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2008.11.11

外国の軍人に関するごくつまらない話題だが

 ブログをやっていて世間で話題になっていることは、時代のログ(記録)としてできるだけ触れておこうと思うけど、それでも世間の空気があまりにも自分の理解を絶していることもある。ので、そんなときはちょっと避けていようなかなと思うようになった。というわけで現下そんなときかもしれないので、暢気に外国のつまらない話題でも取り上げるのがいいだろう。できるだけ日本に関係ない話がいいだろうな。といえば、そうだな、日本には存在しない軍についての米国の話題なんかがいいかもしれない。
 スターズ・アンド・ストライプスというと、星と縞模様ということで米国旗のことだが、その名前がついた軍の新聞がある。米軍となにかと付き合いがうまれる沖縄でもよく目にしたものだが、東京でも、以前「極東ブログ: Google Earthで六本木ヘリポートも見えた」(参照)で触れた米軍基地内にあり、知人が勤めていた。
 私の理解ではこの新聞は米軍に所属していて、米軍の機関紙みたいなもの、だから、いわゆる言論の自由みたいなものはなくて、軍とか政府見解とは異なる意見とか報道とかしちゃだめなんだろうなと思っていた。それ以前に、軍とか軍人には言論の自由なんてないかもしれないとも。
 ところが、ニューヨークタイムズ”Keep Your Euphoria to Yourself, Soldier ”(参照)にはこう書いてあって、へぇと思った。


The boneheaded muzzling of the newspaper, which is protected by First Amendment guarantees against editorial interference, barred reporters assigned to do simple color stories from the public areas of military bases in order to “avoid engaging in activities that could associate the Department with any partisan election.”
(新聞というのは、米国憲法修正第一条によって編集干渉の禁止が保証されているのに、「軍が政党色のある選挙関連する活動に従事することを避けるべし」という理由からこの新聞へ間抜けな弾圧がなされ、基地内の公共区域を写真付き紙面に取材することが妨げられた。)

 米国だと、軍の機関紙みたいな新聞でも言論の自由というのは憲法で守られているのか、というか、米国って憲法による言論の自由をニューヨークタイムズのような新聞が危惧するわけか。
 ところでこの間抜けな弾圧を行ったのは国防総省で、対象はれいの大統領選挙だった。弾圧は成功したか?

The good news is that Stars and Stripes found commanders in the Middle East and Europe that ignored the foolish directive, as if it were a premise for a “M*A*S*H” episode.
(あたかも「M*A*S*H」向けのネタのように、中東や欧州の指揮官がこんな指令はくだらないと無視したのをスターズ・アンド・ストライプス紙が伝えたのはよい知らせである。)
When other commanders clamped down in Japan and South Korea, the paper properly took the ban as illegal under longstanding Congressional and military policies. Its reporters did their jobs until forced to stop.
(日本や韓国にいる他の指揮官が取り締まりをしたとき、同紙はきちんとその禁止は長く維持された憲法と軍の方針から違法であるとみなした。そして記者達は強制的に停止されるまで仕事をした。)

 つまり、まともな軍指揮官も、憲法に違反した禁止命令は無視したし、ましてスターズ・アンド・ストライプス紙はそれが明確に憲法違反だとわかって無視しつづけた。憲法による思想信条の保護の意識が国民や軍に行き渡っている国はちょっと羨ましい。
 ところでそもそも、軍人に、思想信条を表明する自由があるのだろうか? もちろん、米国の話だが。
 ニューヨークタイムズ社説はこの先でこう断言している。

By law, troops are allowed to express their political opinions in a nonofficial capacity.
(法律によって、軍隊は、公務外の許容性として、自分たちの政治的な意見を表現することは許可されている。)

 つまり、米国の場合は、軍務でなければ、軍人はどのようにでも自分の思想信条を吐露してもまったく問題ないし、それは憲法で守られているというのだ。
 「そりゃ、飲み屋でくだを巻くくらいなものならいいけど、ブログとか新聞とか公共の目に触れるところに、軍人が自分の思想信条を公表してよいものだろうか」みたいな疑問もついわいてくる。どうかな。
 これもニューヨークタイムズ社説はこの先でこう断言している。

These days, they do so nonstop by name in blogs and newspaper letters.
(今日では、ブログや新聞投稿において記名でひっきりなしに思想信条を発表している。)

