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2009.01.21

オバマ大統領の就任演説を聞いて

 オバマ大統領の演説が日本でブームらしい。声はセクシーだし……ということではないらしい。希望がわいてくるといった類のようだ。よいことなんじゃないか。ということで、就任演説(参照)も人気がありそうだ。
 なんとなく、ふーんと聞き過ごすような英語だったけど、気になる部分をいざ試訳してみたら、意外にむずかしいので、つい他の人はどんな訳を充てているのか、ちょっと並べてみた。


What the cynics fail to understand is that the ground has shifted beneath them - that the stale political arguments that have consumed us for so long no longer apply. The question we ask today is not whether our government is too big or too small, but whether it works - whether it helps families find jobs at a decent wage, care they can afford, a retirement that is dignified. Where the answer is yes, we intend to move forward. Where the answer is no, programs will end. And those of us who manage the public's dollars will be held to account - to spend wisely, reform bad habits, and do our business in the light of day - because only then can we restore the vital trust between a people and their government.

《finalvent訳》
冷笑家は、その寄り立つ地平が変化してきたことを理解できないでいる。過去費やしてきた不毛な政治談義はもう通用しない。我々が今日問うのは、我々の政府が強大か弱小かということではなく、それが機能しているかということだ。つまり、家族が適切な賃金を得る職業を見つけ、家計内で医療や介護が得られ、貶められることなく引退できるように支援することだ。可能なら我々は前進しようとするし、否定なら政策は行き詰まる。そして、公金を預かる者は、賢明に支出し、悪弊を正し、陽の差すところでその職務を遂行するよう、釈明義務を負い続ける。なぜなら、その時に限って、我々は、国民とその政府の間に不可欠な信託を復旧させることができるからだ。

《毎日新聞訳(参照)》
皮肉屋が理解できないのは、彼らの下で大地が動いたということだ。我々を余りに長期間、消耗させた使い古しの政治論議はもはや適用されない。今日、我々が問うのは、政府が大きすぎるか小さすぎるかではなく、機能しているかどうかだ。家庭が人並みの収入を得られるよう仕事を見つけ、威厳をもって引退できるよう助けているかどうかだ。
 答えが「イエス」の施策は継続する。「ノー」の施策は廃止する。公金を預かる我々は、説明責任を果たさなければならない。適切に支出し、悪い習慣を改め、誰からも見えるように業務を行う。それによって初めて、国民と政府の間の重要な信頼を回復できる。

《ダンコーガイ訳(参照)》
皮肉屋に理解出来ないのは、状況が根底から覆ったということです。我々にあまりに長い時間を無駄にすることを強いてきた、不毛な政治談義はもうないのだということを。政府が大き過ぎるか小さ過ぎるかはどうでもいいのです。重要なのは、それがうまくいくかどうかなのです。十分な仕事があるか。十分な給与が得られるか。十分な保証が手に入るか。それらを手助けしているか。答えがイエスなら、我々はさらに手を入れます。ノーならそこでおしまいです。そして我々のうち公金を預かる者たちは、賢くそれを使い、悪癖を改め、やるべきことをやる責任があります。我々だけが、国家と国民の間の信頼を取り戻すことが出来るのですから。

《朝日新聞訳(参照)》
 皮肉屋たちは、彼らの足元の地面が動いていることを知らない。つまり、これまで私たちを消耗させてきた陳腐な政争はもはや当てはまらない。私たちが今日問わなくてはならないことは、政府が大きすぎるか小さすぎるか、ではなく、それが機能するかどうかだ。まっとうな賃金の仕事や、支払い可能な医療・福祉、尊厳をもった隠退生活を各家庭が見つけられるよう政府が支援するのかどうかだ。答えがイエスならば、私たちは前に進もう。答えがノーならば、政策はそこで終わりだ。私たち公金を扱う者は、賢明に支出し、悪弊を改め、外から見える形で仕事をするという、説明責任を求められる。それによってようやく、政府と国民との不可欠な信頼関係を再建することができる。


 さらっと聴くとすらっとわかるようだけど、"care they can afford"とか訳すには微妙なところ。
 それにしても、いやはや、"because only then can we restore the vital trust between a people and their government. "の箇所は、こりゃ日本国憲法と照応しているわな、さすが日本国憲法は米国産だわなと思った(参照)。

Government is a sacred trust of the people,
 政府は国民による神聖な委託物(信用貸し付け)である。

the authority for which is derived from the people,
 その(政府の)権威は国民に由来する。

the powers of which are exercised by the representatives of the people,
 その権力は国民の代表によって行使される、

and the benefits of which are enjoyed by the people.
 だから、それで得られた利益は国民が喜んで受け取るものなのだ。


 国民と政府の関係というのは、trust、つまり信託ということ。
 で、と。
 なぜ就任演説のここに関心を持ったかというと、いやそこは、無理じゃね、と冷笑家の私などは思っているからだ。いや私だけでもない。ロバート・サミュエルソンも今週のニューズウィークのコラム”ベイビーブーマーという重荷”で触れていた。オリジナルの”Boomers Versus the Rest”(参照)は無料で読むことができる。

「子供たちのために○○しよう」……政治家が使う決まり文句のなかでも、これほど人々の心を動かす言葉はないだろう。子どもたちの将来の幸せのためにいま私たちが犠牲を払うべきだという言葉は道徳心に強く訴えかける。
 だからこそ多くの政治家がこの手の公約を掲げる。バラク・オバマも同じだ。「子供たちの未来を抵当に入れないために歳出を抑制すべきだ」と大統領選挙中、彼は繰り返し訴えた。1月15日のワシントン・ポストとのインタビューでも、彼は社会保障や医療保険の制度改革をあらためて公約した。
 だが悲しいかな、政治家が常に有言実行だとはかぎらない。
 オバマ政権下で、世代間の緊張や対立が起こるのは避けられない。

 Probably no political platitude is more invoked or more ignored than this: let's do it for the kids. Everyone recognizes the moral power of making sacrifices today for our children's well-being tomorrow. That's why most politicians embrace this promise, as Barack Obama has. "We know we have to get spending under control in Washington so that we're not mortgaging our children's future" was a favorite campaign line. Just last week, in an interview with The Washington Post, Obama again promised to overhaul "entitlements." But alas, politicians don't always practice what they preach.
 Generational tension, and maybe generational war, is an inevitable part of the Age of Obama.


