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2009.02.07

ロシア関連の報道がどうも変だ

 ロシア関連の報道がどうも変だ。陰謀論を取りたいとは思わないし、ある程度は可視になっているのだから、それなりのスジが見えそうに思うのだがよくわからない。ただ、このまま過ごしていいとも思えないので、多少想像で補うかたちでメモ書きしておきたい。
 自分の個人的な感覚の問題かもしれないが、率直に言って「ビザなし交流」の大手紙社説がそろいもそろって薄気味の悪いものになっていた。なぜなのか。反露感情というだけのことか。
 先月30日朝日新聞社説「ビザなし交流―長年の努力を無にするな」(参照)より。まず、話の背景についての説明だが。


 人道支援物資を積んだ船で北方領土の国後島に向かった日本の訪問団が、上陸を断念して帰港した。ロシア側に出入国カードの提出を求められ、それに応じれば「四島をロシア領と認めることに等しい」と判断してのことだ。
 この人道支援事業は、北方領土の主権を主張するロシアとの間で「双方の法的立場を損なわない」との了解のもとで94年から始まった。旅券や査証(ビザ)なしで日本側が四島を訪問できる仕組みだ。

 朝日新聞の考えはこうだ。

 今回、ロシア側は「国内法が改正された」として、出入国カードという新たな手続きを要求した。これは両国が合意した実施手続きの一方的な変更であり、受け入れるわけにはいかない。
 ロシア側は墓参を含めて全面的にビザなし交流をストップさせるつもりなのか、その意図ははっきりしない。だが、四島周辺に安定した隣国関係を築こうというこれまでの取り組みに冷や水を浴びせるものだ。

 朝日新聞はなぜか「意図ははっきりとしない」として「冷や水を浴びせる」と流しているが、わずかにロシア側の考察を次のようにしている。

 ロシア側では、領土交渉を担当する外務省と、出入国管理を担当する連邦移民局とのあつれきといった事情も絡んでいる。

 翌日の読売新聞社説「ビザなし交流 ロシアは国際信義を守れ」(参照)はこう。

 ロシアの出入国手続きに従うことは、ロシアの管轄権を認めることにつながる。河村官房長官が「理解できない」と反発し、日本政府として撤回を求めたのは、当然のことだ。


 ところが、ロシアは今回、2006年の国内法改正を理由に出入国カードの提出を要求した。今後、ビザなし交流などで訪れる場合も例外は認めないという。

 読売新聞も多少ロシア側の意図への推測があり、朝日新聞と同じだ。

 背景には、出入国管理の厳格化を主張する連邦移民庁を、外務省が抑えきれなくなったという事情もあるようだ。

 ここはかなり重要なのだがそれ以上の補足はない。
 つまり、朝日新聞と読売新聞の社説では、なぜロシア連邦移民庁が出入国管理の厳格化を主張しはじめているのかという考察は避けられている。
 今月2日と出遅れた毎日新聞社説「ビザなし交流 継続へ日露は知恵を出し合え」(参照)は率直に言って社説の品質が悪い。

 ところが日本の外務省によると、今回ロシア側は訪問団出発の直前に「06年の国内法改正で出入国カードの提出が必要になった」と外交ルートで連絡してきたという。これでは一方的な約束違反と言うしかない。

 毎日新聞は後出しであるにも関わらず、あるいはしかたなくせっつかれて出したかのような印象もあるが、外務省発表の垂れ流しでかつロシア側への考察は微塵もない。
 この点、朝日新聞社説と同日の産経新聞社説「人道支援中止 ロシアは約束守るべきだ」(参照)は、朝日、読売、毎日と同じくロシアを非難したのち、多少奇妙にも思えるが、ロシア内政の権力構造を考察している。

 今回、出入国カードの提出を求めた移民局は、プーチン首相の出身母体の旧ソ連国家保安委員会(KGB)の後継機関である連邦保安局(FSB)が管轄する。ロシアでは、プーチン氏の登場以来、旧KGB出身者らで構成する「シロビキ(武闘派)」たちが急速に台頭し、事実上、同国の政治と経済を牛耳ってきたが、今回の事件は、そのシロビキ主導をより鮮明にした形だ。

