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2008.09.04

ウォールストリートジャーナル曰く、政権交代は日本の災厄

 昨日のエントリ「フィナンシャルタイムズ曰く、変化が必要なら政権交代しろよ、日本」(参照)でフィナンシャルタイムズの福田首相辞任の社説に触れた。なかなか英国風味の微妙な味わいがあったが、ついでにあまり味わいのないウォールストリートジャーナルの社説についても触れておこうかな。言うまでもなく、ウォールストリートジャーナルなんでタカ派なわけで、結論はある程度決まっていて、標題のように、「政権交代は日本の災厄」というオチになる。つまんないといえばそうだけど、ブログなんてつまんないもんじゃね。ってことでひとつ。
 その前に。このウォールストリートジャーナルの社説については、2日付けの日経新聞”「さらばミスター福田」 首相辞任、海外各紙が社説で非難 ”(参照)でこう言及されていた。


 海外各紙は2日、相次ぎ社説で福田康夫首相の辞任を取り上げた。米ウォールストリート・ジャーナルは「さらばミスター・フクダ」と題する社説を掲載。首相が経済改革に果敢に取り組まなかったことを最大の失敗と指摘した。ただ、民主党も経済改革に慎重だと論じ、同党が次の総選挙で過半数を獲得すれば「自民党主導の内閣よりひどいことになるかもしれない」とした。

 間違っているわけではないが、仔細に見ていくと、若干微妙な陰影がないわけでもない。ということで、オリジナルは”Farewell, Mr. Fukuda”(参照)である。

Japanese Prime Minister Yasuo Fukuda resigned yesterday, leaving Japan and the ruling Liberal Democratic Party adrift as the world's second-largest economy sinks toward recession. Mr. Fukuda cited parliamentary deadlock and sagging popularity as reasons for his resignation. His real mistake, however, was to show no courage on economic reform.
(世界で第二位の経済が景気後退で沈没していくなか、日本と与党自民を迷走させて、日本の福田康夫首相が昨日辞任した。福田氏は、議会の硬直状態と人気低迷を辞任理由に挙げたが、彼の真の間違いは、経済改革に英断を示さなかったことだ。)

 ネットの寒村で流行る「要は、勇気がないんでしょ?」メソッドとも言えるが、ウォールストリートジャーナルとしては腰抜けだからあかんのだよというのが基調だ。

Yet instead of learning from Mr. Abe's mistakes, Mr. Fukuda repeated them. His government was hawkish on fiscal policy but didn't propose a single significant tax cut or regulatory reform. Meanwhile, inflation spiked, growth slowed and business confidence plummeted. On Friday, Mr. Fukuda's government announced a 11.7 trillion yen ($106 billion) "stimulus" package that consisted mostly of loan guarantees and handouts to core voting constituencies. The prime minister's ratings sank further.
(安倍氏の失敗から学ぶ代わりに、福田氏も失敗を繰り返した。彼の内閣は財政政策ではタカ派だったが、減税も調整改革の一つだに提案しなかった。その間、インフレが起こり、成長は鈍化し、景況感は急落した。金曜日に福田内閣は、11兆7000億円(1060億ドル)の刺激策を発表したが、その内実の大半は債務保証と選挙区基礎票へのバラマキだった。首相の評価はさらに低下した。)

 このあたりの発想、つまり減税と改革志向が、米国保守派の基調なんだな、っていうか、脊髄反射? (アンゴル=モア風)
 後半のバラマキについてだがこれは公明党から強いられてもので、ウォールストリートジャーナル風に責めるのは酷ってものかとは思うが、それでも「要は、勇気がないんでしょ?」メソッドに内包はされるか。
 このあとウォールストリートジャーナル社説は、福田首相の外交には一定の評価を締めているのだが、このあたりも米国タカ派的には、米国様を差し置いて東アジアでもめるんじゃねえということでもあるだろう。
 さて、福田後をウォールストリートジャーナルがどう見ているかだが、これは単純、オラに元気を分けてくれぇ!となるのは理の当然。

