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2008.09.13

[書評]NHKテレビ英語が伝わる!100のツボ (西蔭浩子)

 「NHKテレビ英語が伝わる!100のツボ」(参照)はNHKで放映している語学番組。レベルはそれほど高くない。今月に入ってたまたま一回見ることがあり、そのときはふーんと思った。気になって数回見て、これはとても面白いんじゃないかと思いテキストを買った。テキストはある意味でよくある英語のテキストとも言えるのだが、テキストを見てこの番組が今月で終わることを知った。4月からやっていて6か月間経った今月で終わり、再放送はなさそうだ。100のツボということで100回で終わってしまうわけか。それは残念と思いバックナンバーも注文し、こういうの好きな人もいるかもしれないなと、あわててブログのネタにという次第。

cover
テレビ英語が伝わる!
100のツボ
 なにが面白いのか。普通に語学の番組として面白いというのはある。いろいろ口語的な表現も面白い。「おせっかいはよしてよ!」は"It's none of your business."あたりは普通に学校でも学ぶし、昔から使われている言い回しだが、「さすがピエール!」が"Just like Pierre!"あたりが普通の口語の言い回しなのは知らなかった。「彼女に断られたらどうするの!」は"What if she says,“No”?"というのもへぇと思った。What should I doを私は省略しないだろうなというか、省略していいのか、など。ちなみにこうしたキモになる表現はちょっとぐぐったら”おさらいフレーズ バックナンバー”(参照)というページにまとまっていた。
 そうした表現もだけど、若い人の会話が生き生きした感じがいい。米人だけの会話だと地方や年代でかなり複雑になったりテレビの言い回しとかなんだかわからない表現が多いのだけど、この番組では、米人女性の他にフランス人男性、台湾人女性、バングラディシュ男性と、昨今流行の国際的英語になっているのでそのあたりはプレーンな感じがする。そしてこのみなさんのキャラが立っているのが面白い(参照)。
 キャラを生かすのがドラマ仕立てのシチュエーション。日の出ハウスという純和風の家のちゃぶ台がある居間のシーンが多い。「もちつもたれつ」という書が泣ける。この設定はべたに「メゾン一刻」の影響ではないかなと思うが、あるいはそれらもすべて昭和30年代的な日本のパロディなのかもしれない。
 ピカイチのキャラはPierre役のRichard Gazzo(リチャード・ガッソ)だろう。フランス人のオタクという設定。ざっと見ているかぎり、こ、これは純正なオタクじゃないオーラが出ているのだけど、演技がいい。経歴はこう。

フランス・パリ出身。4歳から13歳までプロヴァンスで育つ。ソルボンヌ大学美術映画学科で監督と芝居を学ぶと共にモデルの仕事を始める。2002年に来日、モデルや俳優として活躍中。

 ということで、がッソのホームページがこれ”Richard Gazzo Official Homepage”(参照)。え、別人だろ?と思ったが、当人だよな、これ。プロフィールを見ると、1979年生まれで、父親はスペイン系イタリア人、母親はイギリス系ベルギー人とのこと。ほぉ。CMなどにもいろいろ出ているということで有名なのか。この手の男性に萌えの日本女性は多いと思うのだが、100のツボのピエールの落差がまた萌えのツボかも。
 萌えでいうと、私は全然知らなかったのだが、優木まおみがよい。英語学習者として出てくるのだが、普通に大卒程度の英語は身に付いているようなので、どういうポジションのアイドルなんだろうか。エミージョことはしのえみ的なポジション? 年も微妙かと、この手の情報に強いウィキペディアを引いたら案の定ある(参照)。情報に「要出典」とあるのでほんとかなとは思うが、ほんとだとするとへぇな感じ。

1980年3月2日、佐賀県佐賀市に生まれる。ロシア・中国のハーフの母と中国・日本のハーフの父を持つ。[要出典]1998年佐賀県立致遠館高等学校、2003年東京学芸大学卒。同校在学中にハワイ大学に半年間の語学留学経験もある。

