グルジア問題を少し振り返る
5月に遡る。「極東ブログ: 学習すると早死にするらしい」(参照)というおふざけエントリでこう蛇足を書いた。
また3日穴が開いてしまった。しまったな。ちょっと気を抜いていたというか、日々ブログを書いていた時間をTwitterにシフトすると、なるほどそれなりにブログを書く気力みたいのも抜けるものなのかな。ブログが書けないわけでもない。いろいろ思うことはあるし、いくつか書評めいたことも書きたい本もある。
以前なら目下のグルジア情勢やレバノン情勢についてもエントリを書いたものだった。
5月の時点で、グルジア情勢について書こうと少し思っていた。それを今頃夏休みの宿題のように少しだけ進めておこう。もちろん、問題は、とてつもなく、と大げさに言うのはいけないのだろうが、大きい。だからこそ少しずつ進めておこう、ブログをこのまま辞めてしまうのでないなら。
とりあえず目下の状況の端緒は、4月2日にルーマニアの首都ブカレストで開催されたNATO(北大西洋条約機構)の首脳会議と見ていいだろう。一番の話題は、クロアチアのNATO加盟であった。これに続いて、アルバニア、マケドニア、グルジア、ウクライナの新規加盟も協議された。アルバニアも加盟した。マケドニアは当初から見送りの方向で、問題はグルジアとウクライナをどうするかだった。この旧ソ連の2国を。
米国は加盟支持を打ち出していた。ブッシュはそのために東欧巡りもした、というか引き際の花にしたかったのだろう。仏独は問題を見送った。つまり加盟を否定した。なぜ? ロシアに配慮したからだ。ロシアを刺激しないように、ロシアと仲良くやっていくために、敵対的な関係を作るべきではない、とかいうことで。そして、つまり、それが今回の結果になったというと、話が急ぎすぎるのだが、ようするにそういうことだ。
それから無人偵察機関連の危ない話が起きる。4月20日にグルジアの無人偵察機がグルジアの自国領内なのにロシアのミグ29戦闘機によって撃墜された。5月8日、ロシアの支援でグルジアからの独立を目指すアブハジア自治共和国は、アブハジア域に入ったグルジアの無人偵察機を撃墜した。が、グルジアはこれを否定。
その間の4月29日、ロシアはアブハジア自治共和国に駐留する兵力を増強すると発表。理由は、グルジアがアブハジアへの軍事作戦を準備しているから、アブハジア内のロシア人を保護しなければいけないということ。もちろん、グルジアは怒る。6月に入り、NATOデホープスヘッフェル事務総長はロシア軍の撤退を要求。形だけね。
さらにこの5月、ロシアではメドベージェフ大統領誕生、グルジアでは議会選挙サアカシビリ大統領与党「統一国民運動」が勝利。ここでサアカシビリ大統領は反ロシアを煽ってもいた。
洞爺湖サミットは、実はこうした流れで、米ロ対談の場でもあったけど、なんとなくあまり報道されなかった。
7月8日、ロシアは同じくグルジアからの独立を目指す南オセチヤ自治州上空を軍用機で領空侵犯。もちろん、グルジアは怒る。さらに、アブハジアで爆弾事件。南オセチヤでグルジア軍兵士が拘束。事件事件というか、チキンレース。
15日からはグルジア(600人)と米国(1000人)が2週間合同軍事演習をグルジア内で始める。同日、ロシア(8000人)もグルジアに隣接する北カフカス軍管区対テロ演習を開始。まあ、緊張といえばそうだけど、なんとなく大物が出て落ち着いた感はあったし、洞爺湖サミットで米ロに密約でもあったのかもしれない。ところが北京オリンピックでブレイクしてしまった。
さてあのころのワシントンポストから。4月22日。
”Aggression in Georgia”(参照)では、NATO首脳会議は、旧ソ連の2国にもたついたメッセージを送ったと断じていた。
LAST MONTH, NATO sent a muddled message to Ukraine and Georgia, fragile European democracies that are seeking membership in the Western alliance. Pressed by President Bush, a NATO summit meeting issued a statement declaring that the two countries "will become members of NATO" someday. But the alliance also deferred the requests of their governments for "membership action plans," the bureaucratic vehicle for joining, at the insistence of France and Germany -- which made it clear they were deferring to Russian objections.