 なぜ世代間対立が起こるかという理由は簡単で、高齢者が増えて若者が減るからだ、あー、もちろん米国の話だけどね。
 そして政治というは一般的に高齢者に有利になるものだ。

 だが高齢化社会では、若者より高齢者が政治的に優遇されるということは意外と認識されていない。アメリカ社会は今、未来ではなく過去に投資するというリスクを冒そうとしている。

What's less understood is that the political system favors the old over the young in this fateful transformation. We risk becoming a society that invests in its past.


 投資にはリスクはつきものだし、人はつい過去に投資するものだし。

 今後、若者達の稼ぎは高齢者に吸い取られることになる。

 What looms is a huge transfer of income from younger workers to older retirees.


 これも、もちろんアメリカ社会の近未来の予測ということに過ぎないが。
 そしてこの問題はどうなるのか、サミュエルソンに言わせると、オバマは矛盾するだろう、と。

 これまで子供にも高齢者にもいい顔をしてきたオバマは今、ジレンマに陥っている。選挙運動中、オバマは「子供たちの将来の未来のために……」と説く一方で、受給開始年齢の引き上げによって社会保障やメディケアにかかるコストを減らすという提案に反対した。つまり高齢者への公約の一部をほごにしないかぎり、子供たちへの公約を守ることはできないのだ。

Beyond reassuring speeches, Obama hasn't confronted the conflicts. He's been all things to all people. Rhetorically, he's for the children. But he's also for the elderly. In the campaign, he opposed proposals for reducing the future costs of Social Security and Medicare through higher eligibility ages and lower benefits. Obama is in a box of his own making; he cannot fulfill his promises to children without repudiating some promises to the elderly.


 とはいえ、それは高齢化するアメリカ社会のことだ。
 それに、希望の星、オバマ大統領なら、なんとかするのでしょう。
 冷笑家は歴史は繰り返すというし、二度目は喜劇だともいう。だが、私はちょっと冷笑家をやめて、歴史は繰り返さないかもしれない、という可能性も考えてみたい。

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「時事」カテゴリの記事

コメント

 2度目で懲りて3度目をキチンと頑張ったら、馬鹿でも貧乏人でも野ぐそくらいには成れますよ? とだけ、言っておこうかしら。石の上に3年座って桃栗3年柿8年とでも思えば、10年くらいは、すぐですわ。苦労を苦労と思っちゃ遺憾。当たり前だと思え。そっから始めて吉。

 アメちゃんの中から10年後の野ぐそが出ることを期待しておるよ。出なきゃ、所詮は毛唐だ。冷笑してやる。

 あとね。冷笑家の良くない…中途半端なところは、自分の人生を冷笑しないことかな。他人は冷笑するけど自分が冷笑されたら腹立つような手合いに10年後は無いし、2度目の後の3度目は無いよ。
 それだけは、馬鹿の野ぐそでも言えるね。後は知らん。好きにせい。

投稿: 野ぐそ | 2009.01.21 19:04

>だが、私はちょっと冷笑家をやめて、歴史は繰り返さないかもしれない、という可能性も考えてみたい。

 考える前に動けクソじじい。

投稿: 野ぐそ | 2009.01.21 19:06

>>《finalvent訳》

 生真面目な印象を受けますね。日本語文にした場合の「てにおは」や文体・文勢にも、それほどの(意訳時に発生する語感上の)問題は、ありません。弁当翁さんの国語力の高さが偲ばれます。反面、小さくまとまり過ぎている観があります。

>>《毎日新聞訳(参照)》

 気宇が大きそうな文勢ですね。会社は小さいのにね。国語力にも問題はありませんが、気宇の大きさに見合った文体かと言うなら、微妙なところ。無理してるけど及ばない感じがします。身の丈に合わせることが重要かと思います。

>>《ダンコーガイ訳(参照)》

 気宇の大きさと合理性の高さが程良くミックスされた感じですね。短いセンテンスでパッパッと言い切る潔さは、気分的には最もオバマ氏に近いかもしれませんね。漫画で言うなら『花の慶次』あたりが近い印象でしょうか。
 ただ、高揚感を前面に出し過ぎて文面・文勢に若干の齟齬が見られるところが勿体無い。途中で面倒くさくなって投げ出しそうな性格が伺えます。そういうことであれば野ぐそ式詐欺師認定ですので、さっさと解除されるよう頑張っていただきたいです。
 弾翁は偉いんだから、すぐ出来るでしょ。

>>《朝日新聞訳(参照)》

 生活感を感じられる文体で、毎日新聞よりは余程に身の弁えが出来ているものと観じます。若干クレクレ乞食な印象があること、不安感を感じさせる文勢であることから、オバマ氏が失政をするようなら即座に叩きに入るであろう狡猾さを感じ取れます。性根が腐ってますね。

