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2007.03.06

バイラルアドってマジっすか

 昨日の日経新聞のニュースにバイラルアドの参入とニフティが運営するブログの関連の話があり、え?それってマジっすか、ニフティが運営するブログってここの、ココログだよね、とちょっと引いた。詳細がわからないまま、ぼけっと一日が過ぎてもなんとなく気になるのでメモ書き程度だけど書いておこう。
 まず、バイラルアドって何よ?だが、この手の用語ならたいていはある、はてなキーワードにもなさげ。ぐぐっても「インターネットが持つ伝達スピードを利用して企業の商品やサービスに関する広告を消費者による口コミで広がることを目的としたマーケティング手法」と、なんですかぁ?みたいなものしか出てこない。
 これって、まずもって、viral advertising の略でしょと推測するのだがなぜか解説がなさげに見えるのは、直訳して「ウイルス広告」とされるのがまじーと思われているからだろうか。でも、これはウイルス広告である。ウイルスのようにインターネットを使って人々に感染していくように広まる広告ということだ。というあたりで、そうだウィキペディアにはあるかもと引いてみると、あった(参照)。


Viral marketing and viral advertising refer to marketing techniques that use pre-existing social networks to produce increases in brand awareness, through self-replicating viral processes, analogous to the spread of pathological and computer viruses. It can often be word-of-mouth delivered and enhanced online; it can harness the network effect of the Internet and can be very useful in reaching a large number of people rapidly.

 つまり、ミクシみたいな既存SNSで感染するというのが一義的なイメージのようだ(そのわりにはミクシがそのように活用されているふうでもないな)。word-of-mouthともあるが、そういえば、日本語的には「クチコミ」っていうのに近いのだろう。

Viral marketing sometimes refers to Internet-based stealth marketing campaigns, including the use of blogs, seemingly amateur web sites, and other forms of astroturfing, designed to create word of mouth for a new product or service.

 ステルス・マーケティングとも言われるとあるが、敵からは見えないように広める広告でもあり、ここではブログも使われるよとある。ということころで、バイラルアドはブログにも関連している。
 話を戻して、昨日の日経新聞の記事だが、ネットを探すと”クチコミで広げるネット広告「バイラルアド」参入相次ぐ”(参照)がそれだ。が、これだと、動画CM配信っぽいのがバイラルアドのようでもある。

ユニークな動画広告をネットに掲載、個人のブログ(日記風の簡易型ホームページ)へ簡単に転載できるようにする。

 別に動画と限らないと思うのだが。で、問題の核心だが。

 ニフティが500万以上のブログサイトの書き込み内容を分析して、広告主のファンや影響力が強い人を抽出。ロカリサーチがその人たちに広告掲載を依頼し、紹介記事を自由に書いてもらう。視聴回数などを測定し、広告掲載前後で広告主への評判がどう変化したかも報告する。料金は1カ月間に10万回視聴で500万円程度が目安。2―3年後には20億円以上の事業に育てる。

cover
口コミ2.0
正直マーケティング
のすすめ
 というわけで、このココログの運営をやっているニフティがブログを広告媒体として、つまりファームのように見なして、ビジネスをしようということなのか。気になったのは、「広告主のファンや影響力が強い人を抽出」ということであり、それに選ばれてウイルス広告を掲載すると広告料がゲットできる、ということだ、ウッシッシ(死語)。広告の影響力だが、一か月間で一〇万回というなら、ちょっと有名ブログサイトでクリアできそうでもある。ほいで五〇〇万円、いや、その何割かが入るとする。仮に一〇パーセントだと月五〇万円、ちょっとブログに転職しようかなくらいになる。そーいくもんかいなたこかいな。
 二つ気になったのだ。一つは、これっていわゆる無料ブログが対象なのだろうか。ちなみに、このブログは私がココログにお金を払って運営しているのであって無料ではないです。もう一つは、その広告媒体に例えばこのブログが選ばれるか? 前者については、よく考えると別に無料ブログだろうが有料だろうがあまり関係ないか。後者については、どうなんだろ。べたに言って、どのくらいの金銭インセンティブで資本主義に魂を売り渡すのか……オレ。いや、冗談。
 けっこうマジで考えたのは、仮にこのブログにバイラルアドが付くとして、その場合、私はエントリをどのように書いたらいいのだろう、ということ。私の率直な印象だが、「これは広告貰って書いたエントリです。松山猛が偉そうに文春に書いているあれみたいなもんす」とか前書きというかコーションを入れるしかないだろうなと思う。
 で、そんなもの読みますか? つまり、広告が意図で書かれたエントリ。
 それ以前に、そう言明(これは広告エントリだよーん言明)したらステルス・マーケティングにはならないわけだ。つうことは、もし効果的にやるなら、finalventさんブランドみたいので閲覧者を騙すしかないということになる。いや、それはちょっと、や・だ・な。(っていうか、無理だろ。)
 現実問題として、そんなオファーは来てないし、来るとも思えないので、悩むほどの問題でもないかもしれないが、が、というのは、そういうステルス・マーケティングのブログというのは増えるだろうし、そういうブログの場合は、ブロガー自体の人気がブランドにならざるを得ないのだろう。
 そんなブログが興隆するだろうか? 
 特定の分野にならないわけもないか。
 ところで、このロカリサーチってどんな会社かと思って調べてみて、ちとびっくり。というのは、”ロカリサーチ | 会社概要”(参照)を見たら、「代表取締役 伊藤直也」ですてばさ。えええぇっ!
 いや世の中そーゆーことになっていたのかとさらに調べたら、ロカリサーチの代表取締役さんは”DIGITAL HOLLYWOOD PARTNERS / フォーラムの詳細”(参照)にお写真があり。

