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2008.09.23

つまり、第二のプラザ合意みたいなものかな

 アメリカの金融の状況についてコラムニストのロバート・サミュエルソン(Robert J. Samuelson)がどのように言及するのか、私は期待していた。ニューズウィーク日本版に掲載された比較的最近の彼のコラムでは、米国経済の状況をそれほど深刻なものだと見ていなかった。しかし事態はすでに深刻と言っていいだろう。彼はこの状況をどう判断するのだろうか。ポールソンやバーナンキを批判するだろうか。
 私がサミュエルソンに注目するのは、ニューズウィークに転載される彼のコラムをかれこれ20年近く継続的に読み、いくつも真実を言い当ててきたと思っているからだ、というのに加えて、いわゆる経済学的な視点ではない経済コラムニストという視点がきらっと光る感じがするからだ。この事態に彼は何と言うか。22日付けのワシントンポストで”The Confidence Game”(参照)が掲載された。数度読み返した印象だが、非常にわかりづらい。どちらかというとがっかりしたという感じがする。
 出だしは事実をなぞりつつアイロニカルなトーンを浮かべている。


It's doubtful that Princeton University economist Ben Bernanke and former Goldman Sachs CEO Hank Paulson imagined what awaited them when they took charge of the Fed and the Treasury, respectively, in 2006. Since then, they have put their agencies on a wartime footing, trying to avert the financial equivalent of an army's collapse.
(日本版Newsweek訳:ベン・バーナンキはプリンストン大学のエコノミスト。ヘンリー・ポールソンはゴールドマン・サックスの前のCEO(最高責任者)。2人が06年、FRB(米連邦準備理事会)議長と米財務長官の職にそれぞれ就いたとき、こんな事態に直面するとは予想していなかっただろう。)

 バーナンキとポールソンがそれぞれの役に就いたとき、この事態を想定したとは思えないと切り出す。覚悟はなかっただろうということだ。
 私はバーナンキがFRBのヘッドになったとき、米国は恐慌になる可能性のシフトを敷いたのだろうなと思った。この天才ならすぱすぱと解決できるのかもしれないというのと、いや経済は生き物だから学問通りにはいかないだろうとも思った。その後のバーナンキの動向を見ているとやはり市場に慣れない部分があり、ポールソンなどと対話をしているようだった。その部分ではいわゆる経済学的な能力より別の実務能力が問われるのだろう。陰謀論的な意味合いではなく、バーナンキとポールソンは米国経済の中心にありその関連者も幅広い。サミュエルソンの皮肉はコラムとしては効いている。
 彼らを中心とした努力は、「信用」に関係しているとして、サミュエルソンはこう言い放つ。

It's all about confidence, stupid. Every financial system depends on trust.
(同:問題は信用の回復だ。あらゆる金融システムは、信用を頼りにしている。)

 ここが私にはよく読めなかったところだ。バーナンキとポールソンの奮迅は信用に関わることだが、それがわからないのは「stupid(ばかじゃね)」ということだろうか。追記:コメントいただきました。この表現の出所はクリントン元大統領の"It's the economy, stupid."(問題は経済だよ、このバカ)です。
 危機の構図についての説明は教科書通りに続くとも言えるのだが、サミュエルソンお得意の数字読みは考えさせられる。

As is well known, the crisis began with losses in the $1.3 trillion market for "subprime" mortgages, many of which were "securitized" -- bundled into bonds and sold to investors. With all U.S. stocks and bonds worth about $50 trillion in 2007, the losses should have been manageable.
(同:始まりは1兆3000億ドル規模のサブプライムローン市場が崩壊したこと。そうしたローンの多くは証券化され、投資家に販売されていた。07年の米株式・債券の時価総額は50兆ドルだったから、その損失は吸収できるはずだった。)

 50兆ドルの市場において、失われたサブプライムローンの規模は1.3兆ドルに過ぎない。藤巻健史もこの規模を指摘していた。目下の金融崩壊は「サブプライムローンに端を発した」とはいえるが、それ自体の問題ではなかった。が、思わぬ展開になった。どこかで押し止める歴史のイフはあっただろうかというとそこはわからない。サミュエルソンも読めていなかっただろうし、それを冒頭の"It's doubtful that"でバーナンキとポールソンにもかぶせたあたりの書き方はちょっと汚い。
 危機の根幹にはCDS(参照)があり、その部分をサミュエルソンはこう教科書通りに指摘する。