Given that Tokyo is about to kick off a new session of parliament, Mr. Fukuda is leaving at a sensitive time. His successor -- likely LDP Secretary General Taro Aso -- needs to place economic reform back at the center of the agenda, regardless of whether or not this wins him friends among the LDP's various factions. As Japan's last economically reform-minded leader, Junichiro Koizumi, learned, it's better to take decisive measures and sell them to a skeptical public than try to knit together consensus within the LDP. Japan's next leader could start by slashing Japan's corporate tax rates, which are among the highest in the world.
(新国会開催が迫りつつあるのに、福田氏は微妙な時期で辞任した。彼の後任者は、おそらく麻生太郎自民党幹事長だろうが、自民党派閥間の友好関係の得失に関わらず、政策綱領の中心を支えるものとして経済改革を位置づけなくてはならない。経済改革志向の日本の指導者、小泉純一郎が学んだように、自民党内の合意を取り纏めるよりも、断固たる処置を取り、懐疑的な市民に説得すべきだ。日本の次期指導者は、世界でもっとも高額な日本の法人税削減を皮切りにすべきだろう。)

 米国のタカ派って、小泉マンセーなんだなとしみじみ思うが、つまり、麻生さんに小泉たれというわけだ。いやはや、できるわけないでしょ。
 そして日経新聞記事にあったオチになる、と。

The LDP must call elections next year. That doesn't leave Mr. Fukuda's successor much time to turn around the party's fortunes. If he does not, the opposition Democratic Party of Japan -- no friend of economic reform -- may gain a parliamentary majority. That may be an even bigger disaster than an LDP-led Japan.
(自民党は来年に選挙をしなければならない。福田氏の後継者は自民党の命運を切り開くための猶予はない。もし選挙に打って出ないなら、経済改革を支持しない野党民主党が国会の多数を占めかねない。それは、自民党下の日本より、さらに大きな災厄となる可能性がある。)

 来年の選挙というのは年頭を意味するのかよくわからんが、ぐだぐだしていると野党に負けるというのだが、はて、と首を傾げるのは、民主党のほうが早期の選挙を求めているのではなかったか。いやまあたいしたツッコミにもならないが。
 というわけで、ご覧のとおりウォールストリートジャーナル社説だけど、単純に言えば、日本の政治を知らないヤッツケで書かれただけなので、あまり日本人には示唆を受けるとこがない。むしろ、米国保守が日本に求めているのはこーゆーものなんだろうなというのがわかる。
 だとすれば、米国選挙後共和党政権が維持できたら、このあたりの話を思い出すというのでいいんじゃないかといえば、そこがマケインって共和党でもクセ玉だし、経済については自身もまったく素人と公言するような人だからどうなんだろ。というか、オバマのほうが、意外とこのウォールストリートジャーナルの視点を持ち出すんじゃないかな。
 ブッシュの時代は日本の知識人はブッシュや共和党をただ叩いていればよかったけど、なかなか微妙な世界になるんじゃないのか。

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2008.09.03

フィナンシャルタイムズ曰く、変化が必要なら政権交代しろよ、日本

 タイトルをこうすべきか悩んだのは、あとで紹介するけど、若干微妙に書いてあるし、なんかタイトルで釣るというタイプのブログはあまり好きじゃないんだよね、なのだけど、まあ、概ねそういうこと。では、福田首相辞任についてのフィナンシャルタイムズのご託宣のほどは、と。
 その前にこの社説、翻訳出ているんじゃないかなと、gooニュースのフィナンシャル・タイムズ(参照)を覗くと、デビッド・ピリング東京支局長のコラム”やはり「その場しのぎ」首相だった 福田氏辞任”(参照)のほうの翻訳は掲載されていた。原文はこれね、”Stop-gap leader proves critics right”(参照)。他にも、デビッド・ピリングとミチヨ・ナカモトによる”Fukuda quits as Japanese PM”(参照)と”Fukuda gives up the unequal struggle”(参照)がある。こっちは欧米記事にありがちな趣味の悪い出だしなんでちょっとだけ紹介すると。


