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2009.03.17

検察のリークはどこまで行ったやら

 検察無闇に頑張りますなというリークの連発の度が過ぎて、いったいなんの事件なのかよくわからなくなってきた。どうも西松建設献金事件とは言い難いようだ。この数日の最新トレンドだと西松抜きで鹿島経由の東北談合事件となりそうだ。さてこの先、どんな展開になるのか。薄目で見ると、要するに小沢疑惑事件としたいのだろうな。確かに、なんか小沢ってそんな感じじゃーん、という大衆のご支援を受けてみたいな。
 この先この鵺のような事件がどういう展開になるのかだが、いずれにせよ来週24日に大久保隆規容疑者の拘置期限になるわけで、さてこれって起訴するのかいな、できるんかいなと疑問に思っていたが、いかんな、昭和の時代を生きてきた私でも日本検察の公理のスコープを失念していた。大域に掛かるのであった。見通しがなくても実質の国家元首を逮捕しちゃった検察様は、いかなることがあっても正しいのだった。なーんだ簡単じゃん。というわけで、大久保隆規容疑者は起訴されるでしょう。
 ところでなんの罪で? ええと、政治資金規正法違反? それをすると普通に考えると二階経産相まで放火するでしょう。ええっ、マジで焼畑農業やるわけ? 「FNNニュース: 西松建設違法献金事件」(参照)より。


西松建設側からの違法献金事件で、東京地検特捜部は、ほかの地検から応援検事10人前後を投入して、西松建設側によるパーティー券の購入額が突出していた二階俊博経済産業相側の政治団体関係者から、週明けにも任意で事情を聴く方針。

 やっぱ焼畑農業でしょう。春だし。
 ところが、この数日のトレンドを見ていると漆間さんのご説明どおり自民党には及ばなさそうだ。検察リークもその方向はすっかり鎮火。政治資金規正法違反の話は、まあ、もうなしってことでということでしょう。昨晩のことはもう忘れたわ的なセクシーな検察様ということで、ええと、じゃあ、どうやって大久保隆規容疑者を起訴するんだよ、なんの容疑? ええいうるさい。うるさいぞ、愚民、と。
 というわけで、西松建設献金事件の話はとりあえず、大久保容疑者起訴ということで踏ん切りつけて、それでもって、民主党のほうも体制を変えましょうかとなるかなのだが、こちらは検察様みたいにわかりやすい公理はないので、紛糾するのでしょう。毎度毎度、もう慣れているでしょうけど。結局は、まあ、そこは世間様の顔色というか、その時になれば聖なる霊がプネウマがつまり空気が決めてくださる。空気に勝てる日本人はいないって。
 で? ザルな政治資金規正法はどうなるかって、いいんじゃないのこのまま。民主主義にはコストはかかるんだし、ザルにしておけば検察様のご意向がいつでも反映できるし。
 それで、事件の枠組みは、西松建設を参考程度にして、鹿島経由の東北談合事件ということになるのだが、さて、このスジどこまでもつのだろうか。ああ、つまり、このスジで、ボスキャラ小沢一郎をお縄にできるかなのだが。
 昭和な人間にしてみると、これって収賄でもないし、まして収賄であってもお縄なんて難しいのに、談合の線でできるわけないじゃん、とかつい思うのだが、ポカっ、いけねえまた忘れた。いかなるときでも検察様が正しいの公理から考えよう。
 愚かな頭をひねってみる。と、その前に、焼畑用に召喚した応援検事10人前後はどうしているのだろうか。税金の無駄もできないし、正義完遂のためにお仕事されていると推察するけど、はてはて、何の仕事……新装開店談合事件のほうかな。
 新装開店のチラシみたいに愉快な産経新聞「【疑惑の濁流】献金はみかじめ料? 西松事件で浮かぶ「政・業」の危うい“パワー・バランス”」(参照)を読んでみる。笑いのツボがキュート。

 建設業界に君臨した故田中角栄元首相の秘蔵っ子とも呼ばれた小沢氏は、自民党を出た後も、東北地方の建設業界に影響力を持ち続けてきたとされる。
 西松はこのころ、ダミーの政治団体を使った小沢氏側への迂回献金を始めた。 「○○(大手ゼネコン)さんからは、これくらいの献金を受けている。西松さんも、もっと増やすことはできないのか」
 小沢氏側の窓口は、小沢氏の「側近中の側近」といわれた元秘書だったとされる。
 西松は元秘書と、年間2500万円程度を献金する約束を取り交わした。献金先を指示されるなど、元秘書の“言いなり”だった。
 「元秘書は東北の公共工事に強い影響力があった」
 西松元幹部はそう話すが、小沢氏の“虎の威”を借りた結果であるのは想像に難くない。