 今回のロシア側の動きがシロビキ主導ではないかとするのは、恐らく正しいだろうと私も思う。さらに産経はこうも指摘する。

 さらに、時を同じくしてやはりFSBの管轄下にあるロシア国境警備局が鳥取県境港市のカニかご漁船第38吉丸を拿捕(だほ)する事件が発生した。

 この産経の読みでいうなら、ロシア内により広範囲にシロビキを巡る抗争があるというわけだ。これもおそらくそうだろうと思われるので、むしろ朝日新聞社説の結びの言葉が滑稽味を持っている。

 ロシアのメドベージェフ大統領は最近、麻生首相と電話で話し、極東のサハリンで2月中旬に会談することを提案した。「二国間のすべての問題を話し合いたい」と日ロ関係を前進させる意欲を伝えてきたばかりだ。プーチン首相も今春にも日本を訪問する方向で準備が進んでいる。
 資源価格の急落や世界経済の混迷もあって、ロシアは対日関係により積極的になろうとしているのだろう。ロシア側が力を入れている極東・シベリアの開発には日本の資金や技術が必要だし、中国が台頭する中でアジア太平洋地域に存在感を強めたいという思惑もある。
 だが、いくら関係改善に意欲を示しても、長年の交流の積み重ねを突き崩すような行動をとっては、日本側のロシアへの不信は深まる。そのことを、ロシアの指導者たちははっきりと認識する必要がある。

 今回の強硬措置がシロビキ主導なら、「ロシアの指導者たちははっきりと認識」した結果のことでもあろう。が、同時にプーチン首相もメドベージェフ大統領も日ロ関係の改善を望んでいる。彼らはシロビキと対立しているとでもいうことだろうか? まさか。
 この奇妙な事態の構図の基本線をまずすっぱりを描いているのが5日の予算委員会質疑だった(参照・参院TV参照)。

○鈴木(宗)委員
 とにかく、総理、私は、日本側からカードを切って動かす、これが大事だと思っていますね。また、向こうも総理ならば話ができるという認識を持って電話が来たというふうに思っておりますので、その点は頑張っていただきたいと思いますね。
 そこで、最近不幸なことが起きました、日ロ間で。それは、例の人道支援の品物が行かなかったことですね。
 私は、ロシアが一方的に出入国カードを出せと言ってきたと外務省は説明していますけれども、これは外務省は正しく国民に説明していないと思っているんです。なぜか。
 昨年の十月二十一日に、既にもうロシア外務省のソロスというサハリン代表は、来年からはビザなし支援でもカードが必要ですよということは記者会見で言っているんですよ、根室における記者会見で。それを、私は質問主意書を外務省に出しました。そういう要請はないから答える立場にないという、全くけんもほろろ。十二月にも私は出しました。私は、今回の事件は外務省の不作為だと思うんですよ。
 中曽根大臣、この点、質問主意書で私は既に言っている。全く動かなかったのは外務省なんですけれども、なぜ動かなかったのか。事前にユジノサハリンスクの総領事館なりモスクワ大使館なりに動く時間はあったんですから。なぜそれをしなかったのかをはっきりさせていただきたいと思います。
○中曽根国務大臣
 お話しのように、昨年の十月でございましたか、ユジノサハリンスク外交代表が、根室で開かれた記者会見において、来年度以降、四島交流で日本側訪問団が訪問する際には出入国カードが必要となる旨の発言をされたという報道がありました。ただ、我が国には何ら通知はございませんでした。


○鈴木(宗)委員
 中曽根大臣、経緯は知っておるからいいんですけれども、ただ、私が言いたいのは、去年の十月の二十一日に、サハリンの外務省代表はロシア外務省の方なんですから、その方が記者会見したということはやはり重いんですね、このノソフさんが言ったのは。そのときに、ユジノサハリンスクの総領事館やモスクワ大使館が去年のうちにきちっとやっておけば、こういう無駄なことはなかったわけですよ。
 そこで、ビザなし渡航というのは、もう大臣知っているとおり、平成三年にゴルバチョフ・海部会談で決まった話です。そこで、十月に、当時の中山大臣が行って調印した話。お互いの立場を害さないということになっているんですよ。
 私は、出入国カードを出す出さないの議論も大した話じゃないと思っているんです。なぜかというと、皆さん税関申告書は出すんですよ。ビザとパスポートは持っていかないけれども、それにかわる身分証明書はちゃんと出しているんですから。
 これはお互い知恵を出したんです。お互いの立場を害さぬということでスタートしているんですから、この出入国カードを出したからロシアの主権だと、北方四島を認める話にもならないんですよ。
 私は弾力的に、流氷も来る、もう船も行けなくなる、そんなことよりももっと、では今回限りの措置だとか、いろいろやり方はあったんじゃないか、こう思うんですね。

