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2007.10.19

素人風邪対策

 パキスタン情勢も気になるけど、ちょっと息抜きエントリというか、経験的素人風邪対策の話でも。自分もちょっと風邪気味だし、回りの人やtwitterの人も、風邪引きさんが目立つので。なお、あくまで素人風邪対策なんで、適用は自己責任で。

■ ホットドリンク

ショウガ湯
 ちょっと寒気がするかな、元気がないかなというときは、ショウガ湯。ショウガを擦って絞って黒糖で飲んでもいいけど、めんどくさいときは出来合ので。個人的には、今岡製菓の粉末のがグッド。

葛湯
 これもちょっと寒気がするかな。お腹がちょっと空いたかなというとき。葛湯は葛の香りで決まるので、本葛がいいのだけど、上級品は吉野とかの製造で直接買うしかなさそう。自然食屋さんにもそれなりに売っている。作り方にはコツがあるんで、調べてみるといいかも(あるいはいつか書くかも)。出来合の葛湯では、これも今岡製菓の抹茶葛湯が好きだ。あられが香ばしくて美味しい。

レモネード
 レモネードはホットで。レモンを搾って、砂糖かハチミツで。ハチミツの香りを活かしたいときはレモンは控えめ。逆にレモンを香らせたいときは、皮をちょっと削る。ビタミンCを1000mgくらい入れてもいいかも。出来合だとこれも今岡製菓がグッド。

カリン湯
 カリンはそろそろ季節になるかな。散歩道でも実っている。ハチミツ漬けにするといい。作り方は調べてみるといいかも。自然食屋とかに漬けたのが売っているし、それでもなんとか。これも今岡製菓で粉末のがあり、それなりに。

キンカン湯
 カリン湯と似た感じ。中華食材の店に行くと、キンカンの砂糖漬けのドライにしたのが売っているのであれ買ってきて、刻んでお湯を注ぐのもグッド。これも今岡製菓のがある。

ゆず茶
 韓国食材の店にいくと売っている。品質はいろいろ。これだったらママレード茶でもありかも。

レンコン湯
 マクロバイオティクスに凝っていたころ咳風邪で飲んでいた。マクロバイオティクスの専門店ならコーレンというのがあるはず。まあ、そういうのもありくらい。類似のでは黒豆の汁、大根の汁など。それなりに。

■ お酒入り

たまご酒
 夜、うー冷えるというとき、たまご酒をつくることがある。これは意外に難しい。カラザを取りよく溶いて湯煎すると失敗が少ない。私はお砂糖とシナモンを入れる。

グリューワイン
 昨年だったか、グリューワインとして販売されるのを飲んだけど、以前から自分で作っているのとあまり変わらなかった。というわけで、作り方だけど、赤ワインに砂糖とシナモンとクローブを入れて温めるだけ。沸騰させない程度に。

■ 漢方薬

葛根湯
 けっこう風邪で反射的に葛根湯を飲む人がいるけど、これは傷寒論的には太陽病ということで、なんじゃなんだけど、ようするに首から背のこわばりがポイント。なんで背中こんな凝っていんるだ感があるとき、よく効く。個人的には顆粒を白湯に溶かして飲む。あと、カコナールとか液状のはよく効くみたいだ。製造元によって有効成分量が違っているようなんで、安い製品はそれなりに。

駆風解毒湯
 喉がひりひりに腫れているとき、これを白湯に溶いて、うがいしながら飲むと、それなりに効くというか、けっこう効く。ただし、ちりちりに喉が腫れているときは全身ダウンなんでそれほどは期待できない。トローチ状の製品もある。あと似たのに銀翹解毒丸がある。

小青龍湯
 これは鼻水だらだらのとき。

麦門冬湯
 空咳のとき。ただ、最近は使っていない。これもトローチがあったはず。

板藍根
 日本では、板藍根茶として売っている。中国人の風邪対策定番。なんでもかんでも板藍根という感じ。効くか? それなりに効く感じがする。使い分けは、なにげに喉腫れたかなというときに、ちょっと濃いめにくぅと。

龍角散
 咳き込むときに。これは応急処置。トローチのほうが効く感じがする。ところで、昔の処方ではニンジンが入っていたと記憶しているのだが、いつからかない。なぜなんでしょ。