Hara-kiri is back in fashion in Japan. Less than a year after Shinzo Abe, the aristocratic nationalist prime minister, quit on the grounds of ill health, Yasuo Fukuda has become the second premier in year to commit political suicide.
(腹切りの流行回復が日本にある。貴族的なナショナリストの首相である安倍晋三が健康を理由に辞職して一年足らず、継いだ福田康夫首相も一年で政治的に自殺した。)

 ミチヨ・ナカモトさんは日本人かな。日本人ってこういう英文もの書くかなとはちょっとだけ疑問に思った。まあ、でも、ありがちかな。
 さて、社説”Japan changes to more of the same”(参照)も同日に出たのだが、なんとなく翻訳はなさそうな感じがするので、じゃあ、と。

The resignation on Monday of Yasuo Fukuda, prime minister of Japan, was dramatic --- but the outcomes will not be. Mr Fukuda came to power only last year, after the resignation of Shinzo Abe, and his resignation will, eventually, lead to the appointment of a new prime minister. But the government is, in truth, taking drastic steps to change as little as possible.
(月曜日の福田康夫首相辞任はドラマチックだったが、その結果はそうならないだろう。安倍晋三辞職後に福田氏が実権を持ったのは一年前にすぎないが、彼の辞職は、結局のところ、新首相選出を導くものの、政府は、実際は、大きな変化への道のりをできるだけ些細なものしている。)

 こった言い回しなんで何言っているのかよくわからないが、今後政府は大きな変化を遂げるはずなのに、見た目は大したことないでしょ、ということかな。
 ところで、私の昨日のエントリ”福田首相辞任は驚いたし、詰めもよくわからない”(参照)のケツで、私はこう書いた。

国際社会としても日本への様々な期待はあるのだろうが、政治の中枢が潰れてもさしたる国際的な話題にならない日本というのは、サバイバルのシステムとしては、それなりに強いということなんだろう。

 そんなものかなと思ったが、フィナンシャルタイムズもそんなものとして見ていた。

Japanese politics is a stable game. Mr Fukuda’s Liberal Democratic party is the dominant force in political life. Backed by a once-formidable coalition of farmers, civil servants and businesspeople , it has been out of power for only 11 months since 1955. Debates occur within the LDP rather than between parties. The government’s policy options are also curtailed by the civil service, which is a powerful --- and conservative --- interest.
(日本の政治は変化のないゲームだ。福田氏の自民党は政界の支配力である。農民と官僚と実業界の人々からなる以前の強固な同盟に支援され、1955年以降権力からはずされたのはたった11か月だけだった。論戦は政党間よりも自民党内部で起こった。政策のオプションもまた強力で保守的な勢力である官僚によって刈り込まれた。)

 日本では政党政治というのが端から機能せずして幾星霜。官僚様のおかげで政策なんて意味ないものねという時代。いや別にそれが悪いわけじゃないし、フィナンシャルタイムズも悪いなんて言ってない。

This is not necessarily bad. Japan is an admirably well run country. Politicians elsewhere would kill for Japan’s public services, infrastructure and crime rates. It is, admittedly, slow to make necessary structural changes, but the Japanese do occasionally allow stronger leaders to take charge when disaster strikes, as they did when Junichiro Koizumi built formidable public support for big economic reforms.
(それが必ずしも悪いと決まってわけじゃない。日本という国の運営は賞賛されるほどだ。そこいらの政治家なら日本の公共事業や、インフラ、犯罪率のためになんだってするだろう。つまり、認めざるを得ないが、必要な構造改革はゆっくりと進むものだとしても、日本国民はまれに、小泉純一郎が並はずれて国民の支援を受けて経済大改革をしたように、天災の時など強い指導者たちをその任に当てる。)