 つまり、今回の「ビザなし交流」問題は突然のことでもなく、予定されていたことで、しかも、日本の外務省がそれを知らないとうものでもなかった。
 つまり、これって何の出来レース?
 日本外務省がロシアとの軋轢を望んでいた? そこまでは言えないにせよ、そして、毎日新聞はさておき、朝日、読売、産経はこの経緯を知っていた臭い(突然の事態という認識はないようだ)。
 日本の対露報道で何が起きているのだろうか?
 そこがよくわからないのだが、この間のロシア情勢には、日本が深く関わっているとしか見えない。ちょうどこの間ロシアでは首相辞任を求める大規模デモが起きている。1日中日新聞「ロシアで1500人デモ行進 「首相辞任」要求、与党は対抗デモ」(参照)より。

輸入自動車関税引き上げへの反発が強まるロシア極東のウラジオストクで31日、政府への抗議行動があり、市民は生活向上を訴え、プーチン首相の辞任も求めた。


 ウラジオストクでは共産党員やインターネットでの呼び掛けで集まった市民ら約1500人が主要道路をデモ行進した。1月12日に発効した輸入車関税引き上げが、日本からの中古車輸入に携わる多くの市民を苦境に追い込んでいるとして撤回を要求。公共料金下げなども求め「プーチン首相は辞めるべきだ」「統一ロシアは退け」などと訴えたが、大きな混乱はなかった。

 共産党員と市民が反「統一ロシア」、つまり、反プーチンデモを極東ウラジオストクで行ったのだが、その原因がようするに日本車である。
 統一ロシア側にも多少の動きはあった。

 一方、統一ロシアはほぼ同時刻に市中心部で約2000人規模の集会を開催。党現地支部幹部らがメドベージェフ大統領やプーチン首相の政策を支持する演説を行った。ただ、参加者の多くは公務員や政府系企業関係者らで、集会もわずか30分足らずで終了。ただ地元テレビでは統一ロシア側の集会だけを報じた局が多く、政権の影響力が露骨に表れた形となった。

 これが先のシロビキの構図とどう重なるのかよくわからない。全然違うのかもしれない。
 しかし、日本車がウラジオストク市民の死活問題であることは確実だ。4日北海道新聞「中古車輸入規制 大統領らに撤廃要請へ ロシア極東 不満強まる」(参照)より。

ロシア政府が日本製などの中古車の輸入規制を強めている問題で、サハリン州議会は沿海地方議会と協力し、メドベージェフ大統領とプーチン首相に規制撤廃を近く求める方針を決めた。国内産業保護の必要性を訴える政府に対し、日本車排除の打撃を受ける極東では地域への影響が深刻化し、中央への不満はさらに強まっている。

 これが深刻なのは反政府勢力ではなく、地方政治の民主主義的な決定だという点だ。

 インタファクス通信によると、ウラジオストク港を抱え、中古車の輸入が多い沿海地方議会が呼び掛け、サハリン州議会経済発展委員会が一月末に賛同した。両議会は一月十二日から実施された中古車の輸入関税の大幅引き上げ撤廃を求める。
 さらに政府の措置は極東経済に被害を与え、人口流出に拍車をかけると指摘。日本車を標的にした右ハンドル車の輸入禁止法案が提出されたロシア下院には同案に賛同しないよう要請する。

 この動向が、ウラジオストクを含む極東地域の問題なのか、ロシアの他の地域でも反統一ロシアとして起きているのかよくわからない。テレグラフ「Vladimir Putin faces signs of mutiny in own government as protests break out in east 」(参照
は極東域に限定されるものではないだろうという含みはあるにはある。
 この地域の確執が先の胡散臭い「ビザなし交流」問題とどう関わるのかわからないが、ここで、日本側からなんらかの形でサハリン州議会支援のような動向があれば、プーチン首相・メドベージェフ大統領に決定的な打撃を与えることは確実だし、これを外交カードとして使われたらロシアはたまったものではない。なので日本外務省がプーチン首相・メドベージェフ大統領に助け船を出したか……というと、大手紙の反ロシア的なトーンからしてもそれはないだろう。
 NHKも今回ばかりは胡散臭いメッセージを出している。「 おはようコラム 「北方四島人道援助中止の波紋」」(参照)より。

