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2007.04.18

鬱とやさしい植物油

 一応裏はあるけど、まあ、ネタと言っていいだろう、鬱とやさしい植物油。植物油を摂ると鬱が緩和されるというのじゃなくて、逆。鬱がひどくなる、ら・し・い。
 話の出所はきちんとした医学誌Psychosomatic Medicine”Depressive Symptoms, omega-6:omega-3 Fatty Acids, and Inflammation in Older Adults”(参照)なので、気になる方はそちらを読んでおいて。
 話はロイター”Fatty acid tied to depression and inflammation”(参照)のほうが読みやすい。


The imbalance of fatty acids in the typical American diet could be associated with the sharp increase in heart disease and depression seen over the past century, a new study suggests.
(最新研究によると、この一世紀間でみて、典型的な米国人の食事における脂肪酸のアンバランスが心疾患と鬱を強く増加させているようだ。)

Specifically, the more omega-6 fatty acids people had in their blood compared with omega-3 fatty acid levels, the more likely they were to suffer from symptoms of depression and have higher blood levels of inflammation-promoting compounds, report Dr. Janice K. Kiecolt-Glaser and her colleagues from Ohio State University College of Medicine in Columbus.
(とくに血中でn-6系脂肪酸がn-3系脂肪酸より多い比率の人に、鬱に悩む人や血中炎症物質レベルの高い人が多い、とDr. Janice K. Kiecolt-Glaserらオハイオ医大学のグループが発表した。)


 で、n-6とかn-3ってなんだだが。

Omega-3 fatty acids are found in foods such as fish, flax seed oil and walnuts, while omega-6 fatty acids are found in refined vegetable oils used to make everything from margarine to baked goods and snack foods. The amount of omega-6 fatty acids in the Western diet increased sharply once refined vegetable oils became part of the average diet in the early 20th century.
(n-3系脂肪酸は魚、亜麻仁油、クルミに含まれるのに対して、n-6系脂肪酸は、植物油を使う全食品、マーガリンや焼き菓子、スナックに含まれている。欧米の食生活では、n-6系脂肪酸は二〇世紀初期に精製植物油が平均的な食生活に組み入れられてから増加している。)

 簡単に言うと、植物油の取りすぎで鬱が悪化している、と。鬱とやさしい植物油というわけだ。納豆とか豆腐とか豆乳とか、n-6系の脂肪酸が多いので、健康にいいと思いこんで食っていると……どうなんでしょね。
 では動物性の油脂のほうがいいのかというと、今回の発表には含まれていない。含みとしては、ええんでないのというのはある。しかし、今回の方向がどうニュースになったかというと、だから、西洋人、魚食えよ、ジャパニーズ寿司食えよ、という展開になっていそうだ。”Eating the right kinds of Fat can reduce risk for Depression and Inflammation”(参照)とか寿司の写真が掲載されているし。

Eating a diet with more omega-3 includes certain types of fish, such as salmon, trout. You can also get smaller amounts in white tuna fish. Because of potential mercury poisoning you should eat up to two servings each week. If you are pregnant you should ask your doctor first, and if you have children ask your pediatrician.
(n-3系脂肪酸を多くとるための食生活には、サーモンやトラウトなどの魚が含まれる。少量ではあるがマグロからも摂取できる。というのは、水銀中毒のおそれがあるため、週二皿以内に抑えるべきだからだ。あなたが妊娠中なら医者に相談し、子供がいるなら小児科と相談しなさい。)

 というわけで、魚はいいけどマグロなど水銀を多く含むのはだめよ、と。
 じゃ、どうしたらいいのか。欧米の報道では、植物油でも、正確にいうと、全植物油がダメというわけではなく亜麻仁油はよいとかいう話になっていく。
 なので、日本でもマジで亜麻仁油が健康食品とかで売られるようになって、びつくーりなのだが、日本の場合は荏胡麻油でしょ。
 とま、この手の話はこのくらいで、ふーん、てなリアクションがよろしいようで。

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コメント

「水銀中毒のおそれがあるため、週二皿以内に抑えるべきである」ではないでしょうか。
米国人の場合、油の種類のバランスより、その絶対量が多いんじゃないかと考えちゃいますね。

投稿: ume-y | 2007.04.18 13:59

ume-yさん、ご指摘ありがとうございました。ご指摘を反映しました。

投稿: finalvent | 2007.04.18 15:14

岡田斗司夫の提案する「レコーディング・ダイエット」が興味深い。脂肪酸の量も計算してこの方法にデータを追加して、多くのブロガーが実践公開、統計的手法でサンプリングデータを誰かが出したりすると、医者を説得することができそうだ。ちなみに最近の彼の食事だと、アトキンスに近くなっているといっていいかもしれない。行き詰まる可能性を感じたのと、極東ブログのエントリーにあるように、欝的傾向がはじまるだろうか?

投稿: えっと | 2007.04.18 15:28

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