 お前ら、小泉好きだろ、みたいな感じだが。勝海舟とか思ってもそうかな。

Mr Koizumi’s reforms, in fact, seeded Mr Fukuda’s current problems by alienating a large segment of the LDP’s core support. The LDP, which lost the upper house of parliament last year, has given up on reform. Its weakness, indeed, means it has been unable to pass any significant legislation.
(小泉氏の改革は、しかしながら、自民党の中核的支持層の大部分を排除したため、福田氏の現在の諸問題のタネを撒くことになった。昨年参議院を失した自民党は、改革を断念してしまった。その弱さは、実際のところは、重要法案の通過不能を意味している。)

 フィナンシャルタイムズの言い分をまとめると、自民党というのは、農村、官僚、経済界の同盟で成り立っていたが、日本人の大半が日本の危機だと認識して、強いリーダーによってそれ(同盟)を駆逐したため、当の自民党は弱体化し、支援を失って政治能力も失った、ということなのだろう。
 そうかな。まあ、そうかも、とりあえず、そういうことで先を読む。
 これに続く福田辞任の理解についてはgooに邦訳されたコラムと似ていて、どっちかといえば福田に同情的だ。自民党のヘマを背負わされたからなというか。
 さて、今後はどうなるとフィナンシャルタイムズは見ているか。

The prime minister, however, was explicit that the LDP’s domestic programme will not change. It is hard to believe he is wrong. The main differences between Mr Fukuda and his likely successor, Taro Aso, are on foreign policy, where Mr Aso is more hawkish than the prime minister.
(福田首相によって、しかしながら、自民党の内政には金輪際変化ないということが明白なった。彼が間違っていたと確信を持つことはできない。福田氏と、その後継に目される麻生太郎の主要な違いは外交であり、麻生氏は福田氏よりタカ派である。)

 自民党という党の論理から見れば、福田首相の辞任の決断はしかたがないものだったし、自民党ってこんなものじゃないのということだ。麻生になっても外交でタカ派色が付くくらいで、日本国民の政治に変化はないでしょう、と。自民党なんだからね、と。いや、私が言うんじゃなくて、フィナンシャルタイムズの言い分を敷衍するに、だ。

Mr Fukuda’s decision is probably the right one; if the LDP is to have a chance at the next election, it needs a more charismatic leader. A change in leader, however, will not mean a new manifesto. It will be more of the same.
(自民党が次期選挙で好機を得るには、もう少しカリスマ性のある指導者が必要だという点で、福田氏の決断はたぶん正しいだろう。しかし、指導者を変えても、新しい政策の宣言にはならない。大半は同一のままだろう。

 そして結語はこうだ。

Change will need a rare event to take place: a change in ruling party.
(変化を起こしたいならもっと稀な事態が必要になる。政権交代という事態がね。)

 日本国民の内政に変化必要だというなら、指導者の据え替えではなく、だめだめになってしまった支配性政党そのものを、別の政党に入れ替えろということだ。
 さて、どんなものかな。具体的には、民主党にしろということだ。
 ここでもう一度フィナンシャルタイムズの論旨を追うなら、日本というのは農村、官僚、経済界の同盟で自民党という政治権力を作り、さらにその政策の実態を官僚に担わせていた。しかし、それではダメになったとき、強力なリーダーとして小泉を選びだしたが、その事によって自民党の中核が壊れたから、この政党はもうダメだというのだ。
 ちょっと話が論理的ではないなと私が思うのは、小泉が排除した勢力が農村、官僚、経済界の同盟であったなら、自民党に残ったものはそうでないものであるべきだった。しかし、実際に今の自民党に残っているのは、農村、官僚、経済界の同盟だし、ぶっちゃけて言えば民主党の政治勢力も農村、官僚、経済界の同盟と言っていいだろう。小泉に追い出されたものが、代替の政党に押しやられたならそれで政権交代しても、意味、ないんじゃね、と。
 ただ、フィナンシャルタイムズとしては、ポスト小泉の弱気がこの曖昧な状況を生んでしまったということかもしれない。
 とはいえ、そこまでの強気を維持できるわけでもなかったし、冷静に見るなら、小泉元総理は世界経済の好況(実は偽物だったけど)に支えられた幸運もあった。
 じゃあ、どうすべきかね、日本人は、ということ。
 それはまた明日考えようかな。でも、明日は明日で別のこと考えたりして。