穿心蓮
 正確には漢方というよりアーユルヴェーダ薬。個人的にはこれをよく使っている。入手は難しいと思う。

■ その他民間療法

ヴェポラッブ(Vaporub)
 鼻づまりとか息苦しいとき、これは意外によいですよ。でも過大な期待を持たず、控えめに使ったほうがいい。老人や子供にもいい。あと、風邪でないときでも安眠効果がありそう。

ユーカリ・アロマ
 アロマな人は定番。それなりにいいし、加湿器に設置できるのもある。でも、めんどくさいのでヴェポラッブでいいかな。

足湯
 野口整体、「風邪の効用 (ちくま文庫)(野口晴哉)」(参照)的な処置。くるぶしくらいまでを温めると、上半身の炎症が引く。体験的には効果がある。

ビタミンC
 これは薬局でアスコルビン酸の原末で買っておくといい。私はオレンジジュースやグレープフルーツジュースになにげに1000mgほいっと加えることがある。フランスパンを焼くときにも使える。風邪の対処としては、2000mgを水にといてそのまま一日数回。医学的にはビタミンCの風邪対処は効かないとされているが、それなりに効く。ただし、漢方系と併用しないほうがよさそうなので、最近は使わない。お話的には、「ポーリング博士のビタミンC健康法(ライナス・ポーリング)」(参照)だが、読書人向けには、「ポーリングの生涯 化学結合・平和運動・ビタミンC」(参照)がバランスが取れていて面白い。ポーリングとかラッセルとかあの時代の面白いインテリだった。

ぬれマスク
 これもネットで検索するといろいろ情報があると思う。だけど、本格的なのはけっこう息苦しい。紙でできたウェットなマスクが販売されていたそれのほうが便利。本来のぬれマスクは予防だけど、風邪引いたあとでも喉を潤すのでいい感じ。

喉スプレー
 いろんなタイプがありそれなりにっぽいけど、ポビドンヨード主成分のが効くように思う。ただ、喉の炎症は一度炎症するとなかなか早急に治るというものではないから、しゅぽしゅぽやりすぎてもダメかと。

蔘鷄湯(サムゲタン)
 これは韓国の定番、ということなんだけど、人参鶏湯として中華圏ならどこでもある。こういうのもなんだけど、効くのはすごく効くという経験がなんどかある。ポイントは、蒸気で蒸したスープということみたいだ。

■ 大衆薬

小児用バファリン
 以前は風邪の鎮痛にはひたすら耐えていたのだけど、それで反って身体をこわしたことがあり、あまり痛みがひどいときには、アセトアミノフェンを飲むことにした。米人ならタイレノールなんだが、あれだと私には多すぎるので、小児用バファリンを使っている。1錠で33mg。私の場合は、100mgでけっこう効く。ちなみに日本の大衆薬の風邪薬はけっこういろいろ入っている。コディンなども入っていたりする。意図はわかるし、それほど危険というものでもないが、たいていの場合、アセトアミノフェンで対処できないときは、医者に行けだろう。追記 コメント欄でご指摘もいただきましたが、アセトアミノフェンとお酒は併用しないように。

 以上、ま、そんなこと。なんだか健康オタクみたいな話だけどご参考になるものがあれば。

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2007.10.18

[書評]マネーはこう動く-知識ゼロでわかる実践・経済学(藤巻健史)

 藤巻さん、ユーロも外したしサブプライムも外したなあ。おそらく内容は「極東ブログ: [書評]藤巻健史の5年後にお金持ちになる「資産運用」入門」(参照)と同じだろう。これは読む必要はないか、と実は素通りだった。「マネーはこう動く 知識ゼロでわかる実践・経済学(藤巻健史)」(参照)である。

cover
マネーはこう動く
知識ゼロでわかる実践・経済学
藤巻健史
 が、今月のVoiceで彼はこの新著についてこう触れていた。

本稿を執筆している九月十八日現在、サブプライムローンの問題が騒がれ、日米の株価が落ちたため、それまで絶好調だった本の売り上げが鈍り、「話が違うじゃないか」という読者のお叱りも受けた。しかし率直に申し上げて、私の判断はいまも変わっていない。

 へぇ。と思って、早速買って読んでみた。副題に「知識ゼロでわかる実践・経済学」とあるように、前半は経済学的な話が比較的わかりやすく書かれていてちょっと退屈かな、いやこういう基礎はしっかり復習しておくといいかな、ああ、そうだそうだとか思って読み進めた。中学生だと難しいかもしれないけど、高校生くらいならこの本を読んでおくといいと思うなとか、ふんふん読み進めた。
 「比較的わかりやすく」と留保したのは、信用創造のあたりで、具体的な数値をはめた例を示して書かれているのだけど、例えば。