So the crisis spread because the initial losses were multiplied. AIG, the nation's largest insurer, is a case in point. Although most of its businesses -- insurance, aircraft leasing -- were profitable, it had written "credit default swaps" (CDS's) on some subprime mortgage securities. These contracts obligated AIG to cover other investors' losses. In the first half of 2008, AIG itself lost about $15 billion on its CDS contracts, and through the summer losses mounted, resulting in downgrades of the company's credit rating and a need to post more collateral. AIG didn't have the cash.
(同:こうして危機が拡大した。AIGが典型的な例だ。同社は保険業や航空機リースなどで利益を上げていた。問題は、一部のサブプライムローン関連証券の信用リスクをクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)で保証していたこと。CDSは損失を肩代わりする保険のような契約だ。AIGはこのCDSで損失が拡大したため、巨額の追加担保が必要になった。)

 単純に言えば、元手のないクレジットデリバティブで転けてしまうことがあるのは当然だろう、ということか。
 サミュエルソンはCDSに潜むかもしれない本質的な問題といった考察はしてない。コラムの字数制限かもしれない。今回の危機で私みたいな素人がよくわからないのは、このクレジットデリバティブの問題だ。ウィキペディアを参照すると(参照)。

例えばCDSは、買い手が定期的に売り手にリスクプレミアムを支払い、売り手は万一あらかじめ決められた参照企業にデフォルトが発生した場合にその損害額を保障するという契約である。このリスクプレミアムの計算には金融工学的手法が使われる。

 仮にこの単純な例で考えるのだが、今回の事態はリスクプレミアム計算の金融工学的手法の間違いなのか、そもそも、これらは複雑なネットワークになったとき、必然的なシステムリスクを持つものなのか。状況を見ていると、後者のようでもあるが、そこは学問的にはどうなのだろうか。経済学的な説明というのを見かけないのは私の視野が狭いか。
 サミュエルソンのコラムに戻る。
 経済コラムという単純な土俵に還元して言えば、この事態にバーナンキとポールソンがどのように対処しえたかという歴史のイフが問われていることになる。もっと上手はなかったか、と。
 サミュエルソンは彼らの手を三段階に見せ、一段階の金利低下は標準的だが、後の2手は斬新なものだった("By contrast, the second and third responses broke new ground.")という。だが、そこがまた読みづらい。

If banks remained reluctant to make routine short-term loans -- fearing unknown risks -- then the Fed would act aggressively as lender of last resort. Bernanke created several "lending facilities" that allowed banks and investment banks (such as Goldman Sachs) to borrow from the Fed. They received cash and safe U.S. Treasury securities in return for sending "securitized" mortgages and other bonds to the Fed. In this manner, the Fed has lent more than $300 billion.
(同:一つは銀行がリスクを恐れて短期融資を渋り続ける場合、FRBが積極的に貸し手の役割を果たすというものだ。バーナンキは、FRBが金融機関に直接融資することができる制度を新設。金融機関は証券化された住宅ローン債権などを担保に差し出し、現金や安全な米国際を受け取る。FRBはこの方法で3000億ドル以上を貸し出した。)

Next, the Fed and the Treasury prevented bankruptcies that might otherwise have occurred. With the Fed's backing, the investment bank Bear Stearns was merged into JP Morgan Chase. Fannie Mae and Freddie Mac, the mortgage giants, were taken over by the government; their subprime losses had also depleted their meager capital. And now AIG has been rescued.
(同:次にFRBと財務省は、大手機関の破綻防止策を講じた。FRBは証券大手ベアー・スターンズへの緊急融資を実施して、IPモルガン・チェースによる買収を実現。政府系住宅金融のファニーメイとフレディマックを政府の管理下に置いた。そして国会、AIGを公的資金で救済した。)