 軍人が軍務外で、新聞など公衆の目にとまるところで思想信条を表明してもまったく問題ないわけか、米国だと。
 国防総省が軍人の個人個人の思想信条表明に干渉することについて、ニューヨークタイムズ社説はこの先でこう断言している。

Inane is more apt than apolitical.
(非政治的であるというより、ノータリンというべきだ。)

 軍人と限らず、民主主義国に所属する人間に、公務員だから政治的であるなとするのは、ノータリンになれということか。なかなか他国の仕組みはわからないし、軍というものがどういうものかは、日本人にはわかりづらいものだなと思う。ニューヨークタイムズ社説を読んでいると、米国では、軍機関紙のように見える新聞ですら、思想信条の自由は保障されているし、軍人にも個人の思想信条を公的に表明する権利は憲法で保護されているということが、なんとなくわかってくる。

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「雑記」カテゴリの記事

コメント

思想信条の自由というのは大切ですが、司法、立法、行政の重要な職責にある人は、公的には、政府見解に従うべきなのではないでしょうか。

政府見解が不満なら、その公職を辞して、政府見解と対立すべきなのではないでしょうか。

私はそれが筋だと思います。

田母神空幕長閣下の場合は、もし、政府見解に不満があるならば、村山談話が出されたそのときに航空自衛隊を辞職し、その上で、私立大学教官なりフリーエージェントのライターなりに転身して、自論を公にされるべきであったと思われます。

私の意見を否定論難される方々は多いとは思われますが、これが現時点での私の意見です。もちろん、私は自論が絶対に正しいなどという思い上がった考えは持っておりません。

なお、私自身は、田母神空幕長閣下のご意見の結論を否定する者ではありません。

投稿: 職責の問題 | 2008.11.11 16:24

「米国では、...軍人にも個人の思想信条を公的に表明する権利は憲法で保護されている」

そうでしょうとも。ですがあまりに偏向した人物は米軍で大して出世しないに違いありません。
田母神前空幕長のような人物が米空軍参謀長になる可能性はとても考えられない。

投稿: | 2008.11.11 17:32

どこの国でも、言論や表現の自由を巡っては似たような事件が起きるものだとの感慨を深くします。
自分とは異なる政治的言動の扱いを正当に評価することは本当に難しい。
もし、スター&ストライプスの報道姿勢が、DOD上層部が望む政治勢力を支持するものだったとしたら、あるいは、NY Timesが支持しない政治的活動だったとしたら、どのように報道されたのか興味があります。

翻って、田母神前空幕長が、先の大戦における天皇の戦争責任を追及したり、靖国神社への戦犯合祀を批判したりする趣旨の文章を発表していたとしたら、マスゴミはどのような反応をしたのか知りたいものです。

それにしても、事あるごとに政府見解を批判する人たちが、今回は「政府見解」を錦の御旗のごとく掲げる様子は、大変驚くべき光景であると言わざるを得ません。
そもそも、思想や表現の自由と政府見解を結びつけて論じるなど、正気の沙汰とも思えません。

投稿: ニコ厨 | 2008.11.11 18:10

田母神さんって、公務の一環で論文書いたわけでもないのでしょ?
なんでこうもみんなして大事だと騒ぐのか、気持ち悪いです。
軍事の実務と関係ないところで、退職金は返還しろの、政府見解と対立する思想を持つなら辞めるべきだった筈とか、どうしてこうもみんなヒートアップする必要があるのでしょうか。

分からない私は、日本人として欠陥品なんだろうなぁ、と思って眺めています。

投稿: KU | 2008.11.11 19:28

ただ、今日の参考人招致での答弁を読むと、統合幕僚学校長として、そっち系の学者を呼んで幹部教育にも干渉してたみたいで。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081111/plc0811111444034-n1.htm

要するに立場を利用してオルグしてたわけね。
ちょっとこれは、さすがに「思想信条の自由」とかいう次元を逸脱しているのでは。

それと、軍人と思想の問題を問うなら、米国よりもドイツのケースの方を比較の対象とすべきでは。
だって、米国は軍人が観念で暴走して国を潰すまでいってないでしょ。

投稿: 義忠 | 2008.11.11 22:38

『政府見解が不満なら、その公職を辞すべき』というならば、日の丸君が代反対の教員・公務員も、まず職を辞しましょう。なぜか、その時は信条の自由を持ち出すダブルスタンダード。

投稿: 公職者の思想の自由 | 2008.11.11 23:28

なぜ、"なんとなく"分かるに留めるのですか?

