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2007.07.27

韓国人ボランティア拉致事件、雑感

 アフガニスタンのタリバンが韓国人ボランティアを拉致した事件報道を聞いて、「ひどい話だ、早く女性たちが解放されればよい」と思った。が、率直なところ、日本人が拉致された事件ほどには関心はもってなかった。
 私はNHKのニュースをラジオで聞いたり、あるいはテレビの音声だけをラジオでときたま聞くのだが、このニュース、まるで国内ニュースのように比重が高いので、日本人の関係者が含まれているのかもしれないと思っていた。どうなんだろうか。そのあたりの日本でのニュース・バリューはなんなのだろうか、と奇妙な感じがしていたし、今もしている。
 拉致された人たちの大半が女性であるというのも不思議だなと思ったし、そもそもなぜ韓国人女性がアフガニスタンにボランティアを、というあたりで、昨年のあのニュースと関係あるのかなと少し思った。昨年のあのニュースとは「韓国のキリスト教系団体、アフガンでの祭典中止 イスラム聖職者らの反発で」(読売2006.8.5)である。


 国民のほぼ100%がイスラム教徒で占められるアフガニスタンの首都カブールで、韓国のキリスト教系民間活動団体(NGO)メンバーが1000人規模の「平和の祭典」を計画、混乱を恐れたアフガン、韓国両政府の説得で中止される騒ぎがあった。
 この団体は、ソウルに本部を置く「アジア協力機構」(IACD)で、今月5日、カブールの競技場などで集会を企画。韓国から2日までに、子ども約600人を含む約1500人がアフガン入りした。

 混乱を恐れたというのには、北部マザリシャリフでイスラム聖職者数百人が行った「韓国人キリスト教徒を追い出せ」のデモ行進も含まれる。
 昨年のこのとき、韓国政府は危険を想定していたようだった。

 このため、韓国政府がアフガン政府に、集会参加目的の韓国人の入国を許可しないよう要請。在カブール韓国大使館も約200人の在留韓国人に対し、危険回避のため、集会終了までアフガンを離れるように呼びかけたという。

 韓国人民間団体としてはボランティア活動ということだし、24日付け朝日新聞社説「アフガンの人質―韓国人たちの解放を願う」(参照)もその線で書かれていた。

 若者たちの中には、遺書をしたためて参加した者もいるという。治安が悪化し、危険なことを承知でアフガンに入り、手を差し伸べようとした志や善意を非難することはできない。
 問題は、アフガンの治安が彼らの予想を超えて悪くなっていたことだ。一行は真新しい大型バスに乗っていた。外国人を狙った拉致やテロ事件が増えていることを考えれば、目立たないようにするなどもっと工夫が必要だった。
 タリバーンに襲われているのは、外国人だけではない。彼らは女子教育を目の敵にし、昨年だけで200校近くの公立学校を焼き打ちにした。女子生徒が殺害される事件も続発している。

 朝日新聞は昨年の事件を知らなかったのかもしれない。あるいは「目立たないようにするなど」という言葉に万感の思いを込めたのかもしれない。が、この活動は、アフガニスタンの一部ではあろうが、宗教的な反発を買っていたので、広義に外国人や女子教育も迫害したというのとは文脈が違うように思える。そのあたり、この朝日新聞社説でも顕著なのだが、なぜか避けるように触れていない。
 もう一点、不思議に思えたのは、これはテロとの戦いであり相手はテロリストだということから、交渉の余地というのは表向きには存在しないのだが、だらだらと流れてくるNHKのニュースではやたらと交渉の話が出てくる。ただ、先の朝日新聞社説では一応こう踏まえてはいる。

 駐留している韓国軍は医療部隊と工兵部隊で200人余り。もともと年内に撤退する予定であり、即時撤退の要求には応じていない。人質をとっての脅しに屈するわけにはいくまい。

 ここに一応「テロとの戦い」が含まれているのだろうか。ところが、今日付の朝日新聞記事”「タリバーンへ身代金」州当局 人質女性、助け求め電話”(参照)では、次のように書かれている。

 アフガニスタンの韓国人人質事件で、地元ガズニ州当局筋は26日、反政府勢力タリバーンへの身代金の一部を25日夜に支払ったと朝日新聞に明らかにした。

 よくわからない報道だという感じがする。私の常識が普通の常識なら、この報道は韓国政府を窮地に立たせる。ので、「朝日新聞に明らかにした」としても流すのを抑えるものではないだろうか。
 イスラム教国へキリスト教を布教するというはどうだろうかという議論は、ネットなどでも見かけないように思うが、どうだろうか。なんとなく日本では問題意識にも登らないのかもしれないが、私は布教というのは本質的にそんなものかもしれないなという思いもあり、そのあたりの問題意識は浮いている。
 韓国人はそのあたりどう考えているかと、私が読める英語側の報道を見ていると、ずばりその問題意識を問うているものがあった。Korea Times”Is Missionary Work Safe in Islamic World?(イスラム世界での布教は安全か?)”(参照)である。

Is it safe for Christians go to an Islamic country to conduct missionary work?
(キリスト教徒がイスラム国に布教に行くことは安全か?)

