« [書評]マックス・ヴェーバーの哀しみ(羽入辰郎) | トップページ | 国際技能五輪の結果を今頃眺めてみた »

2007.12.01

初体験の早い子のほうが優等生なのか

 あっという間に今年も師走といった感じがする。相変わらず世間のニュースにあまり関心が向かないので、与太話でも書いておこう。ネタはニューズウィーク日本語版12・5”初Hの早い子は優等生?”。タイトルを見て、奥手だった私なんかちょっとぎょっとするなというのと、そおかあ?みたいな疑問も沸く。
 まず普通はこう考えるよなという話がある。


 親や政府、一部の心理学者の間では、たとえば14歳という若さで性行為を経験する子供は、17歳以降に経験する子に比べ、その後の学力に問題が生じたり、犯罪を犯したり、飲食や喫煙をしたり、情緒面での問題を抱えるというのが常識だ(アメリカの初体験の平均年齢は16歳)。

 まあ、そうかな、と。むしろ、初体験年齢が米国で16歳ってほんとかとかちょっと思うし、いやそのあの初体験というのはだね、その日本とは違って、いや日本でも同じかもだが以下略。
 ところがこの「常識」を科学的に調べてみると事実ではなかったらしい。

 これを証明するために、バージニア大学の心理学者らは、同性の双子のうち、一方が平均で二年早く性行為を体験している534組を調査。すると予想外の結果が得られた。「セックスを早く経験した子はそうでない子に比べ、数年後に非行や反社会的な行動を起こす確率が低かった」と、調査に携わったページ・ハーデンは言う。

 逆だというのだ。つまり、性行為初体験年齢が低い子のほうがその後社会的な問題を起こさないらしい。そんなぁ。
 いやそれはそういうものかと考えればそれはそれなりの理屈も付きそうなのだが、それにしても真実はそういうことか? というかなぜ従来からの「常識」があったのか。そのあたりは同記事を読まれるとわかるが、結局、調査方法によるようだ。
 今回の調査からわかることは、ちょっとややこしいがこういうことらしい。

 つまり、低年齢での初体験が非行を引き起こすのではなく、遺伝的な要素を含む第三の要因が、低年齢での初体験と非行の両方を誘発するということだ。

 ある種の遺伝子的な少年少女行動パターンが、非行とおセックスの両方を引き起こすらしい。もちろん、そんな単純な遺伝子決定ではないよという話も記事には含まれているので気になるかたはオリジナルを参照のこと。
 結局どういうこと?
 とりあえず、少年少女に社会的に問題となる行動パターンがあったとしても、それがそのままその未来の行動パターンを決定するとはいえない、ということだろう。
 だがこの記事を読んで、かつ単純な遺伝子決定といった議論は排すとしても、結果的に初体験年齢を下げる遺伝子的な要因というのはありそうな気がするな、とかしばらく考えた。いやつまり与太話がむくむくってことなんだが。
 思い出すと、高校時代にやりまくっていた同級生とか、20代で前半で子持ちという知人のことを思い浮かべると、あれなんだよ、その親もけっこうそうだったりする。つまり、お客さんの回転が速い、じゃないや世代の回転が速い。
 初体験の早い子の親もけっこう若いときに子供産んでいる。だもんで、爺さん・婆さんも若い。へたすると玄孫とかいたりする。あれ、なんなんだろうとかねて疑問に思っていた。遺伝的な傾向なのか、それとも家風っていうか、家柄っていうか、寛容っていうか。
 どうなんだろと考えるに、なんか遺伝的な要素はありそうな気がする。つまり、性行為年齢を下げるような遺伝的な要素が。いやたんに成長が早いとか、あるいは身体的な魅力が大きいとか……なんか与太話が続くみたいだが。
 与太話を広げる。日本人というのは混血でできた民族だが、世代交代速度の速い群と遅い群とがあるんじゃないだろうか。
 ほいで、むしろ現代というか戦後というか、高度成長期以降は、そういう面で、世代間交代に遅い群にとって生存が適者になるような、そんな社会になったのではないか。晩婚や昨今話題の中年童貞増加というのは科学的な進化論による適者生存として説明できるのでは。
 そんな社会的な要因というのがあるとしたらなんだろ? 長寿かな。みんな長生きするんだから、おセックスはお預け。中年童貞でも50歳過ぎて挽回の機会はあるぞとか。
 うーん、すごい間違った考えのような気がしたな。

|

« [書評]マックス・ヴェーバーの哀しみ(羽入辰郎) | トップページ | 国際技能五輪の結果を今頃眺めてみた »

「雑記」カテゴリの記事

コメント

混血は人類全般に言えそうだけど(人種という分類は科学的根拠ないし)。でも日本人は何でも取り込んでいくようなところがあって、それでいてアイデンティティーがぶれないと言うか、そういうところがある、ような。世代交代が早いグループと遅いグループの同い年の人はなんか違いがあるのかな。

投稿: itf | 2007.12.01 18:48

初体験年齢を下げる遺伝子的な要因…
なんとなく既視感を覚えたのはなんだろ。「人類ネオテニー説」を現代社会に応用した↓のような論考かな。
「今の時代―少数の子供がかなり確実に育つことができて、高度資本主義、高度情報化社会であり、いつまでも多くのことを学びつづける必要のある社会においては、きっとネオテニー度が高い方が高度に適応できるのだ。」
http://www5b.biglobe.ne.jp/~yo-ta/texts/010723neo.htm

投稿: YK | 2007.12.01 19:05

挽回する機会か。う~むここまで言われると信じてしまう、てかっそうあってほしい、いやそれが真実なのだ!・・・あるか~!!
こういうことを研究して生きていければなぁ。

投稿: abekoji | 2007.12.01 23:14

集団は一人の人格ですね。だからコントロールできない。

投稿: itf | 2007.12.02 19:02

初体験の年齢を引き下げる要因は「顔」でしょうね。男性の場合は運動能力も。これなら遺伝の割合も高いでしょうし、環境要因も親と同じになりやすいと思います。顔の良い悪いはこどもの頃どれだけ上手にセンスよく表情を作ったかによって決定します。親が表情豊かだと子供が真似しますからね。それで顔の筋肉と骨格が成長していって美しいとされる顔になります。だから一人の作業にぼっとうするオタク系インテリ系は顔がぱっとしないのでしょうね。不良系スポーツ系はだからそれなりの顔をしているのでしょう。もちろん個人差は多いにありますけど。

投稿: 天魔 | 2007.12.16 13:53

全く同じ環境であればセックス経験の早さはステイタスとして機能するってことだな。
一般的には早熟の方が悪いイメージがあるけど、同じ環境ということはその差は完全に個人の振る舞いによって付いた差だといえる。
その結果セックスが早いほうが社会的にも有利と分かれば若者は自力でセックスるを確保する努力をすること推奨し、それに大して大人は「お互いの合意さえあれば何歳でセックスしてもかまわん!!ただし早熟セックスにはそれなりの壁を越えた者だけがゆるされる特権だ!!」とばかりに試練を与える感じでやるのもいいかもしれない。

投稿: | 2013.01.20 12:16

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 初体験の早い子のほうが優等生なのか:

« [書評]マックス・ヴェーバーの哀しみ(羽入辰郎) | トップページ | 国際技能五輪の結果を今頃眺めてみた »