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2008.09.02

福田首相辞任は驚いたし、詰めもよくわからない

 昨晩福田首相が辞任した。私はこの事態を予想もしていなかったので驚いたが、リアルタイムで会見を聞いていたら、それなりに彼の心情のようなものは伝わってきた。とはいえ、それからいろいろ考えてみても、どうしてこういう結論にしたのかという最後の詰めの部分はよくわからなかった。もっとがんばってもよかったのではないか。
 組閣して一か月ほどなので、辞任までたいした間もない。ということは組閣時点ではそれで福田さんもやる気だったのだろうから、辞任の決意はこの一か月内の状況認識の変化だろうし、その状況認識というのは、すでにネタになりつつあるが「私は自分自身は客観的に見られるんです、あなたとは違うんです」ということだ。つまり、客観的に見て、そして奥さんにも内緒で孤独に決めたものだろう。毎度の森さんは動いてなかった、のかな。
 そのあたりから突っ込む。産経新聞の飛ばし記事のようだが”【福田退陣】企画「政権崩壊」 公明離反で孤立感”(参照)を読むと、なるほどそうかもね感はある。


 8月20日夜、神奈川・箱根で開かれた自民党町村派の研修会が終わると、森喜朗、小泉純一郎、安倍晋三の首相経験者3人と元幹事長、中川秀直ら町村派幹部が山梨県の河口湖畔の別荘に結集した。
 「福田さんは自分で解散する考えはないな」
 小泉がこう切り出すと出席者の一人が「それはそうだ。任期満了までじっくりやればいい」と言ったが、小泉は首を横に振った。
 「そこまで持たないだろう…」
 一同が黙っていると森はこう言った。
 「総裁選になれば、麻生も小池(百合子元防衛相)もみんな出ればいいんだ」

 そして昨晩。

 福田が後見人の元首相、森に電話で辞意を伝えたのは1日午後7時半すぎ。森は沈痛な面持ちで電話を切ると、側にいた中川にこうつぶやいた。
 「とにかく様子をみよう。安倍、福田と2代続けて迷惑をかけたのだからしばらくは謹慎だな…」(敬称略)

 ほんとかどうかわからないが、本当のような印象がある。森さんの沈痛な面持ちというのは絵が浮かぶ。迷惑をかけた張本人はまさに森喜朗だろうし、福田康夫と一歳違いという同年代の、もう万策尽きたな感はあったかもしれない。
 そう見るなら、そのスジの裏は無かったかもしれないし、すでに高まる麻生人気も、意外とスカになるかも。なるんじゃないかという気もする。古賀誠もそのまますっこんでるとも思えないし。
 だとするとこれからどうなるか。同記事にあるようにお祭りが始まるのか。

 早くも与党内の関心は総裁選に移っている。焦点は候補者だが、麻生が出馬の意向を固めているほか、小池や町村、元政調会長、石原伸晃、国土交通相、谷垣禎一、消費者行政担当相の野田聖子の名前も浮上しており、乱立する可能性も出てきた。

 中川さんの名前がないのが香ばしいが小池で含みなのだろう。マジでこの乱立祭りが起きたら、そもそも一か月前の党内結束組閣ってなんだったのだろうという感じがする。
 話を戻して、なぜこの一か月に福田さんが突如消沈したかといえば、公明党の要因だろう。今朝の産経新聞”福田首相辞意 空白抑え強力な政権を 党利党略超えた政治に戻せ”(参照)がうまく書いている。