This question was first raised in Korea when interpreter and aspiring missionary Kim Sun-il was kidnapped and killed by insurgents in Iraq in June 2004.
(この疑問は、2004年、通訳であり野心的な宣教師キム・ソンイルが反乱兵にイラクで誘拐され殺害されたときに最初に提起されたものだ。)

To this question, the Korean government has consistently said no, citing that the Iraqi militants who killed Kim claimed they did so because he and his company were engaged in Christian activities in Iraq.
(この質問に対して韓国政府は一貫して「ノー(安全ではない)」と言っているし、その際、キムを殺害したイラク兵が彼とその仲間の殺害理由をイラクにおけるキリスト教徒的活動に従事していたからだという話を引用した。)

Since then, government officials have said that it is almost ``suicidal'' for Christians to evangelize Muslims, for security reasons.
(以降、韓国政府公人は、キリスト教徒がイスラム教徒に伝道することは安全の理由からしてほとんど「自殺」だと言い続けている。)


 けっこうずばっと言うなという印象で、私などは少し引くものがある。この先、いろいろ興味深い話があるのだが、一つ紹介。

Oleg Kiriyanov, correspondent of the Russian state-run newspaper, Rossiyskaya Gazeta, said he was surprised to meet Korean missionaries, as they were too persuasive at home and abroad.
(ロシア政府新聞ロッシースカヤ・ガゼッタの特派員オレグ・キリヤノフは、韓国人宣教団が国内外で説得力過多で驚いたと言っている。)

``I attended a Korean language class by a Korean missionary in my state-run university in Russia, but he was kicked out because he taught mainly the Bible and Christianity rather than language,'' said Kiriyanov, who lived in Korea for nine years. He could confirm that the forcible way of missionary works was more explicit in Korea after he arrived here.
(9年間韓国で暮らしたキリヤノフは、「私はロシア国立大学で韓国人宣教師による韓国語講座を受講したが、彼は語学よりほとんど聖書とキリスト教しか語らなかったので、教師の職を放り出された」と語った。キリヤノフは韓国に来て、強制的な布教活動は韓国においてより顕著であると、ほとんど確信したようだ。)

Their bizarre missionary works are very unique compared to those of other nations' Christians, he added.
(彼は「韓国人の珍妙な布教活動は、他の国のキリスト教徒と比べてとてもユニークである」とも言っている。)


 へぇと私は思うのだが、私のへぇは韓国キリスト教についてではない。ロシアと韓国の関係のほうだ。
 さてキリヤノフのこの印象ってひどすぎるだろうか。私にはよくわからないのだが、同記事には国家規模と宣教団人口の表が掲載されていて興味深い。少し紹介する。括弧内は全人口。

韓国、12,279(48,846,000)
米国、64,084(298,444,000)
加国、 7,001(33,098,000)
豪州、 4,167(20,264,000)
英国、 8,164(60,609,000)
独国、 3,953(82,422,000)
印度、40,713(1,095、351,000)
伯国、 5,901(188,078,000)

 比率で見ると韓国の宣教師人口が突出していると言ってもよさそうだ。
 ところで、「アジア協力機構」(IACD)はウズベキスタンなどでも活動しているようだ。そのあたりが先ほどのキリヤノフの話と合わせて私など関心を持つ領域でもある。

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2007.07.26

ネズミでもできるラタトゥイユ

 嘘、嘘。ネズミが作るラタトゥイユにはかなわない。その分、けっこう誰にでもできる手抜きラタトゥイユの話でも。夏だし。

材料
 野菜。けっこうなんでもいい。ジャガイモはどうかと思うけど、私は、ニンジン入れちゃうよ。オクラとかアスパラガスとかもでいい。
 それとオリーブオイル。もう一つの材料については後で触れる。
 野菜で、でも、これは入れといたほうがいいんじゃないのというのは、次の3つ。これが入っているとなんとなくラタトゥイユの感じがする。


