ショールズ方程式から考えても、その可能性はないとしてよい。プラクティカルに投資の対象として見るなら、宇宙人は存在しない、終わり。
 だったのだが、今週のニューズウィーク日本版「世界の新常識」の「地球外生命体は存在する」を読むと、へぇと思った。地球型惑星は銀河系2000億個の恒星の半数ほどにあるらしい。1000億個は地球みたいな惑星があるのか。
 実際に生命が存在する可能性のある惑星の探索といえば、ケプラー計画がある。いや、私は知らなかったのだけど、推進者のビル・ボルツキさんは、けっこうマジだったのだな。

 ケプラー計画を支えるコンセプトが生まれたのは最近のことではない。ボルツキは高校時代、学校の課題をサボってUFOにメッセージを送るための高度な送信機を自作していたという逸話の持ち主。

 日本で言ったら日向冬樹君みたいなやつだったのか。彼の場合はすでに宇宙人に遭遇しているのだが、上井草あたりで。

 探査計画に予算を付けるよう上司に働き掛けるようになったのは80年代に入ってから。上司の反応は冷たかったが、ボルツキのチームは諦めなかった。

 ケプラー計画ってけっこうマジだったわけだね。

ケプラー計画がうまくいけば「『生命体なんてどうでもいい。存在するかもしれないし驚異の文明とやらも、どうでもいい』なんて言う人はいなくなるはずだ」とボルツキは言う。

 けっこう痛いところを突いている。普通、科学が正しいとか装っている人は、「生命体なんてどうでもいい。存在するかもしれないし驚異の文明とやらも、どうでもいい」とうそぶいているものだし。

 ボルツキに言わせれば、最終的に目指すのは「光に近い速度で飛行して問題の惑星まで行き、写真を撮ってわれわれに見せたり、現地のラジオやテレビを受信したりして、その星についての理解を深めるのに役立つ探査機」の打ち上げだ。

 すげーな。
 しかし、私としては、やはり、ホーキング博士が言うように、宇宙の文明は時間的には遭遇しないだろうし、知性というのはそれ自体で自滅していくものだろうと思う。そして、あと二つ思うことがある。一つは意外と宇宙に存在する知性体は我々だけかもしれないなという、三浦俊彦著「多宇宙と輪廻転生―人間原理のパラドクス」(参照)みたいなことと、もう一つは知性と生命の関わりにおいて、いわゆる生体に知性が存在せずとも、その情報だけで存続させる別の形式があるのではないかということだ。
 後者についてはけっこう考えるのだが、最近それって無理かもしれないと思うことが多い。「私」という意識存在は、情報の集積を越えたものなんじゃないか。鬼界彰夫著「ウィトゲンシュタインはこう考えた―哲学的思考の全軌跡1912‐1951」(参照)ではないが、「私」の存在の神秘みたいなものに行き着く。困ったなと思っている。大森荘蔵は「私」は存在しないと言ったが、そうでもないのかもしれない。わからないな。
 ところで、こうした問題をもっとシンプルに考える人もいる。英国テレグラフ紙に今日付で「The fashion for UFOs」(参照)という短い社説が掲載されていた。

Aliens abducted the wife of the new Japanese prime minister. “While my body was asleep, I think my soul rode on a triangular-shaped UFO and went to Venus,” Miyuki Hatoyama wrote last year. “It was a very beautiful place and it was really green.” So one would hope.

異星人はかつて日本の新首相の妻を拉致した。「私の身体が眠りに就いた間、私の霊魂は三角形のUFOに乗り、金星に行った」と鳩山幸は昨年書いた。「美しい場所で、本当に緑だった」 かくのごとく、人は望むものだ。


 けっこう英国では話題だったようだ。テレグラフ紙社説はこの先、幸さんにサフォークへの旅を勧めている。英国人ならけっこう誰でも知っている「レンドルシャムの森の事件」というUFOの話があったそうだ。
 とはいえ、テレグラフ紙はUFOは、超常現象というより流行現象でしょとする。

Whether this is a likely explanation is neither here nor there. UFOs come in and out of fashion quite independently of the evidence in their favour. In this they have much in common with nudism, ley lines, poltergeists, vegetarianism, Tupperware, rockeries, yoga, tattoos, barbecues, beards, Jim Reeves, bull-terriers, ESP and cider.

妥当な説明についてはいずれでもない。UFOというのは、望む証拠とは関係なく、流行に沿って出たり消えたりするものだ。共通するものには、ヌーディズム、レイライン(線上の古代遺跡)、ポルダーガイスト、菜食主義、タッパウェア、岩石庭園、ヨガ、タトゥー、バーベキュー、あご髭、ジム・リーブス(歌手)、ブルテリア、ESP、シードルがある。


 UFOというのは流行り物だということ。で、オチはこう。

Perhaps one day, the wife of a British prime minister will believe in UFOs, too.

いつの日か、英国首相の妻もまたUFOを信じることだろう。


 そういえば、ブレア元首相の妻シェリー・ブレアさんが若い頃、絵のヌードモデルをしていたというのが話題になっていた。その絵の写真も現地の新聞に掲載されていたけど、まあ、リアルな描写じゃなかった。首相の妻には明るい話題があったほうがよい。
 テレグラフ紙が書いたように、UFOはまたまたブームの時代なのかもしれない。グーグルの今日のロゴもUFOを描き、"unexplained phenomenon"と謎を掛けていた。

logo

 一昨日"Japan's first lady: 'Venus is a beautiful place'"(参照)の記事を掲載したガーディアン紙は、グーグルの悪ふざけに付き合って「Why will we always be captivated by UFOs(なぜ我々はいつもUFOに拉致されるのか」(参照)を掲載していた。


The fact the Guardian's Bad Science column has now surpassed 300 articles may indicate that the public's interest in debunking myths is nearly as voracious as the appetite for the paranormal and unexplained - the subject of a special edition Google logo today.