 通常はベースマネーが増えると、この信用創造というメカニズムを数字手、マネーサプライが増えます。100万円入れると---この例では準備率は10%だから---理論上は1000円のマネーサプライが増えることになります。理論上はベースマネーの増加書ける1/準備率という式でマネーサプライの増加が起こるのです。

 経済学に親しんだ人なら頭に等比数列がすぐ浮かぶのだろうし、それほど難しい式でもないし、ケインズの乗数なんかと同じ発想なんだけど、ちょっとためらう人もいるかなと思った。他にもそういう箇所がいくつかある。値段と金利の関係などもそうかもしれない。なので、この1ランク下の解説書とかあってもいいかもしれない。それってなんだろとか少し思った。
 藤巻は経済学者ではなく現場の人なので、もろに現在の経済状況に立ち向かうところが面白いし、経済学者にすると突飛な発想でも、私など素人にはほぉと思うことは多い。ブログの風景の関連で言えば、リフレ政策に関係するあたりだ。藤巻はある種自動的に資産インフレになるだろうと見ている。その理路も面白いのだが、ほぇと思ったのは、ネットのリフレ派さんは「日銀っておバカ?」みたいな議論が多いように思えるけど、藤巻はむしろ日銀の行動を合目的に見ているしそれなりに評価もしているようだった。その結果がなるほどという線を描いている。
 先日の「極東ブログ: [書評]スタバではグランデを買え! 価格と生活の経済学 (吉本佳生)」(参照)でもそうなのだが、後半に入ると、ぐっとトーンが変わった印象を受ける。特に為替の議論からだ。
 私は経済学を知らないので外しているかもしれないが、為替の変動について妥当な経済学の理論は存在しないはずだ。そして本書でもごく基本の経済の仕組みは踏まえているものの、このあたりからかなり実践家としての藤巻の意見がずかずかと入り込む。それが面白いといえば面白いのだが、経済学の基礎を学ぶという点からはそれてきている。別の言い方をするとこれもネットのリフレ派さんに多いように思うのだけど、経済学に忠実でも実践的な示唆はなく理論の理解の審級に拘泥してしまう、といったことは藤巻にはない。
 ただなんともわからないなと思うのは、キャリートレードとかの解説だ。

 最近のトピックで、キャリートレードという言葉がよく出てきます。「キャリートレードが増えている」とか、「キャリートレードを解消する」とかよく聞きます。しかしこれがまたウソなのです。

 として実務経験からヘッジファンドはキャリートレードをせずドルの先物買いをするという話になる。説得力はあるのだが、こういう話はどう判断してよいのかよくわからない。
 個人的な関心事としては、中国経済の未来について知りたかったのだが、本書ではほとんど言及がない。多少のクラッシュはあっても、10年スパンで中国経済の膨張が続くと見ているというふうな印象を受ける。ただそれでも、藤巻は米国ドルの優位をがんと説いているので、その配置から中国経済の今後を見るとどうなのかとは思った。そういうことろが知りたい。
 藤巻のいうように日本にモデレートな資産インフレが起きるかどうか。その判断はモデレートなのでその兆候が見えてからでもいいかもしれない。私としては、ごく悲観的に、日本経済がこのまま現状硬直化してぐずぐずとして、10年したらこんなちっぽけな国家になってしまいましたとさとなるような気がするが、先日の「極東ブログ: 円天の詐欺ってどういうことだったのだろう」(参照)の事件が暗示するかもしれないように、カネはあるところにはあるので、浮かれ気分が世相を覆うと、カネ回りがよくなってということはあるのかもしれない。

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2007.10.16

韓国におけるベトナム人妻

 誤解されてもなんなので避けていた話題なのだが、昨日朝鮮日報で”【萬物相】ベトナム人妻”(参照)という日本語化されたコラムを読み、これはもしかすると日本語で書いてあっても現代日本人にはわからない話題か、あるいは東アジアの文化圏に同じく所属する日本にも通底する話題なのか、少し考え込んだ。この機に簡単に書いておこう。
 同コラムは冒頭こう始まる。