  • パプリカ(肉厚のあるやつ)
  • ズッキーニ
  • ナス

 野菜の切り方だけど、一口大で。つまり、ちょっと大きめに適当に切る。ズッキーニとナスは輪切りでざくざくと。

調理方法
 ニンジンは水から下ゆでしておく。水の量は適当に浸る程度。串がすっと入るくらいまでゆでる。切り方にもよるけど10分くらいから。
 フライパンにオリーブオイルを入れる。これはやや多めに。野菜の量にもよるけど、フライパンにちょっと水たまりができるくらい。
 まず、パプリカから炒める。中火。これをけっこう入念にやる。焦がさないように。5分くらいか。パプリカはきっちり炒めると甘くなっておいしい。
 次にズッキーニとナスを入れて、弱火で炒める。ナスが油を吸って、濡れた感じになるくらいまで炒める。5分くらいか。
 このころニンジンがゆであがるので入れる。
 そして、ここで、レトルトのナポリタンソースを入れる!
 瓶入りのナポリタンソースでもいい。ようするに出来合のパスタソースを入れちゃえ!
 これで味とか一切気にしない。
 いや、もちろん、きちんとしたトマトソースを入れてたっていい。オレガノとバジルを加えてもいい。まあ、そのあたりは好きな人はご勝手に。
 それで少し煮込む。5分くらいでもいい。焦げがさないように。

食べ方
 そりゃもう適当に。
 だけど、ちょっと多めに作っておいて冷蔵庫で冷やしてから食べるとうまい。トルコのメゼとか冷やして食べるのが普通。

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2007.07.23

トルコ総選挙、雑感

 トルコ問題については日本に識者も多いがマスメディアを通してはわかりづらい。私はそうした識者のうちには入らないが、湾岸戦争からイラク戦争にかけての国際情勢でトルコはとても重要な位置にあり、今後も重要な問題を含んでいると考えるので、とりあえず今回の総選挙について言及しておく(逸する可能性が高いように思えるのでなおさら)。なお、当ブログでの関連エントリは「極東ブログ: トルコのEU加盟問題近況メモ」(参照)であるが、この間の情勢についての言及が欠けてしまった。
 総選挙の結果だが、日本時間8時42分スタンプの共同”イスラム系与党が過半数 トルコ総選挙”(参照)より。


政教分離を国是とするトルコの国会(1院制、定数550)総選挙は22日即日開票され、トルコの民間テレビNTVの集計によると、開票率約97%の段階でイスラム色の強い与党、公正発展党(AKP)が過半数の約340議席を獲得、単独での政権維持が決まった。2002年の前回選挙で議席を失った極右、民族主義者行動党(MHP)は約70議席を獲得、躍進した。

 AKPの優位は予想されたことなので意外性はなく、ニュース・バリューとしては「過半数の約340議席を獲得」という、ほぼ確定数にある。
 ニュースではこの先、政教分離の共和人民党(CHP)が148議席から約35議席減らしたことを伝え、「イスラム化か政教分離の堅持かの選択を国民に迫ったCHPなど世俗派の戦略は失敗」と述べている。ニュース報道の視点として間違っているわけではない、というのもそこが一つの争点でもあった。ただ、共同のニュースではAKP議席数の意味について過半数という以上には踏み込んでいない。
 昨日の東京新聞”イスラム系与党勝利へ トルコ総選挙 大統領単独選出は困難”(参照)は、AKP単独で大統領選出ができないという点を強調していた。言うまでもなく、背景には、AKPが今年に入ってセゼル大統領任期満了でギュル外相を大統領候補に推し、大統領選の第一回投票に持ち込んだものの、憲法裁判所は投票を無効とした、ということがある。経緯はウィキペディアの「大統領選挙 : アブドゥラー・ギュル」(参照)に詳しく、間違いではないがやや書き方に偏りが感じられる。いずれにせよ、今回の選挙でAKPの独走は抑制される。
 共同では触れていないが、今回の選挙では、民族主義者行動党(MHP)が躍進し約70議席を獲得したが、5時18分タイムスタンプのNHKの報道はこの点にかなり踏み込んでいた。「トルコ総選挙 右翼政党が躍進」(参照)より。

トルコ国内では分離独立を目指す少数民族クルド人の武装組織によるテロや攻撃が急増しており、「民族主義者行動党」は、この武装組織がイラク北部のクルド人自治区に拠点を置いて軍事支援を受けているとしてイラクへの軍事作戦が必要だと訴え、躍進につながったとみられます。