投稿: K | 2008.11.11 23:36

>ちょっとこれは、さすがに「思想信条の自由」とかいう次元を逸脱しているのでは。

だったら、国会議員にも思想統一が必要になりますなあ。

投稿: ガノタ | 2008.11.11 23:57

彼我の差は「個人」と「契約」の認識の違いによるところが大きいのかもしれませんね。
個人がいかなる思想信条を内的に持っていても自由だし、発言も自由。
ただ軍隊に属している以上は、組織の上位決定には従うべきだし、軍規に従わざる者は罰せられる。
前提の一致ではなく、結果の一致が重要視されているんだろうなぁ、と受け取りました。
でなければ、軍隊が傭兵の存在を受け入れることはできないのではないかと思ったり。

ただ組織の方針と著しく食い違った思想を持っていたり、組織に不利益をもたらすのなら、洋の東西を問わず、人事などで処分されるのも、また当然なのではないかと思います。
田母神氏の定年退職扱いが妥当かは置いておいて。

組織内の思想や見解が統一されているべきかの賛否は難しいですね。
ただ軍隊的な組織は有事にこそ運用されるわけですから、命令系統が機能不全に陥ることはあり得る。
そのときに、独善的な史観などを持つ人間が暴走する可能性は否めない。
前提の一致を求める(教育する)か、結果の一致を求める(軍規で縛る)か、そういった検討は大事だと感じました。

投稿: 居山東湖 | 2008.11.12 01:51

たとえば、学校教育の場で、その立場を利用してオルグしてるような人たちは、その職を追われていませんし。

わりと日本も思想信条の自由が場所によってはある感じですね。

投稿: | 2008.11.12 02:12

観念はよく分かんねん。

投稿: きこり | 2008.11.12 02:34

>田母神前空幕長のような人物が米空軍参謀長になる可能性はとても考えられない。

実はそうでもない。

田母神論文問題で比較参考になる例として、湾岸戦争直前に解任された米空軍参謀総長マイケル・デューガン大将のケースがあります。『政府見解と全く異なる見解を将官が勝手にベラベラ喋って更迭される』という点で、田母神前空幕長の更迭と同じものです。

投稿: 72 | 2008.11.12 02:59

>それと、軍人と思想の問題を問うなら、米国よりもドイツのケースの方を比較の対象とすべきでは。

2003年にドイツ陸軍軍特殊部隊KSK(Kommando Spezialkräfte)の司令官ラインハルト・ギュンツェル准将が、反ユダヤ主義的発言を行ったCDU(キリスト教民主同盟)のマルティン・ホーマン議員に共鳴、激励の手紙を送った事で解任されたケースが存在します。

投稿: 72 | 2008.11.12 03:00

米国で軍や軍人にも言論の自由が保障されているのは、一方で人民武装の自由が保障されていることから来ているもので、よーするには軍人が至らんことを言おうがイザというときには人民が一人一兵となってそれに対抗できるという彼の国の建国の本義に拠るところが大きいと思われます。単なるNYT好みなヌルいリベラリストはごく少数で、むしろ在野に軍人以上のタカ派がゴマンといることによって、公私官民の暴力の均衡が図られていることを忘れるべきではないだろうと思はれます。

投稿: t_f | 2008.11.12 07:23

 田母神発言を根本から否定しに掛かるからややこしくなるんであって、それ国民の見解と違うっぽいから拙いんでね? くらいに止めておけば良かったんかもね。批判の方向性として。

 つーか、そもそもアパグループが大賞に選んでカネ出したことが問題の発端なんだから(それきっかけで調べて以後可笑しな事態に進むのは別問題)、なんでアパグループはアレコレ言われないの? とも思うんだけどね。