 4者の文体のいいとこ取りをするなら、「最初に弾翁が草稿を書いて弁当翁が補稿して校正は毎日に任せて校了は朝日が担当」するのが、ベストな配置じゃないですかね? そんな感じ。

投稿: 野ぐそ | 2009.01.21 19:38

ああ、弁ちゃんのお得意の冷ややかなる角度の当て方。とか思ったけど、締めくくりが気に入ったので良しとします。

実際録画して、何度か聞き直した挙句の私ですけど、内容の直訳よりも、英語の文脈を読むというか、日本語でも理解するのは難しい年代なのに、いくつか年下のオバマさんにやっぱり期待してしまいます。(弁ちゃんの訳、いいね)

なんか変に、騙されまいという気持ちを、あえて働かせるようなエネルギーは使いたくないですしね。もう、疲れるし。

投稿: godmother | 2009.01.21 19:41

いつもながら要点(キモ)をしっかり抑えた記事ですね。流石です。

>ちょっと冷笑家をやめて、歴史は繰り返さないかもしれない、という可能性も考えてみたい。

finalventビジョン、楽しみにしてます。

投稿: K2nd | 2009.01.21 20:05

いつも勉強になる内容で楽しみに拝見しています。


日本と同じように、少子高齢化が進むアメリカ。

大きな違いは、政治の団結度、でしょうか。

国民の信任を得ているオバマ大統領がどうするのか、国民は痛みを我慢できるのか、改革できるのか。これらを見ていくことは日本の将来にも役立つと思います。

改革しなければ緩やかに死んで行くのみ。
しかし、国民の総意は茨の道を行けるのでしょうか。

将来に不安を抱く大学生として、見守っていきたいです。

***

若者の資産が高齢者に吸い上げられている、といっても、一部の高齢者が、資産を集めまくっている所為でしょう(そして、そのほとんどは長きの努力の結晶であることは推測できますが)。
それを、資産を海外に逃がさないようにいかに下の世代に還元できるか。
なにかいい手はないですかね。

パンデミックなウイルスで高齢者が死にまくるぐらいしかない気がします。

投稿: だい | 2009.01.21 21:36

>私はちょっと冷笑家をやめて、歴史は繰り返さないかもしれない、という可能性も考えてみたい。

リアリスト・オバマは、ヒラリーがいる限りだいじょうぶ。
いなくなったらわからない。

投稿: haineko2003 | 2009.01.22 06:17

↑先ず隗より始めよ。自分から死んでください。

 これで「大学生」じゃあ、日本の将来は暗いですねえ。
 どこの大学に逝かれているのですか?

投稿: 野ぐそ | 2009.01.22 07:41

21世紀の歴史は16世紀の歴史の壮大な繰り返しみたいなものだろうと思っています。

16世紀も印刷革命の影響で、アフリカまわりのインド航路の発見と南米の銀山の発見があって、流通と金融の大発展があってヨーロッパの近代が始まったのだけれど、21世紀もIT革命の影響で、インターネットによる電子商取引とポイントカードや電子マネーが出現して流通と金融が大発展していて、いわゆる近代(モダン)の終焉が哲学や数学や物理学だけではなく、一般人の生活感に行き着いてます。

おそらくこれから、21世紀的な宗教改革やルネッサンスを経て21世紀的な毛織物工業の発展と新しい科学観が生まれるのだろうけれど、このあいだの16世紀の情報革命みたいにのんきにしていたら、庶民は100年間近く生産性の高い新産業が生まれないで塗炭の苦しみをなめるし、16世紀に封建諸侯や修道院が没落したように、これから急速に国家権力の権力者たちが没落して、モラルハザードが世界的に蔓延することになります。

それで、私は新産業については、超伝導産業、核融合発電、核化学工業と騒ぎ、新しい科学観については仏教の唯識論とかそれを基礎にした華厳思想とか騒いでます。

そのままは繰り返しません。でも、似たようには繰り返します。

トマス・アクィナスやエドワード・コークやピーター・ドラッカー先生や今西錦司先生ではないけれど、ここのところの推測は、類比推理に頼っています。

投稿: 歴史の繰り返し | 2009.01.22 08:26

「歴史の繰り返し」さんの言い分はバブラーにいいように利用されて負債を500年先に繰り延べするように使われるだけですよ。類比推理に則るなら、ね。

投稿: 野ぐそ | 2009.01.22 09:32

「野ぐそ」さん、銀バブラー、胡椒バブラーのスペインとポルトガルが自滅的に没落したからスペインから独立したオランダが毛織物工業を発展させて近代ヨーロッパの主導権を取れるようになったんですよ。

類比推理に頼らなくても、歴史を調べれば、最後の勝者は、勤勉で堅実な「野ぐそ」さんたちです。

はっきりいって、めちゃくちゃ勤勉でなかったら、この状況では超伝導産業など育てられません。超伝導に力を入れているうちに、怠け者は自然に脱落します。どうか安心してください。バブラーたちは、絶対、金融とか不動産とかバッタ屋流通業で儲けようとします。バブラーというのは本質的にそういう根性の持ち主たちなのです。

でも、超伝導や核融合や核化学が軌道に乗ったら、バブラーの機関投資家たちにも分け前をやらないとそれはそれで社会はうまく回らないだろうとは思います。また、そのおすそ分けに耐えられると思うから、超伝導、核融合、核化学といっているわけです。バブラーの浪費も大きく見れば社会の潤滑油です。まあ、油の質は良質ではないと思いますが。

