罪深いという感じについて
米国大統領選挙の副大統領候補が民主・共和ともに決まった。それはそれなりに思うことはあるのだが、なんとなく私は「ジョン・エドワーズ元上院議員(54)」のことが気になっているというか、このところ、罪深いという感じについてぼんやり思うことがあるので、そんな雑談。
エドワーズ元上院議員は今年の1月までは大統領選挙での民主党候補指名争いで三番手に残っていた。前回の大統領選挙のケリー候補のときでも副大統領指名になっていたから、今回も副大統領に指名されるのではないかという話もあった、が、がっちょーんと崩れたのは8月8日に不倫を認めたことだった。日本でどのくらい話題になっていたか知らないが米国では話題っていうかすごい話題だった。日本で報道が無かったわけではないので、クリップ。AFP”エドワーズ元上院議員、不倫認める”(参照)より。
米大統領選に2度の出馬経験があるジョン・エドワーズ(John Edward)元上院議員(54)は8日、不治のがんを患っているエリザベス(Elizabeth)夫人以外の女性と不倫関係にあったことを認めた。一方、女性が出産した女児の父親であることは否定した。
それまで不倫は否定していたのだが、ばっくれ切れなくなった仔細については私は知らない。昨年10月にはゴシップは出ていた。本人弁では。
エドワーズ氏はこれまで繰り返し不倫を否定してきたが、同日発表した声明では、選挙戦中に次第に「自己中心的でナルシシスト」になってしまったと認め、何度も謝罪した。
そういうものかねというしみじみとした味わいがある。私なんかも「自己中心的でナルシシスト」かなと思うけど、なんかそういう立派なばっくれやったことないし、そもそも不倫みたいな恋愛のど派手なことやったことないな、というあたりで、面のいいやつは、う、うらやましいぞ感がないわけでもないが、話を先に進める。
不倫なのでお相手がある。
不倫相手は映画監督のRielle Hunter(42)氏と報じられている。不倫関係にあったのは、2度目の民主党候補指名争いに立候補する前の、2006年の短い期間だったと明らかにした。
2年前ということで、リエル・ハンター女史40歳大台の時か30代のどん詰まりの時。エドワーズは52歳か51歳。うーん、今の俺の年じゃないか、う、うらやましいぞ感がないわけでもないが、またも話を先に進める。
しかし50歳のオッサンが40歳のオバサンと仕事の付き合いでちょっこと不倫しててもそれほど面白い話でもないのだが、エドワーズは愛妻家だった。どうでもいいけど、愛妻家をぐぐるとろくでもない結果しか出てこないのは何故。
エドワーズ氏の妻、エリザベス夫人は、不治のがんと懸命に闘う姿から人気が高い。4人の子どもをもうけたが、1人は交通事故で死亡している。
このあたりの話はウィキペディアを覗いたら、書かれていた(参照)。お好きな人がいるんだろうか。
学生時代に出会ったエリザベス・アナニアと1977年に結婚。ウェイドとケイトという二人の子供をもうけるが、息子のウェイドが16歳のときに交通事故で死去。夫婦は再び子供を持つことを決め、エリザベスが49歳のときにエマ・クレアを、51歳の時にジョンをもうけた。
結婚は24歳くらいか。「エリザベスが49歳」とあるので、ベス母さんの生年が気になるが調べてみると1949年生まれ。ということは4歳上のカミさん女房ということになる。ざっくり加算してみると、「49歳のときにエマ・クレア」が1998年、「51歳の時にジョン」を2000年ということになる。乳癌であることを公表したのが2004年。その時歴史が動いた、夫エドワーズが不倫するまであと2年、というところだろうか。ベス母さんの履歴を見ていると、子供の頃日本にいたらしい。日本での交友も広いのではないだろうか。
エドワーズの不倫だが、隠し子疑惑もある。ロイター”米大統領選撤退のエドワーズ元上院議員、不倫関係を認める”(参照)では。
ただ、エドワーズ上院議員は、8日遅くに放映予定のABCの番組「ナイトライン」で、ハンターさんのことは愛していなかったと語っているという。また、ハンターさんの子どもについては、検査をしたわけではないが、自分が父親ではないとしている。
ということだが先のAFPでは。