 むしろ頭悪いのはアパだろう、みたいな。

 発言も批判も、それ自体悪いとは言わないけど、変に清一化してるのが意味分からんですね。

投稿: 野ぐそ | 2008.11.12 08:24

思想信条の自由というのは大切ですが、司法、立法、行政の重要な職責にある人は、公的には、政府見解に従うべきなのではないでしょうか。

政府見解が不満なら、その公職を辞して、政府見解と対立すべきなのではないでしょうか。

私はそれが筋だと思います。

  まずこの「公職に就いたら政府見解に従う」
っていう支那じみた縛りから解き放たれなければ人とは言えない。

投稿: たまたま見てみたら | 2008.11.12 13:32

不殺士大夫及上書言事之人
言論をもって士大夫を殺さず

投稿: 趙匡胤 | 2008.11.12 15:09

こういう言い方をすると問題があるのはわかりますが、三下奴みたいな公務員たちが勝手なことを言っていたって、それほど大問題とは思いません。

自衛隊のトップである人が政府見解に従わない「半公的活動」とでも言いうることに大きな力を割いていたから、捨て置けないと考えるのです。

投稿: 重要な職責! | 2008.11.12 15:56

文民統制を(故意に?)勘違いしているマスコミが気持ち悪いですね。

作戦行動中に、自分の信条にしたがって命令を無視したら、まずいでしょうが。
(上で散々出ているように、教師ではそういう人が大勢居ますがここまで問題になってないですね)

ちなみに論文の内容自体は、個人的には石破さんと同じ感想で、かなりお粗末なものだとは思いますが。

投稿: hamp | 2008.11.12 16:34

日本国憲法の解釈において、最高裁判所は、公務員の政治的表現の自由について、非常に軽く扱っていますよね。いわゆる猿払事件や寺西判事補事件において明らかです。

それの当否については議論があると思いますが、権力分立の観点からは、「公務員」は最高裁判所の判断を尊重しなければならないはずです。

今回問題になっている一連の田母神問題について、彼の行いは憲法上保護されないものとして政治家等に議論されるのは、個人的には違和感を感じないですね。

投稿: Ag | 2008.11.12 20:27

日本人は公と私を分けて考えるのが大の苦手なんですよね。

日教組の先生方も卒業式や入学式という公の場で自分の思想信条を優先して不起立したりしてますし。

今回の田母神論文も別に航空幕僚長の立場から職務(公)として書かれたものではなく、田母神俊雄(私)として書かれた物に過ぎないないのに公職追放とは日本政府も笑わせてくれますね。

これは、公としての人間と私としての人間を分けて考えることの出来ない日本人特有の病気みたいな物で、本来ならばアフターファイブの時間に書かれた物に関しては言論の自由を守るべきなのに、それすら考えに及ばない。これはもう直しようがないのかもしれないね。

日教組の問題に関しても、勤務時間に決められた職責を全うするならば、休みの日にどんな活動をしても、それが憲法に違反しない限りは言論の自由や表現の自由で守られているから何ら問題ない訳だけど、こう考えられる日本人て今どれだけ居るんでしょうかね?

投稿: bom | 2008.11.12 23:08

興味深く拝読しましたが、ややミスリーディングなきらいがあると思いました。

>米国だと、軍の機関紙みたいな新聞でも言論の自由というのは憲法で守られているのか、というか、米国って憲法による言論の自由をニューヨークタイムズのような新聞が危惧するわけか。

NYTはリベラル紙なんで言論の自由を持ち出すのはお約束ですね。それで

the newspaper, which is protected by First Amendment guarantees against editorial interference
(新聞というのは、米国憲法修正第一条によって編集干渉の禁止が保証されている)

ですけど、NewspaperにはTheがついているのでこれはStripesという特定の新聞を指しています。つまり、どんな「軍の機関紙みたいな新聞」にも合衆国憲法で規定されている言論の自由があるわけではありません。Stripesの編集には合衆国憲法修正第一条が適用される点において軍の他の出版物と比べて際立っている、ということがStripesのウェブサイトに書いてあります。
http://www.stripes.com/webpages.asp?id=97
同ページにはこの伝統はマーシャルとアイゼンハワー両将軍によって培われた、とも書いてありますね。

By law, troops are allowed to express their political opinions in a nonofficial capacity. These days, they do so nonstop by name in blogs and newspaper letters.

"in a nonofficial capacity"は「職務に差しさわりがない限り」とでも訳すべきでしょう。日本でも職務に関しないことは自衛官もブログ等に自由に書くのは許されているのでは。

田母神将軍が更迭されたのは、問題のエッセイが航空幕僚長という職務に差しさわりがあると防衛大臣らが判断したからだと理解しています。

ペンタゴンが言う

“avoid engaging in activities that could associate the Department with any partisan election.”

no obligation to “assist with a story that chips away at the fundamental apolitical nature of the military.”