投稿: バブラーの運命 | 2009.01.22 12:58

 超電導技術はともかく、核技術は「ヒロシマ」が物凄い反対するんじゃないですかね? 斯く言うヒロシマの電力なんて島根の原発が(一部)荷ってるのにねw

 核技術の平和利用が絶対必須なのは常識でしょうけど、それに対する「ヒロシマ・ナガサキ型アレルギー」をどうにかしないことには…あと、冗談半分の「廃棄技術」(前述)もどうにかしないと、今の段階で中途半端にバブラーに目を付けられたら、育って将来を担う筈の産業が逆に庶民を食い物にしてしまいます。

 ウチでは近々太陽光発電の導入を進めますよ。補助金出ますから。色々問題も多いし現実的な対応策としてはショボいもんかと思いますけど、一応ヒロシマ原住民なんで、ノー核体質で頑張ってみようと思います。

 単純に効率や性能だけを考えるなら核利用が1番なんですけどね。「1番」はバブラーの餌食になりやすいですから。2番か3番か、ビリじゃなければブービーでも別にいいです。

投稿: 野ぐそ | 2009.01.22 17:59

>バブラーの浪費も大きく見れば社会の潤滑油です。まあ、油の質は良質ではないと思いますが。

 残念ながら「潤滑油」では無いですよ。体脂肪です。今だと内臓脂肪ですかね?

 油=脂肪、と見做して必要悪のように刷り込むご意見とかmsんを見てると出てましたけど、ああいうこと言ってる馬鹿に私はカネを預ける気は毛頭無いですから、さっさと富士山麓で戦車砲の餌食にでもなって欲しいもんです。会社ごと青木ヶ原ツアーでも開催したらどうでしょうか?

 内臓脂肪分をまったく0にすることは不可能ですし、脂肪分がある程度溜まることを前提にするような体質で無いと健康とは言えませんから、脂肪分を否定するものでは無いです。でも、不必要な脂肪分は動脈(静脈)硬化や高脂血症などの弊害を生むわけで。

 どうしても「潤滑油」と言い張るのであるなら、高品質であることが絶対条件でしょう。品質が悪かったり適量でなかったりしたら、関節炎などの原因になります。関節の痛みを気にして動かないようにしていたら、筋力が弱って脂肪比が増えて体力が低下して、楽しよう根性に流れるんです。ですから、女や年寄りは思考力が低下する。そこをホリエモンに食われる。馬鹿としか言いようが無いです。今だとオバマー(推定)ですか。早く(推定)の字が抜けるよう、頑張って欲しいものです。

 車の潤滑油のように、本来なら3000km走破で交換推奨のところを15000km走って交換とか、そういうのは私もよくやります。車は20万km走破するかポンコツになったら使い捨てですから。でも、車=社会じゃなくて、人間=社会ですから、喩えの方向性として人間を機械のように見做しかねない筋立てには、ちょいと賛同しかねますね。

 私が辣言に走る理由のほど、ご理解いただけたでしょうか?

投稿: 野ぐそ | 2009.01.22 20:06

>川下産業向け原料の使用も危険がないのか

「川下」は常に危険ですよね。いい加減な連中がウロウロしてるから、危険しか無いと言っても過言無いのでは?

 昨今流行った中国産毒野菜にしても、そもそも中国に農薬を大量に輸出?したのは日本でしょ。既存の農薬が基準値に満たない粗悪品?ということで廃棄や流用を検討されるのかと思ったら、中国に売り飛ばしてる。
 そんで中国の「川下」のいい加減な連中が基準値無視してブチ撒いて、結局それが日本に帰ってきてるだけ。そらまあ中国も馬鹿なんですけど、馬鹿相手に刃物を売り付ける方も、どうかしてる。

 んで、マスコミあたりが必死で煽って「中国ヤバイ」意識が浸透して貿易不均衡w

 ヤバいのは日本も同じですよ。自分らが根本なのに、知らん顔して汚い話だけ中国になすり付けるのは卑怯でしょ。爆弾の回しっこゲームじゃないんだから、いい加減にして欲しいもんです。

「農薬」でさえそんなもんなのに、それより遥か高次元の取り扱いを要求される「核」で同じことされたら、目も当てられませんよ。んで、言った方がいいと思うけど、「遥か高次元の取り扱いを要求される」から「遥か高次元の人間である」とは、限らない。むしろ低劣な人間の方が多いでしょ? と。

 そんなのは、世の中見てれば馬鹿でも分かることです。


>でも、誰も何も言わないと、発想そのものが出てこないから、そういう話も付け加えているわけです。

 ここは、凄く同意します。

投稿: 野ぐそ | 2009.01.23 10:18

超伝導は、長期的な投資と地味な研究が絶対必要不可欠です。

ホリエモンみたいに株式分割ですぐにもうけさせてくれる産業ではありません。

ホリエモンに食われる人たちやオバマーたちにすぐに収穫を分けてやれる業種ではないから、そういう人たちは超伝導への投資に魅力を感じません。

どうも、「野ぐそ」さんは、まだ、J.P.モルガンや初代ロックフェラーが起業して成り上がった当時のように、資本主義がまだ健全に成立して機能しているように誤解されているように思います。

ホリエモンに食われる人たちやオバマーたちは、量子力学と相対性理論をまず理解できません。そういうのがわからないと、超伝導研究を先に進ませられないんです。

超伝導産業で作られるのは、ほとんど、強力な磁石のお化けみたいなものだろうけれど、その磁石のお化けは、交通に使われて人を運んで情報を運び、無機化学や高分子化学やバイオの研究に用いられて、分子の構造や挙動を明らかにして生物と無生物についての多くの情報を生み出すんです。