 首相は公明党との間で厳しい意見調整を強いられた。首相が議長を務めた主要国首脳会議(洞爺湖サミット)の後、内閣改造や臨時国会の召集時期などだ。
 ≪無責任な政権投げ出し≫
 その理由は、インド洋での海上自衛隊による給油支援を延長する新テロ対策特別措置法改正案の取り扱いについて、公明党が衆院再議決を前提として臨時国会で成立させることに強く反対したことにあった。
 さらに、公明党が首相の意向を受け入れない底流には、年末・年始に衆院解散・総選挙を行いたいという党の都合を優先したことがあったといえる。「現体制で総選挙を戦えるのか」と首相を突き放すような言動も散見された。
 8月末にまとめた総合経済対策に、選挙対策の狙いが露骨で、財政規律の緩みを象徴するような定額減税の年度内実施が盛り込まれた。これも公明党の強硬な主張に屈したものといえる。

 公明党の大活躍で、福田内閣としての仕事もできないし、そもそも自民党としてのあり方も薄れてきた。冒頭、福田さんの心情は伝わったとしたが、それは「なんのためにオレは首相やってんの?」ということだし、会見で溢れた、梶芽衣子ばりの恨み節が公明党というより小沢に向かってしまうのも、しかたがなかったのだろう。
 恨み節を少し解くには、公明党が国政をどう考えて自民党と対話していたかを理解する必要があるが、そこが私にはさっぱり見えない。公明党には公明党なりの戦後の平和日本国家の理念のようなものはあるだろうが、今回の一連では、どちらかというと党利というか党内部の問題を外にずるっと剥き出しにしてしまっただけのように見える。福田さんとしても、公明党には通じないなという感じだったのではないか。
 そのあたりを福田さんなりに客観的に見て、そして国の行く末も考えてみたら、臨時国会途中で解散に追い込まれるのが必至になったという認識なのだろう。あれま、チェックメートだった、と。だから本人としては、安倍元総理のように「ぶっち切れ」ということでもないと言いたかったのだろうが、さてそれは本当に客観的に必至だったのか。
 自民党の誰がやってもこんなものでしょという状況なのだから、福田さんも最後まで泥を被ってのたうち回るほうがよかったように私は思うが、おとっつあんと同じ北風小僧の上州人だしな。
 「福田総理が」という個別の文脈から離れて、この全体構造として薄目で見ると、前回の安倍元総理の辞任も同じで、要するに「インド洋での海上自衛隊による給油支援を延長する新テロ対策特別措置法改正案」でつぶれたということだ。それをもって米国様のご意向と見るのは慌てすぎだが、いずれにせよこの難関は誰かがまたとりあえず年末までに始末を付けることになるのだろう。
 誰がまた泥かぶりをするのか。しかし、もう泥を被って済むことでもない。公明党が切れてしまえば衆院三分の二という伝家の宝刀は使えない。じゃあ、すっぱりと国政をめちゃくちゃにしやれという流れになりそうな感じがする。いやその前に、あるいはもっと露骨な国際社会からのメッセージがあったらやだけど。
 この件、もう弥縫策は通じないのだろうから、やるだけやって国民が少し政治の主体感を持つまで待つかな、となんだか、森喜朗さんのような心境になってきた。
 当面、国際社会から日本の政局はそれほど関係なさげに進んでいくだろう。まだ明日が見えない状態だからそういう進めかたもある。国際社会としても日本への様々な期待はあるのだろうが、政治の中枢が潰れてもさしたる国際的な話題にならない日本というのは、サバイバルのシステムとしては、それなりに強いということなんだろう。これで円安になって日本経済がひと息つくのだったら苦笑ということろか。

