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2007.04.26

[書評]脳が冴える15の習慣 記憶・集中・思考力を高める(築山節)

 特に気になる時事話題もないようなので、なんとなく昨日の続きっぽくマインド・ハック系の本の感想など。そうだな、「脳が冴える15の習慣 記憶・集中・思考力を高める(築山節)」(参照)が面白かったか。ところでNHK出版って新書も出していたのか。

cover
脳が冴える15の習慣
記憶・集中・思考力を高める
築山節
 脳が冴えない私としては「脳が冴える15の習慣」を身に付けたいと思うのだが、ざっと小飼弾さん風に目次的にリストするとこんな感じでチョーチョーチューショー的。

  • 習慣1 生活の原点を作る
  • 習慣2 集中力を高める
  • 習慣3 睡眠の意義
  • 習慣4 脳の持続力を高める
  • 習慣5 問題解決能力を高める
  • 習慣6 思考の整理
  • 習慣7 注意力を高める
  • 習慣8 記憶力を高める
  • 習慣9 話す力を高める
  • 習慣10 表現を豊かにする
  • 習慣11 脳を健康に保つ食事
  • 習慣12 脳の健康診断
  • 習慣13 脳の自己管理
  • 習慣14 創造力を高める
  • 習慣15 意欲を高める

 リストからはなんだかさっぱりわからないが、各習慣についてはわかりやすいリードと、章毎に太字にした数行のまとめがあるので、気になる人はそのあたりを立ち読みして、へぇと思ったら買って読んでみてはどうだろうか、という感じかな。
 この手の本は誰か書評をブログに書いているだろうなと思ったら、意外に、と言ったらアカンか、JANJAN”今週の本棚・『脳が冴える15の習慣』を読んで”(参照)があった。いわく。

 私も、毎日パソコンを使って仕事をしています。PCのディスプレイ見つめ続けると、頭がぼうっとしたり思考が堂々巡りに陥ったりすることがあります。脳を元気に働かせるために提案されている「15の良い習慣」は、難しいことではなく、すぐにでも実行できそうな事柄です。自分に足りない部分を強化するためにも、手離せない1冊になりそうです。

 とのこと。そっかぁ?
 いやね、私はこの本を途中で放り投げようかと思ったのですよ。こりゃ、無理だわ、と。習慣6思考の整理、とのところなのだが、リードは、忙しいときほど「机の片付け」を優先させようだ。それができたらいいのになである。これはあれです、奥さんが高橋陽子先生か、近藤典子先生か、というくらいの違いがあります(もちろん解説するまでもなくそれはギャグですし詳細な説明は不要でしょう)。
 しかし新書だし適当に読み進めるとして読んでいくと、なかなかオツなご指摘がある。

 ところが、世の中にはうらやましいほど要領の良い人たちがいて、比較的初歩的な仕事であれば、そんな整理をしなくても、直感力と応用力の高さで何となくできてしまう。学生時代で言えば、計画的に勉強しなくても試験では結果を出せるようなタイプです。そういう人たちは、整理しない分仕事が速いので、若い頃には優秀に見える場合があると思います。
 しかし、そういうやり方が通用するのは、はっきり言えば、若いうちだけです。

 うっ、これは痛いところを突かれたな。
 というわけで、脳が冴える15の習慣というより、これから老いる脳が対処すべき15の習慣ということかと納得。というか納得する年齢になってしまったしなオレ。
 なので、若くて切れる人にはあまり用のない本か、というと、後半、え?と思うエピソードがあった。若い人にも重要かもである。
 著者の外来に一流の大学院を出て有名企業に就職した三〇歳の独身女性が来たというのだ。英語も堪能らしい、というあたりで、私はれれ?と思った。脳神経外科専門医にして臨床医になぜ? そのあたりが読者の私にはよくわからない。脳機能障害があるとして回されたのだろうか。本の話を読む限りでは彼女はビジネスでとても大きなミスをしたことがきっかけだというのだが、それで脳神経外科?
 まあ、それはいいとしても、確かにこの女性はエピソードを読む限り変。