金が人をこき使って、さらに金を増やすんではなくて、新しい情報が今までよりもっと人間らしい労働を可能とする新しい産業の成立を促すんです。

これが、資本主義社会の基幹産業と、知識社会(情報化社会)の基幹産業の根本的な違いです。まあ、楽観的過ぎるとは思いますけれど。

投稿: 辛辣に走るわけ | 2009.01.23 14:36

 Finalventさんの言われるとおり、翻訳で違いが出るのは、care they can affordの箇所, それから、Where the answer is yes, we intend to move forward. Where the answer is no, programs will endの箇所ようですね。私の感じでは、前者は「医療、福祉などのサービスが適当な対価で入手できるのか」ということ、また、後者は、(問いかけに対し)イエスならば、これまでの政策を続けるし、ノーならば(古い政策を捨て)新しい政策を進める必要があるというニュアンスにとれます。
 その点で、毎日の記事は前者が抜けており、また、個別の政策の政策を継続、廃止するといっているので間違い。ダンコーガイの訳も前者がおかしいし、退職後の点が抜けている。後者も「手に入れる」云々はおかしい気がします。
 訳の格調とかいうことはわかりませんが、正確さという点において、私は、朝日のものが一番良くできていると思うし、失礼ながら次がfinalventさんで、後の二つは不合格。
 それから、ロバートサミュエルソンの主張の結論がおかしいというか外れていると思うのは、子供と高齢者以外の負担を増やす、若しくは無駄な支出をやめることで、子供と高齢者もいい顔はいくらでもできると考えられるから。
 つまらないコメントですみませんが、これからもエントリーを楽しみにしております。

投稿: london_bitter | 2009.01.24 00:36

london_bitterさん、こんにちは。"yes"を「可能」としたのは、"Yes, we can."の背景があるだろうという思い入れからでした。他、あえて思い入れを強く訳しています。報道機関の訳としては朝日がさすがだと思いました。

投稿: finalvent | 2009.01.24 08:27

>超伝導は、長期的な投資と地味な研究が絶対必要不可欠です。

 何に依らず、ですけど。超電導は、そうですよね。

>どうも、「野ぐそ」さんは、まだ、J.P.モルガンや初代ロックフェラーが起業して成り上がった当時のように、資本主義がまだ健全に成立して機能しているように誤解されているように思います。

 んなこた思ってません。入れ違いですけど、前のコメントでその旨書いてます。緑運動公園のコメントでも、似た旨記してます。

>ホリエモンに食われる人たちやオバマーたちは、量子力学と相対性理論をまず理解できません。そういうのがわからないと、超伝導研究を先に進ませられないんです。

 おおむね、ざっくり、なら私でも理解できるんですけどねえ。細かいところは分かりませんが。
 焦る乞食は貰いが少ない、の見本ですかね?

>これが、資本主義社会の基幹産業と、知識社会(情報化社会)の基幹産業の根本的な違いです。まあ、楽観的過ぎるとは思いますけれど。

 楽観的「過ぎ」かも、ですね。大量消費とそれに伴うモラルの低下が酷いことになってる現在から知識社会(情報化社会)にまで話持って逝くのは、まぁ早くても100年後の世界じゃないかという。その頃は私ら全員死んでるでしょうけど、そうなってから達成されてもいいじゃないくらいの気構えで、「ゆったり」するのが吉かと思いました。

 根本的に「焦る乞食」であるところの人々は、そういう社会に対応できるんですかね? オバマーさんたちは、本当に「チェンジ」出来るんですかね? 出来ないと思うけどなあ。

投稿: 野ぐそ | 2009.01.24 09:40

ここのところは「野ぐそ」さんに本当に同意します。

高利貸しの弊害でも、朝鮮系の人たちがまともな金融機関に就職したり、まともな金融をできなくしていたのが日本の大蔵省の金融行政だったのに、消費者金融の弊害が大きくなったら、朝鮮系の人たちを悪く言う風潮を作るのが日本の出版界と社会です。

その朝鮮系の人たちの高利の金融機関に融資して、手を汚さず楽な債権回収をしてきたのが日本の大銀行です。

問題が起こってから中国と韓国を悪者にするけれど、原因を作ったのはほとんどが日本の悪人たちであるという農薬の例の話みたいなものです。

でも、これ、日本だけではなくて、アメリカも、今麻薬中毒患者が増えて社会問題になっているけれど、アメリカの麻薬問題の原因というのは、アヘン戦争後の中国の麻薬中毒患者たちをだまして大量にアメリカに連れてきて、カリフォルニア州の鉄道敷設低賃金労働に使ったことが遠因だそうです。

強国大国の社会的強者が悪辣で卑怯だと世界中が迷惑します。「野ぐそ」さんがヤクザをひどく嫌うのは当然のことと同意します。まあ、正直、わたしはヤクザの人たちはとても怖いですけれどね。

投稿: 「知らん顔して汚い話だけ」 | 2009.01.24 13:52

「焦る乞食」も資格試験作ったらいいと思います。

ある水準以上の人はデリバティブ使ってもいいし、FXも基準額以上の投資額を許すけれど、そういう人でないと、公営ギャンブルに行ってください、というようにする。自動車の免許制度の金融版ですね。

もちろん、そうすれば無免許もノミ屋もたくさん出ると思うけれど、そいつらは摘発してふんじばることができます。

逆に、これからは、どういう分野は無資格無免許が許されるかが大事な世の中だと思います。
占い業界なんていうのは、いつまでも、無資格無免許が許される業界であってほしいけれど、あの業界も、分野ごとに大ボスが何人もいて、素人が勝手に開業できない業界みたいです。「領主のいない土地はない。」
それでも、占いとか霊感商法関連の詐欺については、ヤミ金防止法(正しくは改正出資法?)なみの厳しい罰則を設けてほしいと思います。