ここまでは普通の読みなのだが、これをワシントンポストはこう見ていた。
Russian President Vladimir Putin read NATO's ambivalence exactly as Georgia's president predicted he would -- as a sign of weakness.
プーチンはNATOが弱腰になったと受け止めたというのだ。
弱腰っていうことは、旧ソ連の2国について、NATOが手を離したなと見た、ということでもある。NATOがプーチンGOGOのシグナルを結果的に送っていた。
もともとアブハジアと南オセチアは、ロシアとしては仕込みをしていた。
Russia has backed Abkhazia and South Ossetia in their rebellions against Georgia ever since Georgia became an independent country after the breakup of the Soviet Union. It has dispatched its own personnel to head ministries in the separatist regions and issued passports to many of their remaining citizens. Now it is treating the provinces as if they were autonomous Russian republics and attacking Georgia's aircraft as if they were over the territory of Russia, rather than in Georgia.
旧ソ連のように2自治共和国をロシアの一部に見なしていた。
そこでNATOの弱腰!
Mr. Putin clearly expects that Georgia's would-be Western allies will take no concrete steps to defend it -- and will shrink from any further step to bring it into NATO.
NATOは動きませんよ、ということになった。
ワシントンポストは、これはまずいとしてブッシュに動けとつっついている。それはNATOの弱腰をワシントンポストも認めてのことだ。
The appropriate and proportionate response is for NATO to take its own concrete steps toward integrating Georgia and Ukraine. An alliance meeting in December is due to reconsider the issue; the Bush administration should insist that a decision on membership action plans for the two nations be made then. It should also propose a new international mechanism for resolving Georgia's dispute with its provinces, one that cannot be dominated by Russia.
4月22日の時点でだがブッシュが動かなければ、NATOの線引きが変わると危惧を表明している。
If it shrinks from challenging Mr. Putin's actions, NATO will allow a new line to be drawn in Europe -- one that leaves Georgia and Ukraine on the wrong side.
でも、ブッシュは動かなかった。
ニューヨークタイムズはほぼ悲鳴を上げる。5月6日、”Georgia, NATO and Mr. Medvedev ”(参照)より。
Russia is playing a game of cat-and-mouse with neighboring Georgia that, if everyone is not a lot more careful, could quickly turn deadly.
結論からいえば、その3か月後、北京オリンピックの宴の陰で"could quickly turn deadly"ということになってしまったのだけど。
ニューヨークタイムズは、ブッシュのケツを蹴るより、サアカシビリにここが我慢のしどころだぜと諭す。
Georgia’s leaders must also resist being baited into a fight by Moscow. That will surely doom their dream of NATO membership.
グルジアが短気を起こせば、NATO加盟の道を閉ざすことになる、ということは、これは見方によればプーチンうまーの話。ということで、あとは、ロシア側としては、グルジアの堪忍袋をなでていればいつか、実は落ちるということだった。
ここで、ニューヨークタイムズは少し興味深い指摘もしている。
The United Nations Security Council should also consider replacing Russian peacekeepers in Abkhazia with genuinely independent troops.
アブハジアにいるロシア軍を国連軍にしちゃいなというのだ。この点、日本だと、国連幻想があるから、国連軍がこの地域に平和維持で入ればいいとか、たぶん、脊髄反射で言いがち。あるいは、ロシア軍よ撤退せよとか。
ニューヨークタイムズも結果的には、これは仏独の問題だろ、しっかりしろよとは言っている。
NATO needs to work with both sides to defuse the growing crisis. France and Germany, which argued for putting off Georgia’s membership, have a special responsibility.