 つまり、2手目、バーナンキによるカネの放出は下手、ということだろうか。3手目、国家による救済や国家指導の下の統合は下手、だろうか。
 サミュエルソンはこれによって、米国民はどれだけ税を担うのかと問うているようだが、私としてはこの手を打つべきではなかったとも思えない。
 結語は投げやりと言っていいだろう。

Paulson has one powerful retort: It's better than continued turmoil. But that presumes success and raises an unsettling question: If this fails, what -- if anything -- could the government do next?
(同:「混乱が続いてパニックが起きるよりはまし」と彼は考えている。その考えは対策が成功することを前提としている。もし失敗したら、果たして政府に打つ手があるのだろうか。)

 ポールソンにしてみれば金融の混乱を止めるには仕方ないとしてとしても、もうこれで政府の打つ手はないでしょう?というのがサミュエルソンの皮肉だ。
 コラムとしてはそれでいいかもしれないが、読み手の私は釈然としない。結語ではない部分に本音が隠れているのではないかと読み直すのだが、ここだろうか。RTC的な機構に関連して。

The Fed has financed its lending program by reducing its massive holdings of U.S. Treasury securities. It cannot do this indefinitely without exhausting all its present Treasuries. The Fed might then resort to old-fashioned -- and potentially inflationary -- money creation.
(同:実務的な問題もあった。FRBは一連の救済策をまかなうため、保有する米国債の一部を処分せざるをえなかった。もし手持ちの米国債がなくなれば、FRBはインフレの危険を冒してでもドル紙幣の増刷に踏み切りかねない。)

 米国財務が空っぽになるようなことをすれば、残された、ありきたりの道は、紙幣を刷りまくることだし、インフレになるだろうと。
 そういうことになるのだろうか。
 サミュエルソンのコラムとしては、ちょっと無責任な感じがするのと、それ以上は言えないコラムの限界があったかなとも思うが。
 経済コラムということを除けば、サミュエルソンの実質的な示唆は当たるのではないか。私は今回の米国の対応は、第二のプラザ合意ということなんじゃないかと思う。またまた日本がツケを払うということでもある(バブルとその崩壊の芽はプラザ合意にあった)。
 中国もツケを払うことになる。中国はそれに同意しているようだが、予想通り(参照)インフレへの舵を切ったから、一番のババ掴みは日本になるだろうか。
 関連して、今週の日本版ニューズウィークは激動に間に合わなかったが、”リーマン危機で金融恐慌の脅威(A Sour Lehman Aid)”というダニエル・グロスによるダジャレ・タイトルのコラムは示唆的だった。

 ベアーや住宅公社2社とは事情が違う、というのが財務省の主張。住宅公社の場合、両者が発行する債券は暗黙の政府保証つきとみなされ、中国人民銀行など世界の中央銀行が大量に保有していた。FRBによればその残高は、08年3月末時点で9850億ドル。アメリカ政府は、それが債務不履行に陥ることで重要な貿易相手国が大きな損失をこうむる地政学的なリスクを冒すことはできなかった。「大きくてつぶせなかったわけじゃない」と、調査会社フュージョンIQのバリー・リソルツCEOは言う「中国に借りがありすぎたんだ」

 私は米中の金融の摺り合わせは努力してもそれほどうまくはいかないだろうと思っていた。実は今でもそう思っている。しかし、ようするに今回の米国金融の混乱は、米国はそれなりに自分の肉を切っても中国に摺り合わせの努力をしているということかもしれない。中国もそれに目下応えているようだ。
 米国民がそれに同調するか、北京がどこまで同調できるかわからない。どっちかといえば、ワンテンポ遅れていやな崩壊がありそうにも思う。

追記
 日本語版ニューズウィーク日本版10・1に邦訳が掲載されたので、該当部分の訳を補っておく。ただし、比べてみるとわかるようにあまり適切な訳とは言えないかも知れない。

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コメント

釈迦に説法かと思いますが、stupidのくだりは
http://en.wikipedia.org/wiki/It%27s_the_economy,_stupid
とかを踏まえてるのでは。
>> The phrase is repeated often in American political culture, usually starting with the word "it's" and with commentators sometimes using a different word in place of "economy.