インターネットコンテンツ企画会社にて勤務後、2003年より、慶応義塾大学SFC研究所訪問所員として、メディア報道・インターネット掲示板における企業・商品へのジャーナリスト・消費者の評価を定量的・定性的側面から研究。

 だそうで、あれ?
 私が当初思ったこのかたは、切込隊長BLOG(ブログ)エントリ” - 本当に技術が必要とされる現場にgeekがいない”(参照)の。

伊藤直也氏というと、顔はゴツいけど著名で実力のあるネット技術者であり、彼をDISりに来た人がDISる前に「あー、どうせ俺もうだつの上がらないIT技術者ですよ」とか萎えてしまうほどの力量の持ち主である。

 はてなキーワード”伊藤直也とは ”(参照)を見ても別人っぽい。

ニフティ株式会社を経て平成16年9月株式会社はてな入社。青山学院大学物理学修士。

 別人のようだ。んなことは業界では当たり前でしょうし、ご本人の名刺交換などもお済みかと、「はじめまして、伊藤直也です、はじめまして、こちらこそ、伊藤直也です」てな。

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コメント

バイラルマーケティングという名称では結構前から出回っていたものかと思います。
しかも極端に下品だったりグロだったりブラックな動画で客引きをするものとしてテレ東のWBSで紹介されていたような。うろ覚えですが。

広告の不愉快さは影響力の非対称性にあると思います。ユーザーがシャットアウトして関与しないか出稿者に電気ショックを加える手段を用意すればよろしいかと。

投稿: papepo | 2007.03.06 18:23

どうも聞き覚えがあると思ったら、「バイラルマーケティング」ですね。はてなキーワードにもありました。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%83o%83C%83%89%83%8B%83%7D%81%5B%83P%83e%83B%83%93%83O
e-Wordsの方が詳しいですな。
http://e-words.jp/w/E38390E382A4E383A9E383ABE3839EE383BCE382B1E38386E382A3E383B3E382B0.html

手を出すと、ばれたときに、これまで書いてきたことが全て台無しになってしまうので、リスクは高いですね。
あんまり蓄積のないブロガーなら失う物も少ないですが、それでは効果も少ないし。
儲かるビジネスとは思えないんですけど。

投稿: ume-y | 2007.03.06 19:40

ume-yさん、こんには。補足ありがとうございます。ちと、調べたりずでした。

投稿: finalvent | 2007.03.06 20:07

以下が詳しいかもしれない。

* Life is beautiful: Viral Marketing
http://satoshi.blogs.com/life/2005/05/viral_marketing.html

古典的なViral Marketingの一手法として、新発売の携帯電話を持たせて山手線で一日中使わせるというバイトがあるそうだ。

見た人の購入率が上る。

例えば、100名にプレゼントとかも実はViral Marketingの一手法といえる。
テレビ番組でのゲームの景品にするなども原始的な意味ではViral Marketingではありうる。

AmazonだってViral Marketingですよ。
本質的には利用者に書いたらお金をあげる、というそういう手法が主眼かもしれない。

投稿: 悪役 | 2007.03.06 20:33

こういうのだったらお手本となる大先輩
「ほぼ日」がいるじゃないですか。

投稿: aaa | 2007.03.06 23:12

>finalventさんブランドみたいので閲覧者を騙すしかないということになる。

ちょっと違うなあ。まるで新聞読んでうなづいてる親父みたいな記事だなこりゃ。
いまネットでやられてるバイラルって何も「お金あげてこっそり提灯記事かいて
もらう」みたいなことだけでもないのよ。
●カリサーチとかがやってるのは、そんなところだけどな。
面白動画サイトにお金あげて、人気動画とか言って実は宣伝動画をはらせるとか。
(ちなみに当たり前だけど、はてなの人とは別人だよ)

ちょっと前だと、ひろゆきがニコニコ動画を使って2ちゃんねる閉鎖のについて
インタビューとかやってたけど、あれなんかもバイラルと言えるかな。
客寄せパンダのひろゆきが無意味なインタビューに答えることで、はてブされる。
気付けばひろゆきのインタビューなんぞどうでもよく、最初の狙い通り、
ニコニコ動画の宣伝になってるっていう構図。
ウェブサービスの広め方として理想的なんじゃないの。