 しかし、私は彼女の話を聞いていて、問題があると感じました。
 あまりにも完璧主義な上、愚痴が多いのです。
 たとえば、仕事のことについて尋ねると、自分がいかに向上心を持って働き、同僚にはできない仕事をしてきてか、それなのに会社はわかってくれない、そもそも上司は英語を話せないから……という話が続きます。脳機能検査で、日本語で思考する能力にやや問題があると感じたので、新聞のコラムの書き写しをお願いしたところ、
「そんなことをしても意味がありません。英語でやっていいですか?」
という答えが返ってきました。

 私はこーゆー人をこれまで数人いやもっとかな、会ったことがある。仕事もしたことがる。ある種の典型的な社会適応の失敗例ではないかなというくらいにしか思わない。
 それはそれとして、臨床医でもある著者は彼女に、写真教室に通うことを勧め、これが功を奏する、という話になる。なぜ写真教室? 写真教室なら目を使う、体を使う、いろいろなタイプの人に接するというメリットがあるらしいのだが。

 そして何より大事なのは、写真教室では、一流大学を出ていてようと、有名企業に勤めていようと、彼女はいちばんの初心者で、周りには先生や先輩ばかりがいるということです。こういう環境に身を置いていれば、できない自分を人に見せることになりますし、彼女の小さな成長を周りの人が積極的に評価してくれることでしょう。その中で良い人間関係の在り方を体得し、人を誉める機会も増えることを私は期待していました。

 なるほどね。というか、これを読んで私はけっこうそういう異分野の学習をやってきたことを思い出した。というか今年も二、三チャレンジしてみるつもり。こういう新しい分野の学習とその人間関係は確かに良い面が多い。悪い面もあるんだけどね。
 自分が得意ではないものを学んでいくと、自分の学習ストラテジーというかメタ学習のパターンが見えてくるので、これはけっこう面白いものだ。
 ところでこの話だが意外なオチがあった。彼女は写真教室がきっかけで結婚したそうである。ああ、そういうのあるかもねというか、そういうのっていうのは……以下略。

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コメント

こういう「習慣」本は続けりゃいいんだろうけど、続かないよな~が大半だったり。また、いろんな分野をかじってみてインスパイアを受けて正のシナジーを得るのは一定の年齢と経験がないとムリじゃないかな~とか微妙な年齢になって思ったりします。
写真教室がいいかどうかはさておき、チャネルは多い方が本業もいいよ。「かじるだけでもいいから」が持論でかじりまくりをしています。で、かじっただけではまずいわけですが、やめなきゃいいのでは?とか中止、または休止。また再開するぞ~と大学院を卒業したので、今年こそは!とものにする気もなけれど一応なんかするわけです。あたたかくなりましたし。

投稿: blog49 | 2007.04.27 08:17

ノウブームになると逆に少し別の方向に目を向けたくなるお莫迦が自分ですが、サイドバーのバロックから、ふと、何かお薦めがあればよろしくお願いいたします、とリクエスト。自分にはわからないのですが、「バロックの森」を聞くのは好きです。

投稿: yew | 2007.04.27 22:02

yewさん、こんにちは。コメントを誤解しているかもしれません、その点はご容赦。「バロック音楽―豊かなる生のドラマ」はレファレンス的に便利かと思います。具体的に音楽としては……ですが、私は軽音楽風にアレンジしたものがけっこう好きで時折きいています。特に、NHKが出しているのもがクオリティが揃っていてBGMに使っています。

投稿: finalvent | 2007.04.28 08:38

いわゆる「頭の配線」の繋がる時と繋がらない時、
漠然とではありますが、何か「廻っていないな、これは……」と感じることが最近増えまして、悩んでいます。

一応、私は二十代なんですけど、脳症か? と厭な考えが頭をよぎります。
皆さんも似たようなことはあったでしょうか?

投稿: 夢応の鯉魚 | 2007.05.01 17:28

確かに、一流の大学院を出て有名企業に就職した三〇歳の独身女性の話がありましたね。

しっかりオチがあるのがうれしかった。

投稿: 本のソムリエ | 2008.01.22 20:15

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» [読書] 人に読ませたい「脳が冴える15の習慣」 [ひこうき雲]
築山節、「脳が冴える15の習慣」(NHK出版) こういう本は、少しでも自分にとって役に立ちそうな部分を探し、吸収して、自己の成長につなげていくべきであり、「あの人に読んでほしい」などと人ごとのように考えているようじゃダメ、というのは重々わかっている。 それでも... [続きを読む]

受信: 2008.12.25 19:21

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