という非政治性は軍隊の大事な原則です。仮に、米軍が米軍としてマケイン支持やオバマ支持を打ち出したらと考えて見てください。あるいは、自衛隊が自民党や民主党の手先になるとか。軍隊という実力組織が特定の政治勢力に加担するのは絶対にダメです。Stripesがオバマ勝利に沸く米軍人たちの姿を報道するのがこの原則に抵触しているかどうかは微妙なところですが。軍隊と政治性に関しては石破茂前防衛大臣のブログが参考になります。
http://ishiba-shigeru.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-a879.html

コメント欄の重要な職責! さんに100%同意するのですが、田母神将軍の例を日の丸・君が代に反対する日教組教員になぞらえるのはどう考えてもおかしい。田母神将軍は空軍トップであって、現場の教員は言ってみれば兵卒です。影響力・立場が全然違います。日の丸・君が代問題になぞらえるのなら県教育長が公然と政府の方針に反対した、とするべきであって、その場合はクビになっても仕方ないでしょう。

投稿: バグってハニー | 2008.11.13 00:54

裁判官だって、私見を持ってもよいとは思われますが、政府見解を覆す判決を出すべき訴訟に遭遇したとき以外は、原則、政府見解に従うのが妥当だと考えます。

国会議員が、政府見解を覆す考えを持つ政党を結成して、選挙を戦い、自ら与党となって政府見解を変更させようと行動することは正当な政治活動ですが、個々の常任委員会での個別の法案審議では、その時点の政府見解に従うべきだと考えます。ましてや、与党の代議士であれば、それが当然であると思われます。

地方自治体の首長の場合は難しいのですが、これは、その地方の選挙区の人々が支持しているわけだから、どうにもならない。でも、あまりに見識の低い首長のことは、選挙区の人々が責任を持って落選させるべきだと思われます。

そういうわけですから、重大な責任のある立場の行政官であれば、政府見解に従うのは当然だと思われます。

投稿: 重要な公職にある者は、 | 2008.11.13 08:09

業田良家著 「独裁君」その16 「政府と軍部」のフキダシから

シャルル「人工衛星をミサイルで撃ち落としたって本当ですか。」
天安悶主席「あれは軍部が勝手にやったことっぺ。でもまあいい宣伝になった。」
シャルル「宣伝?」
天安悶主席「政府の言うことを聞かない軍部を持つ国・・・これほど恐ろしい国はないっぺ。」
シャルル「だから世界が貴国に一目置くんですね。」

極端な図式化ですが、極端に図式化するとこういうことなのだろうと思われます。

投稿: ある引用 | 2008.11.13 08:17

はじめまして。
今回の件に関して多少気になったことなどを書き込ませてください。

コメントなどや報道を見ている限り、田母神氏の解任は当然であるという論調のものが多いように思います。
しかし、論文そのものはともかくとして以下の点に私は注意するべきだと思います。

今回発言したような分野について自衛官が政府見解に従うべき、とする内規はないのでしょう。
これは、結局、定年退職として退官させたことがその証左でしょう。また、退職金を自主的に返還するよう政府が求めたことが報道されています。

とすれば、(少なくとも形式的には)田母神氏は、諸法令(内規含む)に違反はしていないが、更迭・退官させられ退職金を自主返納するよう求められている、ということになります。

この場合、政府の法律的手続に筋の通った所はないと思います。

私は田母神氏の見解に全く賛同はしませんが、法律とそれに基づく手続を無視するが如き態度・論調の方が、よほど注意を要すると思います。

今回の一件で改めて露呈したのは、「空気」で皆動いているということだと思いますが…。

投稿: 蛇足ですが | 2008.11.13 12:23

Inane is more apt than apolitical.
(非政治的であるというより、ノータリンというべきだ。)

政治的無関心であるよりはおバカ発言している方がまだましだ。


"in a nonofficial capacity"は「職務に差しさわりがない限り」

非公式な立場で

もっとシンプルに、日本語として適切な訳にすべきだ。

投稿: 佐藤秀 | 2008.11.13 21:42

今回の騒動の問題点は、下記の伊東 乾氏の文章でよくまとめられているかと思います。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20081113/177102/