 想像に難くない……って豊かな想像力ってやつですね。
 イメジャリな話はさておき、問題は、四つの力の内の重力じゃなくて「強い影響力」ですよ。なんだそれ。

 ゼネコン汚職後、業界の“手法”はどのように変化したのだろうか。
 東北の建設業界に詳しい国会議員秘書は「ゼネコン汚職後に水面下で談合は復活したが、業界では教訓として、わいろによる受注工作は行わなくなった」と前置きし、こう話す。
 「代わりに頼ったのが小沢氏の影響力だ。依然として大手ゼネコン支店幹部が談合を仕切るが、その後に小沢氏の元秘書の了承を得て、受注額に応じて小沢氏側への献金額が決まる。つまり、裏のわいろが表の献金に変わったわけだ」

 そ、それか、つまり、ウラの賄賂がオモテの献金に変わった。つまり、献金の本質は賄賂ではないか。
 あー、でも、それって献金ってことでもいいんじゃないんすかね、賄賂だといけないわけですよね、つまり、収賄ってやつはダメ、と。で、収賄っていうのは、公務員の職務権限……まあ、いいやチラシの先を読むべ。

 ただ、献金が特定の工事受注のためかというと、必ずしもそうではないという。
 ゼネコン関係者はこう打ち明ける。
 「業界では、小沢事務所に受注の邪魔をされたくないから競って献金するし、選挙の応援もする。献金は保険みたいなもの。一種のみかじめ料といってもいいかもしれない」
 みかじめ料とは、“暴力装置”が飲食店などから徴収する用心棒代のことだ。

 な、なぬ? 特定の工事受注のためじゃないって。なんだよそれ、あー、みかじめ料。小沢大魔神へのお賽銭なみたいなもの。祟るなよ、とか。
 で? それって違法?

 捜査関係者は「ゼネコンと政界の癒着構造は今も昔も変わっていない」とした上で、こう指摘した。
 「政治家は基本的に何もしないことが多い。隠然たる影響力をちらつかせて業界から献金を集める。それが法に触れず、有効にカネを集める手口だ」

 ここ、よくわかんないんだけど、つまり、法に触れないってことなんじゃないの。

 「東北での影響力を期待した西松から、違法な献金を受け続けた構図は収賄とよく似ている」(検察関係者)。特捜部は、ゼネコン側などから一斉に参考人聴取して実態解明を進める。

 「よく似ている」っていうことで、それはよく似ているけど違うものなのか、いや同じものなのか。検察関係者様歓迎光臨的には、実態が解明されると同じってことになるのでしょう。そうではないとさすがに話の辻褄が合わなすぎ。
 でもま、ということで、問題はゼネコン問題だよ、と。はーと。
 ところで、それっていつの時代のお話か。
 話題のイケメン郷原信郎先生のご指摘「「ガダルカナル」化する特捜捜査「大本営発表」に惑わされてはならない」(参照・要登録)だと。

また、2005年の年末、大手ゼネコンの間で「談合訣別宣言」が行われ、2006年以降は、公共工事を巡る談合構造は一気に解消されていった。現時点では2006年3月以前の談合の事実はすべて時効が完成しているので、談合罪など談合の事実自体の立件は考えにくい。また、談合構造を前提にした「口利き」などでのあっせん利得罪の時効期間も同じであり、立件は考えられない。

 談合事件なら、2006年3月以前は時効が成立している。
 斡旋利得罪でも、2006年3月以前は時効が成立している。
 もしかすると、そこでもっと面倒臭い法理論があるのかもしれないけど、これは絡めてから見ても、つまり、(1)二階経産相を含め自民党への放火はなしよ、プラス、(2)次期総選挙で岩手4区から自民党公認で立候補を予定している高橋嘉信元衆院議員にはいろいろ何かとわけあって手を出すなよという、以上2点の確固たる前提から見ても、そりゃそうでしょ。
 すると、2006年3月以降の大型土建工事の談合で、小沢ないし、大久保容疑者を絡めれば、Q.E.D.証明終了です、可奈さん。
 なのだけど、朝日新聞記事「鹿島元幹部が受注調整 小沢氏側から「天の声」か」(参照)を見るに。

 談合組織では、受注する業者を決定する際には、発注者側の意向を意味する「天の声」が重視されるため、ゼネコン各社は発注者側が絡んだ天の声を得られるよう働きかけるなどするという。
 関係者の話では、こうした仕組みを岩手県などの公共工事にあてはめると、ゼネコン各社が、天の声を出す立場だとみなしていたのが小沢事務所側だった。実際、鹿島の支店元幹部から、受注業者をめぐる小沢事務所の意向が示され、それに沿って調整が行われたことがあったという。

 へむへむといったお話なんだけど。時期的にはこう。

 ゼネコン関係者らによると、東北6県の大型公共工事の入札前に受注調整していたゼネコンの談合組織の活動は、93年に、当時の仙台市長らが逮捕されたゼネコン汚職事件を機にいったん下火になった。合わせて、仕切り役だった鹿島東北支店もその座を降りたが、その数年後、同支店の元幹部が仕切り役に就き、06年ごろまで続けたという。

