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2007.07.06

最近の北のお便り、どんより編

 先日ちょこちょこと北朝鮮がミサイル実験をしていた。固定燃料だったらしいので、すわっとも思ったが直接的には日本の安全保障には影響はなさそうだし、国内でもそれほど問題視されてもいないようだった。ただ、気になることはあった。これも微妙な話なんでどう書くか迷うのだけど、ブログをやっているなら時事で気になることは書いておくという程度に書いておく。
 話を単純にすると、今回の一連のミサイル実験は北朝鮮が韓国を狙ったものかもしれない。もっともそれを言うなら一年前の、日本が大騒ぎした実験にもそういう面はあったかとも思うのだが。そのあたりはどうなのかとぼんやり疑問に思っていると、三日付の朝鮮日報社説”北のミサイルはソウル以南の都市を狙うためのもの”(参照)で、この件にふれたバーウェル・ベル在韓米軍司令官の講演を扱っていた。


 バーウェル・ベル在韓米軍司令官は2日、寬勲クラブで講演を行い、「北朝鮮が先月27日に(咸興近辺から)試験発射した短距離弾道ミサイルは、韓国軍と韓国の国民を攻撃するために開発したものと判断される」とし、「北朝鮮は発射試験に成功した」と語った。またベル司令官はこのミサイルについて「旧型の地対地フロッグミサイルを改良・改善した現代型で、固体燃料を使用して迅速な発射と移動を可能にしている」とするとともに、「北朝鮮は射程距離を延長することでソウル以南の都市を狙ってくるはず」と語った。


 射程距離が120キロということは、韓国軍の基地はもちろん、平沢の米軍基地をも狙えることになる。ベル司令官が説明したように迅速な発射や移動が可能だとすれば、韓米連合軍が迎撃するのも容易ではない。北朝鮮が同ミサイルに生物兵器や化学兵器を装てんした弾頭を装着すれば、危険は一層拡大する。

 朝鮮日報としてはこれで韓国の安全保障はどうなるのだという問題提起でもあるし、大統領選に関わる政局の文脈もあるのだろう。
 韓国国内でのこの問題の受け止め方については私はわからない。概ね、また、ふかしてやがんなという程度ではないだろうか。その雰囲気は多少この社説からも感じられる。また、これは米軍のおねだりでしょというふうな理解も当然あるだろう。同じく同日の朝鮮日報”在韓米軍司令官「韓国側が防衛費5割負担を」(下)”(参照)では露骨にカネの話が出てくる。

 また、在韓米軍の防衛費の分担金の問題について、ベル司令官は「50%程度は韓国が負担してくれることを望んでいる。交渉が順調に進まなければ規模の縮小は避けられない。有事の際に備えた態勢に問題が生じる兵力削減や、韓国人労働者の解雇はしたくないので、あと残された道は組織改革と基地の移転しかない」と述べ、米軍基地の再編計画を調整する可能性についても示唆した。

 ここでオチとしてもいいのかもしれない。ただ、私はこの問題の構図はむしろ、次の部分にあると思う。

 ベル司令官は、戦時作戦統制権が韓国軍に移管された後、有事の際に戦争を勝利に導く上で重要な役割を果たすことになる米軍の戦力増強について、「多くの数を確保するのは難しいだろう。地上戦は韓国軍が主導し、最初の攻撃も韓国軍が中心になって行うことになるはずだ」とし、戦力増強の規模が縮小されるとともに、海軍・空軍は米軍が支援するが、地上戦は韓国軍が責任を持って行わなければならない、という点を強く示唆した。

 要点は二つあると思う。一つは、戦時作戦統制権が韓国軍に移管されるということ。もう一つは、先の記事のほうがわかりやすいが、北朝鮮の射程はソウルを超えて、在韓米軍を威嚇していること。このあたりの行為は北朝鮮と利害を一にする国家や勢力にもメリットがあるかもしれない。
 戦時作戦統制権については、「極東ブログ: 朝鮮半島有事における戦時作戦統制権が韓国へ返還される予定」(参照)や「極東ブログ: 韓国の戦時指揮権問題」(参照)で少しふれた。また、後者については、「極東ブログ: 在韓米軍基地移転の裏が読めない」(参照)や「極東ブログ: ソウルが軍事的空白になる」(参照)でも少しふれた。
 率直に言ってよくわからないことも多いのだが、大枠でいえば、在韓米軍は北朝鮮が引き起こすかもしれない問題に関わりたくないというのがあるだろう。特に、米兵に犠牲者が出るような事態については、今の内から退路を取っている印象がある。その場合、韓国はどうなるのかということについては、米国としては韓国が考えればよいだろうくらいな。
 当然、この構図のなかで日本はどうかという問題がある。が、ちょっと書く気力がない。というかブロガーが考えるこっちゃないか。大枠だけ言えば、日本の安全保障に米国が関与するだけの、米国側のメリットというのを米国がどの程度意識しているかに関わっている。それを言うなら、日本側のメリットも議論されるべきだろうが、そのあたりは実際にはほぼタブーなのだろう。

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コメント

仮に有事の際韓国が北と早期講和して統一選挙しますなんていい出したら米軍はどう出るんでしょうか。核を持った統一朝鮮なんて日本には悪夢以外の何者でもないですよね

投稿: 通行人 | 2007.07.06 13:34

アメリカは自国の利益優先だから北くらいはお笑いだが何とも思ってない、中国の省規模だし。北のスパイに堂々とペンタゴン情報を公開していますよ。大きな狙いは日本の独立性の阻止。日本が独自外交をしたら中国圏ともども市場を失う。小泉、竹中はアホだからアメリカはやりやすかっただけ。最近は安倍もきずいて独自路線を歩もうとしているからたたきに会って、苦戦を強いられている。敵はアメリカなんだ。

投稿: アカギ | 2007.07.06 19:03

米の次期政権以降の悪夢についても考えておかないといけませんからね。
今から考え始めてもちょっと遅いですが。

投稿: 無粋な人 | 2007.07.09 10:39

極論なんですが、韓国が降伏して滅びるならそれはそれでよいと思います。もっともその後に北の天下をいつまでも続けさせる気はないですが。
韓国には反日イデオロギーが固定化してますので、このまま韓国によって統一された場合、日本を仮想敵国にして相当長い間緊張が続くと思います。
一旦、体制を根底から解体してもらうために1940年のフランス程度の消滅の仕方なら、日本にとっても決して悪いことではない。対馬海峡が前線になりますが、防衛問題を気にしなさ過ぎる日本国民にとっては必ずしも悪いことにはならないと思います。

日露戦争のときは、半島が敵対勢力によって支配されるのを危惧した。という話ですが、あの時はロシア帝国は樺太方面から北海道に進出することもできた・・・・朝鮮方面と樺太方面と二正面作戦をやられれば国力に劣る日本は不利になります。そこでロシアの準備が整う前に先手を打った・・・今回は中国とロシアがどこまで馴れ合えるか微妙なので、一時的になら北朝鮮が韓国を支配してもリスクをコントロールできると思います。

それとも韓国のこと嫌いすぎでしょうか?

投稿: エストニア義勇兵 | 2007.07.14 12:39

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