ガーディアン紙掲載の悪しき科学コラムが300本を越えたという事実は、公衆の都市伝説を暴こうとする関心が、超常現象や不可解現象を望むと同じくらい強いということを意味しているだろう。つまり、それが今日のグーグル・ロゴのテーマだ。


 ガーディアン紙はテレグラフ紙ほどのユーモアセンスもなく、真面目にDistrict 9(参照)とかの展開になっていくので、割愛。

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コメント

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1.12.12 25.15.21.18 15 1.18.5 2.5.12.15.14.7 20.15 21.19
All of your "o" are belong to us.

投稿: | 2009.09.05 23:32

プリンプリン物語に、カール・セーガン。UFOブーム。ついでに言えば松任谷由美。
時代的には20歳ごろですか。青春の思い出ですな。大切になさってください。
それで昔話を書いたのなら、いい機会なんでね書いてやろうと。
昔を思い返して「自分は失敗者だ」とか何度も書くのは構わないんですがね。一度も「自分はなんで失敗したんだろう」って「理由」を読んだことがない。書かないのか、書けないのか、それともそういう反省を一度もしたことことがないのか、それは知りませんよ。但し長年の読者としては、単に過去を振り返るんじゃなくて、因果関係を突き詰めることを避けて通っているように見えるんですがね。

投稿: F.Nakajima | 2009.09.05 23:38

たぶん髭(beards)が抜けてます。

投稿: | 2009.09.06 07:40

訳抜けのご指摘ありがとうございます。補いました。

投稿: finalvent | 2009.09.06 08:26

>F.Nakajimaさん

 犬儒派。

投稿: 野ぐそ | 2009.09.06 10:10

鳩山さんの奥さんのUFOのお話を引き合いに、Googleロゴのデザインが昨日あのようになったと直感していた私でした。あちらの濃い目のユーモラスかなと。

そのことよりも、奥さんがUFOを見たと言う話をインタビューのレビューでたまたま報じていて、なんだかマジにこの人信じている!と冷ややか目線で思った瞬間、月で兎がお餅をついていると信じていた自分のその感覚と変わりなく、それほど変なことでもないのです。もしかしたら夢みる夢子のままでいらっしゃる、いわゆる純な方なのかもとか思います。でも、紙一重的ですから、誤解で報じるようなことがなければよいなと、この先の報道に懸念を抱きます。

弁ちゃんがここに取り上げたいくつかの例は、本当に読んでいるとアカデミックな取り組みに思えてくるので、私も空を見上げて、きらりと光るものでも発見したら「もしかして、アレUFO!」と飛び上がるかもしれません。

投稿: godmother | 2009.09.06 10:15

アメリカでは宇宙人に誘拐された体験を持つ人は結構いるようですよ。鳩山夫人も好意的に迎えてもらえるかも。

「宇宙人に誘拐された体験」を心理学的に分析(上)
http://wiredvision.jp/archives/200510/2005101801.html

投稿: | 2009.09.06 20:15

初めまして。
異星文明で寿命の長い文明は存在するかという話になるかと思いますが、単純に地球が1万個に一つの奇跡だったとしても候補惑星は銀河系だけで2000万個になり、そのうち生き延びてカルダシェフが定義した第Ⅱ期文明や第Ⅲ期文明まで到達するのが1万分の1だとしても、2000個。
銀河系にはある程度文明は我々以外にも存在していると考えた方が合理的です。
また、過去の科学の発達史を見ても、我々が宇宙で特別な地位にあるという考えは、観測が進むにつれ常に破られ「我々は一般的なごく普通の存在にすぎない。」という考えの方が結局事実に近い事を証明してきたのが科学史の側面です。
ごく最近では、1995年3月に、「他の恒星系では惑星系はついに見つけることが出来なかった。我々の太陽系は特別な存在であり、さらに知的存在は全宇宙でも我々だけかもしれない。」という発表の半年後、最初の太陽系外惑星が見つかってます。
ただ、進歩した文明がどの様な形を取るのかは判りません。人類だって後数百年も生き延びれたら脳とネットワークを直結し、さら互いの脳がネットワークで接続された場合、それはもはや今までの定義での、「ホモサピエンス」と言えるかどうかは疑問があります。

投稿: Aki | 2009.09.06 21:14

犬儒?かっこよくトリックスターと呼んでほしいですな。

投稿: F.Nakajima | 2009.09.06 23:21

そのうち、木星や土星の知性のほうが地球の知性よりはるかに高度であることがわかる日が来る?はてさて。

18世紀半ばの天王星以来、天体は、劇的に発見数を増やしていますが、まあ、いまのところは、天体研究は、マーズパスファインダーが限界のようで。

つぎのアポロ計画はいつだろう。

投稿: enneagram | 2009.09.07 07:41

結局月に逝くのが人類の限界なわけだから
ひと以上の知的生命がいても不思議ではないと思う

投稿: | 2011.11.27 21:19

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