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2009.04.15

婚活とか愚考してみる

 テレビを買い換えてからなんとなくテレビを見る機会が増え、この春からは朝ドラの「つばさ」も見ている。「ちゅらさん」以来のことではないかな。そのついでのように、NHK金曜ドラマ「コンカツ・リカツ」(参照)も見ている。おもしろいかというとドラマとしてはそれほどおもしろくはないし、これはどちらかというと現代世相解説番組のなかに入れたスキットを拡張したようなものだろう。れいによって桜井幸子という人を知らないのだが、ウィキペディアを見たら35歳とあった。ドラマの39歳の設定より若く見えるのはなるほどね。ちなみに、松坂慶子は56歳だが設定では62歳。国生さゆりは39歳の設定だが実年齢は42歳か。へぇみたいな感じ。
 解説サイトには書いてないが、このドラマ、原案がパラサイでお馴染みの山田昌弘先生と、「「婚活」時代」(参照)で共著者だった白河桃子、というか、この本がようするに原案ということなのだろう。
 趣旨は同じとも言えるのだが、今月のVOICEに「婚活」というテーマで山田先生が書いているのだが、特段、ほぉと思うほどの話でもないのだが、ちょっと気になることがあった。その前に、山田先生のボヤッキーから。


 新しくつくりだした言葉は、広まれば広まるほど誤解が大きくなり、本来の意図とは懸け離れたものになってしまう。パラサイト・シングルや格差社会のときもそうだった。自立したら損だから自立しないという日本社会の現状を批判するつもりで書いた『パラサイト・シングル』がいつの間にかブランド物を買う未婚女性はけしからんという話なった。『希望格差社会』でも、若い人から努力が報われるという見通しが失われている状況を批判したのに、収入格差はよくないという点に矮小化されてしまった。婚活という言葉も同じ道を辿るのではないかと心配している。

 で、婚活はどう「誤解」されているか。

あるバラエティ番組で「年収六〇〇万円以上の独身男性は三・五%、だから早くつかまえなければいなくなってしまう」という歌詞にされていたのにはびっくりした。

 正しい解釈としてはこうらしい。まず、高収入男性は少ないという現実を示して、

 だから私と白河さんは、未婚女性に対して、期待水準を下げること、そして、夫婦共働きを覚悟することを推奨している。つまり現実を見れば、あなたの思っているような収入の高い未婚男性が見つかる確率はたいへん低いですよ。そして共働きの覚悟をすれば男性を広い範囲から見つけることができますよ。結婚したかったら相手の収入を脇に置いて、趣味が合いコミュニケーション力がある男性を見つかることが肝心ですよ。そこで白河さんは、「女性よ、狩りに出よ」といったのである。

 はあ。でもそれは、誤解されてしかたないのではないかなとも思う。共働きでもよい結婚を求めるというのと、「婚活」という「就職活動(就活)」の比喩ではつながらないのではないか。
 で、それはそれとして、このエッセイで心にひっかかったのは、次の事実だった。よくわからないのである。

 社会学者として私がいちばん心配しているのは、結果的に結婚できなかった専業主婦志向女性の将来である。三十五~四十四歳で親と同居している未婚者は、二〇〇七年時点で男女合わせて二六四万人いる(当該人口の約一四%)。うち、約一〇%は無職、約一〇%は非正規雇用者である。

 よくわからないのは、「専業主婦志向女性の将来」がテーマのようだが、親と同居未婚者は男女一緒の統計値なので、その割合はどうなんだろというのが一つ。もう一つは、これってそんなの大きな規模の問題ではないんじゃないかということ。当該人口の約一四%で、しかも、無職・非正規雇用は二〇%ということは、残り八〇%のほうが大きく、親と同居はしていてもそれなりにキャリアは積んでいる。親の介護とかあればきついだろうけど、家は持ち家としてあるのだから一人で生きていくとしてもそれほど困難でもないというか、それ自体がその人の人生の結果的な選択という以上ないように思えるのだが。
 山田先生の懸念はこうらしい。

 しかし、親と同居し、収入の高い人と結婚して専業主婦になる予定でキャリアを積まず、家事手伝いやアルバイトをしながら、親の年金に頼って生活している中年未婚女性の将来は暗い。

cover
「婚活」時代
山田昌弘, 白河桃子
 だが、それは先の統計で男女半々とすると、その懸念に該当するのは、26万人くらいではないかな。社会動向として多いと言えるのだろうか。つまり、それは時代の趨勢というか変化のなかのライフスタイルの変化の許容のうちというだけといことはないのか。だとすると、そうした許容を社会不安にしないような社会設計(持ち家を担保にした年金とか)の問題ということではなのか、個人の婚活とかではなく。

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コメント

 総体で30~50万人前後の話題であるなら、「オタク」を基準に考えると宜しいんじゃないですかね? ひと昔前にオタクの兄ちゃん姉ちゃんが多数出てきてアキバだ晴海だと散々盛り上がった季節があったでしょ。アレと同じようなもんです。

 弁当翁さん世代であるなら「オタクがナンボのもんか」ってのは、テレビを通しても実態としても散々拝見なさっているでしょうから、現状も、行く末も、そんなもんだと割り切って終了なんじゃないですかね?

投稿: 野ぐそ | 2009.04.15 14:09

初めてコメントさせていただきます。
今回のエントリ、実は該当者は少ないんじゃないかという点が面白かったです。

前回の「ゆとり」もそうですが、こういう類の問題に共通するのは、
該当する人の劣等感を、回避できた人の優越感を、
強烈に刺激する性質があるっていう点だと思います。

結婚できるできないなんて、本来もっとプライベートでひっそり片付けられてた問題だったと思うのです。
それがひとたび社会的な問題として取り上げられると、誰もが「問題」に関して語り合うことに抵抗がなくなるといいますか、気持ちの障壁がすとーんと下がって大声で発言しやすい雰囲気になり、
ネットを中心に煽り煽られ、注目が集まり、歪んだりもしつつ話は大きくなり、メディアで特集が組まれたりして、また煽り煽られ……という具合に膨らんでいくのかなと想像しています。

勝者は、話題にのってひと儲けした人でしょうね。

投稿: mayu | 2009.04.15 23:06

書評もんは未読だとコメントしづらいんだけど、
婚期が早まるのは生物学的にもいいんじゃね

投稿: | 2009.04.17 06:31

>しかし、親と同居し、収入の高い人と結婚して専業主婦になる予定でキャリアを積まず、家事手伝いやアルバイトをしながら、親の年金に頼って生活している中年未婚女性の将来は暗い。

・・・これ、要するに言葉を換えると「引き篭もり」だよね!?(・・女性の場合、「家事手伝い」という、都合のいい言葉が、まだ生き残ってるだけで。

で、そういう人が(つまり、ちょい前のワタシのような)女性が、「親と同居して、婚活してる1度も恋愛したことない中年男性」と巡り合うと、得てしてとんでもないことになるのが分かりました!つまり、そういう男性って、「運よくニートにはならずに働いている」ってだけだからさ。(爆)「女はみんな、嫁になれば、自動的にお母ちゃんと同じ飯が作れるもの」って、思いこんでいる。・・・女性は女性で、「お父ちゃんと同じに稼いでくれるもの」って思いこんでいる。いや、こういうカップルって、婚活成功しても、前途多難だと思います。・・・

投稿: ジュリア | 2009.12.07 14:34

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