投稿: 「焦る乞食」 | 2009.01.25 08:00

 でもそんなこと言い出したら宗教法人なんか滅茶苦茶ですよね。

投稿: 野ぐそ | 2009.01.25 11:03

簡単に宗教法人の認可を出す地方自治体と、宗教法人にものすごい税制上の優遇措置を与える文部科学省が悪いと思います。

高収益の宗教法人からは、もっと税金を取るべきです。この意見には「野ぐそ」さんも賛成してくださると思います。

投稿: 返答 | 2009.01.25 14:27

儲かっている宗教団体からは、世間並みの常識的な税金を納めさせるべきです。

宗教団体の巨額脱税は、地検の特捜と管轄の国税局と警視庁が合同捜査で徹底摘発すべきです。政治家が絡んでいたら、当然連座させるべきです。

そういう風にすれば、低能な政治家と悪質な宗教団体の癒着も激減するはずです。

でも、そうしてしまって、極端に走りすぎて、森元首相や綿貫国民新党代表のような、取りまとめ役や押さえをつとめられる政治家が皆無になってしまうのも困るので、そこはある程度、現実への適用は手心も必要とは思います。

投稿: ダメ押し | 2009.01.25 15:13

 私なんかは単純馬鹿ですから、国に税金納めて公務員さんなり職員さんなりに頑張って貰って、給与水準が高い? ならそれはそれでいいし、給与水準下げて(ってゆーか民間の8割くらい維持は大前提かも。ウチの父ちゃんがそうだったし)「モノ(装備品など)」に金掛けて内需拡大?させるとか、それでいいじゃん? って思うんですけどね。

 宗教法人にお布施出して自分は無税にして、教団幹部になるとかで結局出した金の何倍何十倍も恣意的に運用するとか、そりゃ実質詐欺だろう? どこのネズミ講だよ? みたいな話はよく聞きますでな。
 そんでやくざと宗教が合体したら、最凶でしょ。自分ら好き勝手やっといて文句付けたら腕にモノ言わされたら、どうにもならんし。

 そらまぁ国も悪いだろうしヌルいだろうしアホとは思うけど、どー見てもどー考えても民間(の一部界隈)の方が悪どいですよ。自民にも民主にも同じくらい巣食ってて、どっちか潰してもまたどっちかが出てくるんだから、結局一緒なんだっつうか。残念すぎます。

投稿: 野ぐそ | 2009.01.25 19:57

 まぁ、大体のところ言っちゃったら創価学会にしたって庶民の貧困と欲がない雑ぜになって急激に膨らんだような組織だし、池田大作さんだって最初の頃は金貸しの手伝いやってたわけで。

 下層で信心してる連中はフツーにやってても、手柄立てたくて必死になってるリーダー格とかが物凄い集金合戦・勧誘合戦やったりしてさ。元々相互扶助目的の頼母子講みたいなところからスタートしてる筈なのに、手柄の立て合いや分捕り合いに堕しちゃってんだよね。どう見ても。

 そういう連中が国政に参与して世の中変えましょうとか言ってる時点でふざけんなって話でさ。誰もそれ見てオカシイって言わない時点で可笑しいんだよ。


 アメリカだってキリスト教原理主義系が一定の政治勢力持っちゃってさ。そいつらの機嫌損ねたら、最悪暗殺だってあるわけでさ。言うこと聞き過ぎて(傍目に勝手に)振舞ったらブッシュさんみたいにボロクソ言われるけど、聞かなきゃ邪魔されて改革だの何だの言ったところで掛け声倒れに終わるわけでね。
 そんで庶民は結果見てからじゃないと声上げないから、まぁ大体はマスコミ経由で悪口吹き込まれて腹立てるだけでね。それ以上は何も無いんだ。

 なんか、ね。ある意味日本の方が政治環境的に微妙に先逝ってるんじゃないの? って気がしてきた。オバマ人気と小泉人気(バックが森さん)はどこがどう違うの? って感じ。一緒じゃん。

投稿: 野ぐそ | 2009.01.25 21:22

いま、一院制にするとか、国会議員の定数削減とか話題だけは出てます。国会議員が減るときは、おそらく、裏社会から資金援助を受けないとどうにも国会議員を続けられないような人たちは、いっせいに退場させるべきなのだろうと思います。できるかどうかわかりませんが。

やくざと宗教の合体ですが、この歴史は古い。
浄土真宗は、統治権も自治権も治外法権ももったやくざと宗教の合体に成り果てたから、信長が大弾圧しました。
比叡山延暦寺だって、朝廷ご公認の広域暴力団宗教団体そのものだったから、信長に焼き討ちされました。

私なんかは、日本の思想土壌を改良するために、用心深く、日本にまともなチベット仏教を導入すべきではないかと考えています。チベット仏教はすごく効き目の強い薬だと思っています。おかしな新興宗教を次々駆除してくれると思います。でも、薬は基本的に毒ですから、副作用もすごく大きいとも思います。国家と国民がそれに耐えられるように先に体力つけておかないといけません。

本格的でまともなチベット仏教も大きな世俗権力を手にすれば、いずれは広域暴力団宗教団体化するのが間違いないですから、その後は、マイスター・エックハルトの異端派キリスト教神秘主義でも、ダーヴィッシュみたいな異端派イスラム神秘主義でも、暴走しないように用心深く導入してそこそこ流行させればいい。外国製でなくても、伊藤仁斎や荻生徂徠の古学派の江戸儒学をはやらせてもいい。