これだけ緊張が高まっていながら、結局3か月も特になんにもなかった。まさか、北京オリンピックで勃発するとはね。
ということで、8月11日付けで邦訳されたフィナンシャルタイムズ”傷ついたプライドのせいで発火、南オセチアの偶発戦争”(参照)の表現は当たっている。
しかし今のこの情けないていたらくの真相はもしかしたら、陰謀というよりは、ヘマと呼んだ方が近いのかもしれない。いつかは起きるに決まっていたヘマ、ではあったが。ロシアはもう何年も前から、グルジアをわざと挑発し続けていた。グルジアからの分離独立を求めるアブハジアや南オセチアを支援し、グルジアに対して禁輸措置をとっていたのはロシアの方だ。これに対してサアカシュビリ大統領は、防衛費を拡大し、軍事力行使の可能性を否定しようとしなかった。とはいえ大統領は、実際に軍事行動に出るつもりはなかったのだ。各方面の消息筋によると、大統領は今回の軍事衝突について、決して心構えが出来ていなかった。北京五輪の開会式に出席するべく、フライトの手配もしてあったというのが、何よりの証拠だ。
もしグルジアが最初から、南オセチアを軍事占領するつもりでいたのなら、当然ながらロキ・トンネルをあらかじめ封鎖したはずだ。ロシア軍が北オセチアの山間部を経由して支援部隊を現地に送り込むには、このルートしかないのだから。しかし実際には、グルジア軍のツヒンワリ攻撃開始からわずか数時間の内にロシア軍の戦車が南オセチアに侵攻していた。
なんとなく締めの一言を言うのもなんだなあという感じがしてくる。
それにしても、ヘマかあ。国際情勢や軍事のセンスがないとヘマになるんだろうな。
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コメント
あれれ?
南オセチア紛争に遡って説明しないんですか?
なんかアブハジアや南オセチアがグルジアの一部であることを前提にしているように読めちゃうんですけど・・・。
投稿: sonic | 2008.08.28 00:51
小国が大国に軍事行動起こすときって、日本もそうだけど殆ど「ヘマ」でしょ。分かってやってようが分からずやろうが、結果(大概、小国にとって不利益以外無い)が出れば絶対「ヘマ」なんじゃないかと。だからって強いものには逆らうまい(常識的に考えて、それが尤も賢いやり方)で弱腰?やってたら
>ニューヨークタイムズも結果的には、これは仏独の問題だろ、しっかりしろよとは言っている。
って言われるし。どっち転んでも駄目なものは駄目なんよね。
んだからむしろ、挑発には挑発で返して大国側に大義名分無き暴走状態を現出させて、それから国連幻想に浸るでも米国マンセーするでも、すればいいんじゃないかなー? なんて思う次第。
なんとなくベトナムチックだし、今なら北朝鮮が絶賛開催中よね。あんだけ人道無視して国内ガタガタなのに国体護持してるのって、単純に政略・戦略の見地から見て凄いことだと思いますよ。フツーは負けるもん。かつての日本がそうだったように。
まぁ、それにしたところで、いわゆる後ろ盾?が見放すとか手を引くとかしたら「今までやっちゃった分だけ後が酷い」でしかないんだろうけど。チキンレースですか。
小国はイギリスのように生きるしかないんだよね。良くも悪くも。ここぞという時の存在感だけバッチリ出してりゃいいんよ。モリンピックとか映画祭とか芸術関係とか、比較的フォーマルな舞台で尊崇集めて軍事行動は諜報&分析最重視の専守防衛型、何を言われても平気の平左で挑発だけ超一流(笑)みたいな。
小国過ぎると、そのへんの役割分担が十二分に行き届かなかったりすることもあるから。ヘマと呼ぶのも可哀想なんだろうけど、でもやっぱりヘマなんでしょうね。
小さいものが小さいだけでは生きていけない世の中って、切ないですね。仕方ないことだけど。
投稿: 野ぐそ | 2008.08.28 01:19
アメリカがアフガンやイラクでどうにもならなくなっているのにロシアもグルジアに踏み込んでしまったか、と思いました。
グルジア問題については、何かしら考えを世の中に示したかったので、finalvent先生がこの話題のエントリーを書いてくださったことに感謝しています。