エドワーズ陣営の元顧問が女児の父親だと認めている。
とのことで、それなりに男の甲斐性ってものなのかもしれない。
最初に罪なきものが石を投げろというなら、この手の話題に関係ない俺なんか最初に石投げてやりそうな感じがしないでもないが、「罪」というのをもっと広義に捉えていくと、多少微妙かなという感じはする。それと、年食って思ったけど、もてない男というのはそれなりに幸せな人生の部分というのはあるにはある。
それにしても、ジョン・エドワーズ……なんなのだろう、というのと、こういう事件ってなんのだろうと思う。という違和感は、今回の告白には奥さんが一緒ではなかったが、それでもエドワーズはまた奥さんと並んで公的な場所に立つわけだ。というか、妻は許してくれた的に。
というところで、それを言うならクリントン元大統領だ。彼の不倫ももう昔のことになってしまったのかもしれないが、スキャンダルが湧いたころ、私は、まさかぁ、それはないでしょと思ったし、お相手のお写真を見たとき、絶対にそれはないと確信すらしたのだが、尊敬するコラムニスト、サミュエルソンが、クリントンは嘘をついていると断言して、え?と思った。以降、気になってこの事件は追った。クリントンのばっくれ映像なども見た。ああ人間の醜態ってこういうものかな、というか、男の真実ってこんなものか、俺なんかこういう状況に墜ちたら早々に土下座しちゃうじゃないかと思ったが、クリントンはばっくれ。そして私はあれですよ、スター報告書も英文で読んじゃった。読まなければよかったと今では後悔している。
その後クリントンは罪を悔いて、カミさんと娘と公的な場に出てくるし、今回の大統領選挙では微妙に大活躍もしてくれているというか、まだ活躍しているっぽい。なんなんだろ、このエロ爺と思うのだが、最近の尊影を見ると、クリントンさん、本当に爺面になってきた。しかも、昔はエロ男だったのじゃて風の風格もある。山城新伍はどうしているだろう。いや、男の末路ってこんなものなんだろうか。林秀彦先生もどうされているのかと思ったら、その後すごい本を出されていたし、なんだかなあ。
もう一人、これも罪深いっていう感じかなと思ったのは、エリオット・スピッツァー、ニューヨーク州元知事。今年3月12日読売新聞記事”州知事が買春認める 司法長官時代は売春組織摘発で評価”より。
米紙ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は10日、ニューヨーク州のエリオット・スピッツァー知事(48)による買春疑惑が表面化したと伝えた。疑惑は、連邦捜査当局による高級売春組織摘発の中で浮かび上がったもので、同紙によると、同知事は先月中旬、訪問先のワシントンのホテルにニューヨークから高級売春婦を呼んだ。売春組織への電話が当局に盗聴され、同知事と特定された、という。
同知事は、シルダ夫人とともに記者会見し、「家族を裏切った。家族と州民に謝罪する」と事実上、疑惑を認めたが、進退については言及しなかった。
記事にもあるように、この時、カミさんと並んでいた。売春男がカミさんと並んでいる絵というのに、ああ、またかと思うと同時に、ある種の感動もした。どのあたりが感動のツボなのかわからないが、
ちなみにこの三人は民主党のお偉いさんだが、別に民主党だからそういうスキャンダルがあるというものでもないだろう。
日本だと、TBSの井上弘社長(68)やみずほコーポレート銀行の斎藤宏頭取(64)の不倫疑惑だと、罪深いという印象はあまりない。爺さんよくやるなあくらいの感じだろうか。カミさんのほうも、特に出てくることもないが、こちらは政治の世界ではないからなのだろう。
話にさしたるオチもないのだが、米人のこの、罪深いっていう印象はなんなのだろうかと、変な感じがする。罪深いという状況に萌え萌えっていうのがあるんじゃないかすら思うが、よくわからん。
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コメント
>年食って思ったけど、もてない男というのはそれなりに幸せな人生の部分というのはあるにはある。
分かる……といっていいのかな?(汗)
およそ「遊んだ」記憶もなく、さして「遊ぼう」と思わないのは―想像するに悪友ってヤツがいないからなのか…