 2006年ごろ、なわけね。
 読売新聞記事「胆沢ダム工事で談合、仕切役ゼネコンが小沢氏側の意向確認」(参照)では胆沢ダム工事のほうに焦点を当てているのだけど。

 胆沢ダムは、盛り土の上に岩石を積み上げるロックフィルダム。国内最大級で総事業費は約2440億円にのぼる。
 工事は五つに分割され、2003年1月に、奥村組が「原石山準備工事」、前田建設工業が「基礎掘削工事」をそれぞれ落札。04年10月には鹿島などのJVが「堤体盛立工事」を約193億円で、05年3月には大成建設などのJVが「原石山材料採取工事」を約151億円で、06年3月には西松建設などのJVが「洪水吐き打設工事」を約95億円で落札した。

 というわけで、こちらも2006年3月、その時歴史が動いた、みたいな話なのか。つまり、今、小沢を屠らないと屠るチャンスはもうない的な。
 あるいは、時効じゃないスキームがありまっせなのか。
 いずれにせよ、談合はいかん、とかマスコミは騒いでいるけど、基本的に、これは古い話なわけね。
 実質の国家元首だって逮捕しちゃう検察様にとっては小沢の逮捕なんて簡単なんだけど、そこまでもっていくかな。いや、これって政界の焼畑農業じゃなくて、日本本土焦土化作戦みたいにも見えるのだが。
photo
 というか、単純にいえば、大久保隆規容疑者起訴の時点の空気で、小沢さん、もう引退しようかとなれば、それなりの矛の納め所もあるのだろうけど、そうじゃなくて……いや……なんとなくだけどね……小沢大魔神化したら、それはそれで、すげーことになるんジャマイカ。

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コメント

昨日のtime紙の解説を読んで、実は小沢さんとその秘書は、検察の何に利用されているのか?とか、小沢さんなんて、自分の筋を一本通すくらいの事しか出来なくて、いえ、麻生さんよりは少なくともはっきりとした一本と見えるし、その小沢さん自信が、一連の事態に自覚がないだけのような。だから、本当は器用じゃなくて不器用のブロットの方。
 
で、ここでは、昭和な人の推測はやはり昭和で行くのじゃないのかとは思うものの、どうしても今の検察のやり方が尋常には思えませんし・・。

からくり無しで、どうしてスパッと「間違えでした」みたいに行かないのか。最初の一件を本当は起訴に持ち込むのか。なんか、どうなってしまうのでしょう。この大騒ぎが始まって、もう2週間以上にもなりますね。

投稿: godmother | 2009.03.17 15:04

 検察さんが「間違えちゃった、ゴメン」とか「昭和のかほりのプロレス理論」とか言うわけないですよ。下手に言うたらマウントポジション後、死ぬまでグーパンチ連打でしょ。誰が誰にマウントポジションするのか存じませんが。
 まぁ、法自体が適当かつ解釈次第であるなら、検察が言うなら極限まで黒認定でいいじゃんくらいの空気なんで、別にそれでいんじゃないですかね?

 それはそれとして。先日のご家庭プロレスですが、私が地獄突きを仕掛けて以降紆余曲折を経て、ねこさんマウントポジションからグーパンチ連打→腕ひしぎ逆十字固め+私の脇の下に両脚キック連打→コーナーポスト(本棚)に登って万歳ダイビングねこプレス→スフィンクス座りでカウント3。ねこさんの勝ちでした。

 去年の今頃は餌食ったら走って逃げてたのに、今では立派な女子プロレスラー。どんだけ懐けば気が済むのか、まったく先が読めません。ほなさいなら。400字。

投稿: 野ぐそ | 2009.03.17 22:21

ホリエモンのライブドアを襲撃する時だって、証券取引法だか、金融商品取引法だか、検察は、伝家の宝刀(誰のことでも容疑者にできる口実まがいの法的根拠)を使ってホリエモンを取り押さえたでしょ。

ホリエモンのことは、読売新聞社の社主がものすごく嫌って警戒してましたよね。村上ファンドもシンガポールに逃げ出す前に取り押さえられたし。

西松建設もタイの当局に迷惑かけていますよね、外為法で。小沢代表も、なにかしら、普段は表には出てこないけれど、隠然と日本の統治に大きな力を持っている方々のトラの尾を踏んでしまったのでは。

ロッキード事件はアメリカ発だけれど、今度もアメリカに何か関係があるのかもしれません。「第7艦隊発言」もあることだし。

投稿: enneagram | 2009.03.18 09:47

今回の捜査を国策捜査と語る人は少しどうかしていると思う。捜査自体は一年も二年も前から動いていたわけですし、「選挙前のこの時期に」というよりは、逆に今すぐの選挙はないという判断では? 自民党議員への献金も額が二桁ほど違いますから、カムフラージュと考えるのが自然です。
まあ、現在の与党は余りにもアメリカべったりなので、多少は中韓寄りにシフトしたほうが――中長期的には、そしてもちろん主張すべきところは主張して――よいかな、とも思います。あとは官僚との距離でありコントロールですね。

投稿: 院長 | 2009.03.18 10:50

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