またか、と思われるかもしれないけれど、ピーター・ドラッカー先生が「新しい現実」で、ロシア帝国崩壊のときを予告していたのだけれど、このグルジア問題は、下手すると、ソ連崩壊からさらに、ロシア連邦崩壊にまで、話が進む結果を引き起こすかもしれないと危惧しております。
でも、プーチンというか、ロシアの典型的権力者たちというか、頭悪いですね。日露戦争でこけて、アフガン侵攻でこけたのだから、グルジアだって、あせったことや相手を小ばかにしたようなことをすれば自分が痛い目にあうということがわからないのかしら。チェチェンだってひどく難儀しているのだから、グルジアなんてもっと大変だと思うのだけれど。
前のエントリー(アメリカ料理の話のエントリー)で、「野ぐそ」さんに回答したことだけれど、「アメリカ帝国」も多様な要素を融合して高次の文化と文明を創出できないまま、古典派経済学的な資本主義とアングロサクソン流議会制民主主義のイデオロギーを世界中に広めるのを使命みたいに考えて行動してきたような国だけど、ロシアも多様な民族と宗教と言語と風俗の価値観を融合して今までより高次のロシア文化、ロシア文明を創出して人類に貢献しようなんて考えのない浅薄な考えの「帝国」なのだろうと思っています。
アメリカやロシアの皮相なものの考え方の習慣性を悪く言うだけでなく、日本と私たち日本人ももっと前向きにならないといけませんね。遣唐使の時代には唐と新羅に積極的に学び、鎌倉時代には幕府が宋や元の禅の高僧を招いて鎌倉時代なりに国際化に努力した、ああいう時代の情熱を取り戻したいものです。
ただ、江戸時代以前はほとんど中国に学習対象が限定されていて、戦後はアメリカ向きにしていればよかったのだけれど、これから学習しなければならないのは、自分の国より先進国である国だけとは限らないから、負担は大きいし、どれについて学ぶか、各人が選択しなければならないから、ひどく大変ではありますけれど。
とにかく、ロシアの権力者たちには、懲りるたびに賢くなっていってほしい、とそう願っております。
投稿: ロシアの行動 | 2008.08.28 06:51
ロシアがグルジアの無人偵察機を撃墜したくだり。
>が、グルジアはこれを否定。
「ロシアはこれを否定」ですよね。書き間違い、かな。
エントリ内で言及されてる"Georgia, NATO and Mr. Medvedev"に、以下のようにあります。
>Georgia also charged that a Russian MIG-29 fighter jet shot down one of its unmanned reconaissance drones over Abkhazia. Moscow denied it.
投稿: ume-y | 2008.08.28 09:22
このコメントをグルジア問題で入れるのは適切でないのはわかっているのですけれど、入れさせてください。すみません。
ピーター・ドラッカー先生の「鏡の背面?」なわけなのですけれど、ドラッカー先生は、全体主義の恐怖の方ばかり見ていたから、「新しい現実」でロシア帝国は最後までヨーロッパの歴史だけが意味を持ち、ヨーロッパ人が政治と権力を掌握している最後の植民地帝国だと記述し、「明日を支配するもの」の日本語版の序文で、ソ連と共産主義はヨーロッパイデオロギーの最後の残滓であったと片付けたのだけれど、アメリカ帝国にしても、アングロサクソンプロテスタントの歴史だけが歴史として意味を持ち、アングロサクソン主義者だけが政治と権力を掌握している、独立時の東部13州の植民地帝国みたいなもので、アメリカ型資本主義とアメリカ型議会制民主主義もソ連のマルクス経済学や共産主義政治体制とは異質の、現在制度疲労が起きているヨーロッパイデオロギーなのではないかと考えました。
「新しい現実」では、ソ連が超大国でなくなるときアメリカも超大国でなくなり、世界に超大国はなくなるとしているのですけれど、アメリカはともかく、ロシアは大国でさえなくなる道を走っているのかもしれないとは思います。