日本のこれまでの統治者たちはすごく頭がよくて、奈良仏教が公認暴力団化したら、平安京に遷都するとき桓武天皇が最澄上人を起用して、本家中国ではカビが生えて流行おくれになっていた天台宗を勅許して奈良仏教と拮抗させ、鎌倉幕府も栄西上人の臨済宗を採用して南都北嶺の仏教と拮抗させたんです。室町幕府が貿易や世俗権力の専制ばかり考えて宗教を半分野放しにしたから、きっと応仁の乱以後みたいなことを避けられなくて、信長が前述の宗教狩りをする結果になったのだと思います。江戸幕府は、中国人を起用しないで朱子学を最初はそこそこ導入し、明治政府は国民統合のために、神道振興、というところでした。

統治者、政治権力者は、やくざと宗教の合体については、常に監視して対策を練るべきだと思います。そして、新時代向けの新思想の積極的導入と旧勢力の力の制御も自分の仕事のひとつであるという認識を持つべきだと思います。国会議員の定数が減ったら、人数の少なくなった選良のかたがたには、この問題もきちっと考えてほしいと思います。

投稿: 国会議員を減らす | 2009.01.26 09:19

前のコメントで申し上げたとおり、日本は、桓武天皇の時代から大政治先進国です。

アメリカより日本のほうが政治環境が時代を先取りしているのがむしろ自然だと思います。

投稿: 政治環境 | 2009.01.26 09:23

>国会議員が減るときは、おそらく、裏社会から資金援助を受けないとどうにも国会議員を続けられないような人たちは、いっせいに退場させるべきなのだろうと思います。できるかどうかわかりませんが。

 出来ないだろうとは思いますけど、そういうことを考える芳香性で、どうにかしてほしいもんですね。言いだしっぺ? の自民・公明党からして半ばそういう集団だし、民主党だって人のこと言えないんだから、どうにか自浄しろよ的な。
 まぁ、今でも十分やってるでしょうけど裏社会の人がフロント企業作って合法的に支えて、そういう道筋を作った人だけ残って道筋作れない…「裏社会から資金援助を受けなくても国会議員を続けられる人」が逆パージ喰らって終了的な。嗚呼コネ社会。

>浄土真宗は、統治権も自治権も治外法権ももったやくざと宗教の合体に成り果てたから、信長が大弾圧しました。

 ウチは備後圏ですし江戸時代は天領だったんで、浄土真宗やってる家だけど「安芸門徒」とは若干筋が違うかもね。備後圏はむしろ、村上水軍に代表されるような傭兵型ヤクザ社会かも。漫画で言うと『なんと孫六』あたりの気質に近い人が多い。損得・勝敗重視で、宗教的権威って、わりとどうでもいいところがある。端的に葬式仏教ですよ。無くていいです的な。

>日本の思想土壌を改良するために、用心深く、日本にまともなチベット仏教を導入すべきではないかと考えています。

 こらまたすっ飛びますね。華厳経はどしたんすか?
 宗教は、誰が何やっても最後は毒ですよ。お付き合いで留め置かれない人の弱さがそうさせるんでしょうけどね。人間はどうしても弱い生き物だから、どこかしら依存的になってしまう。宗教心から無縁?を標榜する科学でさえ、実態としては宗教的信念や思想信条に基づく村社会でしょう。そうと自ら言わないだけで。

>外国製でなくても、伊藤仁斎や荻生徂徠の古学派の江戸儒学をはやらせてもいい。

 今なんて本屋逝ったらプチ思想書や血液型本が流行ってますし、そういう萌芽は、いつでもどこでもあるんじゃないですかね? 女の人が血液型診断を信仰したり地元の新興宗教にハマったりするのって、そういうことなんだと思いますよ。
 だから、地元系(技術系)はもっと集約した方がいい。国家系(文化・社会系)は拡散した方がいい。相反することを一元的にやるのは無理なんで、マスコミ的にパーッと話を広める手法は、今のところ逆効果なんですよね。

>日本のこれまでの統治者たちはすごく頭がよくて、

 基本的に「もういいよ」で捨てられたら、どうしょうもないですもんね。世俗権力なんてのは「人と人との繋がり」が原泉ですから、断ってしまえば、それでいい。逆兵糧攻め。俺たちゃ勝手に餓死するからお前ら勝手に繁栄しろなんかも、有りっちゃ有り。有っても誰もやりませんけどw
 その手で来られたら、行く末花形産業はインフラ屋に、文化事業や宗教団体は見世物商売に堕すしか道が無くなりますもん。

 それを堂々とやってのけるのが、日本の歴史の凄さだと思いますよ。こんだけ狭い国家で遷都を何回もやって文化水準をさほど落とさない国なんて、他にそうそう無いでしょ。今だって、マスコミ死ねや大企業死ねや運動とか草の根レベルと思ってたら洒落にならんくらいキツいですからねえ。お陰様で大合併。なんつて。

>室町幕府が貿易や世俗権力の専制ばかり考えて宗教を半分野放しにしたから、きっと応仁の乱以後みたいなことを避けられなくて、信長が前述の宗教狩りをする結果になったのだと思います。