 ベトナムの女性は結婚する前、両親から「“四徳”を守れ」という話を言い聞かされるという。四徳とは、家事や農作業に精を出す「工」、身なりを整える「容」、気立て良くという「言」、目上の人によく仕え、夫によく従えという「幸」の4つを表している。

 端的に言えば、ベトナム女性は儒教的な道徳において優れている、すばらしいのだということが言いたいのであろう。が、この話の枕はベトナムにおけるベトナム女性の話ではない。

 「慎ましく、純潔で、夫の両親の世話をよくする」というのが、国際結婚斡旋所の説明する、ベトナム女性の長所だ。「儒教の影響が強く、王に接するような態度で夫に接する」という人もいる。

 ということで、韓国に嫁ぐベトナム人女性の話題であることがわかる。というか、現在の韓国人ならなぜこれが話題になるかはわかる。が、それは後で触れるかもしれない。さしあたって重要なのは統計だ。どんだけぇ~。

 こうした宣伝が功を奏しているのか、韓国人の男性と結婚して韓国にやって来るベトナム女性の数は、年毎に増加している。昨年韓国人男性と結婚した外国人女性3万1180人のうち、ベトナム人は5822人と、中国人の2万635人に続いて第2位を記録している。また農村や漁村の男性と結婚した外国人女性2885人に限って見ると、ベトナム人は1535人と圧倒的1位を占めている。

 これが多いのか少ないのか判断に迷うかもしれない。ちなみに韓国の人口は4800万人ほど。日本の約三分の一の国家と見ていいだろうとして、どうなのか。比較にウィキペディアに日本での統計があった(参照)。

厚生労働省の人口動態統計年報によれば、2006年の国際結婚数は、夫日本人・妻外国人が35,993組、夫外国人・妻日本人が8,708組で、4倍以上の差がある。但し、これらは日本政府が認識している国際結婚数のみであるため、外国政府にのみ手続をした場合のデータは含まれていない。


配偶者女性(夫が日本人)ではフィリピン(12,150)、中国(12,131)、韓国・朝鮮(6,041)、タイ(1,676)、ブラジル(285)、米国(215)、ペルー(117)、英国(79)、その他(3,229)となっている。

 ざっと見た感じでは、韓国のほうが外国人を妻にする率が倍近いにように思われる。中国人妻の比率は4倍くらいか。そしてベトナム人妻については、日本では統計的にはほとんど目立たないので、現代韓国特有の現象だと言っていいだろう。
 話を朝鮮日報のコラムに戻すと、最終部近くで次のように虐待への懸念がある。

 慶尚南道南海、全羅南道海南などの自治体では、ベトナム人をはじめとする外国人と国際結婚した夫婦に平均500万ウォン(約64万円)の手当てを支給している。だが故郷を遠く離れた異国の地で、夫からの虐待や暴力に苦しむ女性も少なくない。

 これは先日の事件を背景としている。日本で報道されたかどうかしらないし、日本語で読める韓国系ニュースサイトにあったかどうかもわからない。事件はベトナム側での報道がわかりやすい。8月26日付け日刊ベトナムニュース” 韓国に嫁いだベトナム人花嫁の「最後」の手紙”(参照)より。

 韓国人男性と結婚したベトナム人女性フィン・マイさん(20歳)の惨殺死体が自宅で発見された。ろっ骨を18カ所も骨折しており、発見時には死後8日間が経過していたという。今月9日に韓国のテレビで報じられたこのニュースは多くの人々を驚かせた。

 ニュースはベトナム側でも大きく報道され、その英語関連のソースから私はこの事件を知った。現時点で見渡すと、ベトナム・ネット8月24日”Murdering Korean husband to go on trial soon”(参照)や9月3日”Huynh Mai’s ashes given to family”(参照)などでそのようすを伺い知ることができる。
 先のベトナムニュースの記事に戻る。

 マイさんが韓国での生活について5枚にわたってつづった手紙が、韓国のインターネットニュースサイト「オーマイニュース」上で公開されている。「いい妻に、いい母になろうと頑張った。あなたともコミュニケーションをとろうと努力した。それなのにどうして私のことに関心を持ってくれないの? 温かい家庭を築きたい、そんなささやかな夢はかなえられなかった」。手紙からは韓国語が話せなかった彼女の憤りが感じられる。

