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2009.01.01

初笑い、今年の予測

 恭賀新年。よいお年を。
 初笑いに、今年がどんな年になるのか予想してみたい。年末DVDで見た感動的な大作「カンフー・パンダ」(参照)ではないけど、予想にあたって、秘伝は、ない。なーんも、ない。お笑い程度のお話だ。では。

cover
カンフー・パンダ
 今年はどういう年になるのか、というとき、問われているのは、要するに景気だ。景気はどうなるか。そりゃガチでダメでしょ。そうわかっているのに、つい今年の予想とかに心惹かれてしまうのは、なんとかならないかな、なんとかなる方法はないのかな、と思ってしまうからだ。叡智があれば、この難局をアムンセンのように克服できるのではないか。暗黒卿復活でリフレのサンライズがあるのか……。あー、ないと思います。ぜんぜんだめだと思います。麻生総理のいうように全治三年というのはそれでも希望があるほうなんじゃないか。そしていつの日か日本で消費税をアップできる日が来るんだと財務省官僚ですら希望をもっているんだから、だめでしょ。全然ダメ。困ったなぁ。
 内需拡大なんてどうすかね。読売新聞の元旦のリキ入り社説「急変する世界 危機に欠かせぬ機動的対応、政治の態勢立て直しを」(参照)でも、内需拡大に知恵絞れ、って言ってる。

 日本の強みは、減少したとはいえ、まだ1467兆円もの個人金融資産があることだ。
 このうち、150兆円から170兆円が平均的な個人のライフサイクルから見て「余剰貯蓄」といえるとの、総合研究開発機構(NIRA)による試算もある。
 また日銀は、いわゆるタンス預金だけでも30兆円、投資や利殖より安全を志向する当座・普通預貯金としてほぼ眠っている資金が、120兆円あると見ている。
 こうした“眠れる資金”を掘り起こして活用することは、重要な政策課題だ。