Q3:ロシア側は、なぜそのような行動に出たのでしょうか。
A3:まさに、そこなのですが、近々、サハリンで行われる予定の日ロの首脳会談に関係していると思われます。
この会談は、メドベージェフ大統領がサハリンの日ロの合弁事業の完成式典に麻生総理大臣を招き、そこで領土問題を念頭に「2国間の全ての問題について話し合いたい」と持ちかけたものです。

Q4:漁船拿捕や人道支援事業に対する強硬な姿勢と会談の呼びかけは、矛盾していませんか。
A4:いや、したたかなロシアの外交戦術だと思います。
といいますのも、ロシアは、これまで好調だった経済が一気に落ち込み、打開策として日本を含めたアジアに目を向けようとしているのです。
だからこそ経済的弱みを見せないで強硬な姿勢で強いロシアを印象づけたいのでしょう。
麻生総理大臣は、こうしたロシア側の戦術に惑わされることなく、戦後64年、元島民が訴え続けてきた北方領土問題の解決に一歩でも近づけてほしいと思います。


 「強硬な姿勢で強いロシアを印象づけたい」は違うだろ。
 この構図なかでプーチン首相・メドベージェフ大統領がロシア極東地域の経済改善に必死であることがわかるし、親日的な傾向が現時点ではむしろ頂点に達している、というか、ここをうまく使えば北方領土問題の進展すらありうるだろうと思うのだが。
 そしてその経済改善の切り札はサハリン2だろう。6日共同「「日本へガス安定供給」 3月に輸出開始とロ企業幹部」(参照)より。なお、当たり前のことだがメドベージェフ副社長は大統領とは別人。

ロシア政府系天然ガス企業ガスプロムのメドベージェフ副社長は6日、共同通信など一部日本メディアと会見し、サハリンから日本への液化天然ガス(LNG)輸出開始は3月になるとの見通しを示し、長期にわたり安定的にLNGを供給する意向を明らかにした。


 サハリンからのLNG輸出開始は、これまで欧州に集中していたロシアのガス輸出をアジアにも振り向ける重要な転換点となる。

 ロシア側にしてみると、天然ガス資源を安定的に購入してくれるお客こそ上客で、これまで日本と中国を天秤に掛けてきた。
 しかし、ガスプロムというと欧州側からは恐怖をもって見られているが、これもロシア側にしてみると中抜きの脅威でもある。なので、次の説明はロシア側からすれば笑い話ではない。

 1月にはウクライナ経由のロシア産ガスの欧州向け供給が約2週間にわたって停止したばかり。副社長は、ロシア初となるLNG輸出はパイプライン輸送と違って第三国が輸送を妨げるリスクがないと強調。日本企業とは長期契約を結んでおり、供給に懸念はないと説明した。

 ここで疑問点が二つ浮かぶ。
 ガスプロムはまだ日中を天秤に掛けているのか。その場合、中国への保険がどのくらいか。
 もうひとつは、LNGを苦々しく思う勢力があって政治的な攻勢を掛けているのだろうか。

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コメント

たしかにNHKの報道が、なんか粘っこいなーといった印象うけましたw(by7時のニュース)

投稿: cli | 2009.02.07 19:36

こういう視点で語られる記事になかなか出会わないのであえて汚い言葉で「もっとやれ」と賞賛。

ロシアというとただでさえ不透明なイメージ。日本人に陰謀論を植え付けるのは確かに容易ですよね。
公平に論じられてこない以上、意図的か否かは分かりませんが日本の対応の悪さに注目するきっかけとなりました。

投稿: nots | 2009.02.07 19:53

 ロシアは100年前200年前から全然信用できんでしょ。何を今さら、ですよ。でもまあ、欧州諸国やアメリカや中国や韓国経由の情報だと「もしかして信用してもいいのかな?」なんて思っちゃって結局騙されることがあるのに、ロシアに限ってそれは一切無いあたりが、逆に信用度高いですよね。