 よくわからないのだが日本のオーマイニュースはまだ存続しているのだろうか。であるとしてこの問題はどのように触れられたか気になるが、ざっとサーチした範囲ではわからなかった。
 この問題は、ベトナム人妻が増えるにつれ生じた問題であって、社会システム的な背景は弱いと言えるのかもしれない。しかし、先の朝鮮日報のコラムに農村での集中があったことや、次のように仲介会社の問題がありそうだ。

 手紙は殺される前日に書かれたもので、引き出しの中にはいっていた。彼女のパスポートは引き裂かれてゴミ箱に捨てられていた。外国人支援センター長のキム・キ・シュー氏は「相談してくれてさえいれば、こんなことにはならなかっただろう」と語る。彼女の場合、結婚を仲介した会社が倒産していたため、誰にも相談できなかったものと思われる。地元の市は相談センターを設置しているが、彼女のようにその存在を知らない人は多い。

 こうした問題は韓国外のほうからのほうが見やすい。9月25日付けタイ発ニュース速報”韓国人にベトナム人花嫁あっせん、男性逮捕”(参照)では次のような違法のケースも報道されていた。

【ベトナム】ベトナム・ホーチミン市警察当局は23日、ベトナム人花嫁を求める韓国人の37歳と39歳の男性に対し、ビンタイン区内のレストランで中南部の各省出身の女性65人の「顔見せ」を行っていたベトナム人男性(46)を逮捕した。容疑者は2005年以降、同様の手口で結婚相手のあっせんを行い、1人当たり1500米ドルの報酬を受け取っていた。韓国に住むベトナム人花嫁もあっせん過程に関与しているもようだ。

 別ソースでは「顔見せ」についてやや詳細な報道もあるが、問題の本質ではないだろう。また、こうした不法な結婚仲介会社の存在というのも、別段韓国に限ったことではないだろう。ただ、日本と比較して顕著に、韓国がベトナム人妻への志向をもっていることは特徴的であり、その背景は、朝鮮日報コラムにあった、同じ儒教的な文化背景への好感があるのだろう。だが、その文化背景は、同時に伝統社会的な圧迫感ももたらすだろうことは推測しやすい。
 すでにそうした社会問題を意識してか、韓国のメディアでもこうしたテーマが大衆的なドラマになっているようだ。朝鮮日報”【フォト】「新ドラマ『黄金新婦』をよろしく!」”(参照)より。

 同ドラマは韓国人の父に捨てられたベトナムの少女(イ・ヨンア)が実の父を探して韓国を訪問し、結婚紹介所を通じて韓国人男性と結婚、餅の商売を成功させる物語。

cover
コリアン世界の旅
野村進
 餅はトックであろうか。このドラマがNHKなどでアジアを背景にした韓流ドラマとして放映されるなら、見てみたい気はする。

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2007.10.15

イスラエルによるシリア空爆の対象は北朝鮮設計の原子炉だったか

 先月6日の謎の、イスラエルによるシリア空爆については、「極東ブログ: イスラエルによるシリア空爆からシリアと北朝鮮の核コネクション報道のメモ」(参照)で触れたが、関連の重要ニュースが13日付けニューヨークタイムズの記事”Israel Struck Syrian Nuclear Project, Analysts Say ”(参照・要登録)で報道された。記事によれば、イスラエルによるシリア空爆の対象は北朝鮮設計の原子炉だったとのことだ。


Israel's air attack on Syria last month was directed against a site that Israeli and American intelligence analysts judged was a partly constructed nuclear reactor, apparently modeled on one North Korea has used to create its stockpile of nuclear weapons fuel, according to American and foreign officials with access to the intelligence reports.
(諜報活動報告を読む立場にある米国およぼ他国の高官によれば、先月のイスラエルによるシリア空爆の対象は、イスラエル及び米国諜報分析の判定による建設中の原子炉であり、これは一見して北朝鮮が核兵器燃料備蓄用に作成したモデルをひな型にしているとのことだ。)

 このニュースで私が気になったのは情報源であり、ご覧の通りその点が明白ではない。そこで他ソースはないか、二日待ってみたのだが、やはり他ソースはなく、ニューヨークタイムズ特ダネのようだ。が、他の信頼の高い英米の報道機関がこの間、ニューヨークタイムズ報道に疑念を投げかけることなく、事実上、このこの報道事実として見ているようすが伺えた。おそらく事実なのだろうと。ということは、先月極東ブログで書いたエントリ、特にボルトンの引用あたりはほぼ正確だったと言えるだろう(なおボルトンとニューヨークタイムズは仲がよいとは言えない)。
 ニューヨークタイムズの報道は日本でどういう扱いになるのか気になったが、ロイターや共同、CNN、AFPなどで流れていた。AFP”米紙が報道、イスラエルのシリア空爆は建設中の核施設が標的か”(参照)が、ニューヨークタイムズの孫引きとして詳しい。

