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2007.10.15

イスラエルによるシリア空爆の対象は北朝鮮設計の原子炉だったか

 先月6日の謎の、イスラエルによるシリア空爆については、「極東ブログ: イスラエルによるシリア空爆からシリアと北朝鮮の核コネクション報道のメモ」(参照)で触れたが、関連の重要ニュースが13日付けニューヨークタイムズの記事”Israel Struck Syrian Nuclear Project, Analysts Say ”(参照・要登録)で報道された。記事によれば、イスラエルによるシリア空爆の対象は北朝鮮設計の原子炉だったとのことだ。


Israel's air attack on Syria last month was directed against a site that Israeli and American intelligence analysts judged was a partly constructed nuclear reactor, apparently modeled on one North Korea has used to create its stockpile of nuclear weapons fuel, according to American and foreign officials with access to the intelligence reports.
(諜報活動報告を読む立場にある米国およぼ他国の高官によれば、先月のイスラエルによるシリア空爆の対象は、イスラエル及び米国諜報分析の判定による建設中の原子炉であり、これは一見して北朝鮮が核兵器燃料備蓄用に作成したモデルをひな型にしているとのことだ。)

 このニュースで私が気になったのは情報源であり、ご覧の通りその点が明白ではない。そこで他ソースはないか、二日待ってみたのだが、やはり他ソースはなく、ニューヨークタイムズ特ダネのようだ。が、他の信頼の高い英米の報道機関がこの間、ニューヨークタイムズ報道に疑念を投げかけることなく、事実上、このこの報道事実として見ているようすが伺えた。おそらく事実なのだろうと。ということは、先月極東ブログで書いたエントリ、特にボルトンの引用あたりはほぼ正確だったと言えるだろう(なおボルトンとニューヨークタイムズは仲がよいとは言えない)。
 ニューヨークタイムズの報道は日本でどういう扱いになるのか気になったが、ロイターや共同、CNN、AFPなどで流れていた。AFP”米紙が報道、イスラエルのシリア空爆は建設中の核施設が標的か”(参照)が、ニューヨークタイムズの孫引きとして詳しい。

【10月14日 AFP】米ニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙は13日、9月6日にシリアを空爆したイスラエル軍の戦闘機は、建設中の核施設とみられる標的を攻撃したものだったと報じた。この核施設は、北朝鮮の施設をモデルに作られていた可能性があるという。
 匿名の米情報局員が提供した情報によると、イスラエル側は、隣国でのいかなる核計画も容認しないという意思表示のために空爆を行ったとされる。

 CNNも日本語で読めるソースとして補足なるだろう。”「イスラエルのシリア空爆、原子炉が標的」と米紙”(参照)より。

ニューヨーク 13日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、米国および海外の消息筋の発言として、イスラエル軍が先月6日に行ったシリア空爆の標的が、建設途中の原子炉であったと伝えた。
 ブッシュ米政権が空爆前にイスラエル政府と激しく議論した際には、シリア空爆が時期尚早かをめぐって意見が分かれたという。
 シリアのアサド大統領は、イスラエル軍の空爆が「使用されていない軍施設」だと説明していた。イスラエル当局は空爆の報道を制限し、先日ようやく国内の報道を解禁した。

 いくつか現時点で整理すると、まず、空爆は事実として確定された。空爆対象は、北朝鮮と関連のある原子炉であった可能性はかなり高い。ただし、現時点での危険性は少なく、米国としては空爆に批判的だった。だが、イスラエルが空爆したのはイランへのメッセージだとも受け止められる、というあたりだろう。
 私の印象としては、イランへの威嚇は当然あるだろうと見てよいだろうが、それよりも、イスラエルという国は、1981年のイラク原子炉空爆でもそうだったが、対立国の原子炉建設を完全に許さないというのを国是としていると見ていいことの確認だ。そのことは米国でもどうしようもできないようだ。
 さて、この問題の日本との関わりは当然北朝鮮なのだが、その点ついての考察はれいによってという印象だし、私の見渡した範囲に過ぎないが、存在しない。毎度のことながら、日本のジャーナリズムの沈黙は奇っ怪だ。
 イスラエルが対立国の原子炉建設を許さないことが国是だとすれば、今回のシリアの原子炉のモデルと見なされる北朝鮮の原子炉はどうなのだろうか。当然疑問がわくのだが、これに呼応する奇妙なニュースもあった。ロイター”北朝鮮、核実験場の地域周辺で警備強化=聯合ニュース”(参照)より。

 北朝鮮は、昨年に核実験を行った地域周辺の警備を増強している。韓国の聯合ニュースが14日、匿名の韓国政府筋の話として報じた。
 それによると、実験場に警備兵が増強配備されたほか、地域周辺にはフェンスが新たに設置されているという。

 また時事では”北朝鮮、核実験場周辺に鉄条網=米韓が動向注視-聯合ニュース”(参照)で伝えている。

韓国の聯合ニュースは14日、同国政府筋の話として、北朝鮮が昨年10月に核実験を実施した咸鏡北道・豊渓里の実験場周辺で鉄条網工事を行っており、警備の兵力が増強されていると報じた。

 ソースとなる聯合ニュースだが日本語版にはこのニュースが見当たらないようだ(私が見落としているかもしれない)。英語版でも見当たらなかった。朝鮮日報でも日本語版には記事はないが、英語版には該当記事”N.Korea Tightens Security at Nuclear Test Site ”(参照)があり、衛星写真も掲載されている。
 この報道が事実だとすれば、なんのための警備なのか。このエントリで陰謀論ようなものを誘導したいわけではないが、話の流れからすればイスラエルからの攻撃だろうかという推測は多少なりとも浮かぶ。だが、北朝鮮で警備されているのは原子炉ではないとも言えるし、六カ国協議の対象ともいえる原子炉をこの時点でイスラエルが攻撃するわけもないとも言える。
 米国からの警備かというストーリーも浮かばないわけではないし、中国やあるいは北朝鮮内部の勢力ということも考えられないではない。
 ただ、妥当なところではこの警備がどの程度重要な問題か、またこの怪しげなニュースの出所も気になるところだ。

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