 普段からロシアと仲良く?しておけば、他の国が甘いこと言ってきたとき「何が嘘か」疑って掛かれるようになれるんで、そういう意味では非常に付き合い得な隣人なのかも。

 で、日本の対応の悪さは、どんな理由なんですかね? 武闘派が勢いよさげなだけに、女&暴力絡みですかね? 美人局で釣って後から怖いおっちゃんが出てきて「黙ってないと命取るよ?」みたいな露骨な脅しを仕掛けてくるとか。

投稿: 渡辺裕 | 2009.02.07 22:50

「5日の予算委員会質疑」のソースのリンクがはってないのは何か訳があるのでしょうか?ちょっと気になりました。

投稿: 小野 | 2009.02.08 02:48

米ロ関係、中ロ関係って、今どうなっているのでしょう。

日本の報道は、きっと、アメリカや中国の影響を受けているだろうから、背後を知りたいと思ったら、そのあたりが手がかりかもしれません。

ガスプロムの副社長もメドベージェフっていうんですか。いいことを教えてもらいました。たぶん、ロシアも中国と同じような父系社会で、血族間の連帯感は強固だろうから、大統領と副社長は一蓮托生なんじゃないでしょうか。

ロシアにあまり強くなられても困るし、あまり弱くなられても困る。はっきりいって、日本、韓国、台湾の三国はアメリカと中国とロシアの三大国の力の拮抗の上に政治的経済的安定を維持してきたわけですから。

投稿: enneagram | 2009.02.08 07:37

小野さん、ご指摘ありがとうございます。訂正しました。

投稿: finalvent | 2009.02.08 08:12

ロシアにとって中国が最大の仮想敵であることは永遠に変わらない。
プーチンは以前も2島先行返還をテレビでぶち上げて、事情を知らない国民を動揺させたことがある。

ガスプロムは利益で動くので日中を天秤に駆けるかもしれないが、プーチンには中国を優先する選択は無いと断言してよい。

上海同盟は自然消滅する。
中国が輸入したSu27がどんなタイプか知れば、プーチンにとって中国が何なのか分かる。

投稿: ぶーちん | 2009.02.09 00:08

サハリン2のLNGを日本に輸出する、ということで、麻生首相とメドベージェフ大統領が会談したわけですけれど、ロシアのLNGの話、今後の安全保障を考える上でも、エネルギー政策を考える上でも、重要な論点だろうと思います。

ロシアのLNGが手に入ることで、エネルギーの中東依存についても、エネルギー購入先の多角化がすこしは可能になるだろうし、エネルギーコストも低下させることができるのだろうと思われます。

でも、ヨーロッパ諸国がロシアの天然ガスに依存したがために、産業界がコストダウンを怠り、ロシアの天然ガス抜きではEU経済が回らなくなる羽目に陥っているようでもあり、ロシア由来のエネルギー資源の安易な購入というのは、日本の外交政策を自主的なものでなくしていく危険性もあるのでは?と思っています。

政府は、日米同盟強化、といっていますが、ロシアの天然ガスに頼り始めたら、北海道と青森、岩手、秋田の東北三県などは、容易に骨がらみ依存体質になりやすかろうと思われます。そうなったら、ロシアのいうことも聞かないといけないから、安定した日米同盟関係の確保は難しいのでは?と思っています。

アメリカもいままでは基本的に西ヨーロッパのほうを向いて外交をしていた国であり、ロシアも基本的に対ヨーロッパ外交を中心に外交政策を成立させていた国であり、どちらも本質的に東アジア外交はへたくそな国だと思います。アメリカは軍事同盟国家だから深く付き合わないといけないけれど、はたして、ロシアと密接に東アジア通商をすることがよいことなのか?対ロシア関係はあまりあせらないほうがよいように思われます。

投稿: enneagram | 2009.02.19 09:29

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この間、finalventさんがロシアまわりの報道があれれだ、というノートをまとめてくださっていた。それらの報道に接して私もほぼ同じように、なんでしょう・・・?という感じがあった。 ロシア関連の報道がどうも変だ http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2009/0... [続きを読む]

受信: 2009.02.11 17:10

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