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2008.09.01

罪深いという感じについて

 米国大統領選挙の副大統領候補が民主・共和ともに決まった。それはそれなりに思うことはあるのだが、なんとなく私は「ジョン・エドワーズ元上院議員(54)」のことが気になっているというか、このところ、罪深いという感じについてぼんやり思うことがあるので、そんな雑談。
 エドワーズ元上院議員は今年の1月までは大統領選挙での民主党候補指名争いで三番手に残っていた。前回の大統領選挙のケリー候補のときでも副大統領指名になっていたから、今回も副大統領に指名されるのではないかという話もあった、が、がっちょーんと崩れたのは8月8日に不倫を認めたことだった。日本でどのくらい話題になっていたか知らないが米国では話題っていうかすごい話題だった。日本で報道が無かったわけではないので、クリップ。AFP”エドワーズ元上院議員、不倫認める”(参照)より。


米大統領選に2度の出馬経験があるジョン・エドワーズ(John Edward)元上院議員(54)は8日、不治のがんを患っているエリザベス(Elizabeth)夫人以外の女性と不倫関係にあったことを認めた。一方、女性が出産した女児の父親であることは否定した。

 それまで不倫は否定していたのだが、ばっくれ切れなくなった仔細については私は知らない。昨年10月にはゴシップは出ていた。本人弁では。

 エドワーズ氏はこれまで繰り返し不倫を否定してきたが、同日発表した声明では、選挙戦中に次第に「自己中心的でナルシシスト」になってしまったと認め、何度も謝罪した。

 そういうものかねというしみじみとした味わいがある。私なんかも「自己中心的でナルシシスト」かなと思うけど、なんかそういう立派なばっくれやったことないし、そもそも不倫みたいな恋愛のど派手なことやったことないな、というあたりで、面のいいやつは、う、うらやましいぞ感がないわけでもないが、話を先に進める。
 不倫なのでお相手がある。

 不倫相手は映画監督のRielle Hunter(42)氏と報じられている。不倫関係にあったのは、2度目の民主党候補指名争いに立候補する前の、2006年の短い期間だったと明らかにした。

 2年前ということで、リエル・ハンター女史40歳大台の時か30代のどん詰まりの時。エドワーズは52歳か51歳。うーん、今の俺の年じゃないか、う、うらやましいぞ感がないわけでもないが、またも話を先に進める。
 しかし50歳のオッサンが40歳のオバサンと仕事の付き合いでちょっこと不倫しててもそれほど面白い話でもないのだが、エドワーズは愛妻家だった。どうでもいいけど、愛妻家をぐぐるとろくでもない結果しか出てこないのは何故。

 エドワーズ氏の妻、エリザベス夫人は、不治のがんと懸命に闘う姿から人気が高い。4人の子どもをもうけたが、1人は交通事故で死亡している。

 このあたりの話はウィキペディアを覗いたら、書かれていた(参照)。お好きな人がいるんだろうか。

学生時代に出会ったエリザベス・アナニアと1977年に結婚。ウェイドとケイトという二人の子供をもうけるが、息子のウェイドが16歳のときに交通事故で死去。夫婦は再び子供を持つことを決め、エリザベスが49歳のときにエマ・クレアを、51歳の時にジョンをもうけた。

 結婚は24歳くらいか。「エリザベスが49歳」とあるので、ベス母さんの生年が気になるが調べてみると1949年生まれ。ということは4歳上のカミさん女房ということになる。ざっくり加算してみると、「49歳のときにエマ・クレア」が1998年、「51歳の時にジョン」を2000年ということになる。乳癌であることを公表したのが2004年。その時歴史が動いた、夫エドワーズが不倫するまであと2年、というところだろうか。ベス母さんの履歴を見ていると、子供の頃日本にいたらしい。日本での交友も広いのではないだろうか。
 エドワーズの不倫だが、隠し子疑惑もある。ロイター”米大統領選撤退のエドワーズ元上院議員、不倫関係を認める”(参照)では。

ただ、エドワーズ上院議員は、8日遅くに放映予定のABCの番組「ナイトライン」で、ハンターさんのことは愛していなかったと語っているという。また、ハンターさんの子どもについては、検査をしたわけではないが、自分が父親ではないとしている。