 このあとNHKも触れているが、政教分離・近代化の推進でもあり、ある意味これまでクルド弾圧を担ってきた軍部も対クルド政策では同調しており、現状、すでにイラク国境に20万人規模の部隊を展開している。NHKは「トルコ軍によるイラク侵攻の可能性はさらに高まるのではないかという見方が出ています」としている。ここまで踏み込みましたかという印象だ。示唆したのは内藤さんかな。
 このあたりからトルコの今後のバランスが見えてくるのだが、AKPがある意味少し弱体化した反面、連立でどう政策が動くが難しくなりつつある。基本の構図としては、アタチュルク主義(近代化)、穏健イスラム派、民族主義という3つの軸があるにせよ、ある意味で責任主体が明確ではなくなりつつある。
 国外の視点としては19日付けフィナンシャルタイムズ”A contest to decide Turkey's future”(参照)が概括的、かつ示唆的ではあるのだが、多少違和感を残す。基本の構図としてはAKPを支持しようというものではあるだろう。EU問題から見て穏健に考えるとそういうところかもしれないが、EU的な冷ややかさも感じられる。

In 2002, the AKP got two thirds of the seats on one third of the votes. A more proportional result would be healthier: for a compromise candidate as president; for democratic balance in which all sides openly articulate their fears and hopes; and for Turks to remind themselves what they have shown the world - that Islam and democracy are perfectly compatible.
(2002年では、AKPは1/3の投票によって議席の2/3を得た。今回のバランスの取れた結果はより健全になるだろう。つまり、大統領選候補についての妥協、国内世論の脅威と希望をオープンに表明する民主主義的なバランス、イスラム宗教と民主主義が完全に両立するというトルコ国民の自己イメージについてもよい結果だろう。)

 そうかもしれないがこういう欧米からの言われかたはトルコの人には、どの勢力であるによ、またかよという感じはあるだろう。

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2007.07.22

トラックバックが使えないなあ

 エントリを起こすような話題ではないけど、考えようによってはブログの変化のエポックかもしれないと思うので、このブログのトラックバック受付け変更の話と雑談を。
 要点は、このブログでトラックバックを認可制にしましたということ。
 どういうことかというと、戴いたトラックバックは、いったん公開保留し、私が適時エントリ末に反映・公開するとしました。トラックバックがまったく使えなくなったわけではないので、誤解なきよう、お願いします。
 トラックバックを認可制にしたのは二つ理由があって、一つはスパムが多いこと。エロとか金儲けとかこのブログには要らないってば、というのは当然として、まいったのはコピペ・ブログからどさどさトラックバックがやってくるようになったこと。コピぺ・ブログというのは、たぶんCGI(プログラム)でRSSからキーワード選択し、概要部分だけぺとぺと貼りつけたエントリだけのブログで、つまり他人様の褌だけという情けないブログ、というかブログと呼べないよ、そんなもの。で、それにアフィリエイトまでついてたりする。
 もう一つの理由のほうが大きい。真面目なトラックバックをニフティが勝手にスパム認定して一時的に非公開にしていること(あとで解除できる)。はてなからのトラックバックは全滅。楽天からも駄目だ。どうなっているのでしょうかね、とニフティの運営をちょっと疑います。
 つまり、良質なトラックバックがすでに認可制になってしまっているのだから、これはもうトラックバック全体を認可制するにしかないなと思いました。
 そのあたり、ちゃんとお仕事してスパム・トラックバックを排除しましたという通知がニフティからあれば、以上は撤回して、また「トラックバックなんでもバッチ来い」状態に戻します。
 くどいけど、気にくわない意見だからとか、またNakajimaさんがなんか言っているとかの理由では削除しないので、誤解なきよう。
 ついでに。
 コメント欄のほうは、ご覧とおり、なんでもコメントを戴いています。ただ、「マモウマー」だけのコメントとか、「finalventバーカバーカ」というのは、気がついたら削除。あれです、「おやこんなところに丸まったティッシュが落ちている、さては誰かやったか(当然くしゃみ)、でもこれはゴミ箱にぽい」というだけのこと。基本的に「気にくわないコメントだから消しちゃえ」とかやらないし、「匿名で言うなよ、お前」みたいのは放置。ついでに、それってどう答えていいのかわからん問い掛けはただわからんというだけ。「おまえバカだろ」とか言い返しません。お互い様であります(ケロロの声で)。
 コメント欄については、以前、「早晩、うちも炎上するんだろうな」と思っていたけど、その後特に炎上はなし。というか、あまりその手のことが好きな人の関心話題を避けるというのが炎上を避けるコツか、みたいな釣りっぽい話すらも避けていますので。
 とか言って、コメント欄を認可制にするのは時間の問題かなという感じもしています。コメント欄についてはこちら側から見ていると、へぇと思うこともあるけど世の中いろんな人がいても、特に波風ないようでしたらできるだけ許容していきたいものです。お互い様であります(ケロロの声で)。

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