イヤイヤ「純粋にモテないだけ」ですカッコつけましたスミマセン。
そして悪友も、居るには居たのです。ただ、女がらみを話さない不文律があった……非モテのソレでして、
じゃあ何処が悪い奴だったのか?というと、アチラ側に他人を連れ込もうとする(そのくせ体育会系は蛇蝎のごとく嫌う)、言葉を選べば「こだわりのある人」だったのです。
まぁ、私見では「人間だもの」で済む範疇だと思います。
その性情というか、彼の時間に関わってみると、仕方ないねとしか言えない。
お互い、色々すり減らしたとは思うけど、何かを取り合った間柄ではないからそう言えるのか? やはり異性がらみだとそうはいかないものなのか? 財産や労働、貢献だとか役割についてはある程度分かるつもりなんですが、「取り合い」は未だによく判らないなぁ…
投稿: 夢応の鯉魚 | 2008.09.01 17:48
>米人のこの、罪深いっていう印象はなんなのだろうか
その人の奥さんに旦那(68)の浮気を相談されていた。その息子(私と同世代)も人妻とグチャグチャの関係になっているという噂を知人から聞いて「家風ですか?」と思わず言ってしまった。
そういう話(相談)や噂が外部に簡単にでてくるのは、彼らがそのつもりだからだと思う。(墓場までもっていくとか)隠すつもりはないんだろう。(無意識にある何かへの劣等感から)彼らは自慢したいのだと思う。
それに比べると、女はこわい。
投稿: haineko2003 | 2008.09.02 06:42
このエントリーで反射的にカサノヴァを思い出しました。
もっともカサノヴァは罪の意識など皆無だったようですけど。
投稿: UG35 | 2008.09.03 10:27
わたし、あまりよくわからないのですけれど、ある若い女性が、女性が閉経してしまって、年齢も年齢だから、男性にとって性的に面白みがなくなってしまうことを、「畳が古くなって買い換えなければならなくなるようなものよ」と言っているのを聞いたことがあるんです。
男の人が「女房と畳は新しければ新しいほどいい」って言ってるんじゃなくて、若い女性がそういうんです。
私には何を言いたいのかわからないのですが、わかる人にはわかるのだろうと思います。
変なコメント入れてすみません。
でもエントリーの中身からはそれほど外れていないと思います。
投稿: 畳のたとえ | 2008.09.03 10:43
「女房と畳は古いより、新らしい方が寝心がよい」というのは、明治以前のいいまわしだそうだ(伎・初会浦島廓釣針)。
そのころの平均寿命は40歳あたりなので、明治時代の新聞を読んでた人が、被害者の女性が「老婆(42)」という表現で表されているのに驚いていたけど、べつに不思議じゃない。時代が違うだけ。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/19th/gaiyo.html
きっとその「若い女性」は、中学生が高校生をオバさんと呼ぶのと同じ感覚で言っているんだと思う。自分の商品価値に敏感なんだろう。そしてそんな「若い女性」とお似合いのカップルになる男性のタイプも想像できる。
サラ・ペイリンさんの娘さんに同情の声があがってるけど、もっとかわいそうなのは彼女のボーイフレンド(18)じゃないか。中絶・同性婚はダメだけど、離婚はいいんだから、ちょっとがまんすればいい。でも、これもきっとお似合いのカップルなんだろうな。
わたしなんかは、犬や猫が新しい場所に入れられたとき、落ち着かないため自分の匂いをつけて回るみたいに、まっさらやそれに近い畳は気色悪い。相当のことにならない限り、裏替えや表替えする気になれない。ただのめんどくさがりやか。いいんだ、どうせ。
投稿: haineko2003 | 2008.09.04 07:14
江戸時代なら、女性は30で年増、35で大年増と呼ばれていたと聞いたことがあるから、その感覚が引き継がれていた明治時代なら、40代の女性は老婆と呼ばれていたのかも。しかし、違和感は強い。
もうひとつ指摘したいのは、昔の平均年齢が妙に低いのは、幼児の死亡率が高かったからというのは、常識に属する。江戸時代だって、60、70まで生きた人は多い。
投稿: ピンちゃん | 2009.10.28 01:29