« 北京オリンピック近づくに黄砂の他に舞うもの | トップページ | リヒテンシュタインについてのつまらない話 »

2008.03.05

米国大統領はオバマでもいいんじゃないの

 今年の米国大統領選挙については誰が勝つのか皆目見当が付かないといえば付かないのだが、結論から言うとオバマかな。
 自分が思いつくことを率直に語ってみると、民主党からはヒラリーが出るかなとなんとなく思っていた。過去エントリ的には「極東ブログ: 米国次期大統領選挙運動、雑感」(参照)。近況、米国時間で4日付けのテキサス、オハイオ、ロードアイランド、バーモントの4州の予備選だが、代議員数の多いテキサスとオハイオでヒラリーが勝ったとのこと。おばはんにもまだ勝ち目があるかもしれないのだが。
 民主党がヒラリーを出せば共和党にも目が出るな。とするとジュリアーニかな、となんとなく思っていたら、マケインかよ。だめだこりゃ感があり、エントリ冒頭に戻る。
 ただし、もう4年前のエントリだけど「極東ブログ: オクトーバー・サプライズ(October surprise)」(参照)みたいな話がこれからなんかありそうにも思う。といっても、それが共和党の目になるとも思えないし、やっぱオバマかな。
 オバマってどうよ? なのだが、悪くないんじゃないかと思いつつある。頭はかなりいいんじゃないか。問題は米国のイスタブリッシュメントが彼を支持するだろうか。というか、一人頭がよくても大統領はな、という感じが不安。そんなことを思いつつ今日のニューズウィーク日本版3・12のロバート・サミュエルソンのコラム「国民を惑わすオバマの催眠術」を読んだのだが、そうだよなと共感した。サミュエルソンは私が尊敬するコラムニストだが、百発百中とまではいかない。それでもクリントンのエロ疑惑のとき彼がけっこう初期段階でクリントンは嘘つきだと喝破したのは忘れられない。今回のコラムだが、サミュエルソンは当初オバマに好意的だったそうだ。だが。


 何千万もの有権者が私と同じ印象をもったからこそ、オバマは大統領選の民主党指名候補争いでトップに立った。しかし私は今、それはまちがいだと思っている。

 なにが間違いなのか。サミュエルソンに言わせれば、オバマの「人心をつかむその演説と彼の実際の考え方との間に大きなギャップがあること」らしい。さらに、独創性もないし、自らが課した倫理基準も満たしていないと批判する。もっともサミュエルソンもわかっているように、それは現状のオバマ人気というかオバマ空気を背景にすればという特定の条件下でのことであり、他の米大統領候補との比較という文脈ではない。
 本当の問題は、サミュエルソンのお得意領域でもあるのだが、経済だ。オバマの公約はただのバラマキ政策だとする。

 たとえば、定年を迎えつつあるベビーブーム世代には率直にこう言うべきだろう。
「退職者向けの支出がすでに国家予算の半分近くを占めている。社会保障の給付年齢を上げて支払いを下げなければ、われわれの子供の世代は増税につぶされてしまう」と。

 耳が痛い。のは、それって日本のことじゃないのかとつい思ってしまったからだ。大丈夫、日本じゃない。米国こと。他所の国のことじゃないか。

 だが、オバマは「現在の受給者に対してだけでなく、将来的にも社会保障の給付水準を維持すると言っている。これは「変化」ではない。現状の聖域化だ。

 耳が痛い。それって日本のことじゃないのかとつい思ってしまった。はっ、大丈夫大丈夫、日本じゃない。米国こと、他所の国のことだ……いやはやベタなギャグ。

「変化というあいまいな約束を掲げるオバマだが、移民問題にしろ経済や地球温暖化にしろ、根本的な原因に切り込もうとせずに紋切り型の「解決策」を並べるばかりだ。

 紋切り型が問題というより、根本的な問題の解決が一向に見えないのに浮かれている米国民の姿がなんだかなというところだが、がというのは、一息ついて再考するとそうでもないのかもしれない。
 ヒラリー・クリントン上院議員は60歳。まさに問題の根幹であるベイビーブーマーであるのに対して、オバマ上院議員は46歳。彼自身はミレニアル世代(Millennial Generation:80年代90年代生まれ)ではないものの、現在のオバマ現象はその世代によるものだし、その世代の利益主張でもあるのだろう。とすればオバマが勝てばサミュエルソンが危惧しているベイビーブーマーへの締め付けはそう難しくはないのかもしれない。少なくともヒラリーよりはよいだろうし、共和党よりもよいだろう。
 日本の同種の問題はというと、日本のミレニアル世代の声は、いろいろ言われているし各所に兆候も見えるのだが政治的な流れにはなっていない。
 ならないのではないだろうか。というのは、日本は米国よりもっともっと老人国家だ。若い世代が弱い国家なのだ。というか、俺もその老人の一人になるのか。

|

« 北京オリンピック近づくに黄砂の他に舞うもの | トップページ | リヒテンシュタインについてのつまらない話 »

「時事」カテゴリの記事

コメント

日本は、オバマよりも一足先にポスト団塊世代の指導者を選びましたが、結果はあのとおり。

投稿: タカダ | 2008.03.06 12:02

日本のポスト団塊世代の指導者は、いまでも悪くなかったと思っているのだが。

投稿: K | 2008.03.06 12:16

http://tbs954.cocolog-nifty.com/st/files/st20080212.mp3
これ聴くと、ちょっとマケインが好きになるかも。

投稿: rice_shower | 2008.03.06 14:59

マケインは負けないん、とか書き込むの
以下、禁止。

投稿: 千林豆ゴハン。 | 2008.03.06 17:37

>  耳が痛い。それって日本のことじゃないのかとつい思ってしまった。
> はっ、大丈夫大丈夫、日本じゃない。米国こと、他所の国のことだ……
> いやはやベタなギャグ。

一度でいいから、そういうことを余丁町散人に直言してやれよ。

投稿: 通りすがら | 2008.03.07 16:57

>マケインかよ。だめだこりゃ感があり

終風さんがそうお考えになる理由を、はてダの方でもよろしいので、ちろっとお聞かせいただけませんでしょうか。

俺は終風さん仰るところの「言葉が届かないな」の「ベタな産経読者」つまりアホアホなのですが、そこらへんでボケケーと見てると、マケイン共和党の方が東アジアは安定しそうだぴょん!とか思えちゃうんですが。これ危ないのか。

投稿: WING | 2008.03.13 23:10

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 米国大統領はオバマでもいいんじゃないの:

» ヒラリーさん、「オハイオ」で復活! [たなぼた]
今回の結果如何では、大統領選から撤退も、と言われたヒラリー・クリントンさんだけど [続きを読む]

受信: 2008.03.06 10:46

« 北京オリンピック近づくに黄砂の他に舞うもの | トップページ | リヒテンシュタインについてのつまらない話 »