【10月14日 AFP】米ニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙は13日、9月6日にシリアを空爆したイスラエル軍の戦闘機は、建設中の核施設とみられる標的を攻撃したものだったと報じた。この核施設は、北朝鮮の施設をモデルに作られていた可能性があるという。
 匿名の米情報局員が提供した情報によると、イスラエル側は、隣国でのいかなる核計画も容認しないという意思表示のために空爆を行ったとされる。

 CNNも日本語で読めるソースとして補足なるだろう。”「イスラエルのシリア空爆、原子炉が標的」と米紙”(参照)より。

ニューヨーク 13日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、米国および海外の消息筋の発言として、イスラエル軍が先月6日に行ったシリア空爆の標的が、建設途中の原子炉であったと伝えた。
 ブッシュ米政権が空爆前にイスラエル政府と激しく議論した際には、シリア空爆が時期尚早かをめぐって意見が分かれたという。
 シリアのアサド大統領は、イスラエル軍の空爆が「使用されていない軍施設」だと説明していた。イスラエル当局は空爆の報道を制限し、先日ようやく国内の報道を解禁した。

 いくつか現時点で整理すると、まず、空爆は事実として確定された。空爆対象は、北朝鮮と関連のある原子炉であった可能性はかなり高い。ただし、現時点での危険性は少なく、米国としては空爆に批判的だった。だが、イスラエルが空爆したのはイランへのメッセージだとも受け止められる、というあたりだろう。
 私の印象としては、イランへの威嚇は当然あるだろうと見てよいだろうが、それよりも、イスラエルという国は、1981年のイラク原子炉空爆でもそうだったが、対立国の原子炉建設を完全に許さないというのを国是としていると見ていいことの確認だ。そのことは米国でもどうしようもできないようだ。
 さて、この問題の日本との関わりは当然北朝鮮なのだが、その点ついての考察はれいによってという印象だし、私の見渡した範囲に過ぎないが、存在しない。毎度のことながら、日本のジャーナリズムの沈黙は奇っ怪だ。
 イスラエルが対立国の原子炉建設を許さないことが国是だとすれば、今回のシリアの原子炉のモデルと見なされる北朝鮮の原子炉はどうなのだろうか。当然疑問がわくのだが、これに呼応する奇妙なニュースもあった。ロイター”北朝鮮、核実験場の地域周辺で警備強化=聯合ニュース”(参照)より。

 北朝鮮は、昨年に核実験を行った地域周辺の警備を増強している。韓国の聯合ニュースが14日、匿名の韓国政府筋の話として報じた。
 それによると、実験場に警備兵が増強配備されたほか、地域周辺にはフェンスが新たに設置されているという。

 また時事では”北朝鮮、核実験場周辺に鉄条網=米韓が動向注視-聯合ニュース”(参照)で伝えている。

韓国の聯合ニュースは14日、同国政府筋の話として、北朝鮮が昨年10月に核実験を実施した咸鏡北道・豊渓里の実験場周辺で鉄条網工事を行っており、警備の兵力が増強されていると報じた。

 ソースとなる聯合ニュースだが日本語版にはこのニュースが見当たらないようだ(私が見落としているかもしれない)。英語版でも見当たらなかった。朝鮮日報でも日本語版には記事はないが、英語版には該当記事”N.Korea Tightens Security at Nuclear Test Site ”(参照)があり、衛星写真も掲載されている。
 この報道が事実だとすれば、なんのための警備なのか。このエントリで陰謀論ようなものを誘導したいわけではないが、話の流れからすればイスラエルからの攻撃だろうかという推測は多少なりとも浮かぶ。だが、北朝鮮で警備されているのは原子炉ではないとも言えるし、六カ国協議の対象ともいえる原子炉をこの時点でイスラエルが攻撃するわけもないとも言える。
 米国からの警備かというストーリーも浮かばないわけではないし、中国やあるいは北朝鮮内部の勢力ということも考えられないではない。
 ただ、妥当なところではこの警備がどの程度重要な問題か、またこの怪しげなニュースの出所も気になるところだ。

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