はてブなんかにも明らかにバイラル目的であがる記事が増えてきてるね。
ちょっと前にも、ボブとか言うおっさんがお絵書きしてた動画とかあっただろ。
Youtube -> ニコニコ - > はてブの人気エントリーときて、
その5日後にくらいにmycomでそのおっさんのお絵書きDVD発売決定とかやってたんだけどね。どのくらいの人が気付いてたか知らないけど。

↓人気エントリの並び順、日付に注目。(Amazon -> Mycom -> niconico -> Youtube。この間約一週間。)

はてなブックマーク - タグ ボブの絵画教室
http://b.hatena.ne.jp/t/%E3%83%9C%E3%83%96%E3%81%AE%E7%B5%B5%E7%94%BB%E6%95%99%E5%AE%A4


ま、どっちにしても世相に疎いおっさんには無関係な話だから、危機感抱くほどのことでもないよ。

投稿: PPP | 2007.03.07 02:38

↓2月19日に人気エントリー (二つとも100ブクマ以上)
なつみかん。 | ニコニコ動画で見る「ボブの絵画教室」が面白すぎる
http://tangerine.sweetstyle.jp/?eid=645384

なつみかん。 | ニコニコ動画で見る「ボブの絵画教室」が面白すぎる
http://tangerine.sweetstyle.jp/?eid=645384

↓2月20日にタイミング良くDVD発売の記事
あの超絶テクとアフロにまた会える! 「ボブの絵画教室」がDVDで帰ってきた
http://journal.mycom.co.jp/news/2007/02/20/003.html

↓の発売日が2007/3/23
Amazon.co.jp: ボブ・ロス THE JOY OF PAINTING1DVD-BOX: DVD: ボブ・ロス
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000M7FT34

ニコニコ動画で参照されてる「ボブの絵画教室」の
元映像をYoutubeにアップしたお方のアカウント作成日が、

baylagoon Joined: February 02 2007

YouTube - Broadcast Yourself.
http://www.youtube.com/profile?user=baylagoon

それでが「ボブの絵画教室」神秘的な山 1/3がアップされたのが

February 10, 2007

YouTube - 「ボブの絵画教室」神秘的な山 1/3
http://www.youtube.com/watch?v=5RfU3-a9e5A


まとめてみようか。

2月10日
「ボブの絵画教室」がYoutubeにアップされる

2月16日
「ボブの絵画教室」がニコニコ動画にシードされる(はてブの日付から)

2月19日
なつみかん。 | ニコニコ動画で見る「ボブの絵画教室」が面白すぎる
http://tangerine.sweetstyle.jp/?eid=645384
が100ブクマ以上で人気エントリー入り

2月20日
mycom : あの超絶テクとアフロにまた会える! 「ボブの絵画教室」がDVDで帰ってきた
http://journal.mycom.co.jp/news/2007/02/20/003.html

3月27日
Amazon.co.jp: ボブ・ロス THE JOY OF PAINTING1DVD-BOX: DVD: ボブ・ロス
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000M7FT34

投稿: PPP | 2007.03.07 02:56

Youtube見てブログを読む層が果たしてボブの絵画教室DVDを買うかどうかだけど。
ちょい前まではビスタ。今ならセカンドライフが熱いんじゃないでしょうか。
ただ、結論としては「駄目なものはナニやっても駄目」てな話ですね。皮肉にもマーケ屋が流行り物にぶら下がっている、というのが実態じゃないですか。

投稿: cyberbob:-) | 2007.03.07 09:12

日本の口コミ(WOM)の流れはこの辺みたいです。

湯川鶴章のIT潮流 powered by ココログ: 口コミを起こしてテレビでトドメ-WOMCOM吉田賢氏
http://it.blog-jiji.com/0001/2007/01/womcom_7273.html

口コミの主流は完全に移行した-WOMCOM吉田賢氏
http://it.blog-jiji.com/0001/2007/01/womcom_dd29.html

(※「広告業界」って感じの人のしゃべりなのでけっこうノイズが多いです)


そんで、ガ島さんも乗っかろうかなぁ、と
http://d.hatena.ne.jp/gatonews/20070302/1172795141

それ系のノリノリな話はちょうど渡辺千賀さんのほうで出てましたね
http://www.chikawatanabe.com/blog/2007/03/post_2.html

投稿: m_um_u | 2007.03.07 09:31

ひとつ少数意見として上げさせてもらうと、
広告は広告として独立したデザインの為、項の装丁に雑味が出ると感じることもありますから、
そういう点からも好まれないことがあるかもしれません。

動画サイトだと画の固定イメージが付きづらいから気になりませんけど、日記には添わないのでは。
色味が足りなくてシンメトリーが取れてることもままありますけど。

以上、少数意見でした。

投稿: 夢応の鯉魚 | 2007.03.08 13:03

最近のバイラル成功例はこれかと思います。

http://www.axeeffect.jp/news/index.html

はてなブックマーク - THE AXE EFFECT -THE AXE NEWS-
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://www.axeeffect.jp/news/index.html

投稿: 名の氏 | 2007.03.08 14:22

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