 今の時代とあまり変わりませんね。当時の時代情勢から鑑みるに、今で言うところの創価学会・公明党の筋は、いずれ浄土真宗系に乗っ取られるんですよね。立ち位置を。日蓮系は商売人など少数派に特化・選別しがちな傾向があるから、大多数であるところの庶民・貧民層にどうしても弱い。そこを狙って創価学会が伸し上がったというのもあるんでしょうけど、いわゆる「貧民教」としては浄土真宗の方が一枚も二枚も上手で。いずれ地殻変動でも起こして信者の大移動が起きると思っています。池田大作さんがお亡くなりになったら、後継者さんや組織がどんなに頑張っても、どーにもならんと思いますよ。
 組織上層部と末端での意識差が激しすぎますから。

 まぁ浄土真宗系だって、加賀門徒崩壊の例のように、いずれ腐敗するんでしょうけど。

 マスコミで、汚い話を平気で出来てそれで客引けるところは強いですよ。何だかんだで。創価学会は、綺麗事ばっかりでしょう。それが悪いってわけじゃないし綺麗なことは良いこととも思いますけど、そこはホレ、「人間のやること」ですから。
 綺麗事言って「そっちを目指そう」も訴求力としては有りなんですけど、「私ってばこんなに駄目で汚いのにそれでも赦して貰えるの?」の方が、「救い」としては大きいんですよね。何だかんだで。だから「貧民教」なんでね。

>江戸幕府は、中国人を起用しないで朱子学を最初はそこそこ導入し、明治政府は国民統合のために、神道振興、というところでした。

 んで、戦後政府(というか戦後世界)は技術者優遇?と学歴社会の振興、と。いい加減ガタが来てますけどねえ。選抜方式は、辛いんですよ。誰しも。

>統治者、政治権力者は、やくざと宗教の合体については、常に監視して対策を練るべきだと思います。そして、新時代向けの新思想の積極的導入と旧勢力の力の制御も自分の仕事のひとつであるという認識を持つべきだと思います。

「やってもしゃーないから融和しちゃえ」「融和しすぎで乗っ取られたら逃げちゃえ」が今までで、今後もおそらくそうですから、あまり期待はしてません。
 ヤクザものの漫画やB級情報誌がコンビニでそこそこ売れてる現実からしても、そういう考えの人は、それなりに居る。私の友人にも、モロにそういう気質の人がいますよ。堅気なのに…。
 今は少なくとも「自宅周辺を怖い人がうろつくことが無いから」程度で我慢して、「逝くトコ逝って怖い人が居る」件に関しては、「運」で諦めると。
 そんなもんかなぁ、という感じ。


 あと、別に無理?して日本史ベースでお話進めなくても、西欧史基準の方が話しやすければ、そちらでどうぞ。馬鹿なりにどーにか対応しますから。

 視聴者層的には日本史ベースだったり地方の民謡・民話だったり四字熟語(金言格言)の方が理解しやすいとは思いますけど。科学や技術や経済や歴史の話なんて、妙に高度化すると直ぐに付いて逝けなくなりますから、極力平易が望ましいと思います。

 理想は小学生高学年~中学1年生くらいが対象ですけど、余裕で無理なんで。理想を追求しつつも中学3年~高校生で比較的偏差値高い?系(55~60くらい)に読めればいいか的に落ち着くのが、宜しいんじゃないかと。思いました。

 ほなさいなら。

投稿: 野ぐそ | 2009.01.27 02:35

初めまして。

文学の記事を検索していて、こちらにお邪魔しました。

屋根の上の葡萄畑の手入れして、一年々々を過ごしてる理工系の猪です。

オバマの演説の訳は各誌の比較が、気になっていたので助かりました。

こちらのブログは白熱していて、何が何だかわからなくて圧倒されましたが、時々覗かせて戴きます。

今更、歴史は繰り返すは、単に幻想だと感じています。


投稿: 崖ノ猪 | 2009.01.27 21:00

>ヤクザと宗教が分離しているのが当たり前と考える野ぐそさんは典型的な善良な日本人です。

 当たり前っていうか、それが建前じゃないですかね? 織田信長様々ですね。

 我が家にしても、昔々は合体してる派だった筈ですよ。ウチの家紋は五三の桐紋ですけど、元々は天皇家の紋ですから由緒自体は正しいんですよ。でも、豊臣秀吉が天皇家を奉戴して関白の威光で天下を治めようとしたとき、無暗矢鱈とバラ撒かれてるんですな。だから、秀吉以前の桐紋は価値があるけど、秀吉以降の桐紋には、そこまで価値が無い。ウチがどっちかってのは分かりませんけど、少なくとも江戸期以降は代々農家ですから、多分価値が無い方の桐紋かと思います。地方の有力者にご褒美代わりに桐紋配って「お前ら陛下の臣民なんだから頑張れよ?」みたいな。そういう扱いだったんじゃないかな? 戦国武将・島左近勝猛さんの子孫さんも関ヶ原以降に帰農して今じゃ普通の農民らしい…ってのを何かの本で読みましたけど、もしかしたら、そういう系統かもしれない。戦国大名の誰それさんの子孫が、今じゃ普通のサラリーマン…みたいなことはよくあるんで、そうかもしれない。まぁ、ウチは普通に土豪程度だと思いますけど。ゲームなんかだと「国人衆」とか、ひと山ナンボの扱いみたいな。

 家伝は500年くらい(菩提寺に聞いた限り)だからそんなに家格は無いですけど、その時点で寺建てる程度の財力があったわけだから、家自体はもっともっと昔から続いてたんじゃないかなー? って感じ。700年とか800年とか、1000年くらいは続いてないと、財と呼べるほどのものは貯まらないんじゃないか? みたいな。昔ですし。

 だから、歴史感覚…昔はウチもそうだった「かもね」程度には、相互理解?は可能かもしれませんね。

投稿: 野ぐそ | 2009.01.28 11:50

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