>>自衛官が政府見解に従うべき、とする内規はない
だとしたら、「ない」ですまされてきたことこそ大問題だと思いますが。

地方公務員レベルなら解釈の分かれるところですけど、国家公務員、なかんずく、政治や軍事、外交に携わる人間で、職務に関わる内容で言論の自由などないし、あるべきでもありません。
だいたい、それを言いだしたら「守秘義務」ひとつとっても「言論弾圧」になるじゃないですか。
軍の統率なんて、成立しませんよ。

投稿: 義忠 | 2008.11.14 14:53

見たことはないので、大筋で大火事と何が違うのかは実は分かりかねる。
輪ッカの付いた機械は年間かなりな数を計上しているが、つまらない話題なのか?
ヨソノウチの火事を消しに駆けつけて、テメエの生命を落とす可能性を意識しているヒトは基本的には敬意をもって迎えられるべき。
しかし火を点けてまわったり、酒飲んで暴れるような奴はもちろん。

投稿: おひさ | 2008.11.16 00:51

神話って言うのは、仏典でも、日本神話でも、ギリシャ神話でも、エジプトの神話でも、高次の現実を表現するために、象徴を巧みに駆使して話を展開するものです。

後の時代には、論理学とか、弁証法とか、抽象的な語彙とか道具がたくさん出てきたから、かなり直接的な物言いもずいぶんできるようになったのだけれど、そういう概念的な道具が乏しかったときには、昔の賢い人たちは、イメージシンボルを操作して、哲学的思考の結果の表現に努めていたというわけらしいです。

おひささんの表現も婉曲的で、理解するのが難しいのだけれど、イメージシンボルを使って神話的思考の記述をされていると思ってもよいのだろうと思っています。ただ、そういうやり方は、多義的な解釈を許すので、当人の意図していない意味にとられることも多いだろうと思います。

でも、そういう記述の仕方をしているのだから、それも仕方ないと思います。案外、科学者よりもシャーマンのほうが未来の現実を正しく言い当てられるのかもしれません。ただ、科学者よりもシャーマンのほうが説得力に乏しい表現しかできないのが通常ですけれど。

投稿: 神話的思考? | 2008.11.20 11:12

「悪法も法のうち」といったのはゲーテだったと思いますが、ソクラテスの刑死を考えればよくわかると思います。

客観的、神的な視点からは、ソクラテスに正義があっても、無派閥の哲学者で、ポリスの市民であることを望むソクラテスは、ポリスの裁判の判決に従って刑死します。

南北戦争の南軍のジェファーソン・デービスの場合は異質で、かれは、独立宣言した国家の首脳で、軍の最高司令官だったから、女装をして逃走してでも生きながらえて彼と支持者の初志を貫徹して独立を勝ち取ろうとしたわけです。ソクラテスも、デービスの立場だったら、なんとしても生きて彼の政治目的を達成しようと行動したと思います。

わたしも、村山談話は、できるものなら破棄撤回するに越したことはないと思うし、そう思っている国会議員も地方議員も多いと思いますが、現在の国際情勢で行政の最高責任者になったら、だれがなっても簡単にはできないのだろうと思います。

日本に集団的自衛権の行使の明確化を求めるUSAも村山談話の撤回破棄など求めないし、小泉首相がアジア・アフリカ会議で謝罪演説をしたら、アフリカや東欧の政治家や外交官たちから感激して絶賛されたとか聞いたことがあるし、中国の首脳には、機会があるたび村山談話の話を持ち出されるしで、これももう自分たち(日本一国)だけの問題でもなくなっているのかもしれません。

話が爺くさいのだけれど、子供っぽい正義感より分別が大切というのが大人だと思います。村山談話を破棄したい(させたい)なら、そういう政治的手続きを現行の法制の下に踏んでいくしかないはずなのです。

もちろん、自分の職場の同僚や部下と勤務時間後にポケットマネーで赤ちょうちんで飲んでいるときに村山談話の不満をぶちまけるとか、自分の子供の通っている学校の日教組に所属している先生と村山談話の是非で意見が対立するとか、そういうことなら、公職の責任とは何も関係はありませんが。

投稿: 悪法も法のうち | 2008.11.26 12:26

昨日発売の月刊WiLLの2月新春特大号の、読者の田母神論文への反響の10編なのだけれど、10のうち、7つは、どう考えてもインターネットを使えないご老人の6編と、純真な10代の少年のもの1編。

残り3つも、40代ひとりと20代2人で、そのうち40代の方は主婦。

どう考えても、選別が偏りすぎている。

「こんなのってありか」?(笑)