唐帝国がこれまででは一時的に一番成功を収めることができた文化文明帝国で、古代ローマ帝国がそれに続き、サラセン帝国がヘレニズム文化を学んでローマ帝国に次ぐ成功を収めて、モンゴル帝国や満州族の清朝も唐帝国のような偉業を達成しようとしても、その水準には到達できなかったというところだと思っています。そして、アメリカ帝国とロシア帝国は、それまでの諸帝国に比較するとたいした業績を上げていないみたいで、これは、スペイン帝国、大英帝国のあり方にも原因があったのだろうと思っています。インドとパキスタンのいさかいは、大英帝国のインド統治だけでなく、ムガル帝国のアウランゼーブ帝の失政にも原因を求められるような気がします。それゆえに、パキスタンという国をうまく統治するのは難しいのだろうと思います。パキスタンについては憶測を申し上げているのですが。
もはや、軍事力は支配力ではなく、抑止力としてしか有効に機能しないみたいですから、日本人や、中国人や、インド人みたいな成熟した文化を持った東洋人の中の優秀な人たちががもっと知力を鍛えて、世界の政治や文化のあり方をリードする意見を出せるような世の中にしていきたいものだと考えています。
投稿: もっと「新しい現実」 | 2008.08.28 10:22
ume-yさん、ご指摘ありがとうございます。グルジアが否定したのは後者のケースです。前者はロシアが名目的に否定していました。
投稿: finalvent | 2008.08.28 10:58
ある時代までは、国力の最もわかりやすい指標は領土面積で、第二次世界大戦後、産業社会が発展するとGNPやGDPがきわめて重要になりました。
でも、これからもGDPは重要な国力の指標であり続けるのかしら。
人口を考えれば、中国、インド、インドネシア、ブラジルはいうに及ばず、世界中が産業化されて、ほとんどの製造業が現在の農業のように保護の対象になってしまうような世の中がくれば、パキスタン、バングラディシュ、ナイジェリアのような国でさえ、人口が多い分、日本よりGDPの大きな国になってしまう可能性さえあるような気がしています。
それでも、それらの国がGDPが大きくなったというだけで、現在の先進国より国際的影響力を持てるかというと、やはり、優秀な行政官、外交官をどれだけそろえられるかとか、有権者の民度の問題とか、いろいろな要因で、指導される側でいる期間は短くはないと考えます。
これからの国力は、きっと、量の問題ではなく、質の問題で感じ取られるようなものになるのではないでしょうか。私はそう考えます。
ロシアの権力者たちも、経済的にうまく発展できているいまのうちに従来型の国際的「指導力」を強化したいと思っているのでしょうが、わたしは、時代に逆行しているとしか思えないので、ロシアの権力者たちにもっと賢くなってほしいと素朴にそう思っております。
投稿: これからの国力 | 2008.08.28 13:29
「グルジアが否定」の件、なるほど私の読み違いでした。
お騒がせしました、すいませんです。
投稿: ume-y | 2008.08.28 17:21
読み違いかもしれませんが以下の文についてです。
>The United Nations Security Council should also consider replacing Russian peacekeepers in Abkhazia with genuinely independent troops.
ロシア軍はもともとPKO部隊としてアブハジアに駐在してたんですよね(NYTもロシアが部隊を増援する大義名分としてPKOを利用しているように書いてます)。とすればこの文章はロシア軍を国連軍として認めよ、というよりは、完全にロシアをのぞいたPKO部隊をつくれと言うことではないでしょうか。genuinely independent troopというのはロシア(とその周辺国)の関与が全くない部隊のことかと。そういう意味ではNYTもロシア軍出ていってくれ、とういう意見じゃないかなと思うんですが(replaceという単語も部隊の入れ替えという意味では)。
最終的には南オセチアもアブハジアも、西側諸国は独立を認めざるを得ないんじゃないかなと思います。その時はグルジアやウクライナに西側の誠意を最大限見せる必要はあるでしょうが。
投稿: Taq | 2008.08.28 23:46