投稿: | 2008.09.23 12:37

ご指摘ありがとうございます。失念していたので、追記ました。

投稿: finalvent | 2008.09.23 12:55

>状況を見ていると、後者のようでもあるが、そこは学問的にはどうなのだろうか。経済学的な説明というのを見かけないのは私の視野が狭いか。

一番読みやすくて、素人には読みやすいのは、
1997年――世界を変えた金融危機(竹森俊平)でしょう。
ちなみにサミュエルソンの今回のコラムはBLACK SWANの内容を少なくとも書評などで知っているような読者を対象にしているので基礎知識なしだとちょっとわかりにくい。

投稿: F.Nakajima | 2008.09.23 13:22

>しかし、ようするに今回の米国金融の混乱は、米国はそれなりに自分の肉を切っても中国に摺り合わせの努力をしているということかもしれない。中国もそれに目下応えているようだ。

 それをやらないのが現代ニッポン。で、げしょ。こそっと隠れて調子いいヤツの後ろにトコトン付いて逝って、いいとこ取り。トップランナーを叩いて潰して、前向いて走ってるヤツが息切れし出したらそ知らぬ顔してススーッと前に逝って、いつの間にやら逆転勝利(←笑)。手を汚さず勝つ、上手いやり口でござんすよ。でも、そんなんで結果出しても、決して尊敬されんよね。恨まれるだけだよね。なんかあったら因縁付けられて身包み剥がれるだけなんだからさ、そんなの。

 そんなんなったら後々苦労するよ? ってのが、「失われた10年」における最大の教訓じゃなかったっけ? って私は思うんだけどね。

 馬鹿でもカスでも日々努力。毎日の仕事をコツコツ頑張って、1日1歩とか贅沢言わずに半歩でも0,1歩でも、5㍉でも1㍉でもいいから、自助努力しんさいよ? ってことなんじゃなかったっけ? って感じなんですがねぇ。


 やってるんだったら、今日びわざわざ麻生さんにご出馬願わんでも、どーにかなってんだよ。ホントにやってんのかね? 野ぐそ風情にからかわれてカッとなって「やってるよ!!」とか言ってもなぁ。結果が出てなきゃ屁のツッパリにもならんのよ。残念ながら。
 そこんとこホントに分かってるかー? って感じ。

投稿: 野ぐそ | 2008.09.24 17:17

 原文からfinalventさんが引っ張らなかった部分に、サブプライム危機が広がった理由が次のように書いてあります。

>They weren't, because no one knew how large losses might become or which institutions held the suspect subprime securities. Moreover, many financial institutions were thinly capitalized. They depended on borrowed funds; losses could wipe out their modest capital.

 前半を心の目で解釈すると、タックスヘブンとか色々なものが視界を邪魔して「結局この$1.3 trillion は誰の損失になるのか」が誰にも見えず、あいつも破産か、こいつも怪しい、と元の金額を越えた疑心暗鬼が広がったこと。後半は、自分でリスクを取るのが本業でない証券会社が投資信託やデリバティブを販売するために巨額の金融商品を持つなど、自己資本に比べて負うリスクの大きい市場参加者がいたこと。AIGは巨大なリスクを負ったのに、なにか起きるまでは帳簿の上にはつつましい受益権のスワップ記録があるだけ、ってのがCDSだと理解してますが。

 さて全文の解釈ですが。

 アメリカの公的資金投入は、切込隊長さんがファニーメイ救済のころにお書きでしたが、日本が公的資金注入に踏み切ったころにアメリカがいい顔をしなかったこととダブルスタンダードなわけで、サムエルソンはやっぱりいい顔をしたくないんでしょう。「放置すると大変なことになるから救済する」といっても、FRBの金庫がカラッポになったらもっと大変ではないかと。

 いまのところ政府は保証をしているだけで、実際にどれだけが出て行くかは分からないけれども、総額が明らかになってから「うぎゃあ払えねえ、最初にハードランディングさせとくほうがましだった」と言っても遅いよと。