 ということだが先のAFPでは。

 エドワーズ陣営の元顧問が女児の父親だと認めている。

 とのことで、それなりに男の甲斐性ってものなのかもしれない。
 最初に罪なきものが石を投げろというなら、この手の話題に関係ない俺なんか最初に石投げてやりそうな感じがしないでもないが、「罪」というのをもっと広義に捉えていくと、多少微妙かなという感じはする。それと、年食って思ったけど、もてない男というのはそれなりに幸せな人生の部分というのはあるにはある。
 それにしても、ジョン・エドワーズ……なんなのだろう、というのと、こういう事件ってなんのだろうと思う。という違和感は、今回の告白には奥さんが一緒ではなかったが、それでもエドワーズはまた奥さんと並んで公的な場所に立つわけだ。というか、妻は許してくれた的に。
 というところで、それを言うならクリントン元大統領だ。彼の不倫ももう昔のことになってしまったのかもしれないが、スキャンダルが湧いたころ、私は、まさかぁ、それはないでしょと思ったし、お相手のお写真を見たとき、絶対にそれはないと確信すらしたのだが、尊敬するコラムニスト、サミュエルソンが、クリントンは嘘をついていると断言して、え?と思った。以降、気になってこの事件は追った。クリントンのばっくれ映像なども見た。ああ人間の醜態ってこういうものかな、というか、男の真実ってこんなものか、俺なんかこういう状況に墜ちたら早々に土下座しちゃうじゃないかと思ったが、クリントンはばっくれ。そして私はあれですよ、スター報告書も英文で読んじゃった。読まなければよかったと今では後悔している。
 その後クリントンは罪を悔いて、カミさんと娘と公的な場に出てくるし、今回の大統領選挙では微妙に大活躍もしてくれているというか、まだ活躍しているっぽい。なんなんだろ、このエロ爺と思うのだが、最近の尊影を見ると、クリントンさん、本当に爺面になってきた。しかも、昔はエロ男だったのじゃて風の風格もある。山城新伍はどうしているだろう。いや、男の末路ってこんなものなんだろうか。林秀彦先生もどうされているのかと思ったら、その後すごい本を出されていたし、なんだかなあ。
 もう一人、これも罪深いっていう感じかなと思ったのは、エリオット・スピッツァー、ニューヨーク州元知事。今年3月12日読売新聞記事”州知事が買春認める 司法長官時代は売春組織摘発で評価”より。

米紙ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は10日、ニューヨーク州のエリオット・スピッツァー知事(48)による買春疑惑が表面化したと伝えた。疑惑は、連邦捜査当局による高級売春組織摘発の中で浮かび上がったもので、同紙によると、同知事は先月中旬、訪問先のワシントンのホテルにニューヨークから高級売春婦を呼んだ。売春組織への電話が当局に盗聴され、同知事と特定された、という。
 同知事は、シルダ夫人とともに記者会見し、「家族を裏切った。家族と州民に謝罪する」と事実上、疑惑を認めたが、進退については言及しなかった。

 記事にもあるように、この時、カミさんと並んでいた。売春男がカミさんと並んでいる絵というのに、ああ、またかと思うと同時に、ある種の感動もした。どのあたりが感動のツボなのかわからないが、
 ちなみにこの三人は民主党のお偉いさんだが、別に民主党だからそういうスキャンダルがあるというものでもないだろう。
 日本だと、TBSの井上弘社長(68)やみずほコーポレート銀行の斎藤宏頭取(64)の不倫疑惑だと、罪深いという印象はあまりない。爺さんよくやるなあくらいの感じだろうか。カミさんのほうも、特に出てくることもないが、こちらは政治の世界ではないからなのだろう。
 話にさしたるオチもないのだが、米人のこの、罪深いっていう印象はなんなのだろうかと、変な感じがする。罪深いという状況に萌え萌えっていうのがあるんじゃないかすら思うが、よくわからん。

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