 お、これはワタシ的にツボだな。

第四級アマチュア無線技士と小学校教員免許の資格を持つ。アマチュア無線技士の資格は小学生の時に家族に無理やり取らされ、おつかいに行くときは無線機を持たされた。コールサインはJM6CRT。

 年は28歳とのこと。最近自分が年食いすぎて40歳以下の女性の年がわからなくなっているで、このあたりもへぇと思った。
 英語の指導と脚本は西蔭浩子による。おばちゃんふうに見えるし、演技はぎこちないのだが、どことなくセクシーな感じが漏れてるのもなんかツボという感じだ。お年はわからない。今回の番組には英語学習の理論的な背景もありそうだが、そのあたりもよくわからない。
 が、なにかと考えさせられるものがあった。そういえば、私は小学六年生のとき当時まだ筆記だった第四級アマチュア無線技士の免許を取ったのだが、父の薦めで田崎英会話のNHKテレビを見ていた。田崎清忠先生の英語指導は当時はなかなか革新的だった。田崎先生のアイデアではなかったのかもしれないが番組は早野凡平を起用していて面白かった。早野凡平の享年を見ると50歳。田崎先生はお元気かなとググってみるにあまり情報はない……と思ったら16日の講演の情報があった(参照)。お元気なご様子。

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コメント

>家族に無理やり取らされ、

この書き方。

…無線がよほどイヤだったのでしょうか? orz

投稿: BUNTEN | 2008.09.13 18:45

この番組(英語が伝わる!100のツボ)は、おそらく来年度後半あたりに再放送があると思われます。
(今月末から始まる同時間枠の後続の番組は、昨年に放送したものの再放送ですし、過去にも同時間枠の番組はいくつか再放送されていますので)

投稿: メロンパン | 2008.09.13 20:06

>>家族に無理やり取らされ、
>この書き方。
>…無線がよほどイヤだったのでしょうか? orz

 年端も逝かないうら若き娘さんが無理矢理なんかされるのって興奮しませんか的な。そっち狙いだったりして。

投稿: 野ぐそ | 2008.09.14 02:36

たしかに、いろいろな国の人が使用しやすいup to dateな口語表現の紹介も重要だとは思いますが、これからの時代の要求を考えたら、英文契約書や会計学の英語の知識をきちんと教えるほうが大切なのではないかと思ってしまうのです。

私の考え方のほうが老人じみているのかもしれませんが。

投稿: 習得すべき英語表現 | 2008.09.15 09:52

finalvent先生のニックネームの「弁当爺さん」と私のニックネームの「緑のおっさん」とハンドルネーム「野ぐそ」さんの英語への訳出を試みました。

「弁当爺さん」は、"the Great Old Lunchbox"、「緑のおっさん」は、”the Uncle Green”、「野ぐそ」さんは、"the Field Feces"ではダイレクトすぎるから"the Pheasant Shooter(「キジ射ち」;思わず吹き出した方いらっしゃるでしょ)"でなんとかなるのではないでしょうか。

極東ブログは非常にコミカルだし、キャラクターネームもコミカルに英訳しておけば、いずれ、グローバルに配信されるときに、受け入れられやすくなると思われます。

投稿: 訳出案(a translation plan) | 2008.10.10 09:17

この語学番組を学んでいてわかった事は、普段、日常使われている日本語を伝わる英語に変えて話すと言う事がいかに難しいか、コータローが困惑した状態から良く伺い知る事が出来ました。なぜなら、コータローの様な人なら学校で習った英語をそれ相応に履修していると思います。しかしそれでもスムーズに伝わる英語には出来無いからです。もしも、英語が話せる人の前で、思った日本語を伝わる英語に出来なかったら、意思疎通が出来ないでしょう。そして交友関係を進歩的する事も出来ないでしょう。だからこそ、学校で履修した英語に加えて伝わる英語を使える様にがんばります。

投稿: 小田達弘 | 2010.09.10 18:51

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