「政府がバックについていればつぶれない」というConfidenceを市場に与えれば、これ以上何も起こらず、公的資金も少額で済む。「アメリカごとつぶれるんじゃないの」という不安が勝てば、公的資金が際限なく必要とされ、FRBと政府と国民が世界を巻き込んで蟻地獄に落ちる。これが”The Confidence Game”なんでしょう。東洋風に言うと乾坤一擲。サムエルソンの頭にある対案は貨幣増発ではなくて、早めに膿を出し切るハードランディングであるように感じました。

投稿: hnami | 2008.10.01 14:00

このエントリーが出たときには、finalvent先生が考えていることがよくわからなかったのだけれど、猛烈な世界的株安になったら、猛烈な円高になっているんで、「ふーん、プラザ合意かあ」とこのエントリーを思い出した次第。

でも、貿易赤字が出てしまった後で、円高になったからといって、かつてのように貿易黒字が奔流のように流れ込むとも思えず、また、多額の貿易黒字を計上できても、それが、また東京の不動産に流れ込んで、地上げが流行して、そのおかげで首都圏の大型ショッピングセンターが多額の消費に潤うということもなかろうと思われます。

日本のバブルの1980年代後半に比べて、製造業の生産拠点の海外移転は進行しているし、そのころに比べてさらに著しく少子高齢化社会になっている。

もっとも大切なことは、かつてのプラザ合意は、ソ連との全面対決が目的の金融操作だったけれど、今のアメリカは、中国と事を構える気はまったくない。むしろ、北朝鮮のテロ支援国家の指定を解除してしまったくらい。

いちおう、こんどは、中国共産党の崩壊より先に、アメリカ合衆国が分裂するくらいのことが起きることも想定したシナリオも用意しておくほうが賢明かと思われます。


アメリカが分裂してしまったとき、分裂後に、合衆国の継承国家になれる資格のある国があるのだろうか。うまい具合に、ニューヨーク州と、カリフォルニア州と、イリノイ州が参加する連邦国家が成立していてくれればよいけれど。それでも、その運よくできた継承国家と日本との安全保障に関する連携は、現在の合衆国との軍事同盟関係とは異質になっていくと考えます。

どうしたってすぐには困難だけれど、ASEAN統一通貨の成立にずいぶん協力しないといけなくなるのかなあ。後々は自分のためとはいえ、また大きな出費が必要になるなあ。その負担に日本が耐えられるのかしら。日本以外の先進国や新興国もものすごく協力してくれるのかしら。

これ以上思案のための思案をしていても仕方ないので、今のところはこの程度にしておきます。

投稿: 確かに円高 | 2008.10.13 12:43

たった今、ニュースを見たら、1ドル97円台になっていました。確かにすごい円高。

それでも、エコノミストの増田悦佐氏は、2050年には1ドル70円まで円高が進行するとおっしゃっています。この程度楽勝、楽勝?。もちろん、そんなことはないと思っています。

ただ、増田氏は、

「日本は今の時点でも世界中でいちばん強い経済を築いているが、今後20年や30年で日本にキャッチアップしたり、日本を追い抜いたりする国は出てくるはずがない」

とおっしゃっていて、その根拠は、日本が

「世界中の先進国でいちばん人口密度の高い大都市圏と、この大都市圏をおおう世界中でいちばん利便性の高い鉄道網を持っていること」

であるとしています。

あと数年くらいは正論だろうと思います。でも、これだけ情報技術と通信技術が発達してしまったら、国際ハブ空港とコンテナ海運をうまく組み合わせて、日本の大都市圏を追い抜いてしまうイノベーションを起こす都市圏は、世界にいくつも現れる可能性があるのでは。もちろん、日本もそういう分野のイノベーションに着手するから、追い抜き返せるはずだけれど。

とにかく、優れたエコノミストが、とんでもない円高でも大丈夫、とおっしゃってくださっているのだから、当面はあまりあわてふためかないほうがよいのでしょう。でも20年、30年先の話になったら、油断しないほうがよいと思います。

現在1ドル97円台が「世界中でいちばん強い経済」の証明みたいなものかあ。そんなわけで、インドにも、貨物専用鉄道計画のために4500億円の円借款ができるそうです。

投稿: 確かに円高 | 2008.10.23 06:56

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