投稿: あり、か(笑) | 2008.12.23 08:46

田母神空将の言動の問題というのは、重責を負う公権力者でありながら、より高次の公権力に服従せず、それに違背していたということだけであると思っています。

言論の自由という問題だけなら、退官後の一民間人田母神俊雄氏に対しては、個人的な脅迫の有無はともかく、公権力による出版差し止めはないし、問題の論文を掲載した雑誌書籍を扱う出版社に対する爆破予告もないみたいだし、ましてや、田母神空将の書籍や論文掲載雑誌を路上に山と積み上げ、公然と油をかけて火をつけるような行為をする者もありません。将軍の言論の自由を奪おうとするものは、公然とは見当たりません。

村山談話についてですが、問題の論文ではまったく言及されていなくても、自衛隊退官後、方々で、自身の意見を披露する機会があるごとに村山談話を批判していれば、これは、確信犯であるのと同じことであると擬制されてしまっても仕方ありません。

正直申しますと、私自身は、田母神空将の結論に賛同したいものです。将軍がどこかの私立大学に教授として迎えられ、田母神ゼミの卒業生たちを出版放送の世界に送り込んで、村山談話撤回の言論活動を盛んにしてくださればうれしく思います。また、ゼミの卒業生の中に裁判官になったり、地方議員になって、政府による村山談話撤回を可能にする日まで、雌伏潜伏してくれるような覇気のある若い人たちがいればなおうれしく思います。

あのような退官でしたが、自衛官としての勲功を重ねられた後、今度は、言論人としても大きな勲功を達成していただきたく思います。

そのようなわけで、これからは、付き合う人たちはよく選んで付き合うようになさってください。人間、どういう人たちと付き合うかというのは非常に重要なことだと思われます。とくに、公のために重要な任務を果たそうというときには極めて肝要なことであるはずです。

投稿: 将軍、ちょっと、ちょっと | 2008.12.25 15:14

もしも自分が首相なら、
政府見解を改めて、村山談話を破棄撤回できるだろうか?
靖国神社の春と秋の例大祭に、昇殿して、神礼で公式参拝できるだろうか?

できるように努力はするだろうけれど、結局自分はできずに、そうする意思のある人が後継者になってくれるように、自分の次の与党党首を選ぶ総裁選なり、党代表選なりで、そういう意思のある人を予備選で応援するくらいしかできないだろうと思います。

何とか靖国神社に公式参拝できたら、記者会見では、「吉田松陰も、橋本左内も、坂本龍馬も、靖国神社の軍神である」と答弁して、近隣諸国とも関係はごまかし通すと思います。

秦野章先生も、陣笠のときは、ロッキード事件の捜査と裁判での法務大臣の指揮権発動を主張してらしたようだけれど、自身が法務大臣に就任したら、指揮権発動などできませんでした。誰でもそんなものだと思います。

どうか、近未来に、村山談話が撤回されて、日本の首相が随意に靖国神社に神礼で公式参拝できる日が来ますように。

自分の父親が自分で考えがあって、お盆にも彼岸にも、死ぬ前に入会権の扱いの問題でいろいろな人たちとずいぶん激しく争った自分の爺さんの墓参りをしないのは、それは父親の勝手だと思うし、爺さんの墓参りをしなくても、生活力と生活の自己規律のある父親なら、それはそれでよい父親だと思うけれど、自分の父親がお盆と彼岸に爺さんの墓参りをしたいのに、近所の騒がしい町内会の仕切り屋たちが自分の父親に、「お前んちの爺さんはとんでもなく悪いやつだったから、お前は爺さんの墓参りを一切するな」と脅しをかけたら、誰でもひどく不愉快なのは当たり前。それどころか、周りから、「謝れ」ともいわれていないのに、自分の父親が自分から、自分の爺さんは悪いやつでした、と近所中に謝って歩いて回ったら、それは至極情けない父親で、そういうのは、「馬鹿正直」とさえいえない。

村山談話も、日本の首相の靖国神社公式参拝も自分の見識はそんなところです。

投稿: もしも自分が首相なら | 2008.12.27 10:50

「桜国の中共先生」がこれから読めなくなるとしたら残念です。

業田良家先生には、あらたなメディアを発掘して、「桜国の中共先生」を連載し続けていただきたいと思っています。

投稿: enneagram | 2009.02.28 13:36

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