 それにまだ埋蔵金もざくざくある。頑張れニッポン!凄いぞニッポン!頭の良い国ニッポ~ン!! だな。
 読売新聞新年社説によると、日本には個人セクターでざくざくとカネが余っている、と。使えばいいよ、と。ここ掘れワンワン、と。
 で、周りを見回す。何処にそんなカネがありや? たぶん、高齢者が持っているんじゃないかな。じゃ、そこに儲けのマーケットはあるんでしょ。なんかすごく簡単な論理的な帰結だけど、実際そうなんじゃないか。振り込め詐欺なんかも考えようによっては明日のビジネスモデルを暗示しているのかもしれない……いや冗談にもほどがある。
 マスコミでは高齢者が貧しく困っているというし、落ち葉マークなんてとんでもないという高齢者の怒りは警視庁にも届く(若者の怒りは届きません)。それは、きっと、そうなんだろう。まあ、そういう面もあるのだろう。ただ、全体のバランスからすると、それでも高齢者層がもっていそうな余剰金はビジネス的にターゲットになるだろうし、そういう幻想のビジネスにシフトしていくだろう。そういう点からすると貧乏臭いインターネットなんてまったく未来がないな。
 高齢者層に余剰金があるということは、その層のファミリーにぶらさがっている若者もグッドな状況にあるから、話を端折ると、若者間の格差というのはどんどん広がっていく。ということは格差解消って不満を政治に持ち込むとなかなかルサンチマンで通りがよい。つまり、解消はないでしょ、政府が悪いんだ、云々、と。
 こうしたなか、いよいよこの夏までに衆院選挙となる。自民党というか公明党がどう生き延びるかだけど、これだけ背景ができあがってしまうと、というか、その部分で自公の利害が強く結束できないなら、これは潰れるでしょう。じゃ、民主党が政権を取るのだろうか。私が夢に見た小沢総理が実現するのだろうか。そのあたり、どうかな? 
 率直にいうと現実感がまるでない。たぶん衆院選はグダグダな結果になって、その敗戦処理みたいな形で、やっぱ大連立でしょうという冴えないことになるのではないかと思う、というか世論調査を見てるとそうした流れが感じられる。なので、政界再編みたいな元気のいい話もないでしょと思う。
 大連立になって日本はなんとかなるかというと、たぶん、どうにもならないと思う。しいて希望があるとすれば、この大連立は、前回の小泉郵政選挙とは違って、都市民の利益を反映しないから、きちんと地方にバラマキをしたり道路を造ってくれるのではないかな。そうした昭和な香りの財政政策が案外、ぼちぼちと日本の延命に繋がるかもしれない、というか、日暮れまでもう少し的な。
 暗いなあ。もっと明るい今年の展望はないのか?
 なんとなくだけど、そうした政治の動向を実際には日本人というか若い層は嫌って、人口の都市流入が進み、よって都市の、妥当な価格帯の賃貸や不動産のニーズは高まるのではないかな。ついでになんとなく印象なのだけど、住居を失った契約社員に住居を提供という美談がこのところニュースになっているけど、これって案外、だぶついてしかもリニューもできない公共住宅の問題を上手に隠蔽しているんじゃないか。まあ、それが悪いっていうわけじゃないけど、いずれにせよ、その部分をうまく切り離すと、妥当な低価格帯の賃貸や不動産ニーズは高まるし、貧乏人の生活は都市のほうが楽なので、都市はもうちょっと貧乏でもそれなりに幸せな文化が興隆するのではないか。とすれば、そういうあたりの、貧乏臭いけど幸せに花を添える的な産業が儲かるかな。なんだろ。鯛焼き屋かな。
 世界情勢はどうなるか? 危険な部分はパキスタンや中央アジアではないかと思うけど、これに米オバマ政権がどう対応するかが実際上のキー。パキスタン問題はアフガンやイランの問題ともいえる面があるので、なんらかのちょっかいに出てくるかもしれないし、アフリカのあまりの非人道的な状況にもなにか対応があるかもしれない。目下殺害が進むガザを含めてのイスラエル状況については、もうちょっと経つと意外なものが見えるかもしれない。
 サルコジが息巻いているしソマリア沖海賊問題ではNATOが蘇ったかのような印象もあるので、そのあたりでぼちぼちでんなの、弱いかたちの有志同盟みたいなものができて、そしてそれに中国も参加し、ほいで、日本はつまはじきになるのではないかな。一国平和こそ日本の実際の国是だし。
 中国はどうなるか。すでに沈没しているのにどうなるかもないしょ論もあるかもしれないけど、結果として共産党政権を弱体させるという道はありえないのだから、その線でぼちぼちと農村籍というか農民問題に取り組むことかな(実質土地の所有権のようなものができそう)。こういうと皮肉みたいだけど、急激な発展をしたけど都市化に移行しきれなかったから、いざとなったら労働者を農村へ追い戻しということが可能だったということだろう。
 あと日本を巻き込む国政状況で、セプテンバーイレブンみたいななんか予想外の出来事があるかだけど、それは予想外なんだからわからない。北朝鮮? いや何があると予想するやら。韓国の動向と併せて考えてもいいでしょう。
 技術の世界の見通し? ああ、昨年インプレスで答えた「アルファブロガーが予想する、2008年のインターネット業界」(参照)が微妙にハズしたな。こんな感じ(なので今年は問われなかった)。

・NHKアーカイブス
 戦後史が包括的に含まれていて、人生に余裕のできた団塊世代が再考するようになるから。

・NGN
 現状のIP高速回線にはいろいろ限界がある。NGNがCATVからIPTVへの変化のインフラになる。

・動画対応iPodによるテレビ
 業界的にはiPod touchやiPhoneに関心が集まっているが、iPodとテレビの融合のほうがより身近で多くの人に魅力がある。


 今年はどうか。この延長か? なのだけど、NHKアーカイブス的な団塊世代コンテンツというのはもうしばらくありかと。テレビコンテンツは実際のところNHKの一人勝ちなんじゃないかと思うし。
 NGNの目はなさそうだと思いつつ、案外今年あたりでインターネットはゲロ低速で使えない状況になるかもしれないなと思うので、目が出てくるかも。
 iPod TVは、ワンセグに移行するかな。昨年は私はワンセグをけっこう使った。便利ですよ、こりゃ。お風呂ワンセグとかありですよ。
 他、今年は携帯業界が再編成されるだろうから、そこでは微妙な動きがあるかな。やばそうなので私なんぞは沈黙。ネットの通販とかは、より身近な部分に下りたところが勝ちになるだろうけど、現状のネット通販という方向ではなく、コンビニやスーパーを経由した形になるのではないかと思うが、そう急ぎの進展はないだろう。
 ブログは? わかんないな。ブログの世界にはあまり関心ないといえばないかなという感じ。というのも昨年実質的にSNS志向や煽りメディアとしての性格がきつくなって、ブログってアクティブなメディアとして楽しくねーよという感じが深まった。というか、ブログって原点に戻って、手作りのちっこい個人メディアでええんでないの。少なくとも、自分はというか、このブログは。

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コメント

貧乏くさく生きているというと、世間でもう珍しいことではないけれど、貧乏なりの喜びというと、申し訳ないけれど、築地銀だこの隆盛でしょうか。

鯛焼きやもやってるたこ焼きやが、すでに世間を席巻しています。

投稿: 先生もよいお年を | 2009.01.02 12:37

近々、イスラエル軍のガザ侵攻に関するエントリーも書いてください。お願いします。

投稿: リクエスト | 2009.01.05 09:01

魔女(男)狩り元年として記録されるべきだろう。10年続けたらどうなるかは、歴史より簡単な算数の問題。
処刑を言い渡すときは、かならず 宣告者=正義 だよ。執行者ではない。一時的な遺族の感情も多数決も、断じて正義などではないよ。
3人寄れば文殊の知恵?風見鶏の群れではイジメの最低条件なだけ。

投稿: おひさ | 2009.01.21 00:30

埋蔵金がざくざくというところで、政府紙幣の話も出てきました。

最初は、まだ掘り出していない無煙炭の鉱脈だけの話をしてたのが、もう硫黄だらけの亜炭まで使わないといけないのか。

日本銀行券と政府紙幣の一方を国民がほしがらなくなったとき、政府紙幣発行策は完全に破綻しますから、政府紙幣は発行しないでほしいと思います。

のんきかもしれないけれど、あと2年もすれば、国民も近隣諸国の外国人も、中部国際空港の使い方も、つくばエクスプレスの使い方も、圏央道の使い方も、外環道の使い方も、首都高環状線の使い方も、北関東自動車道の使い方もとても上手になると思うから、それまでの辛抱です。経済回復は、なんと言っても、バラマキよりもインフラ整備です。

投稿: enneagram | 2009.02.04 08:32

年度替りして3日目になりますが、今のところ、大きな変化もなく世間は動いてくれています。

ただ、杞憂に終わればいいのだけれど、今年の8月のお盆(月遅れ盆)を境に、日本の消費や人口移動のパターンに、もしかしたら大きな変化が起きるような気がするんです。

今年の夏は、賞与、わかりやすくいえば、ボーナスがほとんどもらえない都会人がすごく増えて、地方に帰省できなくて、それで、交通機関の遠距離消費と地方の消費がその期間激減して、一方、東京や大阪の日常生活の場、たとえばショッピングセンターやファミレスでの消費が激増するようなことが起きるような気がするんです。

そういうことが起きるかもしれない期間は一過性で、いずれはまた、お盆休みは郷里へではなくてもどこかしら旅行に行くという普通のパターンが回復できると思うのだけれど、一時期にせよ、お盆の時分にものすごく大勢の人たちが東京と大阪に滞留することが起きると、それが契機になって、世の中のあり方とか、大勢の人のものの考え方がすごく変わるようなことが起きるような気がします。そして、その後は、世の中がそれをきっかけに後戻りしなくなるというか。

まあ、今年のお盆がどうなるのかまだわかりませんが、なんか変化しそうな気がします。

私は、普段の年と変わらず上野公園に8月中は最低4回は足を運ぶと思っています。今年の8月15日に靖国神社に参拝するのかなあ。私自身は、どうしても8月15日という理由は正直失せています。山種美術館が移転するから、これからは、靖国神社に参拝する頻度も減るのだろうなあ。春と秋の例大祭かその近くのいずれかの日には今後も参拝すると思いますけれど。

投稿: